迷亭日乗(LIVING 1/2 MODERN )

福岡への引越しもなんとか完了し、神経痛も徐々に良くなりつつあります。福岡の生活は快適ですが引越し荷物が収納しきれず困っています。

よか朗読たい

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漱石の青春小説!!
Stray Sheep 美禰子の魅力にクラクラ
・・・夏目漱石『三四郎』:朗読テープ



三四郎というと、柔道の姿三四郎を連想するアナタ、そうじゃ、ありませんよぉ〜。

これは、のっけから、熊本からの上京の列車でたまたま一緒になったご婦人と宿の同部屋にとまることになってしまうという、なんとも色っぽい話で始まる漱石の青春小説です。

そこには時代を越えた青春の輝き、ときめきに満ち溢れている。
そしてこの爽やかな小説を、まさに爽やかに読み進めてくれるは、前回紹介した『吾輩は猫である』と同じく峰恵研。ちょっととぼけた感じもあって、ピッタリ。

出版会社も同じく、東京AVセンター。
勿論、全文朗読の快挙!!

三四郎は、東京の大学に入学し律儀に講義を聞いていたが、どうも物足りない。・・・明治の昔から同じだったんですねぇ、大学の講義って。

結局、町中を散策してまわるようになる。そんな折に出会ったのが、都会の女、美禰子。

二人が東大の三四郎池で出会う場面、病院で再会する場面、先生の引越しを手伝って仲良くなる場面、団子坂の菊人形見学の人ごみの中から逃げ出す場面、等、キラキラした青春の輝きに溢れている。

私、バカですから、その雰囲気に触れたくて、わざわざ東大に三四郎池を見に行きました。美禰子はどのあたりにいたんだろうなんて想像しながら・・・小説なのに。
ま、よくある、名作の中に出てくる場面を訪ね歩くという行動なんですがね。

このように淡く儚い恋愛経験を交えながら、新たに開ける思想の世界に興味を得ていく。大学生なら誰しもこういう経験を持つのではないだろうか。

ただ、私の場合は新たに開ける思想の世界に興味を得ていくという姿勢はあまり持てなくて、凡人らしく、新たに開ける遊興の世界にのみ興味を得ていくという姿勢で、遊び呆けていたような気がしますが・・・(汗)

今振り返ってみると、一生のうちで、あの大学入学が決まった瞬間から、最初の夏休みくらいまでほど輝いていた時代は無かったような気がします。受験というプレッシャーから開放されて、眼前には楽しさのみあるという感じでしたからねぇ〜。

まあ、もっとも、日本の場合は大学時代すべてが来るべき社会生活からのモラトリアムみたいで、別世界なんですけれどね。

『それから』『門』と続く漱石3部作のスタートのこの『三四郎』、まだ本当の悩みとは無縁の青春の輝き、そんな感じをふっと思い出させてくれます。

ただ、最後に教会で美禰子のふともらす次の言葉が、来るべき青春の苦悩を暗示しているような・・・

Stray Sheep・・・


では、では。



P.S.勿論、朗読テープがなくても充分楽しめる小説です。当然ですが・・・。

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朗読にもこんな凄いのがあった!!まるで落語のやうな
・・・『我輩は猫である』:朗読テープ



夏目漱石『我輩は猫である』。
誰もが知っている。が、読んだことがある人、しかも最後まで全部となると、これはかなり少なくなるのではないでしょうか?

現に、この私もほんの7〜8年前までは読んだことがなかった。

こんな私が読んでみようと思うようになったのは、自分の好きな作家またはコラムニスト(例えば、久世光彦、出久根達郎、中野翠)が何かと、夏目漱石の話題の中で、この猫をとりあげていたことの要因が大きいのはいうまでもないことだが、それでも実は敷居は高かった。

そんな、高い敷居をポンと飛び越えさせてくれたのが、この朗読テープ。
一口に朗読といっても、同じ作品でも読み手によって印象が随分と変る。
これは、クラシック音楽における奏者による作品イメージの変容よりももっと分かり易い。

その点、私のお勧めなのが東京AVセンターという会社のもの。基本的に、抜粋とかでなく全文朗読である。なんといっても、この全文というのが凄い。

この会社、他の作家のものも多数出していますが、全て全文朗読。しかも、明治大正文学好きには垂涎ものの作品が目白押しという、有難くてつい手を合わせてしまいたくなるような、たまらん会社です。

図書館に納入されていることが多い。何やら怪しげな会社名だが、決してアダルトビデオではありません。

読み手は主として、劇団のあまり有名ではなさそうな団員(もしかしたら有名?)を起用しているようだが、これがなかなかいい。

これは峰恵研という人だが、ユーモラスな語り口が『我輩は猫である』の持ち味をとても上手く引き出している。

カセットテープに何と驚きの12本、延々17時間近くに及ぶ超大作。これは、朗読としてはかなりの大作なのではないだろうか?

よい文章は、よい音楽と同じで何度繰り返し聴いても、心地よい感じを与えてくれる。
『草枕』ほど格調を追求した文章ではないが、それでも、なんといっても、漱石の作家としてのスタートともなった超名作である。格調の中にも軽さが、軽さの中にも格調がある。

気持ちのよい言葉のリズムについウットリとなってしまう。
これは、落語に相通じるところがある。
そう、これは言葉による心のマッサージ。
意味は分からなくても・・・(汗)。

ここは、騙されたと思って、聴いてみてください。
もっとも、近所の図書館にこれが置いてなくちゃダメですけれど・・・。
しかも、カセットテープは媒体として、もう使えないという方もいらっしゃるかもしれませんが・・・って、お勧めするにはちょっと、障害多すぎか!?

少し文学に興味のある人なら、必ずハマリます。
落語の好きな人なら尚更、ハマリます。その落語的要素の多さに驚きますヨ。

泥棒に入られた話とか、大和魂の話とか、寒月君がヴァイオリンを買いに行く話とか、
大好きだなぁ・・・


では、では。



P.S.
ちなみに、私のブログIDの『迷亭茶々』はこの『猫』の中に登場する、何事にもチャチャを入れてくる愛すべき美学者、『迷亭先生』からとっています。・・・オオ、恐れ多い!!(汗)

P.S.のP.S.
ほんとに、この『猫』が大好きで、これも、早稲田の夏目坂にある、漱石山房跡の猫塚を自転車で訪ねて行ったっけなぁ〜。

写真:先日紹介した、復刻本シリーズから『我輩は猫である』の初版本。
・・・シブイでしょう!?・・・袋とじのページをペーパーナイフで切りながら読みます。

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