ミッドウェー海戦研究所

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人工知能で先端走る日本、急速に追いつく中国
長足の進歩を遂げる戦車が航空機に勝る日
2010.05.24(Mon) 篠田 芳明
 
(1)からの続き
 
 終戦間際に本格的な3号戦車を製作したが、戦闘には間に合わなかった。

第2次世界大戦後の戦車

ソ連T-55戦車
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●ソ連
 戦後世界は米ソ2大強国体制となり、朝鮮戦争を機に冷戦構造となる。東西の熾烈な軍事拡張の象徴として、列国ともより強力な戦車開発にしのぎを削る。火砲はより強力となり、装甲防護力・機動力ともに格段に優れた戦車として急速 な発展を遂げた。
 
ソ連T-90戦車
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 ソ連の戦車は火力重視で防護力を少し犠牲にしていると言われている。いずれにしても陸軍大国として優秀な戦車を次々と開発してきた。ソ連の戦車は非常に長い砲身が特徴的である。T-55はチェコ動乱の時出動した軍事制圧の象徴的存在である。
 T-90の砲塔周辺に設けられている箱形の部                      分は、火薬の爆発力によって砲弾の侵徹を防                       ぐ“反応装甲”と言われる防護物である。
米M60戦車
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●米国
 米国は世界最強国として、最先端技術を駆使した戦車を次々と開発してきた。大戦後開発着手されたM60戦車は、改修が容易で防護性能を上げるため傾斜装甲を採用、電子機器も改良された優秀な戦車である。
 
 
米M1エイブラムス
イメージ 6 その後、北大西洋条約機構(NATO)諸国とMBT70の開発に着手したが、各国の戦車開発思想が異なり、それらを取り入れた設計を取り込むと莫大な費用がかかることとなり、実現できなかった。
 
 現在活躍しているMBTはM1エイブラムスであり、何度も改良が加えられたガスタービンエンジン搭載の強力な戦車で、湾岸戦争で活躍した。強力な装甲防護力を持ち、湾岸戦争では劣化ウラン弾を一部使用したとされる。
 
独レオパルドII
イメージ 7●ドイツ
 第2次世界大戦で最も強力な戦車を次々と開発したドイツは、戦後もレオパルドIIという優秀な戦車を開発している。強力な火力性能を有し、特に機動性能は列国の戦車に比べて整地・不整地走行にかかわらず優れている。
 
 
 
仏ルクレール
イメージ 8●フランス
 戦後フランスはAMX30に引き続きルクレールという戦車を開発した。この戦車は世界に先駆けて乗員を3人としたほか、140ミリ砲との交換も可能となっている。
 
 
 
英チャレンジャー2
イメージ 9●英国
 第2次世界大戦後、ヴィッカース社が独自開発したチャレンジャー2戦車は英国陸軍が初めて正式採用した。非常に重い戦車で62.5トンもあることから、防護力は高いが機動力に難点がある。
 
 
 
イスラエル メルカバ
イメージ 10●イスラエル
 中東の反イスラエル国に囲まれた狭小で人口の少ない国家の生存を全うするには、残存性に優れた強力な戦車が必要である。メルカバは実戦を通じ、自国の環境に適合する戦車として独特な思想で開発された。特に防護性能と火力性能を重視した戦車である。
 
中国99式戦車
イメージ 11●中国
 中国は従来ソ連製の物まねであったが、最近は優れた99式戦車などの開発をはじめ、近年驚異的な軍事力増強を継続している。
 
 
 
 
韓国K1A1戦車
イメージ 12●韓国
 韓国は米国のM1エイブラムスを基礎として、世界トップレベルのK1A1戦車を開発している。
 
 
 
 
日本10式戦車
イメージ 3●日本
 日本は戦後、61式戦車、74式戦車、90式戦車の開発を経て最近10式戦車を開発した。いずれも制式化等された西暦年の下2桁の数字をとって名称としている。
 
 これらの戦車は、同年代に開発された列国の戦車に優るとも劣らない素晴らしい性能を持っている。90式戦車からは乗員3人を採用し、自動装填装置、電子追尾方式等の性能は、最先端の技術を駆使した高性能な機能を有している。
 
 特に最近開発された10式戦車は人工知能(AI)を付加し、目標・自車とも移動状態でも高い撃破能力を有するとともに戦車相互が目標情報を共有し、攻撃に際してはチームとして攻撃に最も有利な戦車が火力を発揮できる高度な人口知能(AI)機能を有しているのが特徴で、世界を一歩リードしている。
 

戦車に関する運用

 「戦車は努めて集中運用すべきである」と言われてきた。色々理由はあるが、第1に戦車は高度な技術を駆使した消耗の激しい武器で、弾薬・燃料・特殊部品の調達補給が戦闘の勝敗に密接に関係する。
 
 しかも、航空機のように固定基地を持たず、高速に戦闘場面を移動するため部隊が集中しなければ整備・補給の効率が極端に低下し、結果として戦闘力の効果的な発揮ができない。
 
 第2に戦車はこれまで敵影を見ながら直接交戦する兵器であったため、交戦において数の多い方が圧勝するという「ランチェスターの理論」に具体的に合致する場面が多かった。
 
 そのほか、戦車は乗員が4(3)人と少なく、敵歩兵による対戦車ミサイルなどの攻撃に対処するリアクション時間が長いため、多くの歩兵を同行させてこれらに一刻も早く(小銃などで)対処撲滅する着意が不可欠である。
 
 また、敵からの小銃などの攻撃に対しては戦車が盾となって歩兵を守り反撃するなど、歩兵と戦車がそれぞれの特徴を生かしたチームを組んで攻撃する場面が多い。
 

戦車に関する技術と今後の課題

戦車砲用各種弾薬
イメージ 4 戦車の3要素は前述したように、これまで火力・機動力・防護力と言われており、世界列国はこの要素の改善に全力を挙げて取り組んできた。しかし、最近の戦車火力の進歩は他の要素を圧倒的に凌駕しており、いくら装甲を強化しても大抵貫通破壊される状況となっている。
 
 最近の戦車砲用弾薬である運動エネルギー弾(APDSFS)は、尾翼が付いた矢のように細長い形状をしており、重厚な装甲を簡単に貫徹する。また、弾薬が指向性を持って爆発し、プラズマジェットで装甲を貫徹するHEAT弾もあり、敵戦車から直撃弾を浴びるとまず助かる見込みはない。
 
 また最近の戦車砲はコンピューターで制御されているため、運動状態から発射しても命中率が極めて高く、発見されれば非常に危険である。
 
 従って、戦場で戦車同士が対面した時には先に命中火力を発揮することが緊要である。今後開発される戦車は火力・機動力・防護力に加え、敵よりも一刻も早く目標を照準・発射できる機能が不可欠である。
 
 このため、最先端技術を駆使して敵情収集能力の優越を図ることが求められ、戦車部隊のみならず、全戦闘部隊が保有する敵情の一元的管理・統制・運用が重要である。
 
 さらに、戦車の最大の脅威は敵戦車と航空攻撃である。これまで地上部隊は低空で侵入する航空攻撃への対抗手段が貧弱であったが、それは航空機が情報量で優越していることと攻撃・戦場離脱時間が非常に短いことによる。
 
 しかし、昨今は広範な地域に展開した地上部隊が収集する情報をコンピューターで統合できる時代であり、近接火力までも対空射撃統制が可能となれば、費用対効果上、航空機がいつまでも優位を保てるとは限らない。地上部隊においては、重戦力と敏捷性を兼ね備えた戦車の重要性はしばらく続くと筆者は考えている。


 
※注意 記事に明らかな誤植がありますが、著者の主張を反映させるために、そのままにしてあります。
 
jbpress.ismedia.jpより引用。
 
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小窪兼新
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