【ファイルT41】2008.07.10 去年の夏の京都祇園祭だよ。その32 久世駒型稚児(くぜこまがたちご)さんは、素戔嗚尊(すさのおのみこと)の荒魂(あらみたま)の化身だよ!
荒御魂(あらみたま)と和御魂(にぎみたま)が合体してパワーアップ!
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16:00 町衆が手拍子を打ちながら、境内に入ってきます。
続いて、白馬に乗ったお稚児さんが颯爽と現れました。
眩しくて、そこだけ後光が差したように見えます。
これが久世稚児(くぜちご)さんです。とにかくカッコいいのです!祇園祭の主役ですものね。
祇園祭の稚児には既にご紹介した鉾に供奉(ぐぶ)する鉾稚児(ほこちご)と、南区久世の綾戸国中(あやとくなか)神社の神使いである久世稚児(くぜちご)があります。
久世稚児は胸の前に御神体である木彫りの馬の頭をつけていることから、『駒形稚児(こまがたちご)』とも呼ばれ、神幸祭と還幸祭の2名選ばれます。
綾戸国中(あやとくなか)神社は、綾戸神社と国中神社が合体した神社で、国中神社の祭神が素戔嗚尊(すさのおのみこと)です。
ところが、八坂神社の素戔嗚尊(すさのおのみこと)が和御魂(にぎみたま)であるのに対して、綾戸国中神社のそれは、荒御魂(あらみたま)で、2つの御魂が合体してパワーアップして祭りが始まるのです。
素戔嗚尊(すさのおのみこと)の荒御魂(あらみたま)のお稚児さん=久世稚児は胸の前に御神体である木彫りの馬の頭を掛けて騎乗した瞬間から神の化身とみなされ、五位十万石の大名格の格式を誇る長刀鉾稚児や皇族の方でさえ下馬を要求される八坂神社の境内に、騎馬のまま乗り入れる破格の扱いを受けています。
ですから、久世稚児は御神輿のオマケじゃなくて、それ自体重大な役割を担う独立した神様の巡行なのです。
久世稚児さんは、騎乗したまま拝殿を右回りに3回まわります。これをお千度というそうです。ここは、皇族の方々でも馬に乗っちゃいけない聖域なのです。特別扱いです。凄いねえ!
鉾稚児さんと同じく、神の化身なので、地面を踏んではいけません。だから強力(ごうりき)さんに担がれて、昇殿します。
古式ゆかしい装束の神官の方々が、昇殿します。
なかで何が行われているか、わかりません。かなり待たされます。
久世稚児さんが出てきました。
屈強な町衆とのコントラストがおもしろいねえ。
ということで、今回は素戔嗚尊(すさのおのみこと)の荒御魂(あらみたま)と和御魂(にぎみたま)がめでたく合体してパワーアップしました。よかったねえ。日本では合体ロボットなんて発想は、大昔からあったんだねえ。
※)
和御魂(にぎみたま)=温和で愛情を持ち、柔和・慈悲の心などを備えた「静」的な霊魂。人間に平安をもたらします。併せて運・幸を司る幸御魂(さきみたま)、知恵と健康で奇跡を呼び起こす奇御魂(くしみたま)という霊魂も内包されています。
荒御魂(あらみたま)=文字通り荒々しく勇猛な面を持ち、積極的・活動的な御霊。「祟り」を引き起こしたり、人々を争いに駆り立てたりということもあるそうです。その霊威を祀ることによって、人間を守護する力になるとされています。
よく考えたら、当たり前ですね。自然には生命を包み込むような優しさがある反面、嵐も地震も雷もあります。それを神様の一つのありかたとして捕らえ、エネルギーの源と考える宇宙観というのは実に合理的だと思います。
そもそも生命はお日様の恵みを受けています。お日様のエネルギーというのは核融合反応により水素がヘリウムに変化することによってもたらされます。早い話が水爆ですから荒御魂(あらみたま)そのものです。でも、春の日の柔らかい日差しは和御魂(にぎみたま)ですね。
それにしても、太陽=核融合反応=荒御魂(あらみたま)=エネルギーなんて、すごい想像力です。
次回に続きます
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