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子供のころ、何かの本で読んだか誰かから聞いた記憶があった。
浄法寺のゴキ畑に天狗が住んでいて、人々の集まりには椀を貸すというものだ。その後に、あれこれと調べるうちに全国各地に「椀貸し」伝説があることを知ってとても新鮮な驚きを感じた。 「ゴキ畑の天狗様にお願いすれば、お椀を貸してもらうことができた。使った後はきれいに洗って返す。ところがある時、悪い人が借りたお椀の一つを返さなかったため、二度と貸してくれなくなった」 ゴキ畑という地名は漢字で書けば「御器畑」で、江戸期には椀木地の材料を切り出していたようである。現在は木工や漆芸を生業にしている人はいない。
民俗学の大家柳田国男は、全国に分布する椀貸し伝説について、山間部を移動しつつ木製品の生産に従事した「木地師」と関係するものとしている。
都市も交通も未発達だった昔、各地の深い山中で木椀などを作っていた木地師たちについての伝承が、天狗の椀貸し伝説になったのかもしれない。
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椀の古い物にはお寺の印が付いているものがけっこうありますね。法事や結婚式などにはお寺の什器をみんなで使っていたのでしょう。さらに言えば、『天狗』つまり山岳修行の行者たちも似たように什器を持っていた可能性があります。彼らは銅や丹のありかを知っていて、空海などもその助力で遣唐使に加わる資金を得たのは有名な話です。弘法大師空海は渡航資金を砂金で持っていたと言われていますから。そうした山岳修行の山伏たちが、けっこう立派な椀を持っていたことは充分考えられます。
2018/12/19(水) 午後 3:20 [ raijin&fuujin ]
> raijin&fuujinさん
日本の黄金文化は、実は漆の文化でもあります。そのあたりを調べると面白いです。
日本全国に椀貸し伝説が残っているのも面白いです。
2018/12/19(水) 午後 4:26 [ 浄法寺漆 ]