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優秀な人材を採り放題、中国軍の恐るべき実力
日本の決定的な衰退は、防衛力の欠如がもたらす
2010.12.27(Mon) 敵を知り己を知れば百戦して殆うからず」と孫子が教える通り、今や、日本国民は、我が国の平和と独立および国益を守り抜くため、最大の潜在脅威である中国の軍事情勢を知らなければならない。このため、彼らの軍事力の基本的な知識をまず紹介する。
中国の軍事制度:軍隊、統帥機構、階級構成 中国の法制上、人民武装力量と呼ばれる軍隊は、人民解放軍(解放軍)、人民武装警察部隊(武警)および民兵から成る。
中華人民共和国中央軍事委員会および中国共産党中央軍事委員会が、これらを指揮統制する。すなわち、中国には西側諸国と異なり、1人の国軍総司令官は存在しない。
最高統帥機関である両中央委員会は、それぞれ首席1名、副主席2人および委員8人から成るが、いずれも胡錦濤首席(党総書記・国家首席)はじめ同一の人物である。
なお、首席のみが文民で、副主席および委員は、すべて党幹部、国防部長、4総部長、第2砲兵・海軍・空軍各司令員を務める現役上将から成る。
中国当局の公式見解によれば、このような最高統帥機構を人民が支える党が軍を指導する態勢である。これに対し、西側諸国では、中国軍を国民の軍隊でなく共産党一党独裁体制下の党の軍隊と見なしている。
4総部は、総参謀部(作戦部、情報部、技術部、電子対抗電達部、軍訓和兵種部、動員部、通信部等)、総政治部、総後勤部、総装備部(1998年に新設)から成り、西側の統合参謀本部機構に相当する。
武装力量の主力を成す解放軍は、18個集団軍、海軍、空軍、戦略ミサイル部隊である第2砲兵(2砲)および予備役部隊から成り、瀋陽、北京、済南、南京、広州、成都、蘭州各軍区に配置されている。
軍区は、平時に広報、警備、情報、徴兵、動員などの軍制を担当し、戦時に統合作戦地域の基盤になる。
例えば、南京、広州各軍区を合わせ、東南戦区という南西諸島または台湾進攻向きの戦域を編成する場合もある。
武警の総司令部である人民武装警察部隊総部は、中央軍事委員会および国務院・公安部(警察省)の双方から指揮統制を受ける。県、都市の区などの地方行政機関の人民武装部は、軍および国務院の指導を受け、民兵および予備役の指揮統制を行う。
朝鮮戦争後に新設された軍隊の「階級」 解放軍には、1927年に紅軍として創隊以来、伝統的に階級がなかったが、朝鮮戦争後の1955年にソ連軍式の階級を新設した。
ところが、1965年における文化大革命の影響下で全廃して、23年後の1988年に軍事の現代化に伴い復活し、1993年、1995年、1999年および2009年に大きな修正を重ねて現在に至っている。
現行の解放軍および武警の階級構成は次の通りである。
●軍官:上将、中将、少将、大校、上校、中校、少校、上尉、中尉、少尉
●士官:1級軍士長、2級軍士長、3級軍士長、4級軍士長、上士、中士、下士 ●兵:上等兵、列兵 注:軍官は将校、士官、幹部(自衛隊)、士官は下士官、曹(自衛隊)を指す。兵は義務兵、士官は志願兵である。士官は軍士とも呼ばれている。
中国当局は、以上の各資料を公表するが、各軍の総兵力、部隊数などを非公開扱いにしている。ただし、2004年国防白書は、民兵の兵力を1000万人と初めて公表した。
中国国内情報(非公式)によれば、2009年時点における解放軍総兵力は256万人、うち陸軍178万人、海軍23万人、空軍42万人、2砲13万人、これに武警120万人を合計すれば376万人である。
なお、別の国内情報は、今年の解放軍総兵力230万人、うち陸軍150万人、海軍25万人、空軍45万人、2砲10万人と見ている。
これに対し、英ミリタリバランス2010年版は、解放軍総兵力228万5000人、うち陸軍160万人、海軍25万5000人、空軍30万〜33万人、2砲10万人、それに武警66万人を合わせた総兵力294万5000人と明記する。
いずれにせよ、軍当局は、軍事力の一層の合理化に対応し、兵力縮小政策を進めているとはいえ、解放軍と武警を合わせた常備兵力は、依然300万人前後と思われる。
日本国民の常識を超える徴兵制度の実態 2010年時点における解放軍と武警300万人の構成は、軍官75万人、士官100万人、義務兵125万人と試算される。
中国の徴兵制度(征兵と公称)による義務兵の主力は18歳で入隊後、2年間の現役を務めると除隊して帰郷し、基幹民兵(第1予備役)に編入される。
義務兵役終了者の一部は士官(志願兵)に栄進し、あるいは軍事院校(西側の士官学校)に入校する。
「中華人民共和国兵役法」は、「平時に18歳から22歳までの男性公民(18歳以上の中国国籍を有する人民)は兵役登録の義務を負う」と定めるが、現在は、24歳までの大学生も義務兵役の対象にしている。
中国の国内情報によれば、毎年の義務兵役入隊者は50万人ないしは70万人に達するようである。
最近、有識者が、中国の徴兵制度に関する疑問を寄せてきた。
例えば、「人口抑制を狙った一人っ子政策と少子化現象が徴兵を妨げているのではないか。祖父母、父母合計4人ないし6人の生活を支える一人っ子が兵役に取られる家庭は破滅する。従って、徴兵逃れのため、当局に対する賄賂が流行っていないか。あるいは、近い将来、大規模な徴兵反対運動が起きないか」
これに対し、別の有識者は、「失業者が溢れているのが、彼らの社会の悲しい現状である。従って、軍当局は、大勢の失業者から徴兵をいくらでも採ることができる」と反論した。
さらに有力なマスコミ人は、「沿岸部の都会の若者は、規律が厳しくて安い給与の兵役よりも、収入が多く、自由な生活を楽しめる一般企業への就職を希望する。このような軍務適齢者の意識が徴兵制度の円滑な実行を妨げている。『良い鉄は釘にならず、良い人は兵にならず』という諺の通り、今でも中国の民衆は軍隊も兵役も嫌いである」という。
思うに、戦後、半世紀以上も軍事教育不在の現象が祟る我が国家社会では、人格識見、教養が豊かで社会的地位も高い各位でも、対中軍事認識は、この程度であり、ましてや、一般大衆の情報把握のレベルは推して知るべし。
結論を先に述べると、少子化社会でも、毎年70万人規模の徴兵にはほとんど支障を来していない。
実のところ、徴兵対象の18歳から24歳までの男子は9100万人に達しており、130人から1人(1%以内)を採れば70万人の基準を十分に満たすことができる。
ちなみに、1932年頃の日本陸軍は23万人の平時兵力維持のため、軍務適齢男子(20歳)の1割に当たる11万人を徴兵入隊させていた。
これに比べれば、現代中国の兵役業務は決して窮屈でなく、徴兵逃れを追い回す必要性もほとんどない。
例外が多い中国の一人っ子政策中国の一人っ子政策には例外が多い。写真はダンス教室に通う中国の少女たち〔AFPBB News〕
ところで、一人っ子政策には、いくつも例外があって、中国全土の全家庭が、決して子供1人でない。
例えば、少数民族の大部分、漢族と少数民族から成る夫婦の家庭、増えた子供の分の罰金を払う家庭は、対象外である。
既に、1980年代末期には、一人っ子政策下の徴兵が民生に及ぼす影響を考慮して、兵役期間を3年から2年に短縮した。当時は、現在よりも総兵力および義務兵の所要がともに現在より多かったという背景がある。
憲法で国防を公民の名誉ある責務と定め、国防教育法に基づき、学生、生徒を含む全民国防教育を進める中国における軍隊と軍人の地位の高さは、『良い人は兵にならず』と言った昔日とは比較にならない。
このため、特に農村部では、兵役希望者が目白押しであり、徴兵制とはいえ、1940〜60年代における米国の選抜徴兵制または西側諸国の志願制に近い。
従って、兵役担当機関は、地域の適齢者情報を事前に把握し、これはと思う少年たちに徴兵登録を勧める。もっとも中国では、日本の住民登録制度を兼ねた戸籍を警察が管理しているので、兵役該当者情報の把握も極めて容易である。 (2)へ続く |
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ここでは「兵役逃れ」と書いてありますが、実際は志願兵が超過しており義務徴兵を停止しているというのが実情だそうです。それどころか志願者が多すぎて基準を厳格にし志願兵がどんどん不採用になっているようです。
2018/1/15(月) 午後 7:04 [ nag***** ]