|
俳人として知られる小林一茶の故郷は、信濃国水内郡柏原村で、黒姫山の麓の雪深い里である。
この地域は、良質のソバが生産されることでも有名で、十五才で江戸の奉公に出るまでの一茶は、秋にはあたり一面に咲く白いソバ畑を見て育ったと思われる。
50歳を過ぎてから故郷に戻り、1829年に65歳の生涯を終えている。
蕎麦を詠んだ句も残されている。
○「そば所と人はいふ也赤蜻蛉」
文化4年(1807)の句である。
蕎麦の花が咲きだすと実に多くの虫たちが飛来する。白い花々にはどの昆虫も似合っているが、なかでも白い花の高見に留まり、ときに低空に飛ぶ赤とんぼとの風景は格別である。
知り合いが、朱の漆器で蕎麦を盛りつけた様子を「赤とんぼ」のようだと言ったことがあったが、もしかしたら一茶の句を知っていたのかもしれない。
|
蕎麦
[ リスト ]




