アルバム:Thibaudet: Ravel Recital 演 奏 家:Jean-Yves Thibaudet 録 音:1982年11月27日、28日 レーベル:DENON 滅多にないことなのですが、「視覚的」な方面からこの人の演奏に興味をもちました。滅多に無いどころか、初かも知れません(笑)。 二年ほど前だったと思いますが、来日し、東京でラヴェルのピアノ協奏曲を弾いたのですが、本当は行くつもりにしていたのが予定が合わず断念しました。その演奏会の模様がテレビで放映されたので録画しておいたのですが、キザな人は好きではないにしても、ティボーデのカッコよさ(カッコイイの定義にもよりますが)は許せてしまいます。テレビを見て、「しまった!行けばよかった!!」と後悔。 でももちろん、演奏も華やかな中にも清々しさがあり、外見だけじゃありません。 そんな中、ある日CDを色々と探していたら、この一枚に出会いました。特段変わった曲が収められているのではなく、しかもとても若い頃の録音(ジャケットに載っている顔がカワイイ)ラヴェルの定番という曲目ではありますが、それが却って良かったのかも知れません。 「ソナチネ」に「クープランの墓」。 このCDを買ったは良かったのですが、実は手元に届いたその日に聴いてしばらくラックにしまい込んでいました。その間、ペルルミュテール(今度は間違えずにタイプしたゾ!)やミケランジェリ、コラールの演奏を聴いていたのですっかりそれらに耳や体(体感リズム)が馴染んでしまっていました。 そんな時に再びこのアルバムを聴き、「こんなにモタっとしていても曲になるんだ!」と、妙な感動を。さらに、その遅めのテンポが故なのか、ペダルをあまり使っておらず、そういった方面からもこの演奏家の持つ技術の高さを窺い知ることが出来ます。以前、藤井一興さんだったか高橋悠治さんだったかがラヴェルの「亡き皇女のためのパヴァーヌ」をペダル無しで弾いたのが素晴らしかった、とN先生(藤井先生に師事かつ高橋さんの大ファン)が仰っていたことがありましたが、ドビュッシーと並びラヴェルはペダルの扱いが非常に難しい。多くの人はペダルに頼る傾向にありますが、本当は「濁らないように」使わないといけない、究極的にはペダルは限りなく少なく、と言う話を聞いた事があります。 むむぅ(本当かなぁ)。 それはさておき、私はこの「モタ」つき感が好きなのかも知れません。 ・・・あ、でもやっぱりティボーデ、なかなか渋いです♪着こなしも素敵でした! 《収録曲》
ラヴェル 1. Jeux d'eau 2. Sonatine 3. Le Tombeau de Couperin |
本日の Ravel
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アルバム:RAVEL: Perlemuter - Piano Works 演 奏 家:ヴラド・ぺルルミュテール(Vlado Perlemuter) 録 音:1973年7月26日、8月2日@Nimbus Studios, Birmingham レーベル:Nimbus Records ラヴェル自身に師事したことのあるぺルルミュテール。ラヴェル演奏解釈においては教科書的存在と評する人もいるとか。 70歳弱の頃の録音です。 いつも思うのですが、ピアニストに限らず、演奏家というのは年齢が不詳だな、と。確かに、若い頃からの演奏をずっと追っていれば、年齢も感じるのかも知れません。ぺルルミュテールの録音は、私はこれしか持っていないので比較のしようがありませんが、70歳の演奏、と言う言い方はしてはいけないような気がしています。 若干指のもつれや音の抜けがあるにしても、力強さと曲そのもののメリハリは、非常に瑞々しく、何度聴いても飽きが来ません。そして聴く都度、何かしら新しいことを気づかせてくれるのです。 本当は「道化師の朝の歌」が目的で購入したこのCDなのですが、この曲集の第1曲から彼の演奏に惹かれてしまいました。非常に描写的で、これまで『「鏡」を弾くとしたら「道化師の朝の歌」だけがいい』なんて勝手なことを考えていたのですが、そんな考えが一掃されてしまいました。 ポーランド(それともリトアニア?)に生まれ、早くにパリにて勉強をしましたが、それが故か彼の演奏を聴いていると、ふと昨年の1月にサントリーホールで行われた、ロン・ティボー国際コンクールのガラ・コンサートを思い出しました。 見事優勝をした田村響さん。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を弾きました。その演奏会では、トップバッターにゲストとして横山幸雄さんがラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を弾きました。一晩でラフマニノフの協奏曲を2つも聴けるというこの贅沢! ですが、そんな贅沢よりも興味深かったのは、パリで勉強した横山さんの演奏 VS ザルツブルグで勉強をしている(た)田村さんの音の質や演奏の構築の違いです。 フランス風なタッチ VS オーストリア風のタッチ。誤解を恐れずに言うと、そよ風のようなタッチ VS 大地を踏みしめるようなタッチ。 さらに誤解を恐れずにもう一つ言うと、聴かせるべき音を出す演奏 VS 全ての音を出す演奏。 前者だと、下手すると曲の輪郭がぼやけてしまい、音が滑ってしまっているようにも聴こえ、また、曲調があっさりとしすぎて物足りなさを覚える人もいるかも知れません。 後者だと、下手すると引きずったような演奏になってしまい、重く煩い演奏となり、曲の流れが止まってしまうようなくどさを覚える人もいるかも知れません。 ふと、そんなことを思い出しながらぺルルミュテールの演奏を聴いているのですが、本当に嫌味のない、比較的あっさりとした(尤も、ラヴェルの作品をねっとり弾くことは可笑しいと思いますが)、無駄な労力を使わない演奏となっています(つまり、前者)。それがかえって曲に立体感を与えており、極端な話をすれば、採譜が出来そうなくらいに全ての音が聴こえてきます。 あまり関係のない話ですが、実は私の好きな演奏家の横山さんがパリ留学時代に師事されたジャック・ルヴィエ氏はぺルルミュテールに師事していたそうです。それを知り、一人で勝手に『そうか!なるほど』と納得していた私です(笑)。 《収録曲》
ラヴェル =CD#1= 1. Miroirs 2. Jeux d'eau 3. Pavane pour une Infante defunte 4. Gaspard de la Nuit =CD#2= 1. Sonatine 2. Valses Nobles et Sentimentales 3. Le Tombeau de Couperin 4. Prelude 5. A la Maniere de Borodine 6. A la Maniere de Chabrier 7. Menuet Antique 8. Menuet sur le nom d'Haydn |
アルバム:RAVEL: Orchestral Works 指 揮 者:Bernard Hitink(ベルナルド・ハイティンク) 管弦楽団:Royal Concertgebouw Orchestra(ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団) 録 音:不明 レーベル:Universal Classics 今日の一枚は、2007年の1月にポートランド〜LAに行った時に買いました。 2007年1月5日に14年ぶりにS先生にお会いした時、アドバイスとしてラヴェルのピアノ曲をよりよく理解するためには良いオーケストラを聴きなさい、と仰いました。良いオーケストラと言われても、私はオーケストラのことはよく分かりませんでしたので、とりあえず、「亡き皇女のためのパヴァーヌ」が収録されているCDを購入することに。 これがその時に買ったアルバムです。 当時、ラヴェルの曲といえば「ボレロ」くらいしか知らなかったので、ボレロとパヴァーヌ以外の作品にさほど興味もなく聴き流すことが多かったのですが、久しぶりにこのアルバムを聴いて、ラヴェルのオーケストレーションの素晴らしさにため息が出てしまいました。 いつの頃から、比較的好んでラヴェルの作品を聴くようになりましたが、主としてピアノ曲が多かったこともありなかなかオーケストラの作品に気が行きませんでしたが、収録されている「道化師の朝の歌」は楽しくて仕方ありません。ピアノ曲とオーケストラ曲、「こちらの方が良い」というのがあったりするのですが、ラヴェルに関してはその差がないように思います。 某番組で某作曲家のコメントでは、「ラヴェルは作曲の際にすでにオーケストレーションを考えていたとしか思えません」とありますが、本当にそう思えるような内容です。 さらに、私がこのオーケストレーションでいいな、と思うのは、曲そのものにわざとらしさが無いことです。なるべくして為されたオーケストレーション、という印象で、全ての音(楽器)が当然のようにごく自然に演奏されているのです。 それが演奏家らの技量なのか、ラヴェルの作品のすごさに拠るものなのか私には判断できませんが、あの同じメロディをずーっと繰り返しながら盛り上がっていく「ボレロ」も、全く退屈せずに最後まで聴くことが出来るのは、やはり演奏家達の技量なのかも知れません。 私は、ちょっと疲れたな・・・と思ったり落ち込むことがあったりすると、ラヴェルの作品に手が伸びます。今回は、いずれでもなく、たまたま手にしただけなのですが、やはり聴いていてとても和みます。上手く言えませんが、無添加の果汁100%のオレンジジュースを頂いてさっぱりした朝、と言うところでしょうか。 《収録曲》
ラヴェル 1. Bolero 2. Alborada del Gracioso 3. Rhapsodie Espagnole 4. La Valse 5. Pavane for a Dead Princess 6. Le Tombeau de Couperin |
アルバム:RAVEL: PIANO WORKS - COLLARD 演 奏 家:ジャン=フィリップ・コラール(Jean-Philippe Collard) 録 音:1977年7月、11月、1978年5月、6月@Salle Wagram, Paris レーベル:EMI Classics 今日の一枚は、2007年の1月にポートランド〜LAに行った時に買いました。 2007年1月5日、私は、14年ぶりにS先生のレッスンを受けました。「私のために弾いてくれる?今日、私はあなたのオーディエンスよ」と仰いました。ショパンのアンスピだけを弾く予定だったのですが、私がもう一冊楽譜を持っているのを「目ざとく」見つけた先生はそれをさっと取り上げ、「はい、これも」と私にベートーヴェンの月光ソナタを弾かせました(笑) 古いシュタインウェイで弾くショパンとベートーヴェンは、どこか切なく懐かしく、そして温かみのあるものでした。 弾き終えた後、若干のアドバイスを下さいましたが、「他に何弾く予定?」(その年の4月に第1回目のT&Rがありましたので)と聞かれましたので、バッハの平均律とラヴェルのパヴァーヌ、と答えると、 「ラヴェルはピアノのCDよりもまずはオーケストラから入ると分かりやすいわよ」 とご助言を頂いたので、オケ版をポートランドで買いました。 で、翌々日にLAに行き、サンタ・モニカに宿泊した私たちは、のんびりと商店街を巡っていましたが、CDショップを見つけて「ゴメン!」と英語の喋れない友人らをその場に残し、店内にそそくさと入っていった私。そこで見つけたのが、このCDでした。 Jean-Philippe Collard。 ぱっと見て横文字だとピンとこなかったけれど、しばらくして『コラールじゃん!』と気付いた私は急に帰国したくなりました。だって、聴きたかったのだもの(笑)。 先日、ブログ仲間のゆうさんが、ラヴェルの「鏡」について記事をお書きになりました。それ以来ずっと「あぁあのCD、聴きたいな!」と思っていたのだけど、なかなか機会が巡ってきませんでした。 機会が巡ってくるのを待っていてはだめだ。自分でその機会を作ろう、と昨夜、CDボックスから探し出して早速聴いています。iPodにも入れているので、通勤時や仕事の休憩時、そして今日のレッスンで自分の順番を待っている間、ずっと聴いていました。 実は、ここ1ヶ月ほどずっと「道化師の朝の歌」が弾きたくて仕方がない状態なのです。とてもじゃないけど、私には無理・・・と思っていたのですが、今日、改めてCDを聴いてみて、「挑戦してみてもいいかも」と。人前で弾くかどうかは別問題です(笑) そう思い始めたら、今まで苦手だと思っていたラヴェルのほかの作品が急に愛おしくなり、今も聴きながらブログを書いています。 でも、実は私、精神的に疲れている時は自然とラヴェルに手が行くのです。ゆったりした曲調はもちろんですが、激しさを伴う作品でも何故か癒されます。それはもしかしたら、ラヴェルという人の独特の素朴さ(同時代のドビュッシーが派手だとするとその真逆に位置するラヴェル)があるからかも知れません。 さて、肝心のコラールの演奏ですが、非常に男性的なロマンチックを感じます。星を眺めてうっとり〜、というのではなく、私たち女性には分からない「男のロマン」って言う感じ。歯切れのよさ、フォルテの力強さと軽さがとても清々しく、これに対比して高音部の響きがとても美しくて、まるで全く汚れのない澄み切った鈴の音のようです。それが小さく奏でられると、思わず目を閉じて聴き入ってしまいます。 風を感じます。つまり、曲の流れ方がとても良いということ。 さらに、音が全く濁らない。 手の大きさもあると思いますが、やはりペダルもテクニックを要します。あと、耳と。指が速く動くだけが大事なのではないことを痛感させられる一枚です。 《収録曲》
ラヴェル =CD#1= 1. Serenade grotesque 2. Menuet antique 3. Pavane pour une infante defunte 4. Jeux d'eau 5. Sonatine 6. Miroirs(Noctuelles - Oiseaux tristes - Une barque sur l'ocean - Alborada del gracioso - La vallee des cloches) =CD#2= 1. Gaspard de la nuit(Ondine - Le gibet - Scarbo) 2. Menuet sur le nom d'Haydn 3. Valses nobles et sentimentales 4. Prelude 5. A la maniere de... 6. Le Tombeau de Couperin |
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