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「911から五年 念仏のうた」
二つの塔が崩れ、
大仏が崩れ、
戦が起こり、
多くの人が死んだ。
それが、
この五年の出来事。
いつの世も、
末法なのかもしれないけれど、
本当に末法の名にふさわしい、
この五年だった。
理由のない戦争が起こされて、
一つの国が破壊され、
今も内紛がやむことはない。
平和を国是としていたはずの私の国も、
超大国の不条理な振舞の片棒を担ぐばかりだった。
ますますそうした流れは、
加速するばかりなのかもしれない。
この五濁の悪世に、
いったい何ができるだろう。
きっと私たちの一人一人は、
あまりにも巨大な超大国の権力にも、
濁流のような時代の流れにも、
大したことはできない。
けれども、
どんな態度をとるかは、
いつも自由に決めることができる。
それに対して、
どのような態度をとるか、
どう向かい合うかだけは、
いつも自分で決められる。
拳ではなく、
両手を合わせて合掌すること。
憎しみや罵りや不信の言葉ではなく、
南無阿弥陀仏と称えること。
武器ではなくて、
一輪の花を持つこと。
それだけは、
どんな時でも、
自由に、簡単に、
私にもできる。
そのことに、
ささやかだけれど、
五年かかって気付いた。
そして、
そのことに気付いた人が、
少しずつ小さな声を合わせて、
大きな愛で小さなことをしていけば、
雨のしずくが、
大河に変わり、
いつか地形も変えるように、
きっと、この五濁の悪世も、
共生の浄土に変えられる。
これから五年、
もし生きのびて、
振り返る日を持つことができるならば、
私は念仏の声と非暴力の願いは、
決して絶やすことがなかったと、
言い切れる人間でありたい。
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