道心日記

自他護身術 護道(ごどう)宗家のブログです。道場や日常において感じたことを書いています。

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競争教育の盲点

学力ナンバー1、体力ナンバー1、といった競争教育を大人主導で煽動することが本当に教育に取って大切なことでしょうか?

ナンバー1を「目指すこと」が悪いという意味ではありません。
ナンバー1になりたい子は「個々に目指せばいい」ことであり、大人が扇動するものではないということです。
負けん気の強い子は競争を押し付けなくてもナンバー1を目指すでしょうから。
でも結局のことろ「何が人間にとってナンバー1なのか?」の基準をつけることはできないとも思います。

「順番なんて本当の人間の価値とは何の関係もない」

これは「太陽の塔」で有名な芸術家・岡本太郎氏の言葉です。
世の中にはいろんな子供、いろんな人がいます。その価値に数字で基準を付けること自体、本来は無意味なことではないでしょうか?

競争を大人主導で煽動していくことについて問題なのは、いろんな性格や個性や特性の子供がいるということへの配慮がかけていると思うのです。

また大人が本当に教育として示せることは自分自身の生き様を通じて伝えることではないでしょうか?
それを子どもに一時的に教師が押し付けて「勉強だけ」させたとしても、その後はどうなるのでしょうか?

本来、学びに向かうときの向上心とは「自主性」の中から生まれます。
子ども達はただ「いい点数が取りたくて勉強する」わけではありません。

理由は「親が喜ぶから、親に誉められたいから頑張る」「塾の先生が誉めてくれるから。また誉められたいから塾へ行く」など、親(先生)の顔色(そうすることで認められたい=愛してもらいたい)かもしれませんし、「人よりよく思われたい」という欲求や優越感に浸りたいという願望かもしれません。「勉強は嫌いだけど友達と一緒にいたいから塾へ行く」という疎外感からかもしれませんし、また「自分ができなかったことができるようになる喜び」という変わることへの喜びかもしれません。

その理由は様々だと思いますが、いいことでも悪いことでも、学びに向かうときの向上心はすべて「自主性」の中から生まれます。
自主性がなければ、それはただの「押しつけ」にしかならず、どれだけ競争を大人が煽ってもやらない子供はやらないでしょう。

また学力や体力は苦手な子もいます。
その中には、できなくて申し訳ないと思う子もいるでしょう。

できてもできなくてもいいから参加してみようというのなら話はわかりますが、成果主義で子供達に結果を求めることには視野の狭さや配慮のなさを感じます。

また逆に学力や体力は苦手な子ども、他に素晴しい能力があったりします。
絵を描くのが上手な子、絶対音感を持つ子、特定のことについて暗記力が優れている子、人を癒す力を持つ子、様々な子どもがいるのです。

これは健常の子も障害を持つ子も関係なく、子ども達には様々な特性があるのものです。
その得意なことを伸ばしてあげるというのが教育にとって大切なことではないでしょうか?

競争教育の盲点は学力や体力だけに意識を重視させ過ぎていること、言い換えれば大人のこうあるべきだという考えに囚われ過ぎているのが問題だと感じています。またそもそも人間の価値は点数でつけることはできないものです。

まず「本当にその子が望んでいることか?」ということを、子供達一人ひとりの特性をみながら、考える必要があると思います。

そして子ども達が、それぞれに望むことが見つかるように見守りながらサポートしていくのが本来の大人の役目ではないでしょうか?

子どもは様々な可能性を持っています。大人が押し付けることで、その芽をつんではいけないのです。

共に学び共に生きることの素晴しいところは多様性の中から生まれる自主性による相互作用にあるように感じています。

子供同士がお互いに、時には助け合い、補い合うことで、互いに能力を伸ばしていきます。
その互いの関係性の中から生まれる自主性による力は「押しつけ」の中からは決して生まれない程、強大な能力となって発揮されることがあります。
また、能力を発揮するという意味においては大人も子どもも共通していえることかもしれません。

そのためにも、ここで改めて言っておきたいのは「競争を上から掛け声かけて押し付けること」には問題があるということです。

自主性の大切さと、相互の関係性、そこから生まれる心の在り方(心の教育)が、能力を引き出すために大きな力となることを世界の優れた教育者達は知っています。

「本当の教育とは何か?」

今一度、考えてみてほしいとそう願っています。

また「互いの関係性の中から生まれる自主性による強大な力」を感じる有名なお話があるので紹介させて頂きたいと思います。

これは子ども同士の話ではなく、海外では有名な障害を持つ息子とその父親の親子の話です。

息子リックと父親ディックの挑戦↓

My Redeemer Lives - Team Hoyt


息子のリックは出産時のアクシデントで脳性麻痺とひきつけ性全身麻痺で一人で動くことも話すこともできない障害を持って生まれてきました。

「あなたの息子は一生植物人間として暮すことになるでしょう」といって医者はリックの両親に施設の入居をすすめました。また大学に相談にいっても「息子さんの脳は全く機能していません」と言われました。

しかし、リックの両親は自分たちを目で追うリックの瞳やジョークに反応して笑うことを知り、彼の脳が正常だと気付き、両親はコンピューターを使って、言葉を伝えはじめ、コンピューターを使って話せるようになりました。

そしてリックが15歳の頃、学校の生徒達は慈善活動としてマラソン大会を企画し開催しました。
そのことを知ったリックは父親のディックにそのマラソンに自分も参加したいと伝えました。

父親のディックは、当時ピッグ(豚)という渾名をつけられるほど運動不足でしたが、息子のために車椅子を押して、そのマラソン大会に参加し完走しました。そのときリックはマラソンの後で、「お父さんと走っている時、ぼくは生まれて初めて不自由な身体の事を忘れていたよ」とメッセージを打ちました。

この言葉が父親のディックの人生を大きく変えることになりました。
息子がハンディを感じない時間を作りたいために、その後も父親はマラソンに挑戦し出したのです。
また父親のディックは一度も泳いだ経験もなく、6歳から自転車に乗ったこともない状態でしたが、リックの笑顔が見たくて、さらに過酷なトライアスロンにも挑みました。

リックをゴムボートに乗せてひたすら泳ぎ、特注の息子の座る椅子をつけた自転車をひたすらこぎ、息子が乗った車寄子を押してひたすら走り、ついに完走を成し遂げました。
観衆たちはそんな親子をスタンディングオベーションでゴールまで見守りました。

父親のディックへ「一人で出場したら凄い記録が出るのではないか?」と質問した人がいました。

しかし、ディックは「リックと共に走り、泳ぎ、自転車に乗っているときに見せてくれるリックの笑顔が見るのが最高に嬉しいからやっていること。だから一人で走るのは意味がない」といい、「リックは声を出すことはできないが完走したとき、最大の力を振り絞り私に喜びを伝えようとする。完走したときに見せるリックの笑顔が私への最大の贈り物なんだ」と答えました。

その後、親子はマラソンを24年間走り続け、アメリカ大陸を自転車とランニングで横断し、トライアスロンを6回完走しました。息子リックを乗せた車椅子を押しながらのマラソンのベストタイムは世界記録のたった35分遅れだったそうです。

父親のディックがここまで頑張れたのはいうまでもなく「ハンディを感じない時間を与えたい」そして「息子の笑顔がみたい」という息子リックへの愛情であり、また息子リックの最高の笑顔も自身が「マラソンに参加したい」と望んだことから始まっています。
もしも、ただ競争に勝つためだったら、ここまでのことは為せなかったのではないかとそう感じています。

リックとディックの親子の記録映像↓

Team Hoyt - The Journey of life together

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ヘルメスさん、コメント頂きありがとうございます。
「人々のお互い様」の心は思想信条や人種を越えて本当に大切なことですね。
ありがとうございます。

2009/1/26(月) 午後 11:55 michinokokoro 返信する

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道心さん、こんばんわ
競争・・ホントに日々、追いて回る言葉です
大人にも、子供にも
私も毎日しんどいな〜と思いつつがんばってます
子供は小学1年から、サッカーをしてます
私は当初、思っても見なかったんですが、2年生ぐらいから
レギュラーとかポジションとか、勝敗を意識するように
コーチ、父兄がなってました
本心では6年間、みんな出場でいいじゃんって、私的には思っていたけど、周りに流され、子供にがんばれ、がんばれっとハッパをかけています。内心は違和感を感じながら
もっと心にゆとりを持ち、愛を持っていきたいと思う毎日。トライアスロンの家族さん、とても素敵ですね
心、愛、親子の絆、お互いが喜ぶ姿を見たいから、喜ばせるために
奉仕の心をきっかけにがんばってるんですよね
きっと、このご主人、奥さんや、お子さんを喜ばせるため
毎日の競争に打ち勝っているんだと思います
大人になれば、必ずあるもの。競争の勝者は大きな心、愛で敗者を助け、成功を分かちあえれば最高なのに・・
何を書いてるのか、混乱してきてます。この考えるきっかけを与えていただきありがとうございます。

2009/1/26(月) 午後 11:56 [ プリプ ] 返信する

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ほ〜り〜さん、コメント&トラックバック頂きありがとうございます。
いま競争教育や成果主義教育の方向性の中で、その方針に馴染めない子ども達もいて、そうした方向性では教育の現場から障害児と健常児が分けられるのではないかという懸念があります。
関連記事としてあげさせて頂いたリックとディックのお話は共に生きることでしか得られない心の強さや人の持つ素晴しい力を伝えたくて掲載しました。
実は今回、関連記事の方々にトラックバックさせて頂いたのは、こうした教育の在り方について広く多くの方にこの問題を知って頂き、多くの方に考えてもらいたいと思ったからでした。
「個性の尊重」仰られる通りだと思います。
もっと多くの方が、その一面だけを捉えず、多角的な視点から教育の在り方を考えて頂ければおのずと環境は良くなっていくものと感じています。

2009/1/27(火) 午前 0:07 michinokokoro 返信する

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Tabibitoさん、コメント頂きありがとうございます。
仰られる通り、地球レベルでみれば確かにそうなると思います。
「競争より共生を」この部分も忘れてはならない心の在り方だと感じます。そうした相互関係の意識化の上での切磋琢磨でないと有益なものは生まれないと思います。

2009/1/27(火) 午前 0:16 michinokokoro 返信する

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こんばんは〜〜〜。kiyokoです。ニックネーム選択をどう変えたらいいかわからない。アセアセ
競争・・闘い・・あいつに負けたくない・・あいつさえいなければではなくて、
励まし合うこころ。ひとりじゃないよ、応援してるよのこころ。

そんな心を大事にしていきたいですね。

これからもよろしく〜〜。

2009/1/27(火) 午前 0:34 [ bpa**705 ] 返信する

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内緒さん、コメント頂きありがとうございます。
ご指摘のご意見を頂きありがとうございます。そうしたご指摘や気になることも、ここには遠慮なくオープンに書き込んでくださいね。(もちろんご配慮頂いてのことであり、お心遣いはとてもありがたく感謝しています。)
トラックバックの理由はほ〜り〜さんへのコメントへの返信にある通りです。
こうした紹介の仕方はブログの使い方としては間違っているのかも知れませんが、正直なところ私はあまりブログのことに詳しくなく、伝達の一つの方法としてしか考えていないのも確かですので、もし何か間違っていたらご指導頂けましたら幸いです。宜しくお願い致します。

PS.私にも同じように何度も心臓の手術をした高校時代から付き合いのある友人がいます。今でも彼とは1年に何度か会うことがある親友の一人です。

2009/1/27(火) 午前 0:35 michinokokoro 返信する

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こ・・・・・・ろ です。さん、コメント頂きありがとうございます。
いえいえ、とてもお気持ちは十分に伝わっています。
スポーツをやるかぎりは勝敗は付き物です。問題はその勝敗の結果ではなく過程にあります。その過程の中で、どのような指導があり、どのような心で取り組むようになったかが、勝敗とは別の「心の教育」の部分や、後の「人として器」を形成する上での結果を左右します。
もし仮に10人で競争したとしましょう。そこで一番になったとき、その子どもは何を感じるでしょうか?
「一番になって嬉しい」は当前ですが、その心の奥で「自分の努力」のおかげ「自分の才能」のおかげとだけ感じる子や「俺が上、お前らは俺以下だ」という優越感に浸る子もいるかもしれません。

2009/1/27(火) 午前 1:03 michinokokoro 返信する

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(↓コメントの続きです)
人を押しのけてレギュラーになることは正しいと信じた子、勝つことにのみに意識が行き過ぎてしまって配慮がなくなってしまった大人の姿を見てきた子、そんな場合は注意してその子の心の方向性が歪まないようにしっかりと見守っていく必要があると感じます。

私は10人で競争して一番になったときも残りの9人のおかげで1番になれたことに気付くことができる子ども達であってほしいと願っています。

そうした心を養った子どもなら、本当は世の中には勝者も敗者もないということに気付く、器の大きな人に育ってくれるのではないかなと、そんな風に感じています。

2009/1/27(火) 午前 1:05 michinokokoro 返信する

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kiyokoさん、コメント頂きありがとうございます。

「励まし合うこころ。ひとりじゃないよ、応援してるよのこころ。」

優しさというよりも心の温かさを感じる言葉ですね。
こちらこそ、今後とも宜しくお願い致します。

2009/1/27(火) 午前 1:12 michinokokoro 返信する

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遅まきながら、トラックバックさせてくださいませ。m(_ _)m

いろいろなご意見がありますが、わたしは単純に
「こんな父ちゃんになってやりたい」って思います。

えらく難しいことですが。^^;

2009/1/27(火) 午前 10:29 [ coach ] 返信する

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coachさん、コメント頂きありがとうございます。
この偉大な父親を作ったのは息子の存在です。息子と父親は互いに力を与え合っています。この相互作用から生まれる心の力が親子の能力を引き上げていると感じています。
今、成果主義教育の方向性の中で、その方針に馴染めない子ども達もいて、そうした方向性では教育の現場から障害児と健常児が分けられるのではないかという懸念があり、そのことについての活動に参加させて頂いています。http://blogs.yahoo.co.jp/michinokokoro/22589752.html

実は今回、関連記事の方々にトラックバックさせて頂いたのは、こうした教育の在り方について広く多くの方にこの問題を知って頂き、多くの方に考えてもらいたいと思ったからでした。
もっと多くの方が多角的な視点から教育の在り方を考えて頂ければおのずと環境は良くなっていくものと感じています。
「こんな父ちゃんになってやりたい」
同じく障害を持つ子どもの父親として常にそう思います。
コメント頂きありがとうございました。
今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

2009/1/27(火) 午後 1:54 michinokokoro 返信する

新日鉄の会長が中教審の会長に内定したようです
忙しいビジネスマンに国の教育を託して大丈夫でしょうか?

2009/1/30(金) 午後 7:21 ITI 返信する

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親は子に教えられる
子供のためだったら頑張れる
どんな親でも親は親
親子の絆は切れない


全部当てはまりますね
無理な競争心は人間をゆがめます

2009/1/31(土) 午前 0:07 [ - ] 返信する

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ITIさん、コメント頂きありがとうございます。
国の教育を誰が主導するかは大きな問題ですね。
なんにしても大事なのは子どもの視点だと思います。教育は学校の現場で行なわれますので、どこまでその現場の子どもの視点を持っているかが大切だと思います。そのギャップの開きが少ない程、子どものためになるわけですから、今後を見守っていく必要があるかもしれませんね。

2009/1/31(土) 午前 0:31 michinokokoro 返信する

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ひよこさん、コメント頂きありがとうございます。
ひよこさんのコメントを読んで「子育ては親育て」という言葉を思い出しました。
「無理な競争心は人間をゆがめます」
本当にそうですね。競争が純粋な競い合いならいいのですけど、そうではないですから改善するなら一部ではなく全体的に見直してほしいと思います。

2009/1/31(土) 午前 0:45 michinokokoro 返信する

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こんにちは。お蔭様で俗世のホコリが少しとれて主人公になれました。感謝ポチッとです。

2009/1/31(土) 午前 0:56 [ - ] 返信する

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ヤギおじさん、コメント頂きありがとうございます。
誰でも人生はそれぞれが主人公ですよね。
傑作ありがとうございました。

2009/1/31(土) 午前 1:05 michinokokoro 返信する

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内緒さん、コメントありがとうございます。
「ドラマの主役・heroではなく」「本来の自分」「真実の己の状態でいるか?自問自答」
心理でいうところのメタ認知でもありますね。
人間は自然の一部ですから私は無我と自我の2面の調和だと感じています。あるがままに無為自然であることへの気付きですね。
「スーパマンじゃない、ヒーローでもない」
子ども達のことを思うとき浜田省吾さんの「I am a father」という曲をいつも思い出します。
http://jp.youtube.com/watch?v=ikkaicYIQvE&feature=related

2009/1/31(土) 午後 3:28 michinokokoro 返信する

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関連記事から来ました。

記念に足跡残していきます。
ペタリ。

2011/11/9(水) 午後 9:48 [ haruyama_arch ] 返信する

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haruyama_archさん、コメントと足跡ありがとうございました。

2011/11/11(金) 午後 4:47 michinokokoro 返信する

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