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今日は、横山秀夫『クライマーズ・ハイ』。 昨年、永遠のNO.1佐藤浩市さん主演(メロメロ)でドラマ化されたため、 原作から読もうと思い、手に取りました。皆様のブログでの評価もかなり高かったので、楽しみです♪ 【あらすじ】 1985年、御巣鷹山に航空機が墜落した。地元紙の記者、悠木和雅が全権デスクに任命される。 彼は未曾有の航空機事故を通じて、報道の意味、腐敗しつつある組織の体質、親子関係など 様々な面から試練に立たされる…。 【ここに感銘!!】 下るために登るんさ――。 安西の言葉は今の耳にある。だが、下りずにすごす人生だって捨てたものではないと思う。 生まれてから死ぬまで懸命に走り続ける。転んでも、傷ついてても、たとえ敗北を喫しようとも、 また立ち上がり走り続ける。人の幸せとは、案外そんな道々出会うものではないだろうか。 クライマーズ・ハイ。一心に上を見上げ、わき目も振らずにただひたすら登り続ける。 そんな一生を送れたらいいと思うようになった。 御巣鷹山は、世界最大の航空機事故を引き受けた。 そして、航空機事故の全権デスクに任命された悠木は、自分にまつわる全てのこと―― 腐敗しつつある組織、部下への態度、報道の真の役割、息子・淳との関係―― を引き受けざるを得なくなった。 人と深く関わることを避け、無味乾燥な毎日を淡々と過ごすことに慣れた彼を、 人生の表舞台に引きずり出したのは、世界最大の航空機事故だった――。 悠木は、戸惑っていた。 航空機事故が起きた場所が、自分が所属する北関東新聞がある群馬県でないことを祈っていた。 彼は、自分にのしかかる責任から逃れたかったのである。しかし、彼の願いは届かなかった。 《墜落現場は群馬県多野郡上野村山中!》 悠木は目を閉じた。
忸怩たる思いが胸を覆い尽くしていた。逃げることだけを考えていた。 長野側であれば五百人死のうが千人死のうがどうでもよかった。 目を開き、テレビ画面の御巣鷹山を見つめた。 山も深く傷ついていた。引き受けたのだ。他のどの山でもなく、 世界最大の事故を、あの御巣鷹山が引き受けたのだ。 眠りから覚めたような思いだった。 それから、悠木の闘いが始まった。 部下が死ぬ思いで報告した現場雑観を、未曾有の事故現場に立った彼らへの嫉妬から握りつぶす上司、 お涙頂戴の記事ばかり載せたがる幹部連中、派閥闘争に明け暮れる組織、 様々なことと闘わなければならなかった。 さらに、自分の家庭や過去とも――。 二度までも後輩記者が書いた記事を握りつぶされた悠木は、 通すべき筋を通せず、権力に屈服するしかなかったことで無力感に冒されていた。 そんな彼にもう一度、日航への情熱を取り戻させたのは、 飛行機事故で夫を失った母子の北関新聞をもらいにきた姿だった。 地元で起こった事故ならば、きっとどこよりも詳しく日航機事故について書かれてあるはずだ と信じて新聞をもらいにきた母子の姿は、悠木の心に新聞作りの芯を植えつけた。 その土地で起こった事故なのだから、その土地にある新聞に一番詳しく載っている。
母親は当たり前のこととしてそう考えていた。 当たり前のこと……。 彼女に教えられた。詳報。まさしくそれこそが地元紙の存在理由なのだ。 そう思い至った翌日からの新聞には、悠木の手や思いが入った。 詳報に全力を注ぐ―。悠木は日航全権デスクの任を本当の意味で引き受けた。 遺族が知りたい正確な情報を載せることを決意した彼は、 事故原因が隔壁であるという北関最大のスクープも打つことができなかった。 新聞報道は誰のためのものか? 「世界」が待っているスクープは遺族が求めているものなのか? 「人の命って、大きい命と小さい命があるんですね。」 という言葉を発する、悠木が自殺に近い事故に追い込んだ部下の従兄妹・彩子。 《私の父や従兄弟の死に泣いてくれなかった人のために、私は泣きません。 たとえそれが、世界最大の悲惨な事故で亡くなった方々のためであっても》 と、末尾に書いた投稿文を悠木に託す。 それは、近しい人を失ったものの悲しみと、北関への悠木への挑戦状だった。 この投稿文を新聞に載せることは、北関の名誉と悠木自身のクビを懸けた危険な賭けだ。 しかし、悠木は同僚や幹部の反対を押し切って載せることを決意する。 果たして悠木の運命は――? 人と闘ってまで自分の行為を押し通すには、エネルギー、つまり自分にとって正しい動機がいる。 その動機が自分の芯に据えられた時、人は権力も人間関係のしらがみも名声も超えることがある。 そして、そんな人間に人はついてゆく。 悠木を動かすのは理論ではない。 彼の行動の原動力となるのは、飛行機事故を引き受けた御巣鷹山だったり、 遺族の涙であったり、命の重さを真摯に訴える少女であったりする。 悠木は、臆病で人との距離感をうまく計れず、無味乾燥な毎日を重ねていた男だ。 家庭内でも息子一人、どうすることもできない男だ。 しかし、彼には大きい悲しみを自分のことのごとく引き受けられる器があった。 その悲しみが大きければ、大きいほど、彼に力を与える。 小さい頃、ひざを抱えて納屋の中で孤独に耐えていた少年は、 人の悲しみを引き受け、それを動機に行為を決められる器を育てていたのだ。 ■おまけ
主人公・悠木は、佐藤浩市にぴったり〜!! 早くDVD録画したドラマが観たいけど、実家に滞在中だから観れない。 早く見たいなあ♪ |
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素朴さんの記事を読んでから、だいぶたってしまいましたがようやく読めましたよ〜。ドラマ、比較的原作に忠実だということで、安心しました。実はこの本を本楽かるたの題材にしようと思っていましたが、素朴さんに先を越されてしまいました〜(笑)しかも、あんな素敵なビルの画像で!今年もどうぞよろしくお願いします♪
2007/1/7(日) 午前 1:36
あ、素朴さん、トラバありがとうございました!!
2007/1/7(日) 午前 1:37
さすが、骨太な作品を1作目に選ばれましたね〜。もちろんミステリです。これでmepoさんにも本楽大学ミステリ学部に入学していただけますね!私、本作はよんだのですが、ドラマは観てないんです。この記事でそっちも見たくなりました。浩市さんは確かにイメージぴったりかも^^;
2007/1/7(日) 午前 1:56
ミステリの裾野の広さは僕にも理解できませんが、これが名作だということは理解できます(笑)。皆さんに薦めておるのですが、この作品が面白かったなら次はぜひ山崎豊子さんの『沈まぬ太陽』に挑戦を。これも名作です。(確か素朴さんの推薦本だったような。。。)それにしても、mepoさんにこれだけ愛される佐藤さんが羨ましいぞ(笑)。
2007/1/7(日) 午前 7:12
マダムホワイト、この本で入学を認めていただけますか!?やった〜!!全くミステリだと思わずに読んだので、棚からぼた餅です(笑)。本楽大学、続々と入学希望者が集まっているようですね。これだから、ブログはやめられませんね〜。それにしても、入学希望者の学力レベルが高すぎるなあ。皆さん、一コマ(一記事)ずつ劣等生にミステリの基礎を講義してくれないかしら?(笑)
2007/1/7(日) 午後 10:23
たいりょうさん、どの本がミステリか区別もついていない私ですが(笑)、↑なんとかマダムホワイトに入学許可をもらいました〜。『沈まぬ太陽』がお勧めなのですね!また楽しみと積ん読が増えるなあ(笑)え〜と、浩市(呼び捨て)は子持ちの30代主婦に追っかけられて、羨ましいというより怖いかも…(爆)
2007/1/7(日) 午後 10:28
おお!一言メッセージに・・・!ありがとうございます!
2007/1/8(月) 午前 3:01
トラバありがとうございました。メポさんの記事を読んで、またあの読書中の興奮がよみがえってきました。そして佐藤浩市への熱い想いもしっかり読ませていただきましたヨ(笑)ドラマ、僕も見ましたが原作に忠実で良い出来でしたね。特に新聞社内の雰囲気など、ドラマを見ることによってより深く理解できた所も多かったです。
2007/1/8(月) 午後 3:57
しろねこさん、勝手に広告してしまいました〜。さすがにしろねこさんのご人徳で、たくさん学生が集まりましたね!楽しみです♪
2007/1/9(火) 午後 11:27
まぁさん、こちらこそトラバありがとうございます!ドラマ、やはりよかったですか。わ〜、楽しみで仕方ありません。しかも、悠木役に浩市(呼び捨て)でしょ、もう涎ものです(←汚くてすみません)確かに新聞社の雰囲気などは、見た目へ訴えるものが大きいでしょうね。また、ドラマを観たら感想を書きたいと思います。
2007/1/9(火) 午後 11:33
小説もドラマもよかったと思います。ただ安西の息子役は「筒井道隆」がいいと思っていたんですけどね^^出版された直後に小説を読んで、息子に「この本を読むと、お父さんと山に登りたくなる!読んで!!」といって渡しました。はい!もちろん父と息子は山登りをしていません^^
2007/1/10(水) 午前 10:38
私はドラマを拝見しました。小説にどこまで忠実なのか判りませんが、第32回放送文化基金賞を受賞したのは十分頷ける傑作かと思います。この小説は私も読んでみたいものの一つです。
2007/1/11(木) 午前 4:48
ちろママさん、安西の息子役は「筒井道隆」がよかったですか?しかし、佐藤浩市と筒井道隆って、雰囲気似てませんか?(笑)あははは〜!!!やはり子どもは親が思った通りには行動してくれませんね〜。私も娘に、たくさん絵本を読んでいるつもりですが、十中八九素通りしてるだろうなと思います(笑)
2007/1/11(木) 午後 9:47
shinyskyさん、ドラマの記事拝見しました!トラバ、ありがとうございます。このドラマは、放送文化基金賞を受けていたのですね。全然知りませんでした。ますます、ドラマ楽しみです♪しかし、録画したものが手元にないのが痛すぎます…。
2007/1/11(木) 午後 9:50
佐藤浩市、かっこよかったですね。男としての生き様、父としての生き様 人間としての生き様、なかなか深かったです。男の人には会社で7人の敵がいるなどと申しますが、こんなに厳しい世界なのかと想像を絶してしまいました。居酒屋さんで先輩と殴り合う所や、友人や自分の息子にたいする父の心境を語るところが印象に残りました。原作もよかったですよね。
2007/2/5(月) 午後 10:18
じーこさん、実はドラマはまだ見ていないんですよ。居酒屋で殴りあうシーンは、原作でも結構印象に残っています。男として、父として、人間として、職業人として、いろんな自分との闘いは読み応え十分でした。やっぱり、佐藤浩市かっこよかったですか!早く見たいよ〜。
2007/2/6(火) 午後 3:26
やっと読みました!様々なテーマが盛り込まれ、かつ臨場感に溢れてどんどん読ませるという、満足の一冊でした!!
2007/2/13(火) 午前 9:23
ぞうの耳さん、悠木のさまざまな面がクローズアップされて、厚みがある物語でしたね。私もこの本は、一気に読んでしまいました。ドラマを見るのが楽しみです♪
2007/2/14(水) 午後 10:51
こんばんは、mepoさん
「クライマーズ・ハイ」、原作は読んでいませんが、ドラマで知り、映画も観ました
映像の一ノ倉沢の衝立の岩壁が懐かしく、つい引き込まれ、次第にその内容にも引き込まれていきました
見応えのあるドラマでしたね
私の父が社会部の記者だったので、なんとなくその臨場感に郷愁さえ感じてしまいました
最後に、息子が打ち込んだハーケンに身を委ねる...様々なことが氷解した瞬間だったと思います
ところでmepoさんは、真保祐一の「ホワイトアウト」は読まれましたか?
こんな書き方は失礼かと思いますが、この作品も責任感、正義感溢れる一人の平凡な職員の壮絶なドラマです
嗜好が違っているのなら、本当に申し訳ないです
ではまた、お邪魔させてもらいます
2012/2/9(木) 午後 11:46 [ neige9 ]
neige9さん、こんばんは。
「クライマーズ・ハイ」は、原作もよかったですが、ドラマも期待を裏切りませんでしたね。それも、佐藤浩市が永遠のNo.1だからかもしれませんが(笑)。脇を固める俳優さんたちも皆素晴らしく、印象に残るドラマになりました。お父さまが社会部の記者とは、それはかなり身近に感じられるドラマだったことでしょうね。
真保祐一さんは、色んなところで薦められるんですよね。「ホワイトアウト」ですか。ぜひ、読んでみたいですね。
2012/2/13(月) 午後 9:28