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愛国心教育に疑問

「愛国心教育に疑問」


今日、クローズアップ現代で、
愛国心教育の現場が取り上げられていた。

実例として、二例、
実際に小学校で教師が生徒に愛国心を教える様子が映っていた。

二番目にとりあげられた方は、
こどもに自分たちで考えさせたり、
知識をいろいろ教えて、
愛国心が育つのを待つという点で、
とても納得のいくアプローチに思えた。

しかし、
最初に映った方のやり方は、
とても疑問に思えた。

若い女の先生が、
わかりやすく(?)つくったテキストをこどもにまず読んでいた。
外国人の女の子が日本に来て、
日本の四季の美しさに感嘆するという内容。

それをこどもたちが聞いて、
「日本は美しい」とか「日本に生まれてよかった」
と、くちぐちに感想を述べていた。

正直言って、
気持ちわるい、
と思った。

だいたい、
四季があるのは日本だけじゃなくて、
ヨーロッパや中国や韓国にだってある。

四季がなくても、
美しい自然がある国は山ほどある。

その教室の生徒の中にも、
その外国の女の子の国にもきれいな自然があるのでは、
という至極まっとうな質問をする子もいた。
しかし、どうも教師の方が聞く耳もたず、
でも日本には四季があるんだよ、
と富士山の四季の写真を押し付けるように指し示していた。

これじゃあ、
こどもは何も言う気はしなくなるし、
疑問や質問を出さずに、
適当に教師にあわせて、
日本は美しいー、とか言うだけになるだろう。

私が思うに、
日本を愛する理由は、
四季や富士山があるなどという単純なものではないと思う。

四季なら他の国にもあるし、
美しい山なら富士だけじゃなくて、
外国にも、そして日本国内にも他にもいっぱいある。

それを、かくも単純な理由で、
愛国心をこどもに喚起できると思い、
こどもに実際そう言わせようとしている教育方針には、
正直言ってかなり疑問だ。

国を愛し、人間を愛し、自分を愛するには、
とても豊かな愛と体験と知識が必要で、
それには適当に教師のことばに合わせるような態度ではなく、
自分で好奇心を持ったり批判精神を持ったり疑問を持って、
自分で調べたりとりくむ姿勢をこそ教育は培うことが大事ではなかろうか。

二例映ったうちの、
後で映った自分で考えさせる方針の愛国教育なら、
私も賛成だしべつに行っていいと思うけれど、
一例目にうつった「四季があるから日本は美しい!」
みたいなのは、
正直言ってやめてくれと言いたくなる。

日本の良さは、なにも、
富士山や四季や天皇や桜だけではない。
どうも戦前は、
そういう思考停止的な短絡的な愛国心が蔓延していたような気がする。

日本には他にもいっぱい、
それぞれの地域の鎮守の森や仏像や民話や伝説や、
桜以外の多様な花や、
おそらくは天皇とは全く別系統の古墳や、
南朝や後南朝の歴史や、
阿弥陀仏をめぐるさまざまな伝統や習俗もある。

学校教育で教えられることとすれば、
そうしたいろんな材料を教えて、
自分で考えさせることであり、
短絡的な思考と感覚を植えつけることではあるまい。


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