最近読んだ久々の当たり作品はかなり濃い作品が多い。
読み進めるうちに笑っていられなくなる。
どんどんとのめりこむ怖さが、
またたまらない感覚をもたらしてくれる。
湊かなえさん以来の没頭がきて、
開拓地開墾者になった気分。
作家読みの最中である私。
惜しむらくは、
まだ、作品がコミック並みに出ていないことかなあ。
2005年デビューだそうだが。
夫も子どもも…… みんな邪魔!! こんなにドキドキして読んだ本は、
久しぶりだった。
ラストでは、「ええええええっ」
と、思わず叫んでしまったよ。
更年期少女という作品を改題したこの作品、
六人の本当の生活が見えるたびに
ぎょぎょっとする。
なんで改題したんだろう。
更年期少女のほうがぱしっとくる作品だ。
ふたり狂いぼさーっと読んでいたら、
わからなくなってしまう作品。
この作家、
相当本を読んでいて、
作品を書くにあたっての下調べも
半端ないので、
何だってわかっている博士みたいに思える。
書くなら、ここまで徹底したいものだ。
連作短編集は
読み進めるとどこでつながってくるのかが、
分かりやすい。
誰にでもある気持ちや考えが、
どっぷり嫌味に書いてあるが、
決して本の中の話ではない
妙に現実めいているところに
恐ろしさを感じる。
短編集のなかにひそむ絡みは、
読み終えると、
また最初に戻って読んでしまう
山手線に乗車してくるくる回ってしまうような、
変な感覚を与えてしまう。
夢中になること、間違いなし。
湊さんが好きな方なら、なおお奨めしたい。
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今月の本
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儚い羊たちの祝宴 米澤 穂信 著意外と多いなか、
米澤さんの本は
結構好きで読む。
夢中で読んじゃった本を紹介。
内容紹介優雅な読書サークル「バベルの会」にリンクして起こる、
邪悪な5つの事件。
恐るべき真相はラストの1行に。
衝撃の暗黒ミステリ。
内容(「BOOK」データベースより)夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。
夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。
翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、
四年目にはさらに凄惨な事件が。
優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。
甘美なまでの語り口が、
ともすれば暗い微笑を誘い、
最後に明かされる残酷なまでの真実が、
脳髄を冷たく痺れさせる。
米澤流暗黒ミステリの真骨頂。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)米澤 穂信
1978(昭和53)年岐阜県生れ。 2001(平成13)年、『氷菓』で角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞しデビュー。
’11年、『折れた竜骨』で日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
アマゾンより抜粋
すべての物語に
バベルの会が関係していて
短編で人が入れ替わっても
バベルの会が
絡み合っているところは
素晴らしい手法だと
唸らずにはいられなかった。
このところ
忙しい私の読書時間は
風呂の中。
半身浴をしながら
汗がたんまり出てきたら
そこまでであきらめて本を閉じる。
残念ながら
本の読書量は落ちたし
スピードももちろん遅くなったけれど、
確実に毎日読めるので、
暫くは風呂で読む。
温まるので
ありがたいっす。
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アントキノイノチ さだまさし 著岡田将生、榮倉奈々主演で
ただ今公開中だとか。
上映前の番宣では、
海辺で叫ぶ二人の姿があったが
原作には、
海辺は出てこない。
演出といえばそれまでだろうが、
できれば、
著者の作品に忠実に描いてほしいものだなあ。
ま、演出効果として海が良かったのか分からないが。
映画を見に行った知人は、
結末の違いにやや不満を漏らしていた。
本を映像化するということは、
そういうものだろうなあ。
だから、私は原作を好む。
私の頭の中では誰をキャスティングしても自由だからだ。
それはさておき、
さだまさしさんは、
ちょっこらちょいの歌手ではなく、
もう立派な作家でもあらせられるのじゃなあ、
そう感じた一作であった。
内容(「BOOK」データベースより)21歳の杏平は、ある同級生の「悪意」をきっかけに、
二度その男を殺しかけ、
高校を3年で中退して以来、
うまく他人とかかわることができなくなっていた。
父親の口利きで、
遺品整理業“CO‐OPERS”の見習い社員になった杏平の心は、
亡くなった方とご遺族のため、
汚れ仕事も厭わず汗を流す会社の先輩達、
そして同い年の明るいゆきちゃんと過ごすことで、少しずつほぐれてゆく。
けれど、ある日ゆきちゃんの壮絶な過去を知り…。
生きることの重さを知るほど、生命は大切で重くなる。
爽やかな涙が流れる、
感動の書き下ろし長篇小説。
アマゾンより抜粋
遺品整理業などという職業すら
知らなかった自分は、
これでもう一歩、
そういう職業の方が書かれた作品を読もうと思う。
命の大切さ、尊さ、
伝わったし、泣けたよ、さださん。
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境遇 湊かなえ 著毎度本が出るたびに購入している。
一冊買うために、
ほかのさまざまなものを我慢せねばならんが、
私へのおやつだと思って、
今回も購入。
ただ、デビューの本「告白」が、
とてもうまく書けていたので、
どうも筆が落ちているように感じてならない。
内容紹介主人公は36歳のふたりの女性。
政治家の夫と幸せな家庭を築き、
さらに絵本作家としても注目を浴びる主婦の陽子。
家族のいない天涯孤独な新聞記者の晴美。
ふたりは親友同士であるが、
共に生まれてすぐ親に捨てられた過去を持つ。
ある日、
「世間に真実を公表しなければ、息子の命はない」
という脅迫状と共に、
陽子の5歳になる息子が誘拐された。
真実とは一体何なのか ……。
晴美と共に「真実」を求め奔走する陽子。
すると、
陽子の絵本のファンだという一人の女性の存在が浮上する。
犯人はその女性なのか、それとも……。
人 は生まれる環境を選べない。
しかし、
その後の人生は自分の意思で選び、
自分の手で築いていくことができる。
犯人の示す「真実」が明らかになるとき、
ふたりの歩んできた境遇 =人生の意味が改めて浮き彫りになっていく。
出版社からのコメントデビュー作の絵本『あおぞらリボン』がベストセラーとなった陽子と、
新聞記者の晴美は親友同士。
共に幼いころ親に捨てられた過去を持つ。
ある日、
「真実を公表しなければ、息子の命はない」
という脅迫状とともに、陽子の息子が誘拐された。
「真実」とは何か……。
この冬放送の、ABC創立60周年記念スペシャルドラマ原作。
尚、絵本『あおぞらリボン』
(文・みなとかなえ 絵・すやまゆうか)が入った函入り特別版(1995円)も同時発売。
アマゾンより抜粋
この絵本特別版は、
物語や本そのものの価値をアップさせてくれるか?というと、
おまけレベルのものなので、
期待度は低いことを付け足しておくことにする。
共感してこそ、読者は作品に引き込まれていくものだけれど、
まず、子どもが誘拐されたというのに、
危機感のない周りの人間に違和感と不信感をもち、
もう初めから、
犯人の目星がつく展開は、
彼女の初期の作品からすると、
いたく残念な気がする。
これをドラマ化するというのか、
ドラマを作るための小説化だったことを知って、
ますますがっかりしたなあ。
絵本であるあおぞらリボンにも、
なんの謎もない。
ここまでくると、
私が湊作品をコレクターとして買うだけになってきた、かな。
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悼む人 天童荒太 著土日に二度読みしてしまった。
私を虜にしたこの作品。
直木賞受賞作で、
7年もの歳月をかけて、
天童さんが書き上げた、
珠玉の一冊である。
テーマは重い。
人の死にかかわることなので、
考えさせられるし、唸るし、嘆くし、奥が深い。
内容紹介全国を放浪し、死者を悼む旅を続ける坂築静人。
彼を巡り、夫を殺した女、
人間不信の雑誌記者、
末期癌の母らのドラマが繰り広げられる。
内容(「BOOK」データベースより)聖者なのか、偽善者か?「悼む人」は誰ですか。
七年の歳月を費やした著者の最高到達点!善と悪、
生と死が交錯する至高の愛の物語。
アマゾンより抜粋
人の死に立ち会ったことがある人間ならば、
考えさせられると思う。
物語は、
命を落とした人々を悼むために
全国放浪の旅を続ける坂築静人が主人公。
ふとしたことから彼と行動を共にすることになった奈義倖世は、
夫殺しで服役していた過去をもつ。
静人の行動に興味を持った雑誌記者の薪野抗太郎は、
ブログで全国に静人のことを呼びかける。
悼む人をしりませんかと。
そして静人の母で末期がんに冒されている巡子。
延命を望まず、
自宅で死を受け入れようとする。
彼らをめぐるこの話は、
静人を理解しようと思わないで読んでほしい。
自分の家族も仕事もなげうって、
全く見ず知らずの人の死を悼む旅をする人間を、
理解などできないし、
そこは現実感は全くない。
ただ、
その人は誰に愛されたのか。
また、誰を愛したのか。 どんなことをして人に感謝されただろうか。
静人の投げかけた言葉は、
読後から日にちがたっても、
記憶の中に残存している。
出会えてよかった作品は、
そうそうめったにあるものではない。
嬉しい作品に出合えたことに感謝。
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