白州町の民俗

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〔若水汲み〕(「白州の民俗」正月行事 昭和52年 東洋大学民俗研究会編)

一月一日
ほとんどのブラクでは、この日の早朝(早くて一時、遅くとも五時頃)に主に女の人がオケやヒシャクを持って川・井戸へ行き水を汲んでくる。その水で茶を沸かしたり、雑煮を作ったりした。現在は水道がひかれているので、行う家は少ない。
《台ケ原》
台ケ原では、女の人が裏の用水に水を汲みに行った。四〇年くらい前まで行っていた。
《前沢》
前沢では、若主人が行う家もある。
《竹宇》
竹宇では、嫁が用水に行き、バケツで水を汲んでくる。以前は朝日が昇らないうちに若水を汲んだ方が良いと言われ、水で顔を拭いてから朝日に向かい「ニホンロクジュウヨシュウノカミサマ、コトシモヨロシクオネガイシマス(日本六十余州)」と唱えた。また、主人がセギで水を汲み、神棚に供えたりもした。
《松原》
松原では、二〇年くらい前まで行っていた。
《荒田》
荒田では、主人が鉄瓶を持って川に行き、流れに沿って水を汲んだ。その水で茶を沸かして神棚に供え、余った水は捨てた。井戸のある家では、まず顔を洗い、それから水を汲んだ。この水は初水とも言われ、湯のみに入れて歳神棚に供えたりもする。また、アキの方に向かって水を汲むと、その年はアンに暮らせると言われた。
《鳥原》
鳥原では、現在は主人がコツプで井戸水を汲み、塩を盛った小皿と一緒に供える。
《下教来石》
下教来石では、以前は前日に若木を伐っておき、それを小さく切って燃やして茶を沸かし、神棚に供えた。
《大武川》
大武川では、一日〜三日までの毎朝、家の前の小川から水を汲み、茶を沸かして神棚に供える。また、一升桝に米を入れて水を汲む家もある。

〔年取り〕(「白州の民俗」正月行事 昭和52年 東洋大学民俗研究会編)

一二月三一日

オモセ・オモッセ・オトシトリと呼び、ほとんどの家では尾頭付きの魚や御飯・年越しソバを食べる。また、女は正月にそこらへ手を出してはいけないとされているため、この日は夜中の二時頃まで正月の準備をした。早く寝れば自髪が生えるとか、オモッセの火を消してはいけないなどと言われ、昔話などをして遅くまで起きていたりもした。
《白須下》
白須下では、この日をオモッセノセックとも言い、神棚に御飯付きの魚・御飯・御神酒を供える。また、御飯を多く食べないと翌年は計画どおりにいかないと言われる。翌年嫁に来る娘を呼んで、一緒に食べたりもした。
《竹宇》
竹宇では、農具や牛馬も一緒に年を取るとされ、農具をきれいに洗ったり、松や団子などを供える。
《松原》
松原でも、農具にはオスワリを供え、牛馬には主人の使用した茶碗に御飯を盛り、汁をかけてあたえた。この晩は、奇数の具(カマボコ・ニンジン・アゲなど)を入れた吸い物を食べる。正月準備としては、煮しめ・田作り・おせち料理・煮豆.ゴボウなどの煮物を作る。また、近隣の者が集まってイロリを囲み、木の根を燃して遅くまで起きていた。
《荒田》
荒田では、オセチノゴハンと称し、正月三日分として御飯をたくさん炊いた。三ケ日で食べ尽くすと縁起が良いとされ、現在も行っている家がある。この日は夜の六時頃に御飯を食べ、翌年の早朝三〜四時頃にソバを食べる。馬にも茶碗に御飯を盛ってあたえる。また、ニンジン・ゴボウ・ダイコン・アグ・コンブ・チクワ・コンニャク・豆腐など一〇種ほど入れたケンチャン(ケンチン)汁を作り、そのダシで正月に雑煮を作る。仏さんにはオミタマモリと言って、ネコワシのオヤ碗に御飯を山盛りに盛って、それに箸を二膳添えて供えた。これを供えれば正月三ケ日は供え物をしなくとも良いとか、一年中食べ物に困らないと言われた。
《鳥原》
鳥原でも、白米の御飯を早めに多く(三臼分)炊き、仏さんに山盛りにして供える。
《下教来石》
下教来石では、五升鍋でケンチン汁を作り、正月には食べる分だけ小出しにして食べる。
《上教来石》
上教来石では、カナマスムシ(茶碗蒸し)も作る。
《山口》
山口では、この晩に家で御飯を食べない者は、翌年の一年間は役にたたないと言われる。
《大武川》
大武川では、歳神さん・疱瘡神さんに重箱に野菜の煮物をのせた御飯を盛り、それを膳にのせて供える。他の神さんには皿で御飯を供える。仏さんには、小さ次黒塗りの覧箱に御飯を山盛りに盛って供える。これを供えれば、七日の朝まで供え物をしなくとも良いと言われる。また、この日は息をしているもの(家畜など)には野菜をたくさん人れ、醤油で味をつけた汁をあたえる。

〔門松〕(「白州の民俗」昭和52年 東洋大学民俗研究会編)

一ニ月二八日・三〇日
《菅原・鳳来地区》
菅原・鳳来地区のほとんどの家では、個人山・松林・川などから松を伐ってくる。二九日に取る松をクンチマツ・三一日に取る松をイチヤマツと言って避ける。
松は三階松や、金が生ると言って松笠の多くついているものが好まれる。オシノメをつけた一番大きな松は玄関・神棚の両側に、その他の小さな松はイエジン・歳神棚三宝荒神さん・秋葉さん・カワバタ・井戸・蔵・風呂場・便所・蚕室などに飾る。一月七日・二〇日に取り去る。現在は、門松の絵を印刷した札を人り口に貼って済ます案もある。
《台ケ原》
台ケ原では、一二月二四日・二七日・二九日に松を飾ってはいけないと言われる。松は仏壇・大黒さん・水神さんにも一本ずつ飾る。
《白須下》
白須下では、松の下の方の皮を五〜六センチほど剥ぎ、歳紳棚の四ツ角に飾る。
《前沢・荒田》
前沢・荒田では、以前は庭に門松を飾った。前沢では、松林から太さ四セソチ・長さ一メートルほどの松を根本から伐ってきて枝を削り、棒にして庭の真ん中に立て、注連縄を張った。
《竹宇》
竹宇では、門松の根本にマキを置いたりもする。また、火の神さんに飾った松は一年中飾っておき、翌年取り替える。
《松原》
松原では、長さ一メートルほどの一番大きな松は、先端にオシンメをつけて玄関に一対飾り、七〇〜八○センチほどの松は、同じようにオシンメをつけて歳神棚・仏壇・蔵・井戸・火の神さん・屋敷神などに飾る。また、門松の根本はカマで皮を剥ぐ。このことをアシアライと言う。
《荒田》
荒田でも、門松の根太を剥いで飾る。また、軒から一間離れたところに長さ三尺ほどの松を杭にさし、五尺ほど間隔をおいて二本立てる。それにオシンメを一二(閏年には一三)さげた注連縄を張った。明治四○年頃まで行っていた。また、米俵を四斗積み、それに松をさし、コクヤサン(穀屋)が買いに来るまで飾っておいた。

〔注連縄(しめなわ・オシンメ)〕(「白州の民俗」昭和52年 東洋大学民俗研究会編)

一二月二八目・三〇日
《菅原・鳳来地区》
菅原・鳳来地区のほとんどの家では、この日にワラ(藁)をなって注連縄を作る。注連縄にはオシンメを一二(閨年には一三)さげ、歳神棚に飾る。
《台ケ原・白須下・白須上・前沢・大武川》
台ケ原・白須下・白須上・前沢・大武川では、主に男の人が左ないの注連縄を作り、その日のうちに飾る。
《白須上》
白須上では、二〇〜三〇年くらい前まで行っていたが、現在は買ってくる。
《前沢・荒田》
前沢・荒田では、秋の取り入れのときに青い良いワラをとっておき、それで縄をなう(綯う)。
《大武川》
大武川では、注連縄に赤いオシンメを六つと白いオシンメを一二さげて歳神棚に飾る。
《竹宇・松原・下教来石》
竹宇・松原・下教来石では、右ないの注連縄を作る。水神さん・井戸・カワバタ・蔵・便所などにも飾る。
《松原》
松原では、オシンメを三つさげた注連縄を三宝荒神さんに飾る。

〔歳神棚〕(「白州の民俗」昭和52年 東洋大学民俗研究会編)

一二月二八日・三〇日
《菅原・鳳来地区》
菅原・鳳来地区のほとんどの家では、ショウガツサン・タナガミ、サン・トシガミサマ・シヨウガツダナと呼ばれる棚を作る。棚には松飾り・オスワリ・オシンメを一二さげた注連縄・ミカン・ツルシガキなどを飾る。また、子供が持って来た書き初めなどもさげた。
《台ケ原》
台ケ原では、床の間に長さ六尺・幅一〜二尺の板を吊る。両端には松を飾り、板の上には竹に
紙をつけて作った御神体や燈明・線香・オスワリなどをのせる。一二のオシソメをさげ、その間に二∫三本のワラをさげた注連縄も張る。また、棚の手前側の両側には魚をさげた。
《竹宇》
竹宇では、神棚のそばやナカノマに棚をつる。棚にはジュウゼンサンや一升オスワリを供える。また、ツルシガキやミカンを二つ糸に通し、コンブで止めたものを両側に飾ったりもする。
《松原》
松原では、主人が餅搗きの合い間にイドコなどに長さニメートル・幅三〇センチほどの板をアラナワ(荒縄)、または木で吊し、南か東向きの棚を作る。棚にはオスワリの他に海・山の幸(コンブや野菜類)を供える。荒神さんの三段重ねのオスワリを供えたりもする。また、コロガキを五つずつ縄で吊したものを飾る。
書き初めは、子供同士で交換し合って持って来る。多い家では五〇枚くらいさげた。子供にはお駄賃をやる。これは三年くらい前まで行われていた。
《荒田》
荒田では、年男、または主人がイドコに六尺ほどの板を南か東向きに縄でつった棚を作る。棚には、ナンテン(南天)の葉と榊を添え、瀬戸物の入れものにさして両側に飾る。天王さんのお札も置く。また、コンブ・ミカンを糸で通したものを奇数だけさげる。この棚は一月七日・二〇日の送り正月のとき片づける。板は毎年同じものを使い、その他のものはひとまとめにし、辰已の方の木に縛る。供え物は食べ、縄は燃した。
《鳥原》
烏原でも、キワラ(打ってないワラ・生藁)二本で長さ一・五メートル・幅三〇センチほどの板を居間に吊し、壁側のワラに注連縄を張る。手前側の両端には松を飾る。
《大武川》
大武川では、新しいワラで三0〜三五センチの板をイドコにつり、赤いオシンメを六つと白いオシソメを一二さげた注連縄を張る。棚の上には、オスワリを白い紙にのせて供える。また、オマルメ(団子)を三つと小判型のオマルメを三つ供えたりもした。板は毎年新しいものを使用する。

〔餅つき〕(「白州の民俗」昭和52年 東洋大学民俗研究会編)
十二月二八日・三〇日
菅原・鳳来地区のほとんどの家では、この日に餅をつく。二九日をクンチモチ・三一日をイチヤモチと言ってつかない。オスワリ(供え餅〕は二段重ねであリ、一番大きなオスワリは床の間・歳神棚に供える。小さなオスワリは便所・蔵・台所・イェジソ・仏壇に供える。
《台ケ原》
台ケ原では、以前は一二月二〇日頃から三回ほど餅搗(つ)きをした。主人が早朝三時頃から搗き始め、タ方までかかって四斗ほど搗く。オスワリは水神・蔵・便所・火の神・イェジソ・厩などに供える。また、荒神さんには三段重ねのオスワリを供える。
《白須下》
白須下では、三〇年くらい前までは一人が一ウス搗き、六〜八升ほど搗いたが、現在はその半分ほどである。一番大きな一升餅は床の間へ、小さなオスワリは神棚・井戸・便所,などに供える。
《白須上》
白須上で・も、床の問に一升のオスワリを供える。
《前沢》
前沢では、主人が一俵ほど搗く。オスワリ用にはニマス搗き、蔵・物置・蚕室・便所・風呂場・墓地などに供える。
《竹宇》
竹宇では、オスワリ用はニウス(臼)目からとリ、歳神さん・火の神さん・恵比須さん・便所
神などに供える。
《松原》
松原では、一五年くらい前まで早朝二・三時頃から夜までかかって八〜一〇ウスほど搗いた。餅は、冬の問アラレやその他のものにし、間食として食べる。オスワリ用は最初のウスからとリ、直径三〇センチほどの一番大きなオスワリは歳神棚に供える。他の小さなオスワリはカワバタ・井戸・産土神などに供える。年取りの晩には、氏神さんにも一膳持って行く。一〇年くらい前までは、三宝荒神さんに三段重ねの餅を供えた。餅を揚いた後のウスは、湯をかけ、洗ってフタをしておく。また、以前は本家に分家の者が集まって餅搗きをした。
《荒田》
荒田では、手伝いはなく、家の者だけで一.五〜一六ウスほど搗く。また四ウスはいけないときれた。オスワリ用には三升ほど搗き、大きなオスワリは歳神棚・癌瘡神・床の問に一膳ずっ、小さなオスワリは三宝荒神さん・川の神・恵比須さん・仏壇・ドベ・米俵などに一膳ずつ供える。また、笹を敷いたネコワシ(猫足)の膳に一番大きなオスワリをのせ、その上にイタコブ・ダイダイをのせる。そのまわリにゆでたクリを数珠つなぎにして飾り一床の間に供える家もある。
イタコブは喜ぶ、ダイダイは代々めでたく過ごせるように、クリは金の繰りまわしの良いように
と言う意味がある。
また、餅搗きをした後のウスはフタをしておく。ウスは家内を表わし、ふせると良くないとされた。
《鳥原》
鳥原では、夫婦で夜中の二時頃から夜の七時頃までに一俵ほど搗く。ニキロほどある一番大きなオスワリは、神棚に供える。また、子分は三〇日までに親分宅にオスワリと荒巻サケを一匹持って行き、親分側ではその金額の半分を返した。四〇年くらい前まで行っていた。
《下教来石・上教来石》
下教来石・上教来石では、だいたい一人一ウスは搗く。また、下教来石では、オスワリ用は最後のウスから、上教来石では、それを最初のウスからとる。大武川では、以前は七〜八ウス搗いたが、現在は四ウスほど搗く。オスワリには二、三ウスほど使い、一番大きなオスワリは床の間に、その他神棚に二膳、仏壇・家畜の小屋などに供える。

〔トシオソナエ・年お供え〕
一二月二八日・三〇日

《白須上・竹宇・荒田・下教来石》
餅搗きのとき、白須上・竹宇・荒田・下教来石では、家族の人数分のオスワリを作り、神棚に供える。下教来石では、このオスワリをその年の干支の人だけが食べて良いとされた。
《白須下・白須上・前沢・竹宇・松原》
また、白須下・白須上・前沢・竹宇・松原では、一二のオスワリ(閏年には一三)を作り歳神棚に供える。
《竹宇》
竹宇では、このオスワリをジュウニゼンサンと呼ぶ。
《松原》
松原では、トシゾナエ・ジュウニゼンサンと呼び、歳神棚の大きなオスワリの横に並べて供える。
《荒田》
荒田では、ツキノオソナエと呼び一二ケ月滞リなく過ごせるようにと、一二のオスワリと家族の人数分のオスワリを笹を敷いたヒロブタ(赤い漆の塗リ物)の盆にのせ、ツルシガキ(吊るし柿)を添える。カキは良き事をかきとるという意味で飾る。
《大武川》
大武川では、低い膳に重ねてないオスワリをのせ、その周囲に一二の小さなオスワリを飾る。これは、オタイヨウサマノカズであると言う。

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