■■読書のススメ■■

◼️◼️読書のススメ◼️◼️は、「はてなブログ」に移行予定です。長らくのご愛顧、ありがとうございました!感謝を込めて♥️mepo

児童書・YA

[ リスト | 詳細 ]

 12歳ぐらいまでに読んでおきたい児童書を中心に更新します。今年は、この書庫に力を入れたいです!
記事検索
検索

全4ページ

[1] [2] [3] [4]

[ 次のページ ]

 今日は、ホープ・ニューウェル「あたまをつかった小さなおばあさん」
「ぐりとぐら」を描いた山脇百合子さんの画。とてもかわいらしい装丁です。
小学校初級向き。
       イメージ 1
【あらすじ】
 ちいさなおばあさんは、きいろい家に住んでいました。おばあさんは、とても貧乏でしたが、めっぽう頭がよかったので、毎月なんとかお金をやりくりすることができました。
おばあさんは、今日も考えます。どのようにしたら、お金を使わずに工夫できるかと…。
【ここに感銘!!】
「つかわないんなら、あたまなんかもってたって、なんのやくにたつね?」
(ホープ・ニューウェル「あたまをつかった小さなおばあさん」福音館書店P2)
【感想】
 ちいさなおばあさんは、お金がないので、智恵を絞ります。

ぬれタオルで、あたまをしっかりしばります。それから、いすにすわり、ひとさしゆびをはなのよこにあてて、目をつぶるのです。
(ホープ・ニューウェル「あたまをつかった小さなおばあさん」福音館書店P9)

これ、古畑任三郎の元祖!?(笑)

この儀式を行うと、あら不思議。よい工夫が浮かんでくるのです。

はねぶとんがほしければ、がちょうを飼う。

家をあらすネズミを飼いならしてペットにする。

あたまを使って、エプロンを短くしてしまったことだって全然気になりません。

「だから、わたしはいつもいうんだよ。あたまさえつかえば、にんげん、まい日でも、なにかあたらしいことをおぼえるもんだってね。」
(ホープ・ニューウェル「あたまをつかった小さなおばあさん」福音館書店P9)

究極のポジティブシンキング!

おばあさんは、お金がないので、さまざまな工夫と知恵で生きのびます。

そして、満ち足りた生活を営みます。

きっと、このおばあさんは、うつ病になんかならないだろうな。

「あたまをつかったら、どうすればいいか、わかるだろうよ」

と言って、どんな問題が起きてもなんとか解決してしまいます。

このおばあさんを見ていると、ゲーテ「ファウスト」の次の一節を思い出します。

潮が力ずくで土を噛み削ろうとしても、
万人が力を協せて急いで穴をふさぐだろう。
そうだ、己はこういう精神にこの身を捧げているのだ。
それは叡智の、最高の結論だが、
「日々に自由と生活とを闘い取らねばならぬ者こそ、自由と生活とを享くるに値する」
そしてこの土地ではそんな風に、危険に取り囲まれて、子供も大人も老人も、
まめやかな歳月を送り迎えるのだ。
己はそういう人の群を見たい、己は自由な土地の上に、自由な民とともに生きたい。
そういう瞬間に向って、己は呼びかけたい、
「とまれ、お前はいかにも美しい」と。
       (ゲーテ高橋義孝訳「ファウスト(二)」新潮文庫P451)

ファウスト理想の境地を、彼のように回り道をせず(笑)、

地でいってる小さなおばあさん。

あっぱれ!
 今日は、ナタリー・キンシー=ワーノック「スウィート・メモリーズ」
【あらすじ】
 引っ込み思案のシェルビーは、病気のおばあちゃんの家にしばらく滞在する。見せてもらったアルバムには、家族の歴史がつづられていた。シェルビーは、おばあちゃんを元気づけるためにある作戦を立てるが…?
【ここに感銘!!】
「わたしはずいぶん長いこと、ほんとうに意気地なしだったのよ。自分でなにかを決めるのがこわくてね。よく、人まかせにしていたの。自分で決めたら決めたで、こんどはそれをやりとおすのがこわくて。あなたには、わたしと同じまちがいをしてほしくないのよ。才能があるんだもの。夢を追いかけて、恐れずにいろんなことに挑戦してほしいの。あなたの"光"をともしてほしいのよ。」
(ナタリー・キンシー=ワーノック『スウィート・メモリーズ』金の星社P78)
【感想】
 シェルビーは、自分の誕生会を中止されて、病気のおばあちゃんの家にやってきた。

もうむしゃくしゃする!

誕生会は中止だし、おばあちゃんはガラクタのようなカメラをくれるし、

お母さんはカメラをもらった態度がよくないといってくどくど言うし。

 母親っていうのは、いつだってこう。きっとどこかに『母親のための参考書』かなんかがあって、子どもが大きくなるまえに一回は、いっておかなきゃならないことが書いてあるんだ。「野菜をのこしちゃだめ」とか、「はさみをもったまま走ってはいけません」とか、「いい返事ができないなら、だまってなさい」とかね。
(ナタリー・キンシー=ワーノック『スウィート・メモリーズ』金の星社P36)

母として聞くと、なかなか耳が痛い(笑)。

でも、シェルビー、あなたもいつか『母親のための参考書』のような言葉を

言うようになるんだよ。



しかし、シェルビーは、おばあちゃんの白黒アルバムを見て、夢中になる。

家族の歴史。おばあちゃんとおじいちゃんの出会い。

子どもたち。農場。豚のエルマー。

おばあちゃんのおてんばぶりや、おじいちゃんがもてていたことなどにいちいち驚く。

「そんなに、びっくりしなくてもいいでしょ。
わたしだって、ずうっとおばあちゃんだったわけじゃないんだから。」
(ナタリー・キンシー=ワーノック『スウィート・メモリーズ』金の星社P48)

そう、おばあちゃんもずっとおばあちゃんだったわけじゃない。

お母さんもずっとお母さんだったわけじゃない。

そして、おばあちゃんになっても、お母さんになっても、

少女だった頃の気持ちは残ってる。

いつだって現役なんだよ。



臆病なシェルビーの気持ちと、臆病だったおばあちゃんの気持ちが、

シンクロして、お互いに深く慰め合い、勇気づけられる。

 いままでおもってもみなかったけど、自分がどんな人間になりたいのかは自分でえらべるんだ。あたしはもう、いままでの臆病なシェルビーじゃない。秋になって新しい学年がはじまったら、サッカーチームにはいるテストを受けてみよう。写真部にもはいりたい。
 勇気をだそう。そうすれば、時がたって、おばあちゃんくらいの年になったころ、それまでをふりかえっていえるはずだもの。
(ナタリー・キンシー=ワーノック『スウィート・メモリーズ』金の星社P120)
 今日は、アストリッド・リンドグレーン「長くつ下のピッピ」
ひとり岩波少年文庫まつりが続いています。
小学校高学年で、これに出会えていたら、人生が違っていた気がします(笑)。
【あらすじ】
スウェーデンの小さな町のはずれ。
九歳のピッピは、ごたごた荘という古い家に一人で住んでいます。
隣に住むトニーとアンニカは、自由奔放で遊びの天才であるピッピといると、
楽しくて仕方がありません。さて、今日はピッピは何をしでかすのでしょうか…?

【感想】
 九歳のピッピは、ニンジンのような髪の毛を二つにきっちり編み込み、

顔はそばかすだらけ。大きい口には丈夫な白い歯が並び、

馬一頭を持ち上げることができるほどの力持ち。

長いくつしたとぶかぶかの靴を履いています。




ピッピのやることは、すべてが傍からみたら破天荒。

床いったいに敷きつめることができるほどのクッキーを作ったり、

弱い者いじめをする男の子たちをひとりひとり放り投げたり、

馬に乗って学校に行ったり、木の上でコーヒータイムをしたり、

警察のおじさんたちと鬼ごっこをしたり…。




隣に住むトミーとアンニカは、ピッピがうらやましくてなりません。

彼らは、とてもお利口さん。

大人のいうことをよく聞いて、無茶なことはしません。

でも、ピッピと遊ぶようになって、面白いことを一緒にやるようになります。

少しの勇気とアイディアで、世の中はこんなに面白いなんて!



一軒家にひとりで住むピッピのまわりにいる大人たちは、

当然黙っていません。

警察のおじさんが来て、こんなことを言います。

「いや、だめだ。じぶんのしたいとおり、なんでもやっていいなんて、おもうのはまちがいだ。きみは、わたしたちといっしょに『子どもの家』にいかなきゃいけない。いま、すぐにだよ」
(アストリッド・リンドグレーン「長くつ下のピッピ」岩波少年文庫P58)

今でいう児童養護施設に入れようとするんですね。

おじさんたちの言うことは、もっともです。

誰だって自由になんでもやっていいなんて、間違っています。



でもね、ピッピは自由と引き換えに、

ほかの子どもたちは当然持っているであろうものがないんです。

お母さんは小さい頃に亡くなり、

船乗りだったお父さんも船から落ちていなくなってしまいました。

泥棒やいじめっ子から守ってくれる人もいません。

あたたかいごはんやホットケーキを作ってくれる人もいません。

掃除をしてくれる人も、洗濯をしてくれる人も、

家では話をする人もいません。



だから、ピッピは強いのです。

馬を一頭担ぎ上げられるくらい力持ちだし、

お金の勘定だってできます。

泥棒が入って来たって、へっちゃらです。

料理だって、船のコックさんから教わって、上手です。

楽しい空想力もたくましいです。

世界には、まだまだ発見されていないことがたくさんあるのです!



子どもは、ピッピの活躍をみれば、胸がスカッとするでしょう。

おとなも警察のおじさんみたいに、

「じぶんのしたいとおり、なんでもやっていいなんて、おもうのはまちがいだ。」

だなんて、思いつつ、ちょっと羨望のまなざしを浴びせるでしょう。



ピッピが秘めているであろう寂しさや哀しさは、

わかりやすい形では出てきません。

お父さんが海に落ちて帰ってこなくても、

アフリカのどこかに流れ着き、王様になっていつか会えるって本当に思ってます。

ピッピがそういうのなら、本当にそうなんだろうな、って思います。

そうなんだよ、きっと。



そんな安っぽい大人の感傷を吹き飛ばすくらい、ピッピは元気です。



あなたも会いにいってみませんか?
 今日は、エーリヒ・ケストナー「ふたりのロッテ」
これ本当に児童文学!?っていぶかしく思うほど、リアルな感情に陥ります。
「飛ぶ教室」に出てくる先生たちみたいな大人がいたら、子どもは助かるんだろうな。
【あらすじ】
小さい少女たちが休暇中に過ごす「子どもの家」。その中でいちばん暴れている9歳の女の子・ルイーゼ。ある日「子どもの家」ルイーゼにそっくりの女の子・ロッテがやってきます。生まれた日も場所も同じであった二人は、生き別れになった双子であることに気が付きます。二人はある陰謀をめぐらせ、実行に移しますが…?
【ここに感銘!!】
 何が起ころうとしているか、みなさんは気づいていますか。ふたごは、じぶんたちが事情を知っていることを、やはり両親に話さないつもりです。父と母に決定を強いようとは思いません。そんな権利がじぶんたちにないことを、ふたりは感づいています。両親が決心をすれば、それが幼いきょうだいの幸福をすぐに最後的に破壊してしまうことになりはしないかと、心配しています。そうかといって、何ごともなかったふうをして、もとの所へもどること、両親からいやおうなしにあてがわれた半分の世界で暮らしつづけること、そんなまねをすることは、しのびなかったでしょう!できないことです!
(エーリヒ・ケストナー「ふたりのロッテ」岩波少年文庫P64)
【感想】
 ふたごであるルイーゼとロッテは、お互いの役割を果たさなくてはならなかった。

音楽家の父親と暮らすルイーゼは、天真爛漫な子どもらしい子どもとして。

編集者として忙しく働く母とクラスロッテは、真面目なしっかり者の主婦として。

それが両親に望まれたことだったから。

お互いに両親によってあてがわれた半分の世界だけで生きていたから。



二人は入れ替わって、お互いに今まで生きてこられなかった自分を生きるようになる。

今までを取り戻すかのように。

それは父母にとっても一緒である。
 
内気でしっかり者のロッテが子どもらしい一面を見せてくれる。

天真爛漫で陽気なルイーゼが、主婦らしい気遣いを見せてくれる。

なぜ自分はロッテの「子ども」を育ててあげられなかったんだろう。

なぜ自分はルイーゼの「主婦的」な気遣いに癒されているんだろう?




別れた当時、若かった二人。

妻は、音楽家である夫の「創作のための孤独」を理解してあげられなかった。

夫は、若くして妻となった女の「孤独の寂しさ」をどうしてあげることもできなかった。

夫は、創造は人とのかかわりから生まれることを知る。

妻は、夫の創造するための孤独を理解する。



ふたごの冒険、涙、不安、うそ、絶望、病気。

これらは自分と両親に何をもたらすのか?



こんな風に書いてしまうと、とても深刻な物語に感じると思うが、

深いテーマが背景にありつつ、物語は明るくユーモアにあふれている。

大人の決定に逆らえないことはわかっている。

そんなふたごのいじらしいけど、子どもらしい冒険心と勇気に満ちている。




小学校5〜6年生頃に読みたかったな。
 今日は、大石真「チョコレート戦争」。久しぶりの児童文学です。
子どもが大人の理不尽に立ち向かうには、色々な方法があります。面白いです。
【あらすじ】
ある日、小学生の明は同級生の光一と、町一番の洋菓子屋さん金星堂を訪れる。ショーウインドウごしに、一メートル近いチョコレートの城を見ていたら、ショーウインドーのガラスが突然割れる。そこにいた明と光一は、金星堂の社長である谷川金兵衛に、犯人扱いされてしまう。腹を立てた明と光一は、それぞれのやり方で、戦う決意を固めるが…?
【ここに感銘!!】
「ふしぎなんだな、きのうの名金泉堂の事件は。
一日たっても、わすれるどころか、
ますますはらがたってくるんだ。
考えれば、考えるほど、はらがたってくるんだ。
これは、どういうわけなんだろう?
「ぼくたちの名誉をきずつけられたからだ、と思うな」
(引用:大石真「新・名作の愛蔵版 チョコレート戦争」理論社P68)
【感想】
傷つけられた名誉のために、それぞれの方法で二人の少年は戦う。

ひとりは、チョコレートの城を盗み出すことで。

ひとりは、ペンの剣で。

相手の大人もなかなかの苦労人で、知恵もの。

どちらが、相手に打撃を与えられるのか?力か?ペンか?



大人への反逆ものとしては、YAの「ぼくらシリーズなどが有名である。

この作品は、小学校4年生くらいから楽しめそう。

子どもの名誉と大人の理不尽。どちらに軍配が上がるのか?

そんなテーマ抜きにしても、金星堂の洋菓子が、とろけそうにおいしそうで、

バレンタインなどに、ロアルド・ダール「チョコレート工場の秘密」(評論社)

那須正幹「飛び出せズッコケ事件記者」(ポプラ社文庫)などと一緒に読みたくなる。



ちょっとした洋菓子がご褒美だった時代。

大人が知らない子どもの誇り。

大人だけど、金星堂のエクレアを口いっぱいの頬張りたい…。

全4ページ

[1] [2] [3] [4]

[ 次のページ ]


.
mepo
mepo
女性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

ブログバナー

過去の記事一覧

検索 検索
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

本・アート

絵本充実ブログ

ミステリ充実ブログ

自然科学

日本本楽家協会員

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事