アルバム:Tchaikovsky: Piano Concerto No. 1; Violin Concerto 演 奏 者:Misha Dichter (pf); Itzhak Perlman (vn) 指 揮 者:Erich Leinsdorf 管弦楽団:Boston Symphony Orchestra 録 音:unknown レーベル:RCA チャイコフスキーのピアノ協奏曲は、幼い頃はとても好きな作品の一つでした。いつの頃からか、なんとなく聴かなくなってしまい、ある日久しぶりに聴いてみた所、何故か全く魅力的に思えず、しばらく封印していました。 年に一度か二度、この作品を聴きますが、演奏会のプログラムに含まれている場合は、ほとんどの場合、チラシを処分してしまいます。それほどまでに嫌っているわけではなく、興味がないわけでもないのですが、どことなく、派手な響きを感じるようになった頃から、この作品が苦手になってしまっていました。 さて、以前、リヒテルの弾くこの曲を聴き、テンポが遅くても名演になり得る(遅いからこそ名演になった?)のを知り、同時にこの作品の奥深さを垣間見たような気分になりました。 今日は、第三回チャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門で2位を受賞したDichterの演奏です。 しっかりとした打鍵でありながら、決して重たくない響きは、中くらいのテンポに程よい躍動感を与えてくれているように思います。ピアノの音色が少々金属的なのは、きっとピアノ自体のもつ特徴なのでしょう。 2楽章はとても美しい旋律が続きます。弦楽器より木管、金管楽器の使われ方が絶妙で、ピアノとの掛け合いが愛らしくて、まるで長い冬が終わり、春を待ち焦がれた動植物たちがもそもそと動き始めた瞬間のように思えます。どことなく温かなのです。 3楽章は、ピアニストの腕の見せ所でしょう。歯切れの良いリズムに鋭い音。Dichterは若干引きずる場所もありますが、速いパッセージは滑らかに弾き、リズムを刻むところとのメリハリをつけているのであまり気になりません。つまり、バランスが良いのです。 ヴァイオリン協奏曲は、Perlman。ヴァイオリニストに疎い私でも、この名前は知っています。幼い頃に小児麻痺をわずらってしまい、下半身が不自由になってしまいましたが、ヴァイオリニストになる夢をあきらめず、私たちが現在知る名ヴァイオリニストのパールマンが誕生しました。 足を踏ん張って弾けないと音に張りも出にくいだろう、と思うのですが、音の質は若干華奢な印象も受けますが、むしろ軽やかで若々しい音色です。しかも、ヴァイオリン特有の切ない音、というよりは開放感にあふれた華やかな音です。 この作品、3楽章がカッコイイ!先のピアノ協奏曲と同様、リズム感が非常に大切な楽章です。速いパッセージは驚くほどに音がクリアで、聴いていても清々しい気分になります。 それにしても、この楽章を聴いていると、途中から「くるみ割り人形」のような曲調になってしまうので、頭の中で歌っていると、いつの間にか協奏曲からバレエ音楽に変わってしまうのです。楽器の使い方なのでしょうけれど・・・。 《収録曲》
チャイコフスキー 1. Piano Concerto No. 1 2. Violin Concerto |
本日の Tchaikovsky
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アルバム:NUTCRACKER - Favorite Excerpts 指 揮 者:チャールズ・マッケラス(Sir Charles Mackerras) 管弦楽団:London Symphony Orchestra 録 音:1986年5月13、14&16日 レーベル:TELARC 久しぶりに、感想を書いています。 実は、マメー・ロワ(ラヴェル)を聴いたら、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」が聴きたくなってしまいました。 チャイコフスキーの作品は、もちろん嫌いではなく好きな方なのですが、個人的にはあまり印象に残らない、もしくは残りにくいものです。ふと、思ったのは、私好みの「不協和音」の使用が少ないからなのかも、と思いました。つまり、綺麗過ぎるのです。 例えば、ラヴェルのピアノ協奏曲ト長調の2楽章、ピアノと管楽器の不協和音がしばらく続く箇所があります。でも音楽的にとっても美しいのです。 でも、チャイコフスキーの、特にこの作品については、本当に綺麗で、一点の曇りもない窓ガラスのように、その存在すら気付かないこともある・・・なんて書くとちょっと大げさですね。 尤も、バレエ音楽であり、さらにストーリーの内容が主人公は女の子(ie、子ども)、という設定である以上、むやみに不協和音を入れて複雑にする必要はないとも思いますが。 ところで、あまりステージ物を観にいかない私にしては珍しく、「くるみ割り人形」だけは学生時代に毎年観にいっていました。その時のちょっと可愛いエピソード。 「アラビアの踊り」で男性の踊り手さんがステージを軽やかに一周するシーンがあるのですが、なんと尻もちをついてしまったのです。かなり痛い失敗ですが、私の隣に座っていた小学生・・・2年生くらいの女の子が母親に「あれも踊りの一部なの?」と無邪気に聞きました。母親はそれには答えず「静かに」と言ったのですが、しばら〜くして我慢できなくなったのか「ねーねー、あれは踊りの一部?」と、どうやらとっても気になって、観劇どころではない様子。周りの観客も、あまりのもその子の無邪気な様子に思わずクスっとしてしまいました。言うまでも無く母親は恥ずかしそうにしていましたが、「後でゆっくりお話しましょうね」とお嬢さんに言っていました。 観劇中におしゃべりなんて!と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、その前後、そのお嬢さんは本当に一生懸命に観ていたのできっと周りも寛容になれたのだろう、と思います。 はたして、母親は「あれは失敗なのよ。」と説明したのでしょうか。私も聞きたかった(笑)。 子どもの頃、と言うとこのバレエを観るずっと前の頃−小学生の高学年でしょうか、毎晩、寝る前にこの曲が入ったカセットテープを聴きながら眠りについていました。お陰でテープは擦り切れて使い物にならなくなってしまいましたが。でも、だからホッとするのかも知れません。 大人になりきれない私には、この作品は今でも夢見心地にさせてくれて非常に幸せな気分になります。そして、それらの音色は、クリスマスの楽しい様子を思い起こさせてくれる華やかなもの。クララの見た夢では、くるみ割り人形が王子様として登場、子どもにとってはかなり怖い出来事が続きますが、誰もが「お姫様」になりたいもの。アドベンチャラスでかつプリンセス願望の女の子の願望を上手く表現しているのがこのバレエかな、と。だからきっと、学生時代、他の演奏会や演劇その他には興味がなかったのに(ピアノを弾いていたのに!)、この作品だけは毎年観にいっていたのかも知れません。 Someday my prince will come! (あれ、違う作品だ。。。でも、私にもいつかきっと王子様が現れるかな??なんて思って早「ゴニョゴニョ・・・」年ですが(汗)) 《収録曲》
チャイコフスキー 「くるみ割り人形」より抜粋 |
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