■■読書のススメ■■

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 今日は、デュマ・フィス「椿姫」(1848年)。バルザック「谷間の百合」スタンダール「赤と黒」を読み、フランス文学の色恋沙汰のパターンを知りたくなりました(笑)。オペラなどで有名なこの物語は、あらすじを知っているにもかかわらず、久しぶりに文学の醍醐味を味わわせてくれました。
【あらすじ】
 美貌の高級娼婦マグリットは、パリの社交界で金持ちの貴族を相手に奔放な日々を送っていた。ある日、青年アルマンと出会い、初めて誠実な愛を知る。マルグリットは享楽的な生活を捨て、パリ近郊の別荘で二人の幸福な生活が始まる。だが、噂を聞いたアルマンの父が駆けつけて……。
(デュマ・フィス「椿姫」光文社古典新訳文庫 裏表紙から引用)
【ここに感銘!!】
誓ってもいいけど、あたしが身を任せたのは、他のどんな男よりあんたがいちばん早かったのよ。そのわけ?それは、あたしが血を吐くのを見て、あんたが手を取ってくれたから。あんたが泣いてくれたから。あたしのことを気の毒に思ってくれた、たったひとりの人間だったからよ。
(デュマ・フィス「椿姫」光文社古典新訳文庫P251〜252)
【感想】
高級娼婦マルグリットは、生き生きとした女性だ。

身体にちゃんと命が灯っている。

だから、惹きつけられずにはいられない。

たったひとつのキスのために。たったひとつの祈りのために。

なんだろう?この胸の疼きは。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

金持ち貴族相手に、贅沢に奔放に暮らしているマルグリットは、

青年アルマンと出会う。

アルマンは、マルグリットの奔放さの中にある誠実に話しかける。

何だろう?この人は。

商売女である私に、何を求めているのだろう。

でもいったいどうして、じぶんのこころに浮かんだそんな嬉しい願いを分かち合うのに、真っ先にあなたに声をかけるのかわかる?それはきっと、あなたがじぶんのためではなく、あたしのためにあたしを愛してくれるからなの。他の男たちがあたしを愛してくれたといっても、いつだってじぶんのためだったんだから。(デュマ・フィス「椿姫」光文社古典新訳文庫P221)

誰が今まで、私自身に誠実な関心を寄せてくれた人があっただろうか。

男の虚栄心のため、所有欲のため、そのために自分はいた。

アルマンとならば、この虚しい生活を終わらせることができるかもしれない…。



マルグリットとアルマンは、二人でパリ郊外の別荘に暮らす。

老公爵のお金で借りた別荘で、二人きりの生活。

しかし、自分たちの財産ではない生活も長くは続くはずがない。

マルグリットは、今までの借金を返すために、馬車やショールなどを売り払う。

アルマンは、プライドを傷つけられる。

自分との生活のために、マルグリットに今までのような贅沢をさせてあげられない…。

「あんたよ。あんたは、あたしがあんたの立場を理解することを許さず、虚栄心からじぶんの立場だけをそのままにしておきたがる。あたしがどっぷり浸かっていた贅沢に手をつけないことで、あたしたちを隔てている精神的な距離をそのまま残しておきたがる。そして、あんたがもっている財産だけでつましい生活をしてもいいと思うほど、あたしの愛情が欲得抜きだってことを信じていないのよ。その気になれば、あんたのお金だけで、ふたりとも充分幸せに暮らせるのよ。あんたは馬鹿げた偏見の奴隷になっているから、そんな生活をするくらいなら破産したほうがましだとおもっているだけなんだわ。じゃあ、あんたはあたしが馬車や宝石をあんたの愛と比べいるとでも思っているの?だれも愛していないときには満足できても、愛しているときにはずいぶんつまらないものになってしまうあんな虚栄のなかにしか、あたしの幸せがないとでも思っているの?あんたはあたしの借金を払い、自分の財産を当てにして、とうとうあたしを囲おうってわけね!そんなこと、どれだけの時間つづくかしら?二ヶ月か三ヶ月ね。そのときに、あたしがしようと言っている生活をはじめようとしても手遅れよ。だってそうなってしまえば、あんたはあたしの求めることをなんだって受け入れる羽目になるでしょう。でも、そんなことは名誉を大切にする人間にはできないものよ。(デュマ・フィス「椿姫」光文社古典新訳文庫P312〜322)

マルグリットは、必死に叫ぶ。

あんたまで、あたしを囲おうとするの?その財産で?

無理よ。続くわけがない。

なぜ、昔のあたしを見るの?これから二人でつましい生活をしようとしているのに。



そんな時、アルマンの父親がパリにやってくる。

アルマンをなじる父。

そして、父はついにマルグリットのところへやってきて懇願する。



どうか、息子と別れて欲しい。

あなたの息子への誠実さと気高さはわかった。

しかし、男は熱に浮かされた後も、世間的に落ち着いた地位に着かねばならない。

そんな時、いくらあなたがこれからは誠実にと言っても、世間は信じない。

百歩譲って、息子のことはよしとしよう。

しかし、アルマンの妹は、この噂で結婚話が破綻しかけている。

罪のない娘のためにも、どうか別れてやって欲しい。



マルグリットは、身を引き裂かれるような思いで、アルマンの元から去る。

だのに…。ばかアルマン(←ひどい)は、なんにもわかっちゃいないんだよなあ。

散々、嫌がらせをした後、マルグリットにここまで言わせてしまう。

「ふたりで旅に出たくない?パリを離れたくない?」「いいえ、だめよ」は怯えたような声で言いました。「ふたりとも不幸になるだけだわ。あたしはもう、あんたの幸福の役には立てないのよ。でも息があるかぎり、あんたの気紛れの奴隷になってあげるわ。昼の何時でも夜の何時でも、あたしが欲しくなったらきてちょうだい。あんたのものになってあげるから。でも、もう自分の将来をあたしの将来と結びつけて考えないでね。あんたも不幸になるし、あたしも不幸になるから。あたしだって、もうしばらくはいい女でいられるわよ。せいぜいそれを利用したらいいじゃないの。でも、そのほかのことは求めないでね」(デュマ・フィス「椿姫」光文社古典新訳文庫P400)


誠実な愛を受けとめ、それに応えようとした女が、

再び愛した男の娼婦になろうとする。

これがどれだけ辛いことか。

ばか、アルマン。分かれ、坊ちゃん!



マルグリットは、一体どうなってしまうのだろうか…?


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

冒頭の4分の1程度は、本編の後日談のような役割を果たす。

これに、ぐっと引きつけられる。

マルグリットは、これ以上ないくらい哀れに描かれる。

でも、彼女は物語の中で、生き生きと生きている。

愛する喜びと愛される喜び。

アルマンを本当には幸せにはできない自分の身の上。

マルグリットは、いつも「自分はもうすぐ死ぬ」と思っているのに、

行間から「生きたい、生きたい」という切なさが伝わってくる。

オペラなどの題材になりやすいヒステリックな物語を想像していただけに、

久しぶりに物語を読む満足を味わえた。

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私の青春時代の涙・涙の物語を共有しましたね。もう、私の「泣けるリストベスト3」なんでついつい熱くなっちゃいます。余りに感動したので「再読」が出来ません。再読してイメージが壊れるのが怖い。そんな作品です。でも、あれからもう何十年たっちゃったんですよね。そろそろ再読してもいいかな?
今、NHKラジオ「渋マガz」でパーソナリティを務めている椿姫彩菜はその名前を椿姫からもらったそうです。
森薫のマンガ、「エマ」では椿姫(オペラ版だけど)が象徴的に使われています。
「椿姫」という名前は日本文化にいまだに受け継がれているという事でしょう。

2012/2/5(日) 午後 10:57 [ kohrya ] 返信する

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kohryaさん、お久しぶりです!以前「谷間の百合」の感想をUPした時、コメントで「椿姫」への思いをおっしゃってましたね。いつかは読みたいと思っていたので、機会を得て嬉しいです。あー、わかります、心を動かされすぎて、再読ができないって。私も「クローディアの秘密」という児童文学は、心の中でピカピカしすぎて感想も書けないし、再読もできないような気がします。
それにしても、「椿姫」がこんなにいいお話だったとは!有名すぎて、わかった気になっちゃってたんですね。録画してたオペラも観てみたんですが、断然小説のほうがいいですね。オペラだと、「犠牲」とか「許し」とかが前面に出すぎていて、少ししらけるというか…。高尚な言葉に行為がいつのまにか追いつてるって感じがよかったんですよね。
椿姫彩菜さんは、「椿姫」で検索すると、上位に出てくるので、はじめて知りました。私もブログの背景など開設以来変えたことないのに、椿にしちゃいましたもんね(笑)。

2012/2/6(月) 午後 9:50 mepo 返信する

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