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木々の隙間から射し込む陽光が眩しく感じた。時間は動いているのやろか?若しかすると夢…、ワシはそう願いたかった。あの白い花は何の花やったろか、記憶の片隅に感じる。戻りたい、記憶の彼方に。そう言えばネンショ(少年院)で松山は俳句やったかな、確か入選した筈や。
過ぎ去りし 時を匂わす かすみ草 そうや、確かにそうやった。あの白い花はかすみ草なんやろか… 松山が言っていたな、そう言えば。何も知らない子供の頃に戻りたいと。 ワシかてそうや。ガキの頃に戻りたいわ。そう思うと何や涙が溢れてきよった。ワシは、どんな夢を見ていたのやろか。何か夢を掴んだのやろか… 「河村。今お前が向いている方向には、ククク。皇居がある。と言っても見えないがな」 皇居…?な…何をさせようとしているのやろか?松山の言葉でワシは再び現実に戻らされたのや。そしてワシは白鞘の脇差しと松山の顔を交互に見合わせた。 「敢為堅忍の心に義あり。ククク河村、まさかお前の言う愛国精神は似非(えせ)ではないだろうな。それとも似非なのか」 「………」 「クク。似非を否定するなら、クククク、己の精神を恥じ見事桜の花となり名誉を守れ。それが今お前が残された道だよ」 何でこうなるのや?確かにワシは右翼を名乗っている。けど松山、無茶を言わんといてくれ。お前はヤクザやないか…。コイツ若しかして……… |

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