【ファイルF57】2014.02.24 大阪ガスビル食堂でビーフカレーとギリシャ料理のムーサカを食べたよ創業昭和8年の老舗のお味だねえ。先日、安井武雄氏が設計した大阪ガスビル(大阪瓦斯ビルヂング)について書きました。http://blogs.yahoo.co.jp/metoronjr7/54793872.html 写真では、カーテンがかかっていますね。 私は増設北館の入口から入ったので、フロアをずっと奥の南側エレベーターホールまで進んで、そこにある8階食堂レストラン直通エレベーターに乗りました。 エレベーターを降りたところにクロークがあって、ここでコートを預けることが出来ます。 平日ランチオープン時間直後に行ったのに、窓側の席は予約で既に満席だということで、手前の狭い方の部屋に通されました。 ※注意!ここは、土日祝がお休みです。つまり大阪ガスの食堂で、ビジネスマン用の食堂なので、平日しか開いていません!営業時間 11:30〜21:30(L.O.20:30)ランチ営業定休日土曜・日曜・祝日TEL・予約 06-6231-0901:詳細については、直接ご確認ください。私に案内された席の隣にある窓際の席には、案の定『予約』のプレートが置いてありました。先ほどのビルの写真で、最上階のカーテンがあった場所です。 それで、席に案内されて、椅子をボーイさんに引いてもらって、腰をかけました。 『荷物を向かいの席に置きましょうか?』と言われ、置いて貰いました。 完璧なホスピタリティーです。ただし、お料理の10%のサービス料が取られますが、これだけ気が利いている応対をされれば、サービス料を取るのは当然だと思います。海外のチップよりよほど合理的です。 ここの名物は、冒頭写真のムーサカというギリシャ料理と、ガスビル食堂の伝統メニューであるカレーとだということなのですが、両方一度に食べても量は大丈夫か尋ねました。 ライスの量は希望に応じて調節できるけれど、カレールーはちゃんと一人前の量が出てくるとのことです。 ちょっと大変だとは思いましたが、どっちも捨てがたいので、誘惑には勝てず、ビーフカレーとムーサカの両方を注文しました。カレー類では他に、チキンカレー、小海老のカレー、シーフードフライのカレー、ハヤシライスがありますから、牛肉の苦手な人でも大丈夫です。どれも美味しそうだねえ。先に写真左から、らっきょう、福神漬、セロリのピクルスが運ばれてきます。ウェイトレスのお姉さんが、ライスを運んできて、トングでお皿によそってくれるのですが、丁度良いと思った量のところで、ストップをかけてくださいといわれました。 量はあっても、カレールーが余るときついし、ムーサカもあるので、標準的な一人前の量のごはんをよそってもらいました。 10種類以上のスパイスを配合して仕込んだふくよかなカレーソースに、角切りビーフが入った特性ルーなのだそうです。角切りビーフというより、ほとんどサイコロステーキです。それが、ごろごろと無造作に8個ほど入っています。 お肉は噛むとさくっと言う感じで歯が入り肉汁が出てきます。肉汁を閉じ込めておくために軽く表面を炒めているんだねえ。ひょっとしてミディアムレアかな? カレーソースの中にいろいろ溶け込んでいて、原形を留めているのは牛肉だけです。 このカレーは口に入れた瞬間、ほの甘くフルーティーな味が口中に広がって、あとから辛みが出てきます。 このへんは、以前ご紹介した大阪名物のインディアンカレーと同じ感じなのですが、こちらの辛さの方がピリピリ感が幾分抑えられてまろやかです。 それから、肉が多いので当然ながら他店のそれよりビーフの味が前面に出ていて、ビーフシチューの方向に味が歩み寄っています。 パサパサ外米じゃなくて、普通のもちもち日本米によくあった洋風カレーだねえ。 インドの人は、多くがヒンドゥー教徒だから、聖なる牛肉は食べないので、これは正統的な欧風洋食ですね。 薬味は、セロリのピクルスの青臭い酸っぱさが爽やかでした。 ムーサカはギリシャの家庭料理に由来するメニューです。三代目の料理長さんが本場の羊肉を牛肉フィレに代え、創業当時からの伝統のドミグラスソースにトマト、ピーマン、ナス、マッシュルームなどを加えて煮込み、マッシュポテトでおしゃれにアレンジしオーブンで焼きあげたものだそうです。 焦げ目のほんのり付いた、マッシュポテトの壁の中に、デミグラスソースに浸かった具が入っています。 ソースの中にはワラのような、ほぐれた繊維状のフィレ牛肉が入っています。 これがデミグラスソースとよく馴染んで柔らかく煮込まれているのです。カレーの中のステーキのようなサクジュワ肉と違って、こちらは肉の線維が口の中でほぐれてデミグラスソースと混ざっていく感じが嬉しいねえ。 お野菜は、トマトがとろりとして酸っぱくて、茄子はくたっとして良く味が染みこんでいます。カリフラワーがしゃきしゃきしていて、マッシュルーム・ピーマンも歯ごたえがあって、ニンジンは柔らかく甘くコクがあります。 デミグラスソースの池の周囲を取り囲む、もんじゃ焼きの土手のようなマッシュポテトは、裏ごしした和菓子みたいな滑らかさで、ポテトコロッケのポテトを上品にしたようなジャガイモ独特の風味がなんとも言えません。ガスビル食堂は、大阪における最も近代的で美しいビルディングと称されたガスビル八階に、昭和8(1933)年3月の竣工と同時に誕生しました。開業当時は、本格欧風料理を提供し、モダンシティー大阪を代表するレストランとして市民の人気を集めたということです。関東大震災を逃れて関西に移住していた小説家の谷崎潤一郎さんが、大正13(1924)年その随筆「洋食の話」で、「京都にも大坂にも洋食らしい洋食は殆んどない。(中略)上方の人たちは洋食の味を知らないらしい。そのくせ洋食を食うのが好き」だと書いたように、確かに居留地を中心に発展した西洋料理の普及は、大阪ではやや遅れていました。本格的な洋食が食べたければ、神戸に行けば良かったからねえ。 しかし昭和初期には、世界恐慌で不況が続くのを横目に大阪はますます活況をみせ、ハイカラな洋風好みが広まっていきました。 昭和3年(1928)、北浜にレストランアラスカができました。その本格西洋料理は財界人に愛され、昭和六年には中之島の朝日新聞ビルに本店を移し、やがて関西の西洋料理をリードしていきます。また昭和4年、小林一三氏(阪急グループ創始者)が日本初のターミナルデパート阪急百貨店を開店し、大食堂の20銭のライスカレーや30銭のランチが大評判になりました。そういった中、昭和8年、「大大阪」のシンボルである御堂筋に片岡直方氏(当時大阪瓦斯会長)がガスビル食堂を開業します。昭和10年には関一市長の強い要望を受け、大阪の財界人が協力して新大阪ホテル(現リーガロイヤルホテル)を開業します。こうして大阪の西洋料理は昭和初期に大いに発展します。こういった経緯から、その発展には美食家谷崎潤一郎氏も一役買ったと考えられるようです。昭和8年開業のガスビル食堂は、初代の料理長を帝国ホテルから招聘しました。大正11年(1922)、当時築地精養軒にいた彼は、日本を訪れたエドワード・アルバート英国皇太子【後のウインザー公、シンプソン夫人との結婚のため王位を捨てたことで有名】の日本周遊に同行しました。 皇太子から「本場にも負けない」と、コンソメの味を誉められたことを、料理長は終生の誇りとしていました。ガスビル食堂には、初代料理長のコンソメやドミグラスソースなど、正統派フランス料理の伝統が今も受け継がれています。 『自由軒』の記事にも出てきた小説家の織田作之助さんは、昭和15年(1940)「夫婦善哉」で文壇にデビューします。将棋好きであった作之助さんは、ガスビルにあった学士会倶楽部の将棋会に加わるようになりました。当時傾倒していた大阪文壇の第一人者藤澤桓夫氏に連れられての参加でした。学士会倶楽部の将棋会はハイカラな雰囲気の ガスビル食堂で催され、モダンな酒場や本格西洋料理が当時の文化人にもてはやされたということです。それにしても、またもや関一市長が出てきます。まさに公と民間が協力して大阪を発展させたのです。先にも書いたように、土日祝が休みのビジネスマンのための食堂です。先ほどの窓際の予約席には、上品な異業種とおぼしき二人のサラリーマンが和やかに商談前の雑談をしていました。 そのへんが大阪商人の粋(すい)なのでしょう。 しつこく繰り返しますが、メディアの垂れ流す吉本風大阪のイメージは歪曲されすぎて悪意さえ感じます。この日の料金はムーサカ 2,100円 ビーフカレー 1,785円 ―――――――――――――――――― 小計 3,885円 サービス料 388円 消費税5% 203円 ―――――――――――――――――― 合計 4,270円 でした。 ※ 注意!消費税5%時の料金です。料金については、ご利用のつどご確認ください。おの雰囲気でこの手間と食材・味、ホスピタリティーなら、とてもリーズナブルだと思います。 大阪モダニズムの近代欧風カレーや洋食をリッチに味わいたいなら、ここ大阪ガスビル食堂だと思いました。 ごちそうさまでした。2品はさすがに多かったよお!
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昔の記事ですがトラバさせてくださいね。平日でしたが2006年頃はガラガラでした。最近、混むようになったのかな??コースの方を注文したのですがお味は普通でしたという程度の記憶しかないんですよ・・・単品で頼んだ方がよかったかも・・・・確か、あの時はランチタイムなのに他にお客さんがいなかったのだけは覚えてます。高いし、8階だからわかりにくいかったのかもしれないですね・・・しかし、同じ料理の写真でもアタシのと月とすっぽん!なんておいしそうに美しく撮るんでしょう!凸
2014/3/2(日) 午後 5:30
むにゅさん、そうでしたか。私が行ったときは結構席が詰まっていました。
また洋食ブームで人気が出てきたのかもしれませんね。
ここはブログの記事も多いようですし。
私は最初から、カレーかムーサカ狙いで行ったので、コースは考えていませんでした。結局両方頼んで、少し苦しい思いをしましたが。
カレーもムーサカ名物料理というか、サービス料理でもあるのでしょうね。
自然光がカーテン越しに入ってきていて、撮影の条件は室内としては良い方でした。
ポチありがとうございます。
2014/3/12(水) 午後 8:36
トラバできてなかった・・・させていただきま〜す!
2014/3/23(日) 午前 1:15
むにゅさん、トラバありがとうございます。
私の記事もトラバさせてくださいね。
それにしても、むにゅさんは本当にいろいろ行かれていますね。行動力に脱帽です。
2014/3/28(金) 午前 2:54
僕の彼女は、ムーサカをビーフシチューって言い張ってます(笑)彼女は日曜日定休日で残念がってます。僕を連れて行きたかったようで。
2017/10/4(水) 午後 11:24 [ たかさん ]