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機は熟した。
狙うは「もえるゴミ」のゴミ箱頭上に位置するゴミ袋入れ、
…あとはどれだけ己を信じられるかだけだ。
私は容積にして200mlの紙パックをその右手に握りしめた。
「俺たちはできる!俺たちはやれる!」
その言葉を幾度となく心の中で復唱する。
何も疑うな!ゴミ箱までは3.5メートルを裕に超える。
真っ当な神経じゃ踏み出せない…ここは酔わなきゃダメだ!
腕を大きく振り被って…
脳内キャラ↓
(みんな!勇気を!)
(なせばなる 自分を信じろ!)
(精神を集中させろ!)
投げた!!
全ての運命を託され、私の指先から離脱した紙パックは
まるでそこだけが世界の時間の流れから乖離しているかの様に
粘度の高い空間座標系の中をゆっくりと進んでいく。
ゆっくりと、ゆっくりと、だが確実に。
「キン肉ドライバーをかけられたミキサー大帝」の如く
定められた運命の時間軸上を移動していく。
そして秒針が動いた。
カチッ
と同時に軽い摩擦音が室内に響き渡る。
それは紙パックが目的のゴミ箱へと着地した音だった。
「うおおおぉぉぉぉぉ!!!」
言葉にならない勝利の雄叫び!!成功だ!!
結果として、投げる力が弱すぎたために紙パックは
作戦にあったゴミ袋入れには届くことなく、
直接にゴミ箱へとすっぽり収まる形になった。
だが、もはやそんなことはどうでも良い。入れば良いのだ。
私は勝利の美酒に酔いしれていた。(了)
あと、どうでも良いんですけどeverpeace氏は外しました。
そんくらい最初から歩いて捨てに行けよ。
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