|
稲「もえるゴミは…奥の方だな。」
不運にも「もえるゴミ」は隣り合って並んでいるゴミ箱のうち
より遠い方であった。ここに来て条件はさらに厳しさを増す。
実質、その程度の差はどちらにしても影響はないだろう。
それ程までにここからゴミ箱までは離れ過ぎているのだ。
しかしながら、少しでも近いに越したことはないというのも
また事実である。これには心情的に辛いものがあった。
目標を得た喜びも束の間、再び悲観的なムードが漂う。
最後まであきらめるな!
少しでも確率を上げる方法を考えるんだ!
その気迫が天に届いたのかどうかは定かではないが、
私はあるものの存在に気づいた。ホワイトボードである。
「もえるゴミ」のゴミ箱はホワイトボードの脇に置かれている。
そして、ゴミ箱の頭上を見ると、そこにはホワイトボードに
掛けられたビニール袋入れがあった。
中にはビニール袋が無造作に詰め込まれて膨らんでいる。
あそこに命中させれば、クッションのように衝撃を吸収して
真下にあるゴミ箱に落とせるんじゃないか。旗包みの要領だ。
私は都合の良いイメージを頭の中に描いた。
だが両者の位置関係からしてそれほど荒唐無稽な案ではない。
その方向に向かって投げるのは比較的容易である。
ゴミ箱に向かってゴミを投げるにあたって最も難しいのは
対象物までの距離を調整するその力加減だ。
この前後方向の誤差を先の方法で補正することができれば
命中確率は格段に上がるに違いない。
稲「…というのはどうだろう。」
大「そう上手くいくかな。」
続く。
|