浅草仲見世通りのメインストリートから、東にそれた路地の奥の分かりにくい場所にあるし、営業時間が短くて時間が合わないことが多いし、日曜日や水曜日に行ったら休みだったし、開いていると思ったら行列が長いしで、いままで行けていなかったお店です。食べログ情報ではこうなっています。11:00〜14:00(材料がなくなり次第閉店 / 良いネタが入らなければ休店)定休日が水曜・日曜・祝日 12席 (カウンター4,5人、こあがり7,8人) たった12席で、この営業時間。これでお商売が成り立つのか、心配になります。それだけ新鮮な食材が入手しにくいのですね。その点が逆にこのお店のステイタスになっています。江戸前天丼 3700円(お新香付)に、お味噌汁200円を注文しました。結構なお値段です。というよりは、メニューはこの2点だけです。厨房からは、ご主人が天麩羅を揚げているパチパチという音がしています。ほどなくして、女将さんが、「この状態でお出しすることになっています」と、閉まり切らない蓋が手前に来るように江戸前天丼を出されました。「ここであったが百年目、盲亀の浮木、憂曇華の、花待ち得たる今日の対面、いざ立ちあがって、親の仇敵(かたき)だ尋常(じんじょう)に、勝負、勝負」【*注/『盲亀の浮木(もうきのうきぎ)』:百年に一度だけ海面に浮いてくる亀が、海面に浮いている木に出会い、その木に空いている穴に入るのは非常に難しく珍しい。『優曇華の花(うどんげのはな)』:三千年に一度花をつける想像上の吉兆の花】。などと、何故か、かたき討ちの際の、お決まりの前口上の台詞を心の中でつぶやいてしまいます。画面では分かりづらいかもしれませんが、ぷりぷりの弾力のある身に、薄くコーティングされたころもは、もたれず、サクサク軽くて、その食感と、素材の風味を閉じ込めるために、ころもがあるのだと実感できます。浅草という先入観を覆す上品で甘辛い薄味です、これも、なるべく素材の味を邪魔しないようになっています。後ろ右側の色紙で「ごめんねごめんね」って謝っているのは、U字工事さんです。お客さんなのに、謝らなくても良いと思うねえ。左側はモト冬樹さんです。壁にはびっしりと著名人の色紙が貼ってあります。ひょっとしたら、この前ご紹介した『助六』さんのものかな?http://blogs.yahoo.co.jp/metoronjr7/56096371.html江戸町火消し装束で二番組の纏(まとい)を持っているねえ。五代目菊五郎(音羽屋)さん演じるのは、歌舞伎『神明恵和合取組(かみの めぐみ わごうの とりくみ)』通称『め組の喧嘩』(めぐみの けんか)に出てくる火消し鳶職『め組辰五郎』かな?新明神社あたりは、『二番組』の『め組』のようだし。http://www5e.biglobe.ne.jp/~komichan/matoi/matoiTop.html『神明恵和合取組』の初演時に、め組辰五郎を演じたのは、五代目尾上菊五郎さんだったようだし。文化二年二月(1805年3月)に起きた町火消し「め組」の鳶職と江戸相撲の力士たちの乱闘事件を題材にした演目です。火事と喧嘩は江戸の華だからねえ。豊原国周さん(天保6年〜明治33年)は明治浮世絵の三傑に数えられていて、特に役者絵にかけては第一人者とされ「明治の写楽」とも称されているそうです。別に焼きそばとか、狸そばとか作る予定が無かったから、そのまま食べてみたらば、これがまた美味しいんだよ。歌舞伎揚げの表面の衣を薄味にして、揚げたてのサクサク感でもって軽くした食感と言ったら近いかな。癖になる美味しさです。ただし、油が回る前に、できるだけ早く食べないといけません。だからこそ美味しいんだろうねえ。 |
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
2016年07月14日
全1ページ
[1]
全1ページ
[1]



