なんでんかんでん

行き当たりばったりのエッセイ集

2007年の花

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吉祥寺、定禅寺の藤

「今年の藤の開花は一週間は早い」
そんな声に急かされるように北九州市西区香月の吉祥寺に出かけた。
吉祥寺の参道は梅が枝餅、食物屋さん、飲物屋さん、着物屋さん・・・・多くの露店がならび週末からの藤祭りの準備がすっかり整っていた。

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 TV番組で放映されていた樹齢600年の黒木の大藤、
樹齢500年の福智町の定禅寺の「迎接の藤」・・・
5月の連休前のこの時期には花の話題は尽きない。
 これ等からみれば樹齢150年の吉祥寺の藤はまだ若い部類と思われる。
紫色の藤は既に満開、新しく植えられた白藤や薄いピンクの藤は8分咲きで
週末の藤祭り(27日〜29日)はまさに満開の気配で境内は甘い花の香りで満ち溢れていた。
平日の今日は人出の多い週末を避けての花見だろう、車椅子姿のお年寄りが多く
猿回しの面白い口上と可愛い猿の芸にひと際大きな拍手と笑い声が
長く伸びた花房に飛び交っている蜜蜂を驚かせていた。

友とみし 香月の森の 紫の
きょう咲く花ぞ 何故か懐かし   孝市

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先週の21日(土)実家の掃除に田舎に帰ってきた。
途中、花の時期には少し早いが福智町の方城温泉近くの定禅寺の前を通った。
境内に止められている数台の車と、花の香りについ誘われて樹齢500年と言われている「迎接の藤」を見た。

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日暮れ前だったせいか薄暗くなりかけた境内には多くの提灯と5分咲きの少し短めの藤の花と甘い香りが漂っていた。
4月末頃の満開の花が想像された。
 花の吉野を後にしてJTB(旅行社)のバスは又兵衛の滝桜を経由し
長谷寺に向かった。
このバスに乗った頃より心配していた雨が落ち始め
バスを降りて長谷寺の初瀬の門前町を歩く頃は傘をさしての参詣になった。
参道の左の軒下に小川がながれこの水音と古い家並みに
国道沿いの町とは少し違う落ち着いた雰囲気をじることが出来る。
寺の近くで道は左に曲がりここに来て初めて満開の桜に彩られた
仁王門と長谷寺の全体が見渡すことが出来た。
周囲の谷あいと調和した大きな伽藍は、石垣の立派さとあいまって
まるで壮大なお城のように感じられた。
 仁王門を抜けると400段の石段からなる登廊が彼方まで続き
少し狭めの石段はズボンで颯爽と歩く現代女性には少し狭くテンポが合わず歩き辛らそうにみえる。
また登廊の両側には今にも咲きそうに準備が整った7000株といわれるボタンが丹念に手入れされすぐそこの花の季節を待っていた。
この登廊をすぎると階段は直角に右に曲がり少し高さのある石段に変わった。
こちらは急坂になっているせいか歩き安い石段だった。

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 登り詰めたところが壮麗な本堂で左側から堂内に入ると薄暗い建物のほぼ中央からご本尊の金色に輝く十一面観世音菩薩が拝めるようになっていた。
身の丈10mあまりの大きなお姿は特別な徳を表し願いに対する慈悲の深さを示していると言われている。
少ないお賽銭で不相応で欲張りなお願いをした後、正面の懸崖作りの大舞台に立つと其処からの眺めは今までの登りながら見る狭い景色とは全く違う、うららかな春の景色が広がっていた。

霞みたつ初瀬の峰の山桜
 長谷の舞台に花の舞いちる : 孝市


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そこでは周囲の自然が織り成す美しさと七堂伽藍が調和し、特にこの時期は満開の山桜が白雲のようにかかり、まるで一服の絵のようだ。
月か星明りだけの真っ暗な闇、魑魅魍魎が跋扈し陰陽師が活躍する天平の昔から
冬は雪、春には梅から桜、初夏にはボタンに紫陽花、秋には紅葉と四季を彩る色彩、ふきぬける風や梅やボタンの花の香りは、病気や貧乏や多くの悩みを抱え暗い思いで観音様に助けを求めに来た人達にとって、楽しい極楽浄土を目の前に見せられたような気がした事だろう。
 近頃ブームの香りによるアロマテラピー、花や自然の美による視覚、お経や風や鳥の声よる癒し。それらのストレス解消法を平安の昔から既に活用しているかのような寺院であった。
 帰りは登りとは違う道で本堂の隣に建つ朱塗りの5重の塔を巡り、雨で滑りそうな急な石段を注意しながら、下から眺める懸崖作りの舞台に舞う山桜にも目をとらわれ、名残惜しさをも感じつつ帰途に着いた。

吉野の山は春爛漫

 もう十数年前になるだろうか、満開の桜と大阪への出張が重なり
仕事が終わったあと吉野駅に着いたのはもう夜の10時をまわっていた。
近鉄の吉野駅から電話帳を見ながらのホテル探し、やっとその夜の宿を見つけてほっとした思い、目覚めに見た窓からの向かいの山の煙る様な桜の美しさ、あの時いつかもう一度満開の時期にと言う思いが今回の吉野山に足を運ばせた大きな要因であった。
 全国津々浦々からそれぞれの思いを胸に観光バスの列が吉野川を越えて山に登っていく。
満開と週末が重なったせいか、バスが駐車場に付くと溢れんばかりの人の群れが中の千本の国宝、蔵王堂に向かって一斉にながれ始める。
両側のお土産屋さんを見ながら少し歩くと吉野山にある全ての寺のための総門、黒門が目に入ってくる。
この門をくぐりさらに暫く進むと真正面に仁王門が現れた。
数十段の急な石段、さらにその上に黒っぽく覆いかぶさるように構える国宝の仁王門と両脇の金剛力士像が参拝の人に威圧感をあたえる。
境内入ると其処は騒然した参道と一変し古い石碑が並ぶ古色然とした短い登り参道に続き蔵王堂の真横を通り抜け堂の前庭の東端に出る。
 あとで一緒に行った友人がこの事に気が付きビックリしたのだが、
仁王門が北向きに蔵王堂は南向きにしかも仁王門が蔵王堂の真後ろに作られている。
単に地形が理由だとも考えにくく面白い造りではあるがどんな意味があるのだろうか。
蔵王堂は1591年に再建された寺院で現存する建物の中でも国内で2番目に古いとあったが、お祭りされている蔵王権現と共にこのお堂の建物としての歴史も何故だか人の心にしみ入る有難さが漂っていた。
 蔵王堂から南に向かって2〜3kmくらいが吉野山で最も賑やかな門前町でここでは吉野名物の葛を使った商品が最も多く、次に柿の葉寿司や奈良漬などの食べ物やさん、葛湯料理の喫茶店、等・・、お店の客引きの声と観光客で狭い道路はすれ違うのも大変なほどの混みようであった。
少し町外れまで歩くと旅館や雰囲気のある宿坊がならんでいる。
 その中の一軒の宿坊の前を通ると庭の隅に真っ赤な藪椿が咲き、手入れの行き届いた砂利の庭に着物姿の楚々とした女将らしき人が客を出迎えていた。
あれ宿坊に女将が居るのだろうかと不思議に思ったが、それでもお坊さんだけより女性が居るにこした事はないとすんなりと納得した。
 友人は「次回はここに泊まろう」いたく気に入っていた。
門前町の東の裏側はかなり急な下り斜面でここには背の高い大きな山桜が谷間に向かって満開の花びらを一斉に散らせていた。
少し離れた場所から門前町と蔵王堂とそれを囲む桜の風景の全体像が見たくて上の千本に向けて歩いてみた。

歳をへし雲居の桜きょう見れば
   花より多き見る人の群れ  : 孝市

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決められた時間内には到底これらの風景を見れる位置まで登ることが出来ず
周囲の景色が見えなくなる森との境で引き返した。

勝山町の千女坊桜

数年前から桜の趣味が少し変わってきた。
うす雲の棚引くにも似た、数百、数千本の染井吉野が描く里模様も趣があるが、
何もない畑や山の中に1本だけポツンと咲いている1本桜もまた風情があって良いものだ。
3月31日の日曜日、人づてに聞いていた福岡県京都郡勝山町の1本桜を見に行った。
樹齢300年、幹周り5mの山桜で銘は「千女坊桜」
平地の桜はまだ7部咲きで山の桜はまだ蕾と思っていたら遅れを取ってしまった。
何時もの年だと山の桜は平地より1週間は遅れて咲いていたが
暖冬のせいか、それとも老木のせいか季節感に少しずれが出ているようだ。
すでに満開の時期は過ぎ、薄いピンクの花と薄い茶色の葉が混然となり、
遠くから見るとどれが花やら葉っぱやらさっぱり見わけがつかなくなっていた。
それでも古木が持つ重量感と神秘さが見る人を何だか厳かな気持ちにさせてくれる。

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この仲哀峠から行橋に向かう国道201号線の北側の集落は
胸の観音様(結核の治癒)やこの山桜の銘になった千女房(尼さんの修業の場)など
信仰とのつながりが深い土地で、山桜の幹に巻いたしめ飾りに今もなお続く村人達の変わりない
自然や神仏を敬う心が見え隠れする。
目的の千女坊桜が満開を過ぎていたのが少し不満で
彦山の麓、落合の吉木の桜も訪ねてみた。
この山桜は朽ちた大きな桜の幹を一輪ざしに、花を一輪いけたみたいで
それなりの雰囲気があるものだ。

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残念ながらこちらの花はまだ蕾で
桜の季節も残すところあと一週間。
また1つ残り少なくなった歳が今年も散っていく。

虎尾桜が今年も元気

 皿倉山の登山のつもりだったが、友人の「虎尾桜が満開だ」の一言で
田川郡赤池の福知山の麓近くにある樹齢600年と言われているエドヒガン桜の花見に出かけた。
上野焼の里の山際のどん詰まり、白糸の滝の直ぐ近くに車を置き、
石ころと杉の木立に囲まれた登山道を20分ほど登る。
案内板に沿って、最後に山道を左に曲がるととつぜん薄桃色の桜の大木が目に飛び込んでくる。
この時期の桜詣ではもう5年にもなるだろうか。
ボランティアの人達の手入れのせいか桜の老木が毎年若返っているようだ。
殺風景な景色の中で舞うような艶やかな姿は
まるで能面に薄絹を着た平安の美女が現れたような気がする。

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 満開に向かう時期の花はピンクが強く初々しい乙女の雰囲気があり、
僅かな時間の変化とともに花びらは白さを増し臈たけた美しさに変わる。
風に花びらの舞う様は儚さと共に狂ったような怖ささえも感じることがある。
月の光に散る花の舞が見てみたいものだ。

「願わくは 花のもとにて 春死なむ
   そのきさらぎの 望月のころ」 西行

同行の友人がこの時期になると口ずさむ句だが
何故だか心に響く。

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