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語弊があるのを承知で言ってみる。

「不思議なバレッツ」は、とても難しいバンドだ。

決して音楽が難解なのではない。存在自体が謎に満ちた生命体のようで、ひとことでは説明ができない。一筋縄ではいかない、というべきかもしれない。

不思議なバレッツは、変幻自在の集合体だ。
2007年2月の再始動時から、実に多くのパート、メンバーが出入りしており、人数も可変的だ。それが、あくまでも自然体なのだから凄い。つまり、西川道博という"核"が健在であれば、どのような形状でも活動可能、その柔軟性において、「解散」やメンバーチェンジ等の概念は消失する。ある意味、無敵のユニットであると言える。

バレッツのライヴは、非常に演劇的だ。
といっても、芝居がかった演出が施されるわけではない。楽曲そのものに、物語性を帯びた抑揚があるのだ。彼等のステージを観たことがある人ならピンと来るだろう。まるで飛び出す絵本や紙芝居を次の場面に繰るような、立体的なダイナミズムがどの曲にもあって、聴く者を飽きさせることが無い。

それは、技巧を超えた"芸術点"の高さが、演奏者に要求されることも意味する。目に見えぬ色合い、耳に聞こえぬ間合い……楽譜の上に記すことのできないそんな部分に、バレッツの肝は在るのではないだろうか。演奏者全員の魂のグルーヴ、精神のベクトルがひとつになっていることが重要であり、音がうまく重なるだけでは事足りない。そういう意味でも、バレッツは、"難しい"バンドなのだ。

カテゴライズ不可能なバレッツの音楽は、嗜好やジャンルを問わず、誰の心にも瞬時に入り込み、誰もが胸の奥底に秘める"何か"に、確実に響く音を鳴らす。その調べには普遍の魂が宿っており、決して受け手を選ばない。それでいて、至極繊細な網目で来るものを篩(ふる)う頑なさも持ち合わせており、油断ができない。

バレッツのサウンドは次第に重厚さを増し、変動するアレンジも一段と多彩な決め技に富んできた。そのステージは徐々に過熱度が上昇し続け、濃厚な演奏は、時に観ているだけで息苦しさを覚えるほどだ。
万華鏡のような楽曲と文学性高い詩句が織り成す幻想的かつリアルな空間が、絶妙なバランスで展開される――彼等独特のあの世界観を存分に活かすには、ほどよい緩急が不可欠だ。言い換えれば、今のバレッツのステージには、もう少し「隙」があってもよい気がする。追い込まれ、息を詰める瞬間のエクスタシーは、静かで柔らかな呼吸の挟間に在ってこそ、存分に味わえるのだ。

この広い世界の何処かで、未だまみえぬ新しい音との邂逅を待つ潜在層の聴衆が、バレッツには大勢いる筈だ。バレッツの魅力を、願わくば宇宙に繋がる大空の下で、より多くの仲間たちと堪能できるその日を、心から希求して止まない。 

[Dec.27, 2009 M. Stough]

【不思議なバレッツ オフィシャルサイト】
http://barretts.jp/
【公式コミュ】
http://mixi.jp/view_community.pl?id=2465312

…本ブログ内の過去記事…
http://blogs.yahoo.co.jp/mick_stough/34741746.html

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