往還一如 生と死

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イギリスで見た虹

「イギリスで見た虹」


イギリスに行っている間、
いたるところで虹を見た。

虹の多い国なのだろうか。
あんなに多くの虹を、
いっぱい見たのは、
かつてなかった。

ワーズワースが来たのだろうか。
ヒュームが来たのだろうか。
シェイクスピアが来たのだろうか。

あるいは、前世の有縁の人だったのだろうか。

虹はあの世とこの世の橋と聞く。

悲しき兄たち

「悲しき兄たち」


ワーズワースと宮沢賢治、
ふたりの詩を長い間避けてきた。

最愛の妹を若くして亡くしたところが、
私と同じだったから。

自然が好きなのと同時に、
それ以上に、
人類が好きで、
時代や社会のうねりに敏感で、
自分が何とかしようと飛び込んだが、
弱くて非力だったところも。

繊細なのと同時に、
どこかファナティックなところも。

悲しき兄たち、
いつかきちんと向き合って、
いろいろ語り合えたらなあ。

「なぜ自殺をしてはならないか」

自殺がなぜいけないのか、
漠然といけないとは思いながらも、
家族が悲しむからぐらいの理由しか長い間はっきりつかめなかった。

死んだ方がましぐらいに悲しいことがあった時に、
それでもなんとか生きてきたのは、
家族がいたからだった。

それだけで理由は十分なのかもしれないが、
長い間積極的に生きていく理由がよく見つからなかった。
漠然とした虚無の中で、長い間生きてきたと思う。

死ねないから生きているだけで、
生きねばならぬ積極的な理由がよくわからなかった。

最近、やっと少し見えてきたことがある。

かつては、自分のいのちは自分のものだと思っていたから、
自分で死んでもかまわないと思っていたんだと思う。
けれども、本当はそうじゃない。

自分のいのちは自分のものではない。

自分が生まれるためには、
全ての縁が整っていなければ、
自分が生まれることはなかった。
ひとつとして何かの縁がかけていたら、
自分は生まれてこなかった。

ずっと今まで生きてこれたのも、
全ての縁をあげての支えがあったから、
生きてこれた。
いろんな命が自分の食べ物となってくれたから、
いろんな人の支えや助けがあったから、
いままで現に生きてこれた。

このいのちは、賜りもの。
宇宙からの賜りもの。
阿弥陀仏からの賜りもの。

このいのちは私のものではなく、
宇宙のもの、
天地の共有物だ。
阿弥陀仏のものだ。

私に属するものではなく、
仏に属するものだ。

そう気づいた時、
なぜ自殺してはいけないか、
はじめて積極的な理由が見つかった気がした。

「少々の体調不良で学んだこと」

人間というのは難儀なもので、
ちょっと体調が悪かったり、
身体のどこかが痛みを抱えると、
もういつも通りに順調にはいかなくなる。

日ごろの健康がいかに恵まれていることか、
普段ぜんぜん感謝が足りないことに思い至る。

私も、ずいぶんと、俺は何をやってきたのだろうと、
何もしていないようにいつも自分を責めさいなんできたけれど、
本当はずいぶんいろいろやってくることができた。

健康に恵まれたおかげで、
実にいろんな好きなことをやって、
いろんな体験をすることができた。

その膨大な蓄積だけで、
それが病でできなかったことを仮定して比較してみれば、
いかに恵まれたことだったかわからない。

そんなことがわかるならば、
たまに軽い程度に痛い思いをして、
不自由を多少味わってみることも、
かえって勉強になっているのかもしれない。

そして、何よりも、
私の最愛のいまは浄土に往った人たちが、
いかに具合が悪い中であのようにすばらしい芸術を遺したり、
精神を発揮したことが、
いかにすごいことだったか、
到底私にはできないのではないかと思えるぐらい立派なことだったか、
改めて深く思われる。

「浄土と呼び交わしあう場」

浄土はどこにあるのだろう。
はるか遠い彼方。
死んでからのちに行く場所。

そう思っていた。
ある時まで。

しかし、本当は、常に今ここと呼び交わしあっている場所、
極めて近く親しい場所。
この世とは違う場所だが、
この世と無関係ではなく、交流しあっている場所。
愛する人がお浄土に行って、
はじめてそう教えてくれた。

いのちが満ち、ことばが幸き生ふ。
無数の宮殿や宝石や見事な樹や花で荘厳された場所。
わが愛する人が住まう場所。
いつかまた一緒にそこで皆と出会える場所。

夢ではなく、現にある場所。
浄土から見たらこの世の方が、
よろず虚仮に満ちていることだろう。

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