54才・喫茶店主の東大挑戦記

今より少しだけ住みよい社会を作るために

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そこに座れっ!

ある家庭の話です。
 
ある日、息子さんから電話がかかってきました。
 
「母ちゃん、もうちょっと仕送り増やしてくれないかなぁ。オレもう100万円近くも借金があってさぁ」
 
そこのお母さんは、さすがに100万円近くも借金しているとあっては大変と家計を削って月々の仕送りを増やしたそうです。
 
ところが翌年になって、借金は返せているのかと聞いたところ130万円にまで増えていると言うじゃありませんか。
 
なんで仕送りを増やしたのに借金が増えたのか?
 
気になったお母さんが人に頼んで調べてもらったところ、息子は友達に「仕送りが増えるんだぜぃ」と言って、前にもまして気前が良くなり、あちこちに散財した様子。
 
その上、よくよく調べてもらうと、たしかに金融機関に借金は130万円あるものの、友達に貸しているお金が120万円もあるそうです。
 
しかも呆れたことに、去年仕送りを増やしてくれといった時には金融機関に借りているお金よりも、友達に貸しているお金のほうが多かったと言うじゃありませんか。
 
さて、こんな時あなたならどうするでしょう。
 
私なら「ちょっとそこに座れっ!」と言って説教三昧の挙句、仕送り減額の刑に処します。
 
ところがそのお母さんは叱ることも仕送りを減らすこともなく、息子を甘やかし続けたのです。
 
その結果、今では友達に貸したお金をはるかに上回る莫大な借金を背負うことになってしまったのです。
 
そして更に今、車で事故ってしまったからと言って仕送りの増額をせがんでいます。
 
今、お母さんが言うべきことは「いいわよ」なのでしょうか、それとも「そこに座れ!」なのでしょうか?
 
 
さて、そこの家庭とは我らが日本国政府。
 
最初に仕送り増額をせがんだのは、1997年の消費税増額の時。
 
話がややこしくなるので、バブルが弾けた後の1990年を借金も貯金もゼロだとすると・・・
 
1997年では借金借金にあたる国債の発行高が92兆円に対して、貯金にあたる政府金融資産は111兆円で収支はプラス19兆円。
 
この借金92兆円が大変な借金だということで、消費税を5%に引き上げたのです。
 
そして翌1998年になると、収入が増えるぞと張り切って散財した結果、貯金の方も119兆円にまで増やしたものの、借金も129兆円にまで増やして収支はマイナス10兆円。
 
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その後は、貯金も増やしたものの、借金はそれ以上に増えて家計は火の車。
 
貯金があるのに借金なんてするもんじゃありません。
 
「でも万が一に備えて貯金は増やしておいたほうがいいんじゃないの」という声も聞こえてきそうですが、このグラフを見てください。
 
 
イメージ 2
 
先進国で唯一黒字国のカナダを除けば貯金を増やしている国は、日本しかありません。
 
しかも他の国に比べると2〜3倍もの高比率で貯金を積んでいます。
 
そして現在、東日本大震災の復興のために再び仕送りの増額をせがんでいます。
 
この未曽有の大災害に対しては仕送り増もやむを得ないとの風潮が広がっています。
 
たしかにこの復興には阪神淡路大震災の二倍以上、すなわち20〜30兆円もかかると言われています。
 
このために政府は子ども手当の廃止や、高速道路無料化を断念すると決めていますが、これで得られる財源は3兆円程度。とても間に合いません。
 
そんな訳で、消費税率アップを含めた増税案が出されているのですが、過去の行状を考えると、このドラ息子の言っていることを素直に聞くのは危険です。
 
気軽に仕送り増額に応じた結果、呆れるほどに借金を増やした前科があります。
 
この前は貯金を隠して仕送りをせがんだくらいですから、なにか隠しているに違いありません。
 
そこで予算を見てみると・・・・景気対策費として6兆円が計上されています。
 
この6兆円は去年の年末、深刻なデフレに悩む日本の景気を刺激するために菅首相が打ち出した目玉政策です。
 
思えば過去、麻生元総理はリーマンショックで更に深刻化した経済のテコ入れを図るために定額給付金などで15兆円もの景気対策費を打ち出しましたし、鳩山元総理なども莫大な資金を投じて様々な景気対策を行ってきたものです。
 
これらの景気対策の目的はただ一つ。
 
「私たちにお金を使わせること」でした。
 
1997年に消費税分が一斉に値上がりした後、私たちは一気に一円でも安いものを求めるように行動様式が変わりました。
 
その結果企業は一円でも安くものを作り、そして一円でも安く販売できるように人件費を削りました。
 
そして雇用が減り、職を失った人や職に不安を持つ人達は一段と人は安いものを求め、そのために人件費を削り、というデフレスパイラルに陥ったのです。
 
そんな訳で政府は私たちにお金を使わせようとあの手この手でお金をばらまいてきたのですが、子ども手当や定額給付金の多くが貯金に回ってしまったように、市場を潤すことはありませんでした。
 
しかし今回の震災で事情は一変しました。
 
復興を諦めない限り、いくらでもモノが必要であり、そのために使われたお金は確実に市場を流れるのです。
 
こんな時に「私たちにお金を使わせる」ために6兆円も必要なわけがありません。
 
これをそっくりそのまま復興費用に回せば、先の3兆円と合わせて9兆円。
 
復興に三年かかると考えると、ちょうどぴったりの予算です。
 
なのにこの子はそんな予算があることを一言も言わず、「お金が足りないから仕送りを増やしてくれ」とせがんでいます。
 
今、私達がするべきことは子どもの要求にやさしく「いいよ」とこたえることなのでしょうか、それとも厳しく「そこに座れっ!」と命じることなのでしょうか。
 
政府金融資産などの詳しい話はここに詳しく書いています。
 
できるだけ分かりやすく書いたつもりですので、興味を持たれた方はぜひ読んでください。

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