|
宮本常一『山の道』、宮田章司『江戸売り声百景』、鶴見俊輔『家の神』を図書館で借りた。 ●宮本常一 『山の道』 宮本常一の著作は、人が本来持っている生命力というか生物的な強さという ものを思い出させてくれる。 この本は秘境とよばれる山奥の人々の生活を調べたもので、昔、山は生活の場であり、 流通の道であったことがよくわかる。今は人も通わないような奥地に人々は畑をひらき 家を建てて暮らした。それを支えたのが生活の知恵の蓄積だった。 宮本常一は、放っておけば消えてしまう人々の知恵や暮らしの様子を丹念に収集した。 そのおかげで、私は見たこともない山奥の生活を知ることができる。 ●宮田章司 『江戸売り声百景』 宮田章司『江戸売り声百景』には「売り声」のCDがついている。 「売り声」とは、今は聞く機会はないけれど、納豆や豆腐など、物を売り歩いた人々の 独特の呼び声のこと。文中で「今の人は不便だね。物が欲しいとき買いに行かなくちゃ いけない。昔は売りに来てくれたもんだよ。」と言うとおり、昔はいろいろな物を売りに きていたようだ。物だけでなく鋳掛屋さんやコウモリ傘の修理などもあったらしい。 かまどの灰を買い取って農家に肥料として売る商売もあった。これはリサイクルも 兼ねていてよくできている。 関西と関東では声の高さやリズムが違っていたというのも面白い。 ちなみに、宮田章司は漫才や漫談をする人で(私は知らなかった)、寄席などで落語と 並んで、「売り声」の芸を披露している。 ●鶴見俊輔 『家の神』 以前、鶴見俊輔の本を読んで、何か自分とずれていると思ったけれど、この本でも やはりちょっと違う感じを受けた。タイトルと内容にギャップを感じたのだろう。 たぶん鶴見俊輔が定義する「神」と私が漠然と考える「神」が違うのだと思った。
|
全体表示
[ リスト ]




