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Charlie and the Chocolate Factory (2005)
奇才ティム・バートン監督とジョニー・デップが再び組んで完成したファミリーピクチャーです。もちろんこの二人が作る映画が普通の家族向け映画であるはずがありません。そこにはバートンらしい粋な演出と不思議な世界観が描かれています。
映画は、生活に困窮したチャーリー少年が謎のチョコレート工場見学者に選ばれるところからはじまります。このシークエンスは子供だけでなく大人もわくわくさせます。そして後半のチョコレート工場内のお話に繋がって行くのですが、工場見学に選ばれる子供たちと同伴者が皆素晴らしい演技をしています。ひとりひとりがきちんと演技していて、なかなか面白かったです。そのなかでもやはりずば抜けていいのがジョニー・デップです。彼はこの映画に出演できることをとても喜んだそうです。やはり子供の頃からこの原作が好きだったそうです。今ではすっかり有名人の仲間入りをしたデップですが、そんなことは気にせず風変わりなワンカを楽しく演じています。
特筆すべきは、工場で働く小人たちです。ひとりの俳優が演じていますが、なんともいえない演技で笑えます。もちろん一緒に登場するリスたちも見物です(撮影にはCGではなく本物をつかったそうです)。
原作は、ロアルト・ダールの「チャーリーとチョコレート工場の秘密」。この原作はメル・スチュアートにより1971年に映画化されています(「夢のチョコレート工場)という邦題でした)。このスチュアート版もなかなか良くできていて公開時はヒットしましたが、原作者であるダールはあまり気に入っていなかったようです。それは、映画的な解釈で原作をかなり逸脱していたからだといわれています。この原作は日本ではあまり知られていませんが欧米では子供の頃必ずと言っていい程読んで通る本だそうです。子供たちはこの本で社会のルールを勉強するのだそうです。この原作を映像化することに関しては原作にいかに忠実かというのが欧米では一つの基準となっていたようです。
ダールは既に他界していますが、ダール婦人はこの映画をとても気に入っているそうです。それは、バートン版には原作から逸脱しない世界観がきちんと描かれているからでしょう。
私が個人的に大好きな映画「シザーハンズ」でティム・バートンとジョニー・デップの二人は気があったようで、その後「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」「エド・ウッド」とバートン×デップは仕事を重ねてきました。しかしこれまで二人が作ってきた映画は大ヒットという域まで到達していませんでした。しか欧米で「チャーリーとチョコレート工場」が大ヒットし、やっとこの二人はメジャーになれたのです。そしてこの作品の後はすぐに「コープス・ブライド」が控えています。映画史には黒澤明×三船敏郎のように監督と俳優が組んだ一連の連作がありますが、この二人もいずれは歴史となって行くのでしょう。
ちなみにティム・バートンは、ダニー・エルフマンともいつも一緒に仕事をしています。今回ももちろん音楽はエルフマンです。
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