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【ファイルMU7】2012.010.16 輸入盤のゲオルグ・ショルティ指揮『ワーグナー・オペラ・レコーディングズ』を買ったよ

今、クラシック音楽の輸入盤CDは投売り状態だねえ。

 輸入盤のゲオルグ・ショルティ指揮の『ワーグナー・オペラ・レコーディングズ』を買いました。全曲CD36枚組みという、とんでもないセットです。

イメージ 1



 うたい文句が、

 ※   ※   ※

 半世紀に及ぶショルティのデッカ録音史に燦然と輝くワーグナー・チクルス

「ニーベルングの指環(全曲)」を含む、ワーグナー・オペラ録音集。

 当時の最高のワーグナー歌いを起用したこれらの録音は、どれもが圧倒的な名唱を引出した名演ばかりです。ウィーン・フィルと1982年に録音した「管弦楽作品集」。「トリスタンとイゾルデ」のリハーサル音源等も収録。

※   ※   ※

 ということで、このCDセット37枚(音楽CD36枚+CD-ROM1枚)の中には、史上初のスタジオ全曲録音の偉業である、楽劇『ニーベルングの指輪』全曲四部作も入っています。

 内容は、『さまよえるオランダ人』、『ローエングリン』、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』、
『パルジファル』、『タンホイザー』、『トリスタンとイゾルデ』、そして上述の『ニーベルングの指輪』全曲四部作で、リヒャルト・ワーグナーの代表作がここに網羅されているのです。

 36枚もあるので、まだ全部聴ききれていないねえ。

 これがタワー・レコードで、なんと!通常セット価格10,001円
 http://tower.jp/item/3131819

 音楽CD36枚ですから、一枚あたりに換算したら278円!

 オペラ・楽劇を含めた声楽曲をさほど聴かない私は、『ニーベルングの指環(全曲)』に関していえば、CDセットではカラヤン/ベルリン・フィル盤を、DVDではレヴァイン/メトロポリタン歌劇場盤を持っていて、この名盤については安くなったら入手しようと思っていたのですが、正直言って、ここまで値崩れしようとは思ってもいませんでした。

 これまで高額なCDセットを購入してきたワグネリアン(ワーグナー心酔者)諸氏の胸中はさぞかし複雑でしょう。

 楽天を覗いてきたら、
『ニーベルングの指環』全曲 14枚組みのみで、19,415円でした。これでも昔は確か4万円以上したのですから安い方です。

 それが更に、『ニーベルングの指環』全曲を含め、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』や『トリスタンとイゾルデ』他の代表作をあわせた36枚組みで、10,001円(セール価格はもっと安い)なのですから、唸ってしまいます。

 歴史的遺産とも言えるこのセット、音質もとっても良いのです。
 
 なんかジャパネットたかたさんみたいだねえ。でも、CDは発売当初一枚3500円ほどしたので、ついにデフレもここまで至ったかという感慨を持たざるを得ません。

 というより、歴史的名盤がこの廉価なのに、2,000円以上する新譜って果たして売れるのでしょうか?他人事ながら心配です。
 
 ただし、輸入版なので歌詞の日本語対訳は付属していません。
 
 37枚目のCD-ROMでは、パソコン上で原文のドイツ語とフランス語及び英語の対訳を見ることができますが・・・。
 
 通常、クラシック音楽の輸入盤の解説、ライナー・ノーツは、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語が使用されている例が多いのです。

 ただでさえ世界的なマーケットの小さいこの市場で、決して小さくない日本市場。日本語訳も入れれば良いと思うのですが、これをされると国内盤のメーカーが完全につぶれてしまうので、それはできない相談なのでしょう。

 私の場合、別の盤の対訳を持っているので、無くても不自由はしないのですけど。

 もっとも、対訳を読みながらの音楽鑑賞なんて、辛気臭いので、ほとんどしません。

 普段聴きには、ネット等を利用して各幕のあらすじだけ頭に入れてリラックスして聴くのが良いでしょう。
 
 日本人が歌舞伎、文楽を鑑賞する時も日本語が必ずしも明瞭に聞き取れるわけではないので、予めあらすじを理解するのが良いのと同じです。
 
 西洋人だって、日本人にとっての歌舞伎、文楽同様、母国語のオペラ歌唱の場合、歌詞がちゃんと聞き取れるかどうかあやしいものなのですから。そのうえに今のオペラは多国籍化が進んで、外国人歌手が多いので、夫々のお国訛りで余計に聞き取りづらくなっているようです。
 
 ワーグナーやリヒャルト・シュトラウスの場合、形式上、歌劇(オペラ)じゃなくて、楽劇(がくげき)といいます。

 それで、膨大なこのセットのうち、北欧神話の英雄であるシグルズの物語を元にしたリヒャルト・ワーグナー畢生の超大作、楽劇『ニーベルングの指環(全曲)』に限ってご紹介します。

 映画で大ヒットした、『ロード・オブ・ザ・リング(原作:J・R・R・トールキン作『指輪物語』)』も、スペース・オペラのSF大作『スター・ウォーズ』も、明らかにこの楽劇の影響を受けています。

 この作品は西洋人の基礎的な教養になっているのですね。

 三島由紀夫氏の絶筆となった『豊饒の海(ほうじょうのうみ)』四部作も、この楽劇の構成を模したのでしょう。

 フランシス・コッポラの映画『地獄の黙示録』で使用された『ワルキューレの騎行』も、この楽劇の第一夜(2日目)より第 三幕の前奏曲として出てきます。

 『地獄の黙示録』で使用された『ワルキューレの騎行』に関連した記事はこちら。
http://blogs.yahoo.co.jp/metoronjr7/53232477.html

 『ニーベルングの指環(全曲)』の録音に際して、筋金入りのワグネリアン(ワーグナー心酔者)でもあった豪腕プロデューサーのジョン・カルショーが、20世紀を代表するワーグナー歌手たちを集結させました。

 当初、稀代のワーグナー指揮者、ドイツ人のハンス・クナッパーツ・ブッシュ氏にこの企画を打診したところ、元来スタジオ録音嫌い、練習嫌いで有名な氏に「こんな面倒な仕事は嫌だ」と一蹴され、当時40代で脂の乗ったハンガリー出身の指揮者ゲオルグ・ショルティ氏に白羽の矢が立ったということです。

 なんせ、これが全曲演奏に17時間(CD14枚)を要するギネスブック級の長大な作品で、実演では、前夜祭、第1夜、第2夜、第3夜と合計4日間に分けて上演されるくらいなのですから。

 実際、ショルティ氏は、この曲だけで、録音に足かけ8年の歳月を費やしているのです。

 オーケストラは、ヴィリー・ボスコフスキー氏がコンサートマスターだった頃の香気溢れるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。

 『ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(ドイツ語:Wiener Philharmoniker:ヴィーナー・フィルハーモニカー、英語:Vienna Philharmonic:ウィーン・フィルハーモニック)』の名前は、別にクラシック音楽を聴かない人でも、一度は耳にしたことがおありでしょう。

 この楽団自体がヨーロッパの伝統を象徴する世界遺産的な存在だからです。
 

 最後にこのセットの白眉を飾る『ニーベルングの指輪』全曲四部作の配役を掲載します。錚々(そうそう)たる歌手陣です。

 なお、この音源のレコーディングに関わるドキュメンタリー映像を見つけたのでリンクを貼っておきますね(全9パート)。この録音がいかに大変なものだったか良く分かります。
http://www.youtube.com/watch?v=2qhmqOmAdGU&feature=relmf

 ※   ※   ※

 『ワーグナー: 楽劇 《ニーベルングの指環》 全曲』

※いずれも、ゲオルグ・ショルティ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

前夜祭(1日目):楽劇 《ラインの黄金》
ヴォータン … ジョージ・ロンドン(バス)
ドンナー … エバーハルト・ヴェヒター(バリトン)
フロー … ヴァルデマール・クメント(テノール)
ローゲ … セット・スヴンホルム(テノール)
ファゾルト … ヴァルター・クレペル(バス)
ファフナー … クロト・ベーメ(バス)
アルベリヒ … グスタフ・ナイトリンガー(バス)
ミーメ … パウル・キューン(テノール)
フリッカ … キルステン・フラグスタート(ソプラノ)
フライア … クレア・ワトソン(ソプラノ)
エルダ … ジーン・マデイラ(メッゾ・ソプラノ)
ヴォークリンデ … オーダ・バルスボルク(ソプラノ)
ヴォルクリンデ … ヘティー・プリューマッヒャー(アルト)
フロスヒルデ … イーラ・マラニューク(メッゾ・ソプラノ)
【録音】
1958年9月24日〜10月8日 ウィーン、ゾフィエンザール

第1夜(2日目):楽劇 《ヴァルキューレ》
ジークムント … ジェイムズ・キング(テノール)
ジークリンデ … レジーヌ・クレスパン(ソプラノ)
ヴォータン … ハンス・ホッター(バス)
フンディング … ゴットロープ・フリック(バス)
フリッカ … クリスタ・ルートヴィヒ(メッゾ・ソプラノ)
ブリュンヒルデ … ビルギット・ニルソン(ソプラノ)
ゲルヒルデ … ヴェラ・シュロッサー(ソプラノ)
オルトリンデ … ヘルダ・デルネッシュ(ソプラノ)
ヴァルトラウテ … ブリギッテ・ファスベンダー(ソプラノ)
シュヴェルトライテ … ヘレン・ワッツ(アルト)
ヘルムヴィーゲ … ベリット・リンドホルム(ソプラノ)
ジークルーネ … ヴェラ・リトル(アルト)
グリムゲルデ … マリリン・タイラ(アルト)
ロスヴァイセ … クラウディア・ヘルマン(アルト)
【録音】
1962年5月6日〜18日、10月21日〜11月5日 ウィーン、ゾフィエンザール

第2夜(3日目):楽劇 《ジークフリート》
ジークフリート … ヴォルフガング・ヴィントガッセン(テノール)
ミーメ … ゲルハルト・シュトルツェ(テノール)
さすらい人… ハンス・ホッター(バリトン)
アルベリヒ … グスタフ・ナイトリンガー(バス)
ファフナー … クルト・ベーメ(バス)
ブリュンヒルデ … ビルギット・ニルソン(ソプラノ)
エルダ … マルガ・ヘフゲン(アルト)
森の小鳥の声…ジョアン・サザーランド(ソプラノ)

【録音】
1964年5月下旬〜6月上旬、10月26日〜11月26日 ウィーン、ゾフィエンザール

第3夜(4日目):楽劇 《神々の黄昏(かみがみのたそがれ)》
ジークフリート … ヴォルフガング・ヴィントガッセン(テノール)
グンター … ディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウ(バス)
アルベリヒ … グスタフ・ナイトリンガー(バス)
ハーゲン … ゴットロープ・フリック(バス)
ブリュンヒルデ … ビルギット・ニルソン(ソプラノ)
グートルーネ …クレア・ワトソン(ソプラノ)
ヴァルトラウテ…クリスタ・ルートヴィヒ(メッゾ・ソプラノ)
ヴォークリンデ…ルチア・ポップ(ソプラノ)
ヴェルグンデ …ギネス・ジョーンズ(ソプラノ)
第1のノルン…ヘレン・ワッツ(アルト)
第2のノルン…グレース・ホフマン(アルト)
第3のノルン…アニタ・ベルッキ(ソプラノ)

【録音】
1965年10月29日〜11月19日 ウィーン、ゾフィエンザール





【ファイルMU8】2012.07.19 ディズニーランドの『カリブの海賊〜ヨーホー』

『VS嵐』の『コロコロバイキング』のBGMだねえ。

 テレビ番組の『VS嵐』をたまに観るのですが、『コロコロバイキング』というゲームの時にかかっている音楽が耳についてしょうがありません。

 とても勇壮で元気が出る曲です。

 それで、ネットで調べたらば、この音楽は東京ディズニーランドを含む世界のディズニーランドのアトラクションで使用されている音楽なのだそうです。

 『カリブの海賊〜ヨーホー(海賊こそ我が人生)』
 "Yo Ho (A Pirate's Life for Me)"
 作曲:ジョージ•ブランズ(George Bruns) 


 うまく観られない時はこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=kVQPPmiz2Yo

 海賊さんの合唱曲だから勇壮なのは当たり前だねえ。

 『カリブの海賊』は1967年カリフォルニアのディズニーランドにオープンして以来、人気のアトラクションなんだって。

 私はディズニーランド行ったこと無いから、知らなかったねえ。

 ということで、『カリブの海賊〜ヨーホー』も入ったディズニーのCDを買いました。

 The Best Of Disneyland Resort : Paris Original Soundtrack

イメージ 1



 輸入盤のこの盤が安くってお買い得だねえ。
http://tower.jp/item/2395146


 これに類する音楽としては、ディズニーのアニメーション長編映画『白雪姫』の中の『ハイホ〜』があって、これも大好きな曲です。

 『白雪姫』より『ハイホ〜(Heigh-Ho)』
 作曲:フランク・チャーチル(Frank Churchill)


 うまく観られない時はこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=psEZRRbXwpY


 『ヨーホー』とか『ハイホー』とか、掛け声なのかな?

 日本で言えば木遣り歌とか『父ちゃんの為なら、エンヤコーラ、母ちゃんの為なら、エンヤコーラ♪』とかいった感じなのでしょうね。

 映画はアメリカの基幹産業で、お金のあるところには優れた才能が集まってきますから、ディズニーの音楽に名曲が多いのは当たり前だねえ。


 これら合唱曲2曲は、ウェーバー 作曲 の『狩人(かりゅうど)の合唱』から影響を受けた音楽だということは明白です。

 『狩人の合唱』の含まれている≪魔弾の射手(まだんのしゃしゅ)≫は、神秘的なゲルマンの森を表現した不滅のドイツオペラだねえ。

 カール・マリア・フォン・ウェーバー作曲 歌劇≪魔弾の射手≫第3幕より『狩人の合唱』
Weber. Der Freisch??tz ― J??gerchor / Hunters' chorus / Хор охотников



 うまく観られない時はこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=UwVgu-BnTjs&feature=related


 カール・マリア・フリードリヒ・エルンスト・フォン・ヴェーバー(Carl Maria Friedrich Ernst von Weber, 1786年11月18日 - 1826年6月5日)はベートーヴェンの時代の作曲家です。

 ウェーバーの歴史的位置づけについては、先頃亡くなった音楽評論家の吉田秀和氏の名著『LP300選』P176に、端的にこう書かれています。

 ※    ※    ※

 ベートーヴェンは1827年に死んだが、その一年あとにフランツ・シューベルトが、つつましい野花のような一生をおくったのち、死んだ。そうして、『魔弾の射手(フライ シュッツ)』一作で晩年のベートーヴェンの人気を一時は完全におさえた、ヴェーバーは、ベートーヴェンに一年先立って、つまり1826年に死んでいる。長い肺病に苦しんだあと、イギリスで。

 19世紀の新しいページは、まず、このヴェーバーからはじまる。ヴェーバー(Carl Maria von Weber, 1786 - 1826)の音楽歴は比較的おそくはじまった。というより、彼は、一代の傑作『魔弾の射手』を完成するまでは、自分が果たして何になるものやら、確信も見通しももっていなかった。もちろん、それまでに、すでに、作曲はしていたし、プラハやドレースデンの歌劇場の指揮者もつとめて、プラハではことにモーツアルトやベートーヴェンの模範的上演をするなどの業績があったのだが。しかし、1821年、ベルリンで『魔弾の射手』が、熱狂的な成功を博し、一挙に時代の寵児(ちょうじ)となった。このオペラは当時ナポレオン戦争をへて澎湃(ほうはい)たる近代的民族国家形成への愛国心の高揚をみせていたドイツ人の心を深くつかんだのだ。事実、このオペラは、オーケストラの大胆で清新な扱いとドイツの自然の香りにみちた民謡の採用とを通じて、いわゆる「ドイツの内面性」(Deutsche Innigkeit)をあますところなく表現したのだ。

 (中略)

 今でもドイツには、大学の教授とか有名な音楽家とか、がっちりした教養や思想のある人で、しかも心情が細やかで、自然の野の花や夕映えや、いや山や海や田舎の新鮮な空気が大好きで、質朴な感じを失わないままに暮らしている人がたくさんいる。もしひなびた雅(みや)びという言葉がゆるされるなら、そういう人たちの身ごなしや住まいぶりがそうだ。そういう人たちが、ほろびない限り、『魔弾の射手』は、単にすぐれて民衆的だというだけではなく、それと高い芸術性との総合のシンボルとして残るだろう。

 ※    ※    ※

 吹きすさぶ潮風に身をさらしながら、唄う歌。

 深い森のアミニズム的な気配に包まれながら唄う歌。

 ディズニーの世界には、そういうものから隔離されたコスモポリタン的な他民族人工国家アメリカの人々の、失われたものへの憧憬や郷愁が色濃く漂っているような気がします。











【ファイルMU7】2012.07.02 音痴のレコードで有名な『迷唱!絶唱!人間の声の栄光????』はフローレンス・フォスター・ジェンキンス女史のRCA赤盤レコ―ド

アメリカ大金持ちのおばちゃんが金にあかして開いたカーネギー・ホールリサイタルのレコードだよ。


 ここは音楽の部屋なので、ここでご紹介することが適当なのか分かりません。

 音楽と言うよりも、『善意で社会に良質の音楽を提供するつもりが、不幸にも本人の意に相違して、騒音になってしまった』という方が正しいのかも知れないCDをご紹介します。

 私のコレクションから、フローレンス・フォスター・ジェンキンス(Florence Foster Jenkins)女史の『迷唱!絶唱!人間の声の栄光????』CDジャケットの写真です。

 オビ付き。

イメージ 1



 私はこれに2000円も払ったんだねえ。

 オビ無し表。

イメージ 2



 裏。

イメージ 3



 オビにはこう書かれています。

※    ※    ※

 『常識外れの音ハズシ!子供たちには聴かせられない。大人だけで楽しむ芸術品(ブラック・ユーモア) 迷唱!絶唱!人間の声の栄光????』

 頃は第二次大戦中、アメリカにF.F.ジェンキンスという歌うことが大好きな大金持ちのおばさまが居りました。御年76才。彼女は“夢”のカーネギーホールでリサイタルを開いたのですが、畏くも彼女は生来の大音痴!その音のハズレを物ともせず堂々と歌う凄絶たるコンサートの実況録音盤がこのCDです。
 ちなみにジェンキンス女史。この1ヵ月と1日後にお亡くなりになったとの事。典雅にして奔放なる彼女に......
 合掌。

※    ※    ※

 それでは、YOU―TUBEで第1曲目の音源を見つけたので、さっそくお聞きください。

 フローレンス・フォスター・ジェンキンス女史歌唱
W.A.モーツァルト作曲:『魔笛』(まてき: Die Zauberfl??te)K. 620より
No.14: アリア(『夜の女王のアリア』の2曲目)『復讐の炎は地獄のように我が心に燃え』 Arie - Der H??lle Rache kocht in meinem Herzenです。【←『?』はドイツ語のOのウムラウトですが表示されませんでした】



 うまく観られない時はこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=eM0ly2WTSlw

 うへえ!

 声は素人としては美しいのですが、音程の乱れは勿論の事、伴奏のピアノ奏者も我が儘勝手のジェンキンス嬢のテンポに合わすことができず、何回も空振りでずっこけてます。

 お口直しと言ったら、ジェンキンスおばちゃまに悪いのですが、

 一流のプロがまともに歌ったら、本来はこういう曲なのです。

 フランスのリリック・ソプラノおよびコロラトゥーラ・ソプラノ歌手のナタリー・デセイ(Natalie Dessay )さんの名唱をお聞き下さい。

 Dessay performs "Der H??lle Rache" from "Die Zauberfl??te"



 うまく観られない時はこちら。


 フランス人歌手がドイツ語で歌ったフランス語字幕表示の映像が英語でUPされています。

 大体、これはもともと、今は存在しないカストラート【声変わり前に去勢した男性歌手。女性のソプラノ歌手より高音域が出る】のための超絶技巧の難曲で、プロの女性ソプラノ歌手にとってさえ骨が折れる代物なのです。特にクライマックスの高音域はどうごまかしてやり過ごすかが鍵なのです。

 これを素人のおばちゃんが、まともに歌えるわけがないのです。こわいもの知らずにも程があります。

 CDのリーフレットに書かれている和田則彦氏のライナーノートから引用します。

 ※    ※    ※

 世紀のプリマドンナ、ジェンキンス女史を讃える

 そもそも石油産業が車の排気ガスやバイクの排気音で「諸悪の根源」呼ばわりされるようになったのは、たかだか20年前、つまり極く最近である。

 しかし、半世紀以上も前からアメリカはペンシルヴァニアで1868年に生まれた大石油会社社長夫人が、国際的規模で、その大型ボディーから「怪排気音公害」?をタレ流しにしていた事実は余りにも有名なのである。

 その人、フローレンス・フォスター・ジェンキンス女史は、生来の美声(?)の持ち主でありコロラトゥーラ・ソプラノ歌手として身を立てる決意を固めた。

 ところが幸か不幸か、女史は史上稀に見る「音程・テンポ・リズム」と三拍子揃った、正に「三冠王」的大音痴だったのだ。

 だから彼女の「演奏活動」が活溌の度を加え、雪ダルマのようにエスカレートするに至って、遂に自らの名誉や家名を慮(おもんぱか)った夫に離縁されてしまったのは理の当然であろう。

 しかし離婚に慰謝料は付き物である。

 そして、その莫大な慰謝料が、当然ジェンキンス女史の演奏活動資金となったことは言うまでもない。

 しかも大金持ちの銀行家弁護士だった彼女の実父が折良く(?)死亡し、その遺産をも加えたのだから、断然「鬼に金棒」である。

 ニューヨーク(リッツ・カールトン・ホテルのボール・ルーム)での年一度以上のリサイタルを始めとして、ワシントンやニューポートそしてパリなどの都市への演奏旅行は、ユーモアを解するアチラの批評家たちの『裏返しの讃辞』に援(たす)けられて人気を呼び、次第にジェンキンス女史はスターダムにのし上がって行った。

 もっとも始めのうちは、お客に「入場料」を『くれた』ということだが……。

 そして遂に、1944年10月25日、彼女はカーネギー・ホールの檜舞台に立ったのである。

 当時、個人リサイタルでカーネギー・ホールを満員にできるのはハイフェッツくらいなものだったが、第二次大戦中で本格的娯楽(?)に飢えていた市民たちの人気を呼び、ジェンキンス女史の前売り券は数週間前に売り切れ、6千ドル(当時の貨幣価値でですぞ!)の純益をあげた。

 満員の聴衆達は休憩時間のロビーやトイレで涙の出るほど笑い転げたのである。

 そして、この歴史的音楽会の1ヵ月と1日後、芳紀?正に76才のジェンキンス女史が、「後世に遺すために」世紀のノドを78回転アセテート録音盤に記録しておいた(勿論当時テープなどの磁気録音は発明国のナチ・ドイツでしか実用化されていなかったから…)その貴重な遺産8曲を、RCAビクターが25糎(せんち)赤盤LPの両面に収めて売り出したが、人気沸騰で忽ち売り切れ!

 そこで更に10年後、30糎赤盤LPの片面に7曲をリカッティングして、B面のフィルアップとして、「最新録音」の音痴版、しかも英語でピアノ伴奏という大珍品、「ファウスト」ハイライトを加えて再発売したのである。

 こちらはソプラノのジェニー・ウィリアムス嬢と、テノール、バリトン兼任(!)のトーマス・バーンズ氏が競演(狂演?)している。(中略)

 何(いず)れにしても「赤盤」はクラシック・アーティストたちが一流であることのステイタス・シンボルとして最高目標なのだから、きっとジェンキンス女史も、あの世で得意満面であろう。(後略)

 ※    ※    ※

 RCAの赤盤というのは、SP時代のビクター(現RCA)のSP盤のレーベル面の色が赤い盤のことを指し、当時の名演奏家に限ってデラックス盤として通常の黒いレーベルではなく赤いレーベルに金文字のレコードを発売されたものです。

 それが日本の音楽ファンの間では『赤盤』という呼称で親しまれました。

 そこに既に故人となった稀代の大音痴素人歌手フローレンス・フォスター・ジェンキンス女史が『栄光の赤盤歌手』として彗星の如くデビューしたのですね。

 音痴にも拘わらず、金にあかした端迷惑なリサイタル活動が嵩じて離縁され、夫の石油会社社長から莫大な慰謝料をせしめ、その上に大金持ち銀行家弁護士の実父からのこれまた莫大な相続金で、夢のカーネギー・ホールリサイタル!

 これも一種のアメリカンドリームと言えば言えなくないでしょう。

 喩えて言うなら、ドラえもんに出てくるジャイアンが大金持ちだったらこんな感じになるのでしょう。

 このレコードは、本国アメリカでは知らない人はいなかったので、レコード店では「音痴のレコードください」と言ったら買えたそうです。

 また、アメリカのレコードというのは売れ行きによって値段が違って、このレコードは大人気のため高値で売買されていたそうです。

 それで、日本でもLPが発売され、CDでも復刻されて、現に今私のCDコレクションに加わっているのですが・・・。

 1944(昭和19)年10月25日の音楽会。それは、第二次世界大戦(日本では大東亜戦争)中のアメリカでのできごとです。

 1944年の10月14日にルーズベルトは日本の降伏を早めるために駐ソ大使W・アヴェレル・ハリマンを介してスターリンに対日参戦を促しています。

 その他、昭和19(1944)年の10月前後の大東亜戦争の戦況というと。

8月2日 テニアン島の日本軍玉砕。(テニアンの戦い。広島長崎へ原爆を投下したB29はこの時に占領したテニアン島から出撃した)
8月11日 グアム島の日本軍玉砕。(グアムの戦い)
10月20日 米軍、フィリピン・レイテ島に上陸(レイテ島の戦い)。
10月23日 レイテ沖海戦
10月24日 戦艦武蔵沈没(シブヤン海)。
10月25日 神風特別攻撃隊、レイテで初出撃。
 
 といった具合です。戦局は悪化し、日米双方で多くの戦死者を出しています。

  いくら物資に恵まれていたアメリカといえども、当時は国を挙げての臨戦態勢でした。庶民の発想ではあり得ません。アメリカ社会が当時既に抱えていた、深刻な社会格差がほの見えるエピソードです。

 石油の一滴は血の一滴というスローガンの下、金属も不足し、お寺の鐘、鍋釜や果ては子供のオモチャまで供出していた日本の側から観ると、何か割り切れない思いが湧いてきてなりません。

 というか、日本向けの石油の輸出がストップされて、日米開戦にいたったのですから、ジェンキンス女史のご夫君の会社が日本に石油を売ってくれていればあの戦争は起きていないんだねえ。大いなる歴史の皮肉です。

 これをユーモア感覚にあふれたアメリカ文化の懐の深さと感じるか、金さえ有れば何でもありの即物的成金国家アメリカの根深い病弊と見るか、人それぞれだと思います。







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【ファイルMU6】2010.10.10 吉永小百合さん、橋幸夫さんの『いつでも夢を』は昭和歌謡界の金字塔だよ

吉永小百合さんが綺麗だねえ。

 You Tubeの埋め込みコードの取得が不可になっているので、リンクを貼っておきますね。

 『いつでも夢を』の画像はこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=6Rr6KK94-rc&feature=related

歌手:橋幸夫・吉永小百合
作詞:佐伯孝夫
作曲:吉田正

 時は昭和37年、1962年。

 この曲は発表したとたんに大ヒットし、第4回レコード大賞を受賞しました。

 1964東京オリンピックの2年前に作られた曲です。

 東海道新幹線は東京オリンピックにあわせて完成したので、まだ開業しておらず、東京−大阪間が『ビジネス特急こだま』で6時間40分かかっていた時代のことです。

 巨人の王貞治選手が一本足打法をあみだして、相撲では第45代横綱・若乃花(初代)が引退を表明。大鵬が活躍し、巨人・大鵬・卵焼きの時代です。

 1955〜73(昭和30〜48)年の間、日本経済は成長率が年平均10%をこえる高度成長を続け、国民総生産(GNP)は、資本主義国ではアメリカにつぐ第2位になるという大躍進を遂げたわけですが、そのまっただ中の夢と希望があった時代です。

 もちろん、今よりは豊かではなかったはずなんですけど、すごく元気が出る曲ですね。
 

 『ザ・ぼんち』のぼんちおさむさんが、何を唄っても橋幸夫さんの歌になるってギャグの中で、『星よりひそかに〜♪あれっ?』っていうのがあって、それでこのデュエット曲の男声が橋幸夫さんだということは知っていたのですが、女声がなんと吉永小百合さんなんですよね。

 本当にびっくり!

 2大スターの夢の共演です。この頃のスターは今と違って、全国民が夢中になっていたわけですから。

 そりゃあヒットしますよね

 橋幸夫さんがどことなく男子フィギュアスケートの織田信成選手に似ています。

 それにしても吉永小百合さんの綺麗なこと。目がきらきら輝いています。

 ピンクの洋服がとっても似合っています。本当に華やかだねえ。

 それから、歌詞がとっても素敵です。

 『いつでも夢をお持ちなさいな♪』ってあの娘(こ)はいつも歌ってるんだねえ。

 それでもって、あの娘は歌声で『はかない涙をうれしい涙に』かえてくれるんだねえ。

 メロディーラインも奇跡のように美しいねえ。

 ということで、これは歴史的な名曲ですね。










【ファイルMU5】2009.06.24 チャイコフスキー/バレエ『くるみ割り人形』より『金平糖の踊り』

『チェレスタ』という珍しい楽器が活躍するよ。

 チャイコフスキーの三大バレエ曲といわれているのが、『白鳥の湖』『眠れる森の美女』、そして『くるみ割り人形』。
いずれも名曲でバレエでは欠かせないレパートリーですが、全曲は長いので、ダイジェスト的な管弦楽組曲も出版されています。

 中でも『くるみ割り人形』は粒ぞろいの名曲が多い傑作です。

 初演は1892年12月17日(6日、18日とするものもあり)、サンクトペテルブルグマリンスキー劇場にて。

 それで、少し変わっていて、小さくて可愛らしい曲が『金平糖の踊り』。

 この曲は『チェレスタ』という珍しい楽器が大活躍します。



 写真はチャイコフスキーさん。

 チェレスタは小型のアップライト・ピアノのような形の楽器で、フェルト巻きのハンマーで、共鳴箱付きの金属音板を叩いて高音域を発生さします。

 キラキラとお星様の瞬きのような音がします。

 実物を見たことがありますが、係りの人が楽器を運んでいるとき、金属板同士が当たる綺麗な音がしたのを覚えています。

 ヤマハ製 チェレスタCEL-53

イメージ 1



 金平糖の踊り Andante non troppo、ホ短調、4分の2拍子(複合三部形式)。タイトルの原題は「ドラジェの精の踊り」ですが、日本ではドラジェというお菓子(アーモンド等を砂糖で包んだお菓子)は一般的でなかったためにこの邦題が馴染み深いものになって、現在に至っています。

同様に英語圏ではクリスマスのキャンディーである「シュガープラムの精の踊り(Dance of the Sugar Plum Fairy)」となっています。

でもチェレスタのキラキラした音色がいかにもお星様の形をした金平糖みたいで、とても名訳だと思います。

 京都には創業が慶応年間の『緑寿庵 清水』という日本唯一の『こんぺいとう』専門店があって、大人気だそうです。
http://www.konpeito.co.jp/index.html
 ここの金平糖はお茶席にも使う高級品で、とても高価なんですけれど、季節限定品は一年先まで予約が一杯、通年置きの定番小袋も品切れ続出の品薄状態が続いてなかなか手に入らないそうです。そう言われると、余計に食べてみたいねえ。

 金平糖は、一五四六年ポルトガルからもたらされた異国の品々のひとつで、織田信長も宣教師から贈られたんだよ。
当時はとても珍しく貴重な品とされ、製造法はいっさい秘密でした。
日本で金平糖がつくられるようになったのは長崎から京都・江戸と広まってからだそうです。


『金平糖の踊り』の話に戻ると、この曲の発表当時は、丁度、チェレスタが発明されたばかりでした。ですから、『金平糖の踊り』がチェレスタを起用した世界最初の作品なのです。

 当初、このパートは天使の声と喩えられた珍しい楽器アルモニカ(または別種の「ガラス製木琴」)のために書かれていて、後にチャイコフスキーさんが旅行先でチェレスタと出会って、その美しい音色にびっくり!急遽、楽器指定を変えたことが明らかになっているそうです。

 なお、チャイコフスキーさんは初演まで、新発明のチェレスタを使用することを秘密にしていました。

 パリから楽器を取り寄せる際に、モスクワの業者に送った手紙の中に「他の作曲家、特にライバルのリムスキー・コルサコフさんとグラズノフさんに知られないように」と言う趣旨のことを書いていて、先に使われるのを防ぎ、みんなをあっと驚かせたいと思っていたようです。

 作曲業界も、競争が大変だったんだねえ!

 ちなみに、この『金平糖の踊り』は女子フィギュアスケートの浅田真央選手が2005-2006シーズンのフリースケーティングで使用したことでも有名です。

 とても人気な曲なんだねえ。

 くるみ割り人形は、クリスマス・イブの夜のパーティーで少女クララがプレゼントされたくるみ割り人形と夜中にお菓子の国に旅立つというロマンチックなおとぎばなしです。

 バレエもとても華やかですから、一度ご覧になったら良いかも。

 私は、ニーナ・アナニアシヴィリさんがプリマ・バレリーナを演じた舞台を観たことがありますが、それはそれは美しかったよ。


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