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漱石の青春小説!!
Stray Sheep 美禰子の魅力にクラクラ
・・・夏目漱石『三四郎』:朗読テープ
三四郎というと、柔道の姿三四郎を連想するアナタ、そうじゃ、ありませんよぉ〜。
これは、のっけから、熊本からの上京の列車でたまたま一緒になったご婦人と宿の同部屋にとまることになってしまうという、なんとも色っぽい話で始まる漱石の青春小説です。
そこには時代を越えた青春の輝き、ときめきに満ち溢れている。
そしてこの爽やかな小説を、まさに爽やかに読み進めてくれるは、前回紹介した『吾輩は猫である』と同じく峰恵研。ちょっととぼけた感じもあって、ピッタリ。
出版会社も同じく、東京AVセンター。
勿論、全文朗読の快挙!!
三四郎は、東京の大学に入学し律儀に講義を聞いていたが、どうも物足りない。・・・明治の昔から同じだったんですねぇ、大学の講義って。
結局、町中を散策してまわるようになる。そんな折に出会ったのが、都会の女、美禰子。
二人が東大の三四郎池で出会う場面、病院で再会する場面、先生の引越しを手伝って仲良くなる場面、団子坂の菊人形見学の人ごみの中から逃げ出す場面、等、キラキラした青春の輝きに溢れている。
私、バカですから、その雰囲気に触れたくて、わざわざ東大に三四郎池を見に行きました。美禰子はどのあたりにいたんだろうなんて想像しながら・・・小説なのに。
ま、よくある、名作の中に出てくる場面を訪ね歩くという行動なんですがね。
このように淡く儚い恋愛経験を交えながら、新たに開ける思想の世界に興味を得ていく。大学生なら誰しもこういう経験を持つのではないだろうか。
ただ、私の場合は新たに開ける思想の世界に興味を得ていくという姿勢はあまり持てなくて、凡人らしく、新たに開ける遊興の世界にのみ興味を得ていくという姿勢で、遊び呆けていたような気がしますが・・・(汗)
今振り返ってみると、一生のうちで、あの大学入学が決まった瞬間から、最初の夏休みくらいまでほど輝いていた時代は無かったような気がします。受験というプレッシャーから開放されて、眼前には楽しさのみあるという感じでしたからねぇ〜。
まあ、もっとも、日本の場合は大学時代すべてが来るべき社会生活からのモラトリアムみたいで、別世界なんですけれどね。
『それから』『門』と続く漱石3部作のスタートのこの『三四郎』、まだ本当の悩みとは無縁の青春の輝き、そんな感じをふっと思い出させてくれます。
ただ、最後に教会で美禰子のふともらす次の言葉が、来るべき青春の苦悩を暗示しているような・・・
Stray Sheep・・・
では、では。
P.S.勿論、朗読テープがなくても充分楽しめる小説です。当然ですが・・・。
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