アトモス部屋

ばたばたしていて、レス、訪問遅れてすみません。

眼とろん星人地球滞在記

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【ファイル11】2006.09.28スジャータちゃんの暴走族の話

「シルベさん。聞いて聞いて!スジャータは昔暴走族だったんだよ」
「らしいね。眼とろん星人さんから聞いたよ。それに、『アトモス部屋』でも、その話は何回か出てきたよね」
「なあんだ。知ってるんだ。つまんないの。スジャータ、シルベさんを驚ろかそうと思ってたのに」
「でも、あんまり自慢できたことじゃないよ」
「そうだね、でもスジャータ、悪かったんだよお。不良だったんだよお」
「ふーん。何時も乗ってくる、あのオートバイで飛ばしたんだね」
「うん。『メークイン2世号』だよ」
「ああそうか。スジャータちゃんの愛馬が、『メークイン号』だって言ってたものね。それでオートバイが『メークイン2世号』なんだ」
「そーだよお」
「じゃあ、メークイン2世号で飛ばしたんだね」

「飛ばしたなんてもんじゃないよ。なんたって、時速200キロ以上だからね」
「ええっ!そんな馬鹿な。それじゃあ。一発で免許取り消しだよ」
「違うよお。免許取消しになんて、なんないよお」

「本当だよ」
 ノレン君がつまらなそうに、口を挿んだ。
「でも、それは公道じゃないけどね。別荘の庭のサーキットでの話だよ」

「そうだよ。スジャータ時速200キロ以上で飛ばしたんだよ」
「そうなんだ。でも、いくらサーキットでも時速200キロ以上は危ないよ」
「だから、スジャータ、オートバイの運転を教わったんだよ」
「誰に?」
「全国白バイ安全運転競技大会で優勝した、交通機動隊のお巡りさん」
「あのねえ、お巡りさんに運転を教わる暴走族なんて聞いたことないよ。確かにあの人達は一流のテクニックを持ってるけど・・・・」

「聞いたことなくてもスジャータがそうなんだから、文句言わないでよお。それから、MotoGPのチャンピオンの人」
「あのねえ、MotoGPって、オートバイ・レースの世界最高峰だろ?原田 哲也とか、ノリックこと阿部典史とかの」
「そーだよ。原田さんは、GP250の方が凄かったんだけど、イタリアでは、サッカーの中田ヒデ選手より人気があったんだよお」

「無茶苦茶だなあ!」
「だって、お父さんの会社がチームのスポンサーだもの。あたりまえだよお」

「それで、確かスジャータちゃんは、暴走族の頭(カシラ=総長)だったよね」
「そうだよ。『チーム・スジャータ』だよ。」
「へえ。凄いんだ」
「そりゃそうだよ。凄いんだよ。えっへん。メカニックもホンダからの出向社員だからさあ」
「あのねえ・・・。族には構成員がいるだろ?スジャータちゃんの子分の」
「そーだよ。お父さんの会社の従業員の子供だよ」
「可哀想だなあ。どうして社員の子供だと、そんなことにまで、付き合わされなけりゃならないんだ」

「でも、みんな、不良になったこと無いから、楽しんでたよ。
けどねえ。受験があるって、休憩の度に参考書開いて勉強するんだもの。スジャータ、頭にきたよお!」
「しまらない暴走族だな。それで、スジャータちゃんは、私道のサーキットで走っただけかい?」
「もちろん公道でも走ったよ。公道で走らなきゃ暴走族の名がすたるよ」
「それはそうだけど」

「ただねえ、『メークイン2世号』は、レース仕様だから、公道は走れないんだ。つまんないよお。だから、公道では普通のリミッターやマフラーが付いた『メークイン3世号』に乗るの。だから、ここに乗ってくるのも実は『メークイン3世号』なんだよ」
「へえー」

「それでね、公道で走る時は、白バイのお巡りさんとパトカーが先導してくれるの」

「なんだよ、それは!」
「それで、スジャータは白いドレスを着て『メークイン3世号』に乗るんだ」
「変な暴走族だねえ」

「それでね。タスキを掛けるんだよ」
「タスキ?」
「シルベさん、知らないかなあ。『交通安全』って書いたタスキだよ」
「あらまあ」
「それで、沿道の子供に風船を配るんだ」
「ほほえましい暴走族だねえ。それって、『交通安全』の啓発キャンペーン・パレードだろ?」
「でも、交通妨害でしょ?道いっぱい塞いだんだもの」
「分かった分かった。そうだね。交通妨害だね。白バイとパトカーが先導するんだものね。確かにじゃまだね」

「そうだよお。それで、スジャータ、悪かったんだよ」

「悪かったって、どういうことをしたのさ。例えばカツアゲとか?」
「カツアゲならしたことあるよ。スジャータ、それ、得意だったよ。そりゃあ、脅したよお。額面を抜いた小切手をほっぺにぴたぴた当てて、受け取らなきゃ酷い目にあうわよって」
「なんていうカツアゲなんだよ」
「スジャータは悪かったんだよお!」
「わけが分からないよ。それってカツゲじゃないよ。お金を人にくれてやるだけじゃないか。寄付だよ」
「でも、脅してやったんだよ」
「それで、相手は受け取ったのかい?」
「最初の頭(カシラ)は喜んで受け取った」
「じゃあ、次の頭は?」

「『俺は乞食じゃない!』って、小切手を破いちゃった」
「それは筋の通った正しい不良だね。大したもんだ」
「でも、不良だよ。第一、生意気だよ。スジャータがあげるっていうのに受け取らないんだもの」
「でも偉い奴だよ」
「でもスジャータに逆らって生意気だから絞めることにした」
「えっ!スジャータちゃんが?」
「違うよ。まあくんだよ」
「まあくんて、ひょっとして、いつも黒いスーツ着たボディーガード?」
「そうだよ」
「それは卑怯だよ」
「でも、執事のメリーさんも付いてたよ」
「メリーさんの執事?」
「ちがうよお。執事のメリーさんだよお」
「なんだよ。ボディーガードと執事付きの暴走族って。そんな暴走族無いよ」
「だけどね、まあくんもメリーさんも、そんなことしてはいけないって。その時、凄くスジャータに怒ったんだ。まあくんもメリーさんも、スジャータが暴走族に入るのに大反対してたんだ。でも、スジャータがどうしても入るって我がままいったら、心配してついてきたんだよ」
「そりゃあそうだよ。二人とも正しいよ」
「それで、スジャータのお金がいらないんだったら、帰れって言ってやった」
「うん。よかったよかった。それでいいんだ。でも偉いなあ、その不良は」
「うん。偉いねえ、ヒロシは」
「えっ?ヒロシ君って、眼とろん星人さんが言ってた、タカシって子に刺されて死んだ子かい?」
「うん、そうだよ。ヒロシったら、スジャータの小切手を断ったくせに、自分でアルバイトしたお金で、スジャータにブローチを買ってくれたんだ。変なのお!」
「それじゃあ、ひょっとして、小切手を受け取ったっていうのは?」
「タカシだよ」
「スジャータちゃん。それはないよ。それは酷いよ。ヒロシ君は、本当にスジャータちゃんのことを好きだったんだよ。どうして分かってやんなかったんだよ」
「でも、スジャータって、ヒロシのこと好きじゃなかったし・・・・・」
「でもさあ、ヒロシ君はタカシって子に刺されたんだろ?死んじゃったんだろ?可哀想じゃないか」
「うん。スジャータもそう思うよ。スジャータが馬鹿だったんだよ」
「そりゃあないよ。ヒロシ君が可哀想だよ」
「シルベさん、泣いてるの?」

「だって、可哀想じゃないか」
「シルベさんて、優しいんだね」
「やめてくれよ。僕は女の人に優しいっていわれて、碌な目にあったためしがないんだ」

「でもさあ。スジャータも、知らなかったんだよ。二人が喧嘩するなんて。まあくんもメリーさんも、ヒロシが死んだこと聞いて、泣いてたよ。いい子だったって。スジャータもすごく泣いたんだよ」

「それでやめたのかい?暴走族を」
「うん。みんなに迷惑かけたもの」

シルベさんも、スジャータちゃんも、後はずっと押し黙ったままだった。私は、私のモデルをシルベさんに決めて、本当によかったと思った。



【ファイル10】2006.08.28 スジャータちゃんの『セレブってなあに?』(その2)

 シルベさんはやっとことで這い上がると、気を取り直してスジャータちゃんに尋ねた。
「君ねえ、ハーバードだろう?あそこは入るのも出るのも大変なところだろ?」

「ううん。そんなことないよ。お父さんが毎年寄付してるから、簡単に入れてもらったし、スジャータって頭悪いから、すぐに追い出されちゃった」
 それを聞いて、それまでシルベさんとスジャータちゃんの遣り取りを微笑みながら聞いていたドブロクスキー博士が、激しく首を振って怒り出した。

「スジャータちゃん。冗談もほどほどにしなさい。ワシは知っているのじゃ!」
「えっ。なにを?」
「ハーバード大学にフランシタイン博士という友人がおってな」

「腐乱死体博士?」シルベさんが場を和ませようとした一言に、博士は、怒りの一瞥で応えた。

「そのフランシタイン博士が、天皇陛下が開会挨拶をなさった首相列席の東京での国際経済会議に来日していた折にばったりと出会ったのじゃ。彼は開口一番、おまえの教え子にスジャータという女の子はおらんかと聞きよってな。びっくりして、事情を聞くと、毎年莫大な寄付をするし、ワシの秘蔵っ子だということなので、無試験で入れたら、それがとんでもなく勉強ができる学生で、ハーバードで教えることがなくなって、すぐに卒業させたということじゃ。
 ワシもその話を聞いて、少々鼻が高かったがな・・・・」

「ふーん。お爺ちゃんは何でもお見通しだね。参っちゃったな。でも怒ることないじゃん。スジャータって自慢の教え子なんでしょ?
 そういえば、私が小学校一年生の時も怒ったね。スジャータが『インフレーション理論』についてお爺ちゃんに質問した時」
「そうじゃったのう。ワシは怒ったものの、結局、正しかったのはスジャータちゃんのほうじゃった」
「うん。あの頃からスジャータ、数学には自信があったから」

「へえ、小学校一年生の時に『インフレーション理論』か。スジャータちゃんはその頃から経済学に興味があったんだね。栴檀は双葉より芳しというやつだ」シルベさんが口を挟んだ。

「違うよ」
「でも、インフレーションでしょ」
「違うよお、ビッグバンのだよ」
「だから、金融ビッグバンでしょ」
「金融ビッグバンじゃなくて、宇宙開闢の方の本物のビッグバンだよお。経済のインフレーションじゃなくて、理論物理学の方のインフレーション理論だよ。日本の佐藤勝彦博士のインフレーション理論だよ。シルベさんたら知らないの?佐藤博士って、ノーベル賞級の学者さんだよ。やだー、信じられないー」

「すみません。いらぬ口を挟みまして」
 可哀想にシルベさんは、バケツの水を浴びせられた野良犬のように、すっかりしょげかえってしまった。それを無視して、二人の応酬は続くのだった。
「それにしても、あれはスジャータちゃんの前提の立て方も、少し紛らわしかったぞ」
「そんなことないよお。あの時スジャータがおじいちゃんに聞いた数式モデルはこうだもん」

 スジャータちゃんは何ものかに取り憑かれたかのように、一心不乱に紙切れに数式を書き始めた。

「だからのう。その恒等式をそう書いたら、このパラメーターがこういう理解になるじゃろうが」
「だってえ、それは与件だから、この変数の解を求めようとしたら、こっちの方程式もこう導入しなきゃならなくなるでしょ。おじいちゃんの言うのはこっちの変換がおかしいじゃない」
「おかしくないぞ」
 ドブロクスキー博士もかなりむきになっていた。二人とも喧嘩越しで、数式を書きなぐりながら喚きあった。まさに鬼気迫る師弟対決に、他人の介在する余地は一切無かった。
 ノレン君は、その喧騒をよそに、平然とアラビア語で書かれたアリストテレスを読んでいる。

「眼とろん星人さん、どっちが正しい?」
 議論の紛糾の果て、ついにスジャータちゃんが私に判定を仰いだ。

「うーん。今の議論を聴く限りでは、スジャータちゃんのほうに分があるかな」
「ほーらみてみなさい」
 スジャータちゃんは得意そうに、可愛らしい鼻をぴくぴくうごめかした。

「そうか。それでわかった・・・・」博士は肩を落としてそう言った。
「スジャータちゃん。良く聴きなさい。君はフランシタイン博士にも、今みたいにやったのかい?」
「だって、あの先生、経済学者のくせに数学ができないんだもの。それを、レトリックで誤魔化そうとするもんだから、論争でやっつけちゃった」

 ドブロクスキー博士はそれを聴いて大きな溜息をついた。
「あのなあ、スジャータちゃん。経済学者のくせにじゃないんだ。
 そもそも、経済学者というのは、大体において数学が苦手なものなんじゃ。そして、そのことに対して大きなコンプレックスを持っておるのが常なんじゃ。
 それで、博士をこてんぱんにやったのかい?」
「うん。完膚なきまでにやっちゃった」
「ああ、スジャータちゃんならそうだろうなあ・・・・。数学の天才といわれたワシを小学校一年生で負かすんだからなあ。フランシタイン博士の数学の実力だったら、赤子の手を捻るようなもんだろうなあ。教え子といいながら、実質的に助手を務めてくれてたものなあ、小学生で。それも、ワシが生涯で持った一番優秀な助手だったものなあ。ほとんど、共同研究者だったものなあ・・・・」
 博士は、虚空を仰いで嘆息した。

「スジャータって、何か悪いことした?」スジャータちゃんはきょとんとしている。
「悪くは無い。悪いのはスジャータちゃんのような小娘に言い負かされたフランシタイン博士のほうだ。 そして、本当に悪いのは、スジャータちゃんに大切なことを教えなかったワシなのかもしれん。しかしなあ・・・・」
「しかしって何よ。だって、スジャータに学問は、あくまで厳密でなきゃだめだって言ったのはお爺ちゃんじゃないの。学問は厳しいって、妥協は許されないって言ってたでしょ」

「ワシは親しい友人を一人失ったのかもしれん」
 ドブロクスキー博士は、長い沈黙の後、言葉を絞り出すように、そして寂しそうにぽつりと呟いた。

「これは、フランシタイン博士の伝言だが、ロースクールにも君に教えることはもう何も残ってないから、来る必要が無いって」
「えーっ。行こうと思ってたのにい。じゃあ、物理学を勉強しようっと」
「ダメだ。ハーバードは勿論、MITもだ」
「どおしてえ?つまんないよー。スジャータ、勉強がしたいよー。ものすごく勉強がしたいよー。勉強が大好きだよー」
「プリンストンも、イェールも、コロンビアも、コーネルも、ダートマスも、ブラウンも、ペンシルバニアもダメじゃ」
「なによお。アイヴィー・リーグは全滅じゃないさあ!いいもん、プレッピーの洟垂れ坊主なんかどうでもいいよ!」
「エコール・ノルマル・シュペリウールもだ」
「あそこは別にいいもん。スジャータ、サルトルやボーヴォワールは嫌いだから。アンガージュマンって何さ、ばっかみたい」
「勿論、オックスフォードもケンブリッジもだ」
「そこまでダメを押さなくてもいいじゃない。意地悪ねえ。じゃあいいもん。スジャータ、東京大学に行くもん。そのほうが近くて便利だもん。えらい先生もいるもん」
「それはもっとダメ!スジャータちゃんはもう大学で学ばなくてもよろしい。研究者の道を歩みなさい」
「じゃあ、またお爺ちゃんの助手になーろおっと。きーめたっと」
「ワシより数学のできる助手なんぞいらん!」

「なにさ、お爺ちゃんのいじわる。じゃあ、スジャータやっぱり大学にいくよお」
「ダメといったらだめじゃ!スジャータちゃん、良く聴きなさい。『知にはたらけば角が立つ』って言葉を知っているね」
「夏目漱石だね。『東京帝国大学』で英語を教えてた。面白いおじさんだよね。『番茶』のことを『サーヴェッジ チー(savage《野蛮な》tea)』って英訳するんだもの」
「そうだ。・・・・・・ええい!大学のことはもうよろしい。
それで、スジャータちゃん。意味は分かるかね」
「なんとなく・・・。ううん、よく分からない・・・・。
 だから、シルベさんに、これからも庶民の事を教えてもらうの」

 みんなの視線がシルベさんに集中した。

 シルベさんは堪らずこう叫んだ。
「僕のことを、慈愛に満ちた、暖かい目で見つめるのはやめてくれ!」


【ファイル10】2006.08.26 スジャータちゃんの『セレブってなあに?』(その1)

 今回も前回同様、シルベさんとスジャータちゃんの会話で始まる。

「ところで、スジャータちゃんはセレブなんだね」

「なあに?セレブって。お菓子?」
「それはサブレでしょ」
「じゃあ、私のお友達でお馬さんのメークイン号のこと?」
「それはサラブレッドでしょ。ふーん。スジャータちゃんは馬主さんなんだね。お嬢様だものね。それにしても、馬の名前がジャガイモだなんて、おかしな名前だね」
「おかしくないよお。5月の女王でMAY QUEENだよ」
「えっ。そうなの?ジャガイモのメークインて、そんな意味だったの?知らなかったなあ。僕はてっきりMAKE INだと思っていた」
「シルベさんたら変なの。ちなみに女優の中村メイコさんも5月生まれだからメイコさんなんだよ。本名は五月(さつき)さんだよ」

「スジャータちゃんは妙なことに詳しいんだね。
ということは、『となりのトトロ』のサツキとメイって、そこからきたのかな?凄いなあ!中村メイコさんも、侮れないなあ。僕は、『グー・チョキ・パー』とか『ドカチン』の頃から、彼女のファンだけど・・・。
 それから僕は、かつての女流漫才師、『若井こずえ、みどり』って、『アタックNo.1』の鮎原こずえと早川みどりから採ったと睨んでいるんだけど、勉強になるなあ」

「だって、スジャータ、図書館育ちだもん!昔の雑誌も、テレビ番組のビデオも、ドーナツ盤もいっぱい持ってるもん。えっへん。

 それで、お馬さんじゃなかったら、シマウマさん?」

「それはゼブラ」
「キリンさん?」
「それはジラフ」
「それじゃあ、首長国連邦とか」
「それはアラブ」
「じゃあ、セレブって一体何よお。うーん。スジャータがセレブってことは、分かった!ひょっとして、セレブって元暴走族のこと?」

「どうして中村メイコさんを知ってて、セレブを知らないのかな。
 あのねえ、セレブって言うのはね、早い話がお金をいっぱい持っている女の人のこと」
「じゃあ、スジャータは違うよ。お金なんか全然持ってないもの。ノレンもそうでしょ?」

「俺も持ってない。無一文。ああそうだ。俺が小学校に上がった時に、友達にラジコンの飛行機と千円札を取り替えてもらったことがあったろ?」
「そうねえ。あのとき初めてお札をみたわねえ。二人でお札に書かれているお爺さんとか、透かしとか見てはしゃいでいたら、執事に取り上げられたわよね。『このような不浄なものには触らないでください』って。あれから、二人ともお風呂に入れられて、消毒させられて、主治医に予防注射されたわよね」

「分かった分かった。ああ、そうなんだ。自分で現金を持つっていうこと自体、庶民なんだ。スジャータちゃんと話していると勉強になるな」

「シルベさんたら、ずるいよお。自分だけ分かって。それにしても、お金を持ってるんだ。庶民の人達は。じゃあ、お金をいっぱい持っている人は、いっぱい庶民なんだね。

 それで分かった。公園のダンボールで寝ている人達っていうのは、いっぱい庶民だから、いっぱいお金を持っているんだ。スジャータは、あの人達、冬の寒い夜なんか、どうしているのかなあと思って心配してたけど、お金を沢山持ってるから安心なんだね。お札を燃せばあったかいものね」

「うーん。こういうのをコペルニクス的転換っていうのかな?
 スジャータちゃん。君は世の中に対して、大きな勘違いをしているよ。そこまで勘違いが酷いと、かえって気持ちが良いけど・・・・。
 あのね、スジャータちゃん。ダンボールで寝ている人達は、お金なんか持ってないの」
「じゃあ、スジャータとおんなじだ。わーい、スジャータもいっぱい庶民だ」
「どうしてそうなるのかな?それにしても、スジャータちゃんの話を聞いていると、巷でいう、『セレブ』ってのが、とても貧乏臭いものに思えてくるなあ」

「結局、セレブってなあに?」

「うーん。分からなくなってきた・・・・。

 結局、貧乏臭い成金の庶民で、目立ちたがりでテレビに出たがる女のことさ」

「あれえ。さっきと定義が変わっているじゃないさあ」
「だから、スジャータちゃんの話を聞いて、真実に目覚めたんだ」
「ずるい!さっきから、シルベさんたら自分だけ分かっちゃって、スジャータは、なんにも分からないよお」
「分からなくても良いよ」

「成金って、急に沢山お金を手に入れた人のことだね。スジャータ知ってるよ。あぶく銭だね。でも、お金を持つと、どうして目立ちたがるの?」
「だって、有名になるじゃないか」
「有名だと、何か得するの?」
「でも、有名になれるんだよ」
「有名だと不自由じゃない。好きなことやってても、人からとやかく言われるし・・・。
 私、暴走族やってた頃、少し有名になって、人からとやかくいわれて嫌だったよ」
「スジャータちゃん。君の言うことは正しい。でもね、世の中には、有名になりたいと思っている人って多いんだ。山ほどいるんだよ」
「へえー。変なのお」
「うん変だね」
「ねえ。そうだよね?」
 スジャータちゃんはきっと、とっても正しいんだとシルベさんは思った。

「それにしても、スジャータちゃんが現金を持っていないってことは、カードで支払うんだね。ゴールドとかプラチナとか」
「カードってなあに?トランプなら知ってるけど。そんなのスジャータは持ってないよ。日常品は、使用人が足りなくなったらその都度補充してくれるし、お洋服やまとまったお買い物は、お店の人が御用聞きに来てくれるし。
 外商扱いっていうのかな。後から執事のところに請求書がきてるみたいだけど。それから、小切手なら執事がいつも持ってるよ」

「でも、スジャータちゃん。それだったら、財産管理が大変だね。執事にまかせっきりというわけにもいかないだろ。会計とか習った方が良くない?」
「会計って、損益計算書とか、貸借対照表のこと?財務諸表?複式簿記のあれ?それならスジャータ、読めるし毎月見てるよ。一応、ビジネス学校にも行ったし」

「へえ、専門学校で習ったのか。勉強家なんだねえ。努力家なんだねえ。えらいねえ。えらいえらい。じゃあ、簿記の3級とか持ってるんだ。

 ちなみに、スジャータちゃんみたいなお嬢さんが通うような専門学校なんてあるの?差しさわりが無かったら、教えてよ」

「あるよ。ハーバード大学のビジネススクール。一応、公認会計士の資格も取ったよ。

 あれ?どうしたの。シルベさんたら椅子から転げ落ちちゃって。危ないなあ」

(その2へ続く)


【ファイル9】2006.08.20 スジャータちゃん初めてのお買い物

 今日は、さっそくスジャータちゃんがシルベさんに庶民学の指南を受けた。

「あのねえ、シルベ先生。スジャータ生まれて初めてお買い物に行ったの」
「へえ、えらいえらい」
「プレタポルテっていう、お洋服買おうと思って・・・・」
「高級既製服のことだね。レディー・メイドともいうね」
「庶民の生活を体験しようと思って、青山のお店に行ってきたの」
「高級な場所だね。それ庶民の買い物するとこじゃないよ」
「そうなんだあ。スジャータったら失敗しちゃった。それで、いろんなお洋服がいっぱいお店に並んでて、とっても綺麗。そんでもって、お店の人が、いろいろお世辞をいってくれるの」
「スジャータちゃんの場合、あながちお世辞とも言い切れないけどね」
「気に入ったお洋服があったから、『これあつらえて』って言ったの」
「はあ?」
「よく分かるわね。お店の人もそういう顔したよ」
「だって、高級とはいえ、吊るしの既製服だから。そのまま買えばいいじゃない」
「へえ、そうなんだあ。でも人って、体形が違うでしょ」
「だから、大体合うサイズで決めるんだよ」
「ふーん。でもぴったりじゃないよお。お洋服はスジャータよりウエストは太いのに、お胸は小さいよ。スラックスはスジャータよりウエストが太いのに、足が随分と短いよ。つんつるてんだよお」

「そりゃあスジャータちゃんみたいな、『モデルさん以上の体型』に合わせたら、着られる人が限られてくるからね。商売だから、どうしてもそうなるのは仕方がないことなんだ。でもね、そういうことは、あんまり他所では言わないほうがいいよ」
「どおして?」
「庶民には、嫉妬という感情があるからね」
「ふーん。わかった。スジャータ、言わないようにするよ。でも、ぴったりしないのは事実だもの」
「庶民は気にしないんだよ。大体で良いんだ。ウエストなんか、詰めてもらえばいいじゃないか。補正してもらえるんだよ」

「へえ、そうなんだ。でも、スジャータこれが欲しいって言ったのに、そのままでも売ってくれなかったよ」
「どうして?お金持ってったんでしょ」

「持ってかない」
「じゃあだめだ。それで帰ってきたんだ」
「ううん。違うみたい。一緒についてきた執事と店員さんとが話をしていたと思ったら、血相変えた店員さんに奥の部屋へ案内された」

「丁寧なお店だね」
「そうかなあ・・・・。待ってたら、お茶が出てきて、店長さんが出てきた」
「へえ、それはおおごとだ」
「店長さんに、『これから先生が、スジャータ様にご挨拶させていただきたいということですので、しばらくお待ちください』って言われちゃった」
「それで?」

「待ってたら、先生がハンカチで汗を拭きながら、慌てて入ってきたの」
「ふむふむ」
「その先生っていうのが、何時もうちにきてくれるデザイナーのおじさんだったから、ご挨拶したの。こんにちわって」
「あらあら」
「それでおじさんに、『このお洋服がほしいよー』って言ったら、『この傾向でお嬢様に似合うデザインを本日中に仕上げて、明日、生地と一緒に何点かお屋敷にお持ちしますので、よろしゅうございますか?』って言われた」
「それはそれは・・・・」

「それで、スジャータが『違うの、これが欲しいの』って言ったのに、それなら、仮縫いまで、明日その場でいたしますからって、取り合ってくれないの。だから、結局何も買わずじまい。スジャータ、お買い物失敗しちゃってつまんない。酷い話でしょ?」

「・・・・・・。ある意味そうだね。でも、お店の人の対応は間違ってなかったと思うよ」
「シルベさんもお店の味方?」
「そうじゃなくて、お店にはお店の立場ってものがあるからね。スジャータちゃんは、オートクチュールで我慢しなさい。その方が世の中、円満に収まるんだよ」

「でも、初めてお買い物に行ったスジャータの立場はどうなるのさあ。ひどいよお。みんなみんな、だいっきらい!」

スジャータちゃんは憤懣やるかたない表情で地団太を踏んだ。

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【ファイル8】2006.08.15スジャータちゃんが連れてきた

 今日のスジャータちゃんは、すこぶる機嫌がよろしい。シューベルトの『野ばら』のメロディーをハミングしながら、何だかとてもそわそわしている。
「スジャータちゃん。やけに楽しそうだね。一体どうしたんだい?」
 私は不吉な胸騒ぎを覚えながら、スジャータちゃんに訊ねた。

「いいものがあるんだ」
 スジャータちゃんは可愛いらしい、大きな目をくりくりと動かした。

「連れてきたんだよお」
「誰を?」
「へへえ。いい人っ!」

 スジャータちゃんがパチンと指を鳴らすと、作業着を着た運送会社の若者2人が、大型冷蔵庫程の大きさの木箱を部屋に運び入れた。
 彼等はバールで木箱を解体し始めた。
 中から、ムシロが巻きつけられ、荒縄で縛られたドンゴロスの袋が現れた。
 所謂、簀巻きの状態だ。
 袋は蓑虫のように蠢いている。中に人が入っているようだ。
 スジャータちゃんが、袋を開くと、案の定、人が出てきた。
「あー苦しかった。あー酷い目にあった」
 それは、40絡みのしょぼくれた中年男性だった。

「ここは晴海埠頭かな?これから、コンクリートに漬けられるのかな。あれ、ものすごい美女がいる。ひょっとして、もうあの世かな?天国の女神様かな?」

「ちがうよお。ここは普通のお部屋だよ」
「あっ。君はあの時の!
 どうして、こんな酷いことをするんだ。あー苦しかった」
 男は肩で息をしながら抗議した。

「でも、空気穴あけて、キュウリとおナスは入れてあるよお」
「僕はキリギリスじゃありません!」

 私は彼の顔をみるなり、驚いて聞いた。
「スジャータちゃん。これはひょっとして、私のモデルではありませんか?」
「そうだよ。探しちゃった・・・・」
 私はスジャータちゃんの、余りの無邪気さにあきれ果ててしまった。彼の探索に、またぞろ莫大な調査費がかかったに違いないのだ。

「ということは、スジャータちゃんって貴女なんですか?」
 私のモデルが興奮して訊ねた。
「そーだよお」
「わあ、感激だなあ!」
「おじさんって、スジャータのこと知ってるの?」
「知っていますよ。僕は貴女のファンなんです。ブログで読みましたから。ということは、ヴァレンタインデーにチョコレートを買った中年って僕のことだったんだ。気がつかなかったなあ」
「おじさん、気がつけよ。そんな人間、世の中にそうそういないだろ?」とノレン君は言った。その語気には、明らかに苛立ちの棘が含まれていた。

「それで、あなたは、どうやってここに連れてこられたのです」
 私は彼の身を案じて聴いた。

「新宿末廣亭に落語を聴きにいこうと思って、歩いていたら、もの凄い美人=今考えたらスジャータちゃんだったんですけど、が声をかけてきたんです。
『ねえ、おじさん、わたしとデートしない?ついてきたら、ジャン=ポール・エヴァンのチョコレートご馳走するよお』って」

「それでついていったの?」ノレン君が呆れて聴いた。
「だって、ジャン=ポール・エヴァンですよ」
「たかがチョコレートじゃないか。おじさん、アンタは子供か?」いつもしらっとしているノレン君がついに怒り出した。

「ジャン=ポール・エヴァンはたかがチョコレートじゃありません。されどチョコレートです!」
「でも、大のおとなが、おびき寄せられることはないだろ」
「面目しだいもない」

「それで、スジャータちゃんはジャン=ポール・エヴァンのチョコレートをご馳走するって言ってたのに、伊勢丹デパートからはだんだん離れて、真昼のゴールデン街の人気のない路地裏に向かうじゃないですか。それで不審に思った瞬間、目の前が真っ暗になって、その後さっぱり覚えていないんです」

「そりゃあそうだよ。クロロホルム嗅がせたんだもの」

「スジャータちゃんのいるアトモス部屋なら、なにもそんなことしなくても、『来て欲しい』って言ってくれれば喜んで行くのに」

「だって、それじゃあ、サプライズがなくてスジャータつまんないよお」
「サプライズのために僕を拉致したんですか?」

「拉致じゃないよお。拉致は無理やり連れて来るんだよ。おじさんは、チョコにつられてスジャータの後をホイホイついてきたんだから、誘拐だよお」
「どっちでも同じです!」

「スジャータちゃん。例え『大のおとな』が『チョコレートごとき』に『ホイホイついてくるほうの誘拐』でも、立派な『犯罪』ですぞ!」
 ドブロクスキー博士が、厳しくたしなめた。

「あのお、御老体。今叱られたのは、スジャータちゃんのほうですよね。それなのに、どうして今僕は、凄く『いたたまれない気持ち』がするのでしょうか?」
 ドブロクスキー博士は呆れてものが言えない様子だった。

 その時、美人の女性執事が、チョコレートを載せた皿を2皿持ってきて、『お詫びに、これでも召し上がれ』と言いながら、おじさんの前に差し出した。
「ややっ、ジャン=ポール・エヴァンのボワットゥ ドゥ ショコラとマカロンではありませんか。まだあるんですか?あれまあ、これは、お店の喫茶コーナーの、しかも夏場は売っていないマカロンショコラ アラシェンヌですねえ!これはこれは、流石は上流階級の方のなさることは違うなあ。感激だなあ!」

 おじさんは、とたんに顔をほころばせ、いただきますと言って、一心不乱に食べ始めた。
 彼の柔和で幸せそうな表情には、周囲の人の心を和ませ、穏やかにさせるような何かが宿っていた。それは小春日和の陽だまりのような、穏やかで心あたたまる情景だった。彼の背中には後光が射していた。
 
 スジャータちゃんは私のモデルの男をしげしげと見て呟いた。

「でも、確かに目鼻立ちはそっくりなのに、眼とろん星人さんほどハンサムじゃないよお」

「それは、確かに各パーツはそのままなんだけど。それを配置するに当たっては、それなりの修正を施したからね」
「それはどういう意味ですか!」
 モデルのおじさんは気色ばんで聞いた。

「当然だろう。私も、自分自身の身体を作るにあたって、美的要求を満たしたいからね。つまりあれです。美意識の成せる業です」
「すみませんねえ。私の顔の配置が眼とろん星人さんの美的要求を満たしていなくて・・・・。そりゃあ、悪うござんしたよ」男はむくれた。

「でもさあ。モデルのおじさんも、一般基準でいったら、なかなかハンサムだよお」
「今更、とってつけたようなお世辞なんか言わないでください」
「本当だよお」
「姉貴はそういうことに関して、絶対に嘘は言わないよ」ノレン君が、犬に餌を投げ与えるように、ぼそりと言った。

「えっ。本当ですか?」
 私のモデルはだらしなく鼻の下を伸ばした。私は激しい後悔の念を覚えた。

「おじさんは庶民でしょ。庶民に会えて、スジャータ嬉しいよ。
 スジャータは庶民が好きだよ。庶民の味方だよ」

「何かその言い方、腹がたつなあ。特に金持ちに言われると・・・。とにかく、この部屋では、芸名を使わなけりゃならないようだから、僕も使おう」

「別にそんな決まりはありませんけど」私は慌てて否定した。

「僕はランボーのファンなんだ。アルチュール・ランボーの方だけど。でも、ランボーなんて芸名をつけたら、乱暴者みたいだから・・・・。

 そうだ!
 映画のほうの『ランボー』にひっかけて、シルベ・スタスタローンってのはどうかな」

「シルベスタ・スタローン?」
「違う。シルベで一回区切って、スタスタローンが名前。
 日本語で書くと、汁部 須田酢太月賦」
「月賦って何?」
「昔は月払いローンのことを月賦(げっぷ)って言ったの!
 例えば、『お隣カラーテレビを買ったらしいわねえ。うらやましいわ』『でも、どうせ月賦でしょ』ってな具合に使ってた。昔は月賦で物を買うっていうのは恥ずかしかったのに、金融屋が、それを誤魔化すために、『ローン』っていう言葉を使い出した。馬鹿な庶民はそれに引っかかって、月賦を恥とも何とも思わなくなった。それで、多重債務で自己破産してりゃあ世話ないよね」
「さすが、庶民は物知りだ」ノレン君は感に堪えたように唸った。
「私たち、庶民の暮らしを知らないものね」
「そう。生まれてこの方、貧乏とは全く縁が無かったし」
「うらやましいわあ」
「本当にうらやましい」

「その言い方、本当に腹立つなあ!」

 これから、アトモス部屋では、彼の意思を尊重して、シルベさんと表記することにしよう。

「それで、シルベさん。これも何かの縁だから、スジャータの先生になってちょうだいね。
『庶民学』の先生だよ。
 スジャータ庶民に興味があるよ。とってもとっても興味があるよ」

「はいっ。分かりました」
 シルベさんは直立不動の姿勢で答えた。

「そんなに気安く引き受けて、大丈夫かな?姉貴は我儘だからね。シルベさん注意しなよ」
 ノレン君は、心からシルベさんのことを気の毒に思っているようだった。

※ ※ ※

シルベさんが仲間に加わった。


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