アルバム:Andre Watts Plays Liszt: Album 1 演 奏 家:Andrew Watts 録 音:1985年 レーベル:EMI この演奏を聴いて必ずイメージするのは、白黒の鍵盤を一つの大きなカゴに入れて、それを上から一気に落とす様子です。 その様子が実際に落ちる様子であったり、スローモーションであったり、カットイメージであったり様々なのですが、本当にバラバラバラバラバラ〜っと鮮やかに一音一音がくっきりと独立している、そういう感じなのです。 それにしてもタッチが非常に軽いです。鮮やかなまでに。 かの有名な「ラ・カンパネッラ」に関しては、非常に均等な音の配分で、ここまでくるとまるで機械的とも言えますが、若干テンポを落としている印象も受け、そのお陰で可能となっている「配分」なのかも知れません。この曲の難易度の高さを忘れさせてしまうような美しい、非常に整った演奏です。 リストは、自分の作品を弾くに耐えうるエラール社のピアノを好んだ、と言いますが、ワッツの弾き方を聴いている限りだと、プレイエルのような軽めのタッチが好まれる楽器でも十分なように思います。リストというと「ガンガン!」と演奏する人も多く見かけますが、こういう撫でるような優しいタッチでも全く遜色ないどころか、むしろ不思議な、虹色のような色彩感を表現できて良いのかも知れません。 早朝に窓の外を見た時に、朝日がまぶしくて目を細めると、その光が様々な色に見えること、ありませんか?このCDはまさにそんな「色」をしています。 とても清々しい一枚です。 《収録曲》
リスト 1. Six Grand Etudes After Paganini 2. Au Lac de Wallenstadt 3. Il Penseroso 4. Les Jeux d'eau a la Villa d'este 5. Hungarian Rhapsody No. 13 in A minor |
本日の Liszt
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アルバム:LISZT: Transcendental Etudes 演 奏 家:Michael Pointi 録 音:1981年 レーベル:Marco Polo (DENON) うーん。 どうしてこのCDを買ったのか、それこそ全く思い出せません。ただ、このCDそのものは長い間、ずっと聴くことがなかったのだと思います。 そして、久しぶりに聴いてみたところ、私が持っている他のTranscendental EtudesのCDの方が断然良い、と思ったからです。どうして聴きながら、そのお気に入りの録音と頭の中で聴き比べてしまう自分がいます。ある演奏に惚れる、というのはそういうことなのかも知れませんね。 ただ、残響をほとんど入れずに録音されているので、細かい音までもが全て聴き取れ、それがかえって細かいミスタッチからくる音の濁りを際立たせているようにも思えます。 ポンティ氏はブゾーニ国際コンクールで優勝をしている演奏家ですが、大味の演奏家なのかなと思いきや、第三曲の「Paysage」を聴く限りは相当にロマンチストな印象を受けました。 とうっとりしていたら、次の「Mazeppa」が始まって、ちょっとビックリしましたが、少々重い演奏です。私はもう少しあっさりしている演奏の方が好みなのです・・・。 ですが、次の「Feux follets-Irrlichter」は、それほど速いテンポではないけれど、コロコロと軽やかです。なかなか心地よい。 が、全体的にポンティの演奏は拍を大切にしているように思えます。それが故に、若干音楽が停滞気味に思えますが、それはそれで丁寧さを感じるので、曲自体はわかりやすく纏め上げられているように思います。 しかし、この作品をずっと聴いていると、弾けもしないのに、なんだかとっても疲れてしまいます。弾いている人はもっと疲れるだろうな・・・。 疲れるけれど、若干興奮気味にもなってしまうので、寝る前には聴かないほうが良い一枚ですね(笑)。 《収録曲》
リスト Transcendantal Etudes |
アルバム:Liszt: Concert Studies / Consolations 演 奏 家:ホルヘ・ボレット(Jorge Bolet) 録 音:1978年、1985年 レーベル:DECCA なんとなく最近、ボレット率が高いように思います。 ランダムで選んだCD、それがボレットの演奏するリストだったわけです。ボレットのリストについては、以前、BOXのものをご紹介しましたが、今回は1枚もののアルバム。 ボレットの演奏を色々と聴くようになってから改めてこの一枚を聴くと、これまでとは異なった印象を受けている自分がいることに気付きました。 もちろん、収録されている曲によっても印象は異なるのですが、私がボレットのリストが好きなのはこの軽やかさにあるのだろう、と改めて思いました。もしかしたら、これは、「ボレットは実はショパン弾き」という先入観が働いてしまっているからかも知れませんが、とても愛らしくて温かみのある演奏です。ショパンのスタジオ録音は持っておらず、ライヴ盤しかありませんが、それを聴くと少々攻撃的な印象を受けます。逆にリストの演奏は、持っているものは全てスタジオで録音されたもので、それが故かは分りませんが、とても無邪気で天真爛漫なのに同時に控えめな音のように感じます。 今日はこの一枚を聴いて、「リスト、もっと色々と弾いてみよう!」と思い始めました。技巧的に難しいものが多く、手の大きさにも左右されそうですが、演奏会用練習曲の第1番、復習するのもいいかも知れません。今、素直に「弾きたい!」と思えていますので。 このCDも、お天気の良い早朝に聴きたいかも知れません。出来れば自然に囲まれた環境で。 《収録曲》
リスト 1. Two Concert Studies, S145 2. Three Concert Studies, S144 3. Consolations, S172 4. Reminiscences de Don Juan, S418 |
アルバム:LISZT: Piano Works - Jorge Bolet 演 奏 家:ホルヘ・ボレット(Jorge Bolet) 指 揮 者:イヴァン・フィッシャー(Ivan Fischer) 管弦楽団:ロンドン交響楽団(London Symphony Orchestra) 録 音:不明 レーベル:DECCA 今日はボックスの9枚目。最後の一枚です。 これは「リスト・カラー炸裂!」という印象を受けました。ちょっと私は苦手な曲調です。だけど、何度か聴いているうちに、苦手意識は少なくなりました。慣れの問題なのかも知れませんが、もしくは、基本的にボレットの演奏が好きだからかも知れません。 ボレットの出す音は、決して煌びやかではないので聴いていて疲れません。 Totetanzはなぜかラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲を思い起こさせるのですが、関連性はないみたい・・・。 さて、おお曲ばかりが収められているこの一枚、何かこう、悩んでいたことが吹っ切れたときのような清々しさを感じます。解放感にも似た、天空を仰ぐ、深呼吸をする、自然のエネルギーを体内に取り込む、そういう行為にさえ思えるリストの作品にボレットの演奏です。 ボックスの最後を飾る一枚にふさわしいです。 《収録曲》
=CD#9= リスト 1. Reminiscences de Norma 2. Totentanz (Danse macabre) 3. Malediction 4. Fantasia on Hungarian Folk Themes |
アルバム:LISZT: Piano Works - Jorge Bolet 演 奏 家:ホルヘ・ボレット(Jorge Bolet) 録 音:不明 レーベル:DECCA 今日はボックスの8枚目。 練習曲集ですが、「演奏会用」とあるだけに、まったく「練習曲」と言う雰囲気はありません。ただ、難易度がそこそこ高いのは言うまでもありません。 私は三つの演奏会用練習曲のうちの第1曲「Il lamento」を勉強したことがありますが、考えてみたら、10年のブランクの後、3年目でこの曲に取り組むには少々無理があったのかな、と思います。弾くのに必死だったのです。 さて、肝心のボレットの演奏ですが、本当に嫌味がないので、聴きやすく、弾きたいな・・・と良からぬ願望が沸いてきます。とても清々しい演奏で、夜明けの清々しさではなく、夕暮れ時の清々しさ(ってそんなのあるのかしら)。 朝焼けが銀色に輝くのであれば、夕暮れ時は黄金に。その黄金が、豪華絢爛の輝きではなく、非常に上品で落ち着きのある色合い。 技巧的には難しいはずなのに、その難しさを感じさせず、むしろ安心させるような演奏がなんともいえません。 コンソレーションは、ロイヤルミルクティーのような、ちょっと贅沢で上品な甘みを感じる演奏です。主張し過ぎず、さり気ない感じが私は好きです。紅茶にも砂糖を入れるのではなく、ミルクが持つ本来の甘さで十分、そんな不思議な甘さです。 なぜか私は例えが食に走る傾向がありますが、でも、この一枚は、ロイヤルミルクティーです。 《収録曲》
=CD#8= リスト 1. Zwei Konzertetuden 2. Trois Etudes de concert 3. Consolations 4. Reminiscences de Don Juan |


