アトモス部屋

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【ファイルC288】2014.10.08 日本軍に助けられた名古屋市東山動物園のゾウさんの話(その5)

有名な『象列車の話』の真実(北王園長の著作から)

 現在の東山動物園のゾウさんの記事はこちら。↓
http://blogs.yahoo.co.jp/metoronjr7/54617710.html
http://blogs.yahoo.co.jp/metoronjr7/54610055.html

 前回は、『敗戦後の東山動物園(北王園長の著作から)続』という記事を書きました。↓
http://blogs.yahoo.co.jp/metoronjr7/55205488.html

日本軍に助けられた名古屋市東山動物園のゾウさんの話(その1)から読まれる方はこちら。↓

http://blogs.yahoo.co.jp/metoronjr7/55075328.html

今回は、北王園長の日記から、有名な『象列車の話』について引用しましょう。


敗戦直後、日本国内の象さんは、名古屋の東山動物園のたった二頭だけになりました。

その時に生まれたのが有名な『象列車の話』です。

ところが、この名古屋市東山動物園の『象列車の話』も、上野動物園の『かわいそうなゾウの話』同様、日教組の当時のソ連共産党、中華人民共和国共産党、朝鮮民主主義人民共和国労働党から日本の侵略を容易にするため(彼らに言わせれば『日本の解放』)、日本に武装放棄を要求する反自衛隊・嫌軍・反軍思想でもって児童生徒を洗脳するための道具に使われたのです。

ですから、本当の当事者であった、北王園長の手記である【『動物の四季』北王英一著:文芸春秋新社(現在絶版)】の叙述を残しておくことが、なにより必要であると考えました。

さっそく当該部分を引用してみましょう。


 ※    ※    ※(以上引用終わり)

 P50

象の友情

 古代ローマ人が、「象とは両眼の間に、手の代わりとて蛇を有せる獣なり」といつた。

 なるほど、あの器用な鼻はまるで生き物のようだが、さりとて蛇のような不気味さはない。

 いずれにしても象という動物、見れば見るほど奇妙な形である。大きい図体、小さい眼、うちわのような耳と長い鼻、太短い肢など、どれもこれも現実ばなれがしているのである。

 しかもなんとなく愛くるしいところは、どうみてもお伽(とぎ)の国の動物であつて、子供たちの人気のまとになるのも、もつともなことである。

ところがこの象が、戦後しばらくの間、日本の動物園にいなかつたことがある。戦後初めて象が入つたのは、昭和二十四年九月に上野動物園へ、ネール首相から贈られたインデイラというメス象である。それまでは名古屋にただ二頭おつたきりで、それ以外は生きた象は見られなかつたのだから、日本の子供らの象に対するあこがれはいたいたしいほどのものであつた。

東京台東区の子供議会では、名古屋の象を一頭だけ、東京へ借りてこようじやないかということを決議して、代表が名古屋へ乗りこんできたのは、昭和二十四年五月だつた。大人たちの申し出に対しては、ことわり続けてきた私も、純真なこども達の攻勢には全くもてあましたものであつた。

そこで二頭の象は一かたまりのように仲よしであること、象は神経質だから、無理に仲をさいたら病気になるおそれがあることなどを、繰返し説明したうえで、その実演をしてみせることにした。


どうしたかというと、エルドを一頭だけ室の中に残して、マカニーをいやおう無しに連れ出したのである。

数名の飼育係に鳶口(とびくち)でミミの後ろをひつかけられて、マカニーは不承不承に外へ歩きだしたのであるが、このとき室内でエルドがキュウ、キュウというかん高い声をたてながら、鼻で床をたたくとパンパンという響きをたてる。

それをきくとマカニーの形相(ぎょううそう)も変つてきて、目をつり、耳を大きく立てて、同じようにキュウ、キュウを連発して、中と外とで呼応するという始末である。それにも構(かま)わず係員らは、大声叱咤(しった)して歩かせながら、約百メートルばかり離れた噴水塔のあたりまで来たときである。


室内のエルドはもうたまらなくなつたか、鉄戸に頭をぶつつけて、体当たりで戸を破ろうとするのである。額からは血がたらたらと流れ出した。悲鳴は一だんとはげしく、まるで狂気したように暴れるのである。するとこの騒音を聞きつけたマカニーは、ピタリと動かなくなつた。

おどしてもすかしても、もう小山のように動かない。またひとしきりエルドの悲鳴がきこえてくると、こんどはクルリと体を回転したかとみると、係員を尻目に韋駄天(いだてん)のごとく自分の家へ走り出したのである。もう制止もなにもきいたものではない。さつさと室の前までもどつていつて、内と外とで呼びあい、鳴きあうという始末である。

この物凄い情景にうたれた子供代表たちも、ようやく離すことの無理だということを、得心(とくしん)してくれたのである。


この話をきいた、東京の子供たちも感激して、象を借りることはあきらめよう。そして名古屋まで像を見に行こうということになつて、象列車を仕立てて大挙して両象を訪問してくれたのである。

このときは、私どもも嬉しかつた。マカニー、エルドは門前まで皆を迎えて、あの大きい背に子供らを鈴なりに乗せて、心ゆくまで、愉快な交歓に時のたつのも忘れたのだつた。

 ※    ※    ※(以上引用終わり)

【「ゾウを譲ってください」と陳情に訪れた東京の子どもたち代表(昭和24年)の写真:名古屋市東山総合公園HPより】


 
イメージ 1



それにしても、象の友情というのは、これほどまでに強いのですね。

上野動物園に来園した象のインディラついては、かつて当ブログで、当時の麻生太郎首相に関連した記事としてとりあげましたので、ご参照下さい。↓

http://blogs.yahoo.co.jp/metoronjr7/44738171.html

こういう、戦後日本の子供たちに笑顔を取り戻すという大切な役割を果たしたマカニーさん、エルドさんなのですが、その後、不幸な事故が起きてしまいます。

それは昭和30年(1955年)6月17日のことでした。北王園長はこう書かれています。

 ※    ※    ※

 十二月の巻

夢を食う動物

(前略、p134より)

さて、昭和三十年も、いよいよ師走の月を迎えた。今年は私の園にも悪い出来事があつた。

それは象のマカニーが飼育係を殺したことである。

 長年みんなから愛されてきた人気者が、人殺しにまで成り下がつて顧みられなくなつたことは、何としても残念である。この思いが悪夢のように、脳裏から離れない。歳末にバクを扱つてみたくなつたのも、この悪夢を食わせて、さらりとした気持で年を送りたいからである。(後略)

 ※    ※    ※(以上引用終わり)

以前、発情期のオスのゾウは気性が荒く、危険なので、他のゾウと隔離して、飼育員の方々は細心の注意で扱うという記事を書きました。↓

http://blogs.yahoo.co.jp/metoronjr7/53030776.html

ところが、マカニーさんのようなメスゾウでも、あの体格、重量ですから、不機嫌なときやちょっとした不注意で悪気が無くても、大事故につながります。

事実、動物園に於いて一番事故が多いのがゾウさんなのですね。


そういうリスクがあるにもかかわらず、本物のゾウを日本にいながらにして、観ることが出来るというありがたさを、私たちはしっかりと認識しておくべきでしょう。

基本的に、動物園にいる動物は、野生の動物なのです!

動物は可愛いとか、生物の多様性とか、種を超えた共生とか、自然保護とか簡単に言いますが、野生と人の関係はそんな単純なものではないのです。野生というものは統御ができないから人間は文明でもってそういう野性を排除し、都市を作ったのです。

ですから、都市にこそ動物園は必要なのです。


動物園は、人間の文明とは何か、大きな問題を付きつける施設としても重要な意義を持つのです。

私は当ブログで、『戦時中の東山動物園の真実 猛獣殺処分の国の命令なんてなかった!(北王園長の著作から)』という記事を書きましたが。↓

http://blogs.yahoo.co.jp/metoronjr7/55151064.html

調べていくうちに、これ以外にも、この話については他にもデマが多く存在することが分かって愕然としました。


 次回に続きます。

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閉じる コメント(4)

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無理やり別れさせようとした時の、2匹の象の行動はすざましいですね。2匹はいつも一緒にいるのが当たり前なのに、それを無視して別れさせようとした人間の行為は象にとっては理解しがたい暴力だったに違いありません。
その現実を見た子供たちが、心の底から象の本能的な本心を理解出来たのはよかったです。子供たちだけでなく、日ごろ象の世話をしている人達も驚いたと思います。
象さんの存在って、人間に近い動物の一つですね。

2014/10/10(金) 午後 8:00 [ afuro_tomato ]

トマトさん、そうですね。離れたくないから我を忘れたのでしょうね。北王園長はある程度のことは想定されていたでしょうが、ここまで強い絆で結び付けられていたということを知ったのは驚いたでしょうね。
でも、これが本当の子供の教育になったのだと思います。

こういう姿を見たら、余計に友達に二人そろったゾウさんを見せたいと思ったでしょうから、その気持ちが象列車という形で実現したのでしょうね。

トマトさんが、マカニーさん、エルドさんに会えたのもこういう経緯があってのことだったんですね。

2014/10/11(土) 午後 10:18 眼とろん星人

そりゃあ発情期だったら人間ごときはすぐに潰されてしまうでしょうね・・・なんといっても子孫を残すための本能がMAXででてる時期ですものね・・・また、強い絆を無理やり引き離すことがいかに残酷なことかをわかってくれた子供たちも嬉しいですよね。子供たちだけのわがままを通すんではなく、絆を解いてしまうことがどういうことかを理解してくれて象さん列車を仕立ててまで・・・みんな優しい〜〜凸

2015/3/15(日) 午後 10:36 むにゅ

むにゅさん、温厚なインドゾウといえども、家畜ではない野生動物です。
発情期の時はなおさらですが、そうでないときでも、ちょっと機嫌が悪かったり、ゾウさんは親しみを込めたスキンシップのつもりでも、あの力ですから、大事故になってしまうことがあります。

だからこそ、私は飼育員の方々の日々の御努力に感謝し尊敬しています。

それにしても、東山動物園の方々は、子供たちにまたとない貴重な教育をなさいましたね。さすがはプロの方々です。戦後の辛くて心の余裕のなかった時代のことですから、本当にみなさんの優しさに感動しますね。
ポチありがとうございます。

2015/3/26(木) 午後 11:47 眼とろん星人


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