アトモス部屋

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【ファイルE3】2011.11.12 江戸時代の災害対策について

勝海舟さんの談話だよ

 今回は、明治二十九年に、東北で津波が起きたときに、勝海舟さんが明治政府と江戸時代の対応の比較を述べた文章をご紹介しましょう。

 いくら天下太平の江戸時代とはいえ、地震・津波・台風・洪水・飢饉・火事・疫病は頻繁にやってきていたので、徳川幕府という軍事政権の対応や考え方が分かって興味深いものがあるのです。

 【『氷川清話(ひかわせいわ)』 勝海舟著 講談社学術文庫P175より】

 ※  ※  ※

難民の救済


 天災とは言ひながら、東北の津浪(つなみ)は酷(ひど)いではないか。

 政府の役人は、どんなことをして手宛(てあて)をして居るか、法律でござい、規則でございと、平生やまかしく言ひ立て居る癖に、この様な時に口で言ふ程に、何事も出来ないのを、おれは実に歯痒(はがゆ)く思ふよ。

 全体人間は幾(いく)ら死んで居るか、生き残りたる者はまた幾らあるか、おれは当局で無いから知らないけれども、兎(と)にも角(かく)にも怪我(けが)人と飢渇(きかつ)者とは、随分沢山あるに相違はない。

 この様な場合に手温(てぬ)るい寄附金などと言うて、少し計(ばか)りの紙ぎれを遣(や)つた処が、何にもならないよ。

昔、徳川時代の遣り口と、今の政府の遣り口とは、丸で違ふよ。


 今では騒ぎ計(ばか)りいらくつて、愚頭(ぐず)々々して居る内には、死ななくてもよい怪我人も死ぬし、飢渇者もみんな死んでしまふよ。ツマリ遣り口が手温るいからの事だ。何と酷(む)ごたらしいぢやないか。

徳川時代にはチヤント手が揃って居るから、イザと言ふこの様な場合になると、直(す)ぐにお代官が被害地に駆け附(つ)けて、村々の役人を集め、村番を使うて手宛をするのだ。


先づ相応な場所を選んで小屋掛けをするのだ、此処で大炊(おおた)き出しをして、誰れでも空腹で堪(た)まらない者にはドン/\惜気(おしげ)もなく喰(く)はせるのだ、さうすると、この様な時には、少し位、身体の痛む者も、みんな元気が附(つい)て来るものだよ。


炊き出しの米は、平生やかましく責立(せめた)てなくとも、チヤンと天災時の用意がしてあつて、何処(どこ)へ行きてもお蔵米がかこつてある。それだからイザ天災といふ時でも、苦労せずに、窮民を救ふことが出来るのだ。


窮民に飯を喰はせなければ、みんな何処(どこ)かへ逃げて行つてしまふよ。逃げられては困るヂヤないか、どこまでも住み慣れたる土地に居た者を、その土地より逃がさずにチヤンと住まはしておくのが仁政と言ふものだよ。


それから怪我人は、矢張り急場の間に合はせに幾らも大小屋を建て、みんな一緒に入れて置くのよ。さうして、村々のお医者はここへ集つて夜の目も眠らずに、急場の療治をするのだ。


 何でもこの様な時は素早いのが勝ちだから、ぐづ/\せずに療治していつたものだ。

 それゆゑ、大怪我人も容易に死な>かつたよ。

 徳川時代は、イクラお医者が開けないと言うても、急場になつてマゴ/\する様な者はなかつたよ。それに、なか/\手ばしつこい事をして療治するから、ドンナ者でも手遅れの為(ため)に殺す様な事はなかつたものだよ。

左様(さよう)の風にやつて行くと津浪のために無惨なる者も憂き目を見る様な事が無くなつて来る。それから、三ヶ年も五ヶ年も、ツマリ被害の具合次第で納税を年賦にして、ごく寛(ゆ)るくしてやるのだ。


 一方では怪我人や飢渇者を助け、他方では年貢を寛るめるから、被害の窮民は悦(よろこ)んで業につく様になるものだよ。

 かうなれば、モーしめたもので、安心さ。

 ※  ※  ※

 姫路藩の備蓄倉庫の固寧倉(こねいそう)(再掲)

イメージ 1



 固寧倉の記事はこちら
http://blogs.yahoo.co.jp/metoronjr7/51212476.html

 当たり前のことですが、江戸時代は武士が民百姓に虐げられていたのが、明治維新になって世の中すべて良くなったということは無かったのですね。

 時代劇では、江戸時代は日本中が悪代官だらけだったことになっているのですが、大名もこういうときに対応が悪いと転封されたり、家が取りつぶされたりするし、領民の被害が大きいと年貢も入らなくなるから、対応は迅速だったわけですね。

 この頃はトラックも重機も無いし、医療技術も医薬品も限られていてやれることは知れていたでしょうが、本質的な問題意識において、やはり考えるべきことはあると思います。

 そういえば、民主党は震災前に蓮舫氏をはじめとした仕分け人達が、災害対策を軽視した結果、

● 石油と塩の備蓄 (仕分けパフォーマンスの生贄)
● 防衛費 ( 自衛隊災害救出活動の縮小 )
● スーパー堤防 (100年に1度の大災害対策は不要)
● 災害対策予備費 (生活保護枠拡大《母子家庭》の財源化)
● 学校耐震化予算 (「緊急性が無い」。麻生政権による推進政策)
● 地震再保険特別会計 (子ども手当の財源化。麻生政権による推進政策)
● 耐震補強工事費 ( 高校無償化の財源化。麻生政権による推進政策)
● 除雪費用 (東北地方整備局を目の敵に)
● 八ッ場ダム (やんばだむ:「河川は自然堤防のままが環境にやさしい」、胆沢ダム《小沢ダムは》続行)

 等等を削減していましたね。これに喝采の声を上げていたメディア・国民は一体何だったのでしょう?


 先の東日本大震災の被害は千年に一度の地震・津波と原発事故が重なっていて単純な比較にはなりませんが、それにしても緊急事態に対する心構えは江戸時代より優れていると言えるのでしょうか?

 今回の震災において、自己完結型の救援が行える実質上の軍隊である自衛隊が活躍しましたし、自治体も自ら罹災した中で精一杯のことをやったと思います。度重なる人員削減で、余剰人員など無い状態の他自治体からも多数応援に駆けつけました。

 それから日頃から利権だ談合だと国民の目の仇にされている建設業の方々の応急工事や道路復旧のスピード、罹災者の方々の沈着冷静な態度は世界の賞賛を浴びましたし、運行中の鉄道は非常停止し、死亡者を出しませんでした。これは評価すべき事です。

 津波警報が過小評価だったという反省は成されていますが、それでも事前の緊急警報があるとないとでは被害の規模は大違いだったでしょう。

 原発事故についてはこの記事では少し次元が違った大きな問題なので、ここでは触れませんが、それにしても政府の対応がよく分かりません。

 『それから、三ヶ年も五ヶ年も、ツマリ被害の具合次第で納税を年賦にして、ごく寛(ゆ)るくしてやるのだ。一方では怪我人や飢渇者を助け、他方では年貢を寛るめるから、被害の窮民は悦(よろこ)んで業につく様になるものだよ』

 という江戸時代の災害対策の方針を知ると、今の政府の対応と比較して頭を抱えざるを得ません。

 このデフレの上の大災害という非常時に、野田首相は、一言も国民に相談せずにカンヌで開催された20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)で『2010年代半ばまでに消費税を段階的に10%まで引き上げるための法案を今年度内に提出する』旨を国際公約しました。

 しかも、復興事業は後世代にも受益をもたらすインフラ整備なので、堂々と償還期間が60年の建設国債の対応をすべきなのに、今の世代が負担するなどと言いだし、結局償還期間が25年になるようです。これは、あきらかに増税のための環境作りです。

 本当に信じられません。

ところが、消費税率を上げたからと言って、必ず税収が上がるということは何等保証されていないのです。


 橋本内閣時代の平成9年(1997)年に消費税増税が3%から5%へと2%引き上げられました。
 そして、この時は同時に社会保険料引き上げや所得税特別減税の廃止も行われ、合わせて「9兆円の負担増」と呼ばれました。

 それで税収は増加したのでしょうか?

 財務省のHPに一般会計税収の推移のグラフがあります。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/010.htm

イメージ 2



 平成9年以降、増税したのに、景気の悪化で肝心の税収は大きく落ち込み、それ以降、平成9年の水準を回復した年がありません。

 消費税を上げたはずなのに!

 さらに、主要税目の税収(一般会計分)の推移を見てみましょう。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/011.htm

イメージ 3



 このグラフを見て一目瞭然。いくら消費税収が上がっても、景気の悪化でそれ以上に所得税や法人税の落ち込みが大きくなっているからです。

 今は平成9年以上のデフレです。物をいくら安くしても、消費者の財布の紐が固くて売れないのです。

デフレ下の大災害時には、むしろ景気浮揚のための減税を考えるべきなのに、これ以上景気を冷え込ませるなんて何を考えているのでしょう?


 第一、増税言い出しっぺの財務省HPの資料が、増税=増収とならないことを証明しているのですから、大笑いです。

 しかも年金支給時期を引き延ばすとか言っているのですから、狂気の沙汰です。

 みんな、物を買うことよりも、老後が不安で預貯金にお金を回すという選択するに決まっています。

 その上に日本をアメリカに売り飛ばすTPPへの参加表明だなんて信じられません。

 今の日本政府は、破滅のための努力を一生懸命する狂気の政府なのですね。





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上の記事のような内容を、我々は全然理解出来ていませんね。一般市民が理解できていないのはしょうがないにしても、政府の役人の人たちが理解できていない、というのはありえることでしょうか。
理解していても、なお、現状のやり方を推し進めて行くのでしょうか。
野田首相の本音はどこにあるのでしょうか。
野田首相はTPPに参加を表明しました。

2011/11/12(土) 午後 7:36 [ afuro_tomato ]

トマトさん、そうなんですよ。国民は日々自分の仕事を一生懸命やるので精一杯ですからね。
これをちゃんと伝えるのがメディアで、政府の高級官僚は国費で海外留学して勉強していますから、その知識で政治家を支えるのが仕事です。
留学先がアメリカだったりするから、洗脳されて帰ってくるのかな?
実のところ、分かっていて、アメリカに脅されて間違った政策を立案しているのか、本当に頭が悪いだけで、それが日本の為だと思っているのかよく分からないんですよ。
優秀な人はいるはずなんですが、出世というのは仕事の能力とは別のようですし。
野田首相は財務大臣だった人なので、まさかとは思っていたのですが、
全くTPPの内容について分かっていなかったことが判明しました。
それなのに、ホノルルで参加表明。
ただ、ただ、呆然です。

2011/11/13(日) 午後 6:45 眼とろん星人

あの当時でさえ、これだけのことを書かれていたのですよね・・でも、明治政府と今の政府では雲泥の差があります・・・なんか、イベントに参加するのりで何も考えずに参加表明してるとしか思えないですよね。。凸

2011/11/15(火) 午後 7:21 むにゅ

むにゅさん、江戸時代は迅速な対応ができていたのですね。
進歩的文化人のマルクス史観では、制度というのも進歩していくようなのですが、私にはそのようなふうにはとても思えないのです。
今の政治家は外国から操りやすい人間がメディアの宣伝と相俟って出てきているようなので、怖くてしょうがありません。
ポチありがとうございます。

2011/11/19(土) 午後 2:57 眼とろん星人


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