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かなり以前に行った名古屋港水族館もまだまだ紹介し切れていません。 名古屋港水族館のゴールデンウィークは、さぞかし混んでいるだろうねえ。 今回はマイワシの群れの展示についてご紹介します。 名古屋港水族館マイワシさんたち。 イワシさんは、大きな群れをつくって日本近海を回遊しています。 餌をとるときは口を開けたまま泳ぎ、海水とともに入ってくるプランクトンを櫛のような器官で濾(こ)しとって食べます。 大量に漁獲されて養殖魚の餌としても使われますが、数十年という周期で漁獲量が大きく変動します。 大衆魚と言われたイワシさんも最近は獲れなくなっているって言うし。 名古屋港水族館南館2階「黒潮水槽」にお住まいなのは、大きさ20cm程度のマイワシさんで3万匹ほどいるようです。 イワシさんは、目刺しになったり、シラスになったり、いろんな食べ方があります。 塩焼き、フライ、天ぷら、酢の物、煮付、たたみいわし、煮干し、みりん干し等々。 イワシのパスタも美味しいねえ。 それから、イワシさんは、いろんな動物の餌になるからねえ。魚や人間だけでなく、海鳥にも食べられるし。 それで、イワシさんとしても、ただ手をこまねいて食べられているわけにもいかないので、群れて防御しているんだね。 バブルの時代を境目に、全国の水族館で巨大水槽がぞくぞく作られ、今の水族館ブームに至っています。今は一過性のブームではなく、水族館鑑賞は文化として根付いていますね。 巨大水槽と言えば、もちろん、沖縄美ら海水族館や大阪海遊館のようにマンタや巨大ジンベイザメ展示も圧巻なのですが、イワシさんの群れも大したものなのでした。 シュモクザメさんの周りにはスペースがあって、ゆったりこん。 イワシは、イワシだけ入れても群れず、天敵のサメさんと同居させることによって、身を守るために群れるんだって。 一人一人はこんなにちっぽけなのにねえ。 こんなにびっしり泳いで良くぶつからないねえ。 サメさんが、イワシさんに圧倒されています。まるでイワシさんの引き立て役だねえ。 餌のイワシさんに囲まれて、サメさんはヘンゼルとグレーテルがお菓子の家に入ったような気分なのでしょうね。 イワシトルネードタイムまで、まだ少し時間があったので、よそのお魚さんを見ます。 イワシさんは、漢字で『鰯』と書くように、『魚偏(うおへん)』に『弱い』と書きます。 それほど弱いから、水族館まで運んできて、展示するのは大変なんだそうです。 展示のためのイワシを生け捕る専門業者があって、お仕事のドキュメンタリーをテレビでやっていました。 静岡県三島市にある『ブルーコーナー』という会社だそうです。 ここでは、世界中から集められた3,500種類の魚たちを扱っているんだって。 お隣の中華人民共和国では今、水族館の建設ラッシュが起きていて、青島(チンタオ)にある水族館から一万匹の大量発注を受け、いよいよ会社の生け簀(いけす)に集まったイワシさんを納品しようという段階で、突然のドタキャン電話が! 共産党の幹部が、やっぱりイワシよりジンベイザメが良いと、急に気が変わったのだそうです。 うへえ!迷惑な話だねえ。 かの国は、こういうトラブルがごく普通に生じるので、要注意です。 魚を手配したブルーコーナーの石垣さんは真っ青です。 会社の狭い生け簀にイワシを長時間いれることは大きなストレスになります。 また、水質が少しでも悪化すると全滅するほど、イワシはデリケートな魚なのです。 また、イワシをこまめにチェックしてアンモニアを分解する薬を水槽に入れたり、お世話が大変なのです。 急いで引取先を工面しないと、イワシさんが死んでしまいます。 「イワシの数は足りていますか?」って日本全国の水族館にセールス電話をかけまくって、ようやく石川県の『のとじま水族館』が引き取ってくれたという場面を映していました。 そうこうしているうちに、イワシトルネードタイムが近づいて、見物するために水槽の前にお客さんが座り始めます。 イワシさんも鼓(つづみ)の形にぐるぐる泳いでスタンバイです。 わくわくするねえ。 イワシトルネードタイムが来ると、照明が暗くなり、スポットライトが浴びせられ、餌が与えられます。 マイワシの餌は、養殖のマダイ用のペレットなんだそうです。 コイや金魚の餌のような感じで、大きさは1mmくらい。ビタミン剤もまぜてあります。 これをひものついたビニールの袋に詰めて水槽の中に入れて、袋が水槽の底近くまで沈んだら、ひもを引っ張り袋を振って、餌をまき散らします。 それを水槽のあちらこちらで何回も繰り返すのです。 わ〜い。餌がまかれたよ! イワシさんは大喜び。猛スピードで泳ぎます。 渦を巻くように様々な形を織りなしていくのです。これがイワシトルネード(竜巻)なんだねえ。 水槽一面に広がったかと思うと、 フリーフォールみたいに真っ逆さま。 写真では分からないのですが、イワシさんの銀色の身体に光が反射して、チカチカとまるで流星雨のようにきらめきます。 今光っているところが暗くなって、暗いところが光って、とっても綺麗なんだよ。 群れの形が変わる度にお客さんがどよめきます。 別に誰が指揮をとるわけでもないのに、群れは秩序正しく様々な形の渦をかたどっていきます。 N字型。 サメさんを避けて・・・。 ところが、イワシさんは、餌が欲しくてサメさんの恐怖どころではありません。 赤信号みんなで渡れば怖くない。 絵にも描けない美しさです。 良いもの見せてもらったねえ。 こればっかりは、写真やビデオじゃなくて断然生で見ないと迫力が伝わりません。 大水槽をキャンバスにした動くアート作品だねえ。 以前、テレビを見ていたらば、 “風の画家”と称される日本画家の中島潔(なかじまきよし)さんが、京都の清水寺成就院(きよみずでらじょうじゅいん)に襖絵(ふすまえ)を奉納したというニュースをやっていました。 その中でも目を引いたのが、詩人・金子みすゞに触発されて描いた『大漁』の8枚で、金子みすゞの姿を中心に、びっしりとイワシの群を描写している大作です。 中島潔:『大漁』の部分(佐賀新聞より)。 これは明らかにイワシトルネードだねえ。 最新の技術が産んだイワシトルネード展示が芸術家にインスピレーションを与え、伝統ある清水寺の襖絵になって奉納され、後世に伝えられるというのは、素晴らしいことですね。 ということで、水族館は日本人の美意識をも変えているのでした。 皆さんも、イワシトルネードをやっている水族館に行ったときは見逃さないでくださいね。 |
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すごい\(^o^)/
なんてきれいなのっ
「生きてる」って感じがするっ
金子みすずさんは
わたしのふるさとの人だよ
砂浜を歩いていると
ほんとうに
イワシが砂浜めがけて来ることがあるんだよ
手でつかめるんだよ
海のなかでは何がおこってたのかなぁ
2011/5/6(金) 午後 8:47 [ あめ ]
眼とろんさん、名古屋港のマイワシトルネードよく撮れてますねー。
それに、中島潔さんの作品の力強さ!
中島潔さんには何度かお会いしたことがあって、作品もたくさん見てるのだけど、いずれもやさしいタッチのほんわり感が印象的な絵ばかりだったので、このイワシの絵には驚きました。
2011/5/6(金) 午後 11:50
あめさん、そうですよね。
本当に綺麗でしたよ。
イワシさん一人一人が集まって、巨大な生き物みたいでした。
よく考えてみれば、人間も60兆個ほどの細胞で出来ていて、一個一個にどう動きなさいって命令しているわけではありませんからね。
金子みすずさんの詩にも親しまれているのですね。
私も読んでみたと思いました。
砂浜に打ち寄せてくるイワシさんは、敵から逃げてきたのかな?
だとしたら、よほど逃げ場所がなかったんでしょうね。
海はいろんな事件が起きているんでしょうね。
2011/5/7(土) 午後 9:00
カンチョ先生、名古屋港のマイワシトルネードは凄いですね。
先生のおっしゃる水塊というのが実感できました。
写真を褒めていただいてありがとうございます。嬉しいな!
中島潔さんが、カンチョ先生と何回かお会いされたというのは、とても納得できる話です。やっぱり!
中島潔さんの絵は、子供を描いたほのぼのとした柔らかい絵が多いのですよね。
なのに、このイワシの大きくて力強いこと!
やはり水族館のイワシさんの生命力にインスパイアされて描かれた作品なのですね。
本当にびっくりです!
2011/5/7(土) 午後 9:09
こんなにキレイないわしの群れ。実物はもっときれいなんでしょうね。
さめがいわしを食べると、いわしは定期的に補充するのでしょうかね?
金子いすゞの「大漁」息子たちが小学校のころ、私はママさんコーラス(歌声サロン)に入ってたときに
歌ったんですよ。
懐かしいです。ポチ☆
2011/5/8(日) 午前 11:08 [ みゆりん ]
イワシが群れを作って動いているのは知っていましたが、これほど濃密な群れになって泳いでいるとは思っても見ませんでした。
凄い風景ですね。
でも、彼らは四六時中こうやって動いているのでしょうか。
休む暇はないのでしょうか。鮫がいるから、動いていないと食べられてしまうと言うのですが、この群れの中にいる鮫は、機会があればこのうちの何匹かを餌にして食べるんでしょうね。
そう考えると、イワシも楽ではないですねぇ・・・
気の毒になってしまいます。
2011/5/8(日) 午後 3:31 [ afuro_tomato ]
みゆりんさん、実物は光の当たる角度で、ちかちかと反射して、とっても綺麗なんですよ。やはり人間の目の性能って素晴らしいのですね。
そうなんですよ。イワシが減ってくると寂しいので、業者の人が『イワシは減っていませんか?』って御用聞きするみたいですよ。
『大漁』って歌にもなっているほど人気のある曲なのですね。知りませんでした。
勉強になるなあ!
ポチありがとうございます。
2011/5/8(日) 午後 7:04
トマトさん、テレビで網で獲れたイワシが跳ねているのを見たことがあるのですが、海中でもこんな密度で群れているんだなんて思ってもいませんでしたよ。
これだけでも水族館の入場料の元が取れた感じがします。
餌の時以外は、わりとゆったり泳いでいましたよ。
自然のイワシさんは、様々な敵に餌として狙われているから、こういうふうな適度なストレスがかかるような状態が自然なのでしょうね。
サメさんはやはりここのイワシさんを食べているようですよ。
沢山生まれる替わりに、沢山食べられる。
イワシさんの人生は、確かに辛そうですね。
2011/5/8(日) 午後 7:14
マイワシさんは練習したわけでもないのに皆同じ方向、同じ速度で泳げるのがすごい!本当に芸術的な美しさですね。ビデオだと目がまわりそうなのですが、動きの一瞬をとらえた眼とろんさんの写真は今にも動き出しそうな臨場感があります。 (*´・ω`)ノ凸ポチ♪
2011/5/11(水) 午後 8:30 [ 美雨 ]
美雨さん、もともと同じ群れで海を泳いでいたんでしょうが、後で補充していくので、これだけ息があった泳ぎは、本当に凄いですね。
信じられない能力ですよね。
確かに動画だとチカチカきらめいて、群れが右往左往するので確かに目が回りますよね。
美雨さんに臨場感があるって書いていただいて嬉しいな!
ポチありがとうございます。
2011/5/12(木) 午前 1:34
あ〜これすごい迫力!実際に見たら、きれい!っていうのとある種の怖さみたいなのもあるかも・・・鰯ってものすごく小さいけど、人間のほうがよっぽど小さいような気がしてくるもの。水の中では無力だし・・・凸
2011/6/8(水) 午後 11:07
むにゅさんそうですね。これだけの群れが一斉に動くので、巨大生物みたいで怖さもありますよ。
中のサメさんは、余計怖いと思うんですけど、お腹が空いたら、ぱくんって食べちゃいます。ばらけた方が安全なような気もするのですが・・・。
もともと生命は海から生まれたので、水の中の生物の方が堂々としているような感じですよね。ポチありがとうございます。
2011/6/11(土) 午後 3:30