【ファイルMU15】2015.09.15 実力派ミュージシャンとしてのザ・ドリフターズ1966年ビートルズ日本武道館来日公演より。久しぶりの音楽の部屋です。STAP潰しを行った人たちの疑義については、次から次から出てきて本当に収拾がつかない程沢山ありすぎてまとめるのが大変なので、少し箸休めということで、違う記事もぼちぼちと挟みたいとは思っています。 前回は『左利きは天才肌』だということについての記事をポール・マッカートニーさんの例も含めてアップしました。↓ http://blogs.yahoo.co.jp/metoronjr7/55103371.html ザ・ドリフターズは、もともとは、ビートルズの武道館公演の前座をもつとめた、人気と実力を兼ね備えたプロミュージシャンでした。アメリカにはザ・ドリフターズ(The Drifters)という1950年代から1960年代にかけて隆盛を極めた有名な黒人コーラス・グループがあります。「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」において第81位という世界的な人気グループです。特に彼らの代表的なテレビ番組の『8時だョ!全員集合』の人気はすさまじく、番組全体の平均視聴率は27.3%で、最高視聴率は1973年4月7日放送の50.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区にての数値)という今では信じられない数字をたたき出しています。最盛期には40% - 50%の視聴率を稼ぎ、「お化け番組」「怪物番組」と呼ばれたのも当然でしょう。しかも大掛かりなセットを組んだ、公開放送のこの番組が生放送だったというから驚きです。もともとはプロミュージシャンだったから、本番の生ライブに強かったという事もあるのでしょう。コメディアンとして一世を風靡したことがミュージシャンとしての彼らにとって、本当に幸せだったのか、私にはよくわかりません。それで、そのテクニックのある人気コミックバンドとして、ザ・ドリフターズは、ビートルズの武道館公演の前座を勤めました。この日本公演は1966年6月30日から3日間、昼・夜公演の計5回行われましたが、ドリフターズの出演は。6月30日と7月1日のみです。当時の映像がありましたのでご紹介します。当時のザ・ドリフターズは荒井注さんのコメントにもあるように「音楽喫茶全盛期には『ライブハウス、ジャズ喫茶の帝王』の異名を持っていた」とされるほどの人気と実力を誇っていたので、前座に抜擢されていたわけですね。いかりや長介さん(ベース)34歳 、加藤茶さん(ドラムス)23歳(字幕では22歳と誤表記)、 高木ブーさん(リードギター)33歳(字幕では27歳と誤表記)、 仲本工事さん(リズムギター、ボーカル)24歳(字幕では23歳と誤表記) 、荒井注 (ベース・キーボード)37歳(字幕では33歳と誤表記)。それにしても、みなさん若いねえ。特に加藤茶さんなんて、ハンサムさんだし、ドラムが上手いし。荒井注さんが抜けて、志村けんさんが加入したのは、ずっと後のことです。ザ・ドリフターズが、演奏しているのは、「ロング・トール・サリー(Long Tall Sally)」、あるいは、「のっぽのサリー」。この曲はもともとは、リトル・リチャードの曲なのですが、スタンダードナンバーとして多くのミュージシャンにも演奏され、ビートルズもカヴァーしていて、1964年にオリジナルEP「ロング・トール・サリー」のA面1曲目に収録されリリースされています。1964年1月17日のビートルズの最初のワールドツアーの一環として行われたオーストラリアはメルボルンのフェスティバルホールライブの模様です。The Beatles Long Tall Sally (Live In Melbourne)この動画でもそうですが、この頃のビートルズは、1965年まで、コンサートではこの曲がラストナンバーに使われることが多かったようです。ドリフの皆さんは、ビートルズに敬意を表して、Long Tall Sallyを演奏されたのだと思いますが、本家がよくコンサートのラストナンバーとして使っていた曲を前座で演奏するというのも、ある意味度胸があるというか・・・。冷や汗ものだねえ。ポールマッカートニーさんのMCで「ジョン!」とコールされたジョン・レノンさんが、英国国歌の「神よ女王陛下を守り給え(God Save the Queen)」の旋律をギターでポツポツと地味に弾いています。オーストラリアはエリザベス2世女王陛下を元首とする英連邦王国の立憲君主国として、連邦議院内閣制をしいていますからね。実は、オーストラリアの国歌は、1984年に現在の『Advance Australia Fair』が国歌として制定されるまで、イギリス国歌『God Save the Queen (King)』が用いられていたので、この当時はこの曲がオーストラリア国歌でもあったのです。演奏中の最後の方で、まるで知り合いのように駆け寄ってきてジョン・レノンさんに握手を求めた男性は、そのあと警備員に身柄を確保されていますが、あれは一体何だったのでしょうか。今思えば、後年ジョン・レノンさんが射殺された1980年12月8日のマーク・チャップマン事件を連想してしまいます。実は、マーク・チャップマンは、それ以前にも、1978年に、ホラー小説の名手、作家のスティーヴン・キングさんにしつこくサインをせがんでいて、それがマーク・チャップマンだと分かった時の恐怖が『ミザリー』(Misery)という作品を書くきっかけになったというのは有名な話で、まあ、チャップマンは、ジョン・レノンさんじゃなくても、相手が有名なら誰でも良かったようだったのです。なお、ビートルズの最初のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』の収録曲に『ミズリー(Misery)』という曲があります。スティーヴン・キングさんの『ミザリー』は、この曲に因んだ作品名だと思われます。若いころは、沢田研二さんで有名なスーパーGS(グループサウンズ)バンド、『ザ・タイガース』のリーダー兼ベーシストの名手=岸部修三(きしべ・おさみ)さんとしてご活躍されていたのですが、181cmと長身だったため、ロング・トール・サリー』(のっぽのサリー)に引っ掛けて『サリー』というニックネームだったのですね。ちなみに、岸部 一徳さんは、同じく『ザ・タイガース』に所属していた岸部四郎さん(ニックネームはシロー)のお兄さんでもあります。E.H.エリックさんの司会に、ジャッキー吉川とブルーコメッツ、ブルージーンズ。ビートルズのメンバー名のコールとリードボーカルとして尾藤イサオさんと内田裕也さんが客席を煽っているんですが、いまではすっかりロック界の大御所である若い頃の内田裕也さんが、歌詞を覚えていなくて大声で間違いまくっているのが“らしく”ていいねえ。いかに内田裕也さんでも、さすがに『天下のビートルズって言っても、どうして俺が前座なんだ?』ってツッパっていたわけではないはずで、単に忙しくて覚える暇が無かったか、さぼって覚えなかっただけだと思うねえ。横の尾藤イサオさんが、内田さんの方を向いて、露骨にイラついているねえ。それにしても、内田裕也さんは、「皆さん一緒にやってください」って丁寧な言葉で手拍子をお客さんに求めるなんて、なんという礼儀正しいロックンローラーだったんだろう。こういうのが当時は“不良の音楽”だったんだねえ。1966年6月30日 PM6:30より第1回目の公演 【Set List】 Rock And Roll Music She's A Woman If I Needed Someone Day Tripper Baby's In Black I Feel Fine Yesterday I Wanna Be Your Man Nowhere Man Paperback Writer I'm Down ※以降、すべての公演の演奏リストは同じ。 7月1日 PM2:00より第2回目の公演 PM6:30より第3回目の公演 (この日のPM2:00からの公演の模様が日本テレビで放映される。視聴率60パーセントという高い数字を記録。) 7月2日 PM2:00より第4回目の公演 PM6:30より第5回目の公演 以上です。 ところで、7月1日の第二回公演は日本テレビで放映されたわけですが、実はこの時の録画テープは、マネージャーのブライアン・エプスタインが本国に持ち帰ったので日本には残っていません。動画の字幕には1966年7月と表記されていますが、これは間違いです。本来は初日の30日の公演をビデオ録画してそれを翌日テレビで放映する予定だったのですが、ポールのマイク・セッティングが不備で、歌っているうちに首を振り出してしまうトラブルがあったのと、客席のファンの反応が十分に写っていないことでブライアンの意向でNGになったのでした。ひょっとしたら、内田裕也さんのトチリも原因だったのかもしれません。さすがに2回目からはちゃんとやったでしょうから。つまり、そちらの30日のNGビデオが、日本の放送局に残っていたため、70年代後半に日本で再放送された日本公演はこちらの方なのですね。ということで、30日には前座で出ていたドリフターズの映像も残っているわけです。さすがに、ビートルズの演奏が映った来日公演動画はネット上に見つけることができませんでした。第一回目の公演を見た作家の北杜夫さんは、「ビートルズの姿が現れるや、悲鳴に似た絶叫が館内を満たした。それは鼓膜をつんざくばかりの鋭い騒音で、私はいかなる精神病院の中でもこのような声を聞いたことがない」という感想を持たれたようですが、当のビートルズ側では、他国の公演に比べて、観客が静かで「お通夜のようだ」と感じていたそうです。 |

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