今日は、 ナタリー・キンシー=ワーノック「スウィート・メモリーズ」。
【あらすじ】
引っ込み思案のシェルビーは、病気のおばあちゃんの家にしばらく滞在する。見せてもらったアルバムには、家族の歴史がつづられていた。シェルビーは、おばあちゃんを元気づけるためにある作戦を立てるが…?
【ここに感銘!!】
「わたしはずいぶん長いこと、ほんとうに意気地なしだったのよ。自分でなにかを決めるのがこわくてね。よく、人まかせにしていたの。自分で決めたら決めたで、こんどはそれをやりとおすのがこわくて。あなたには、わたしと同じまちがいをしてほしくないのよ。才能があるんだもの。夢を追いかけて、恐れずにいろんなことに挑戦してほしいの。あなたの"光"をともしてほしいのよ。」
(ナタリー・キンシー=ワーノック『スウィート・メモリーズ』金の星社P78)
【感想】
シェルビーは、自分の誕生会を中止されて、病気のおばあちゃんの家にやってきた。
もうむしゃくしゃする!
誕生会は中止だし、おばあちゃんはガラクタのようなカメラをくれるし、
お母さんはカメラをもらった態度がよくないといってくどくど言うし。
母親っていうのは、いつだってこう。きっとどこかに『母親のための参考書』かなんかがあって、子どもが大きくなるまえに一回は、いっておかなきゃならないことが書いてあるんだ。「野菜をのこしちゃだめ」とか、「はさみをもったまま走ってはいけません」とか、「いい返事ができないなら、だまってなさい」とかね。
(ナタリー・キンシー=ワーノック『スウィート・メモリーズ』金の星社P36)
母として聞くと、なかなか耳が痛い(笑)。
でも、シェルビー、あなたもいつか『母親のための参考書』のような言葉を
言うようになるんだよ。
しかし、シェルビーは、おばあちゃんの白黒アルバムを見て、夢中になる。
家族の歴史。おばあちゃんとおじいちゃんの出会い。
子どもたち。農場。豚のエルマー。
おばあちゃんのおてんばぶりや、おじいちゃんがもてていたことなどにいちいち驚く。
「そんなに、びっくりしなくてもいいでしょ。
わたしだって、ずうっとおばあちゃんだったわけじゃないんだから。」
(ナタリー・キンシー=ワーノック『スウィート・メモリーズ』金の星社P48)
そう、おばあちゃんもずっとおばあちゃんだったわけじゃない。
お母さんもずっとお母さんだったわけじゃない。
そして、おばあちゃんになっても、お母さんになっても、
少女だった頃の気持ちは残ってる。
いつだって現役なんだよ。
臆病なシェルビーの気持ちと、臆病だったおばあちゃんの気持ちが、
シンクロして、お互いに深く慰め合い、勇気づけられる。
いままでおもってもみなかったけど、自分がどんな人間になりたいのかは自分でえらべるんだ。あたしはもう、いままでの臆病なシェルビーじゃない。秋になって新しい学年がはじまったら、サッカーチームにはいるテストを受けてみよう。写真部にもはいりたい。
勇気をだそう。そうすれば、時がたって、おばあちゃんくらいの年になったころ、それまでをふりかえっていえるはずだもの。
(ナタリー・キンシー=ワーノック『スウィート・メモリーズ』金の星社P120)
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