今日は、 大塚ひかり訳「源氏物語 第一巻 桐壺〜賢木」から桐壺を読みます。
源氏物語に詳しい尊敬する方から、現代語訳が正確な上に、読み物としても面白いと
伺ったので、通読してみることにします。
【あらすじ】
高貴な身分ではない桐壺の更衣と彼女を深く寵愛する帝から生まれた光源氏。
桐壺の更衣の死後、悲しみに沈む帝のもとに、桐壺の更衣に似ているという先帝の皇女・藤壺が入内する。母に似ている藤壺を慕う光源氏。臣下に下り、元服して左大臣の娘・葵の上と結婚した後も、藤壺を慕う気持ちは、募っていくが…?
【ここに感銘!!】
内心では、ただ藤壺のご様子を、
「あんな方はまたといない」と思っていて、
「ああいう方とこそ結婚したい。似ている人さえいないんだな。左大臣殿の姫君はほんとに綺麗で、いかにも深窓の令嬢とは思うけれど、気に入らない」と感じて、藤壺への幼い頃からの思いが心にこびりついて、本当に苦しいほどなのでした。
(大塚ひかり訳「源氏物語 第一巻 桐壺〜賢木」ちくま文庫P58〜59)
【感想】
光輝く源氏の君の誕生ーー。
それは、高貴な身分ではない桐壺の更衣が苦難の末に残した忘れ形見の誕生であった。
身分の低さゆえに、他の女御や更衣たちから妬まれ、嫌がらせを受け、
次第に衰弱してゆく桐壺の更衣。
それに気づきなからも、自分の欲望を抑えきれない帝。
ついに、桐壺の更衣は、その心労から死んでしまう。
深い悲しみに暮れる帝だったが、
桐壺の更衣との忘れ形見である若宮を大変可愛がった。
若宮は、この世のものとは思えないほどに清らかに美しく成長し、
漢籍の勉強などをさせても、聡明で賢かった。
帝は、一の皇子が東宮に決まった時も、よほど若宮に先を越させてやりたいとの気持ちだったが、
後ろ楯もなく、世間も承知しないだろう、
占いの結果からも、親王ではなく、源氏として臣下に下すことを決意する。
一方、深い悲しみに暮れる帝のもとに、先帝の皇女・藤壺の女御が入内する。
桐壺の更衣に瓜二つの藤壺により、帝も次第に慰められてゆく。
そして、母に似ているという藤壺を慕う源氏の君。
源氏は、12歳で元服して、四歳上の左大臣の娘・葵の上と結婚した後も、
宮中に5〜6日仕えし、左大臣家には1〜2日という具合に、
藤壺を慕って、宮中に過ごしがちになる。
内心では、ただ藤壺のご様子を、
「あんな方はあたといない」と思っていて、
「ああいう方とこそ結婚したい。似ている人さえいないんだな。左大臣殿の姫君はほんとに綺麗で、いかにも深窓の令嬢とは思うけれど、気に入らない」と感じて、藤壺への幼い頃からの思いが心にこびりついて、本当に苦しいほどなのでした。
(大塚ひかり訳「源氏物語 第一巻 桐壺〜賢木」ちくま文庫P58〜59)
母を重ねる藤壺への叶わぬ思いは、源氏に常に満たされない心をもたらし、
今後、数々の女性遍歴へとつながってゆく。
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「源氏物語」の第一帖「桐壺」は、さすがにつかみの帖だけあって、
今後の物語の縦軸となる要素がすべて詰め込んである。
小さい頃に亡くなった母の面影を求めて、
理想の女性として藤壺の女御を苦しいまでに追い求める。
さらには、彼女に似た紫の上を自分の手元で理想的に育てようとする。
今後、満たされぬ思いは、それ以外のさまざまな女性たちに向けられる。
これから、この「桐壺」を縦糸に、それぞれの帖が横糸となり、物語は紡がれていく。
訳も正確な上に読みやすく、今後がとても楽しみになってきた。
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あああ・・・
私の古い本棚で40年ほどホコリに埋もれている
潤一郎新新訳源氏物語全巻
生きている間に日の目を見るか?
2019/6/26(水) 午後 2:02 [ kohrya ]
kohryaさん、こんばんは!
前の記事へのコメント、ありがとうございます。
おおっ、新訳の源氏物語が全巻あるんですか!?部屋広くていいなあ(笑)。私は、最近、岩波文庫で新刊で出た『源氏物語』を買いました。やっぱり古典を腰を据えてじっくり読むっていいなあと思います。なかなか時間がとれないんですけどね。最近、身近に『源氏物語』にかなり詳しい方とお知り合いになり、一文一文に意味があるんだなあと感動しております。
どうか『源氏物語』、生きている間に日の目を見ますように(笑)。
2019/6/26(水) 午後 9:05