ミッドウェー海戦研究所

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ドイツ海軍

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四水会講話「Uボートの鉄板」平成15年2月26日より引用。
 
(2)からの続き
 しかしさすがの独も脆性破壊の知識に乏しく溶接時の割れ防止にのみ注目していたようだ。しかしSchumidt博士の提言になる最新の改良案が割れ防止と同時に脆性破壊肪止にも有効な成分であった。偶然詰果オーライか、研究者の勘なのか知る由もない。(ちなみに2隻目の寄贈Uボ-トは翌年日本に回航中大西洋で暗号解読で待ち伏せた米駆逐艦によつて撃沈された)

 Si-Mn系高張力鋼は戦時中には試作程度で終ったが、戦後防衛庁艦艇用高脹力鋼として息を吹き返した。

4. 日、米、独の海軍艦艇に使用した鋼材
 溶接にはリベットと違い特殊な(焼きが入り難く割れ難くかつ粘っこい材料)が必要であるとする親在の考え方から溶接性鋼材の生産を意図した国は終戦までどこもなかった。戦前リベット時代の軟鋼は溶接性が悪く溶接船は何時脆性破壊で壊れてもおかしくなかった。ただ米だけが戦標船で脆性破壊という不幸に遭遇した。

 米の戦標船の事故の調査委員会の研究・調査は戦後まで続いた。その結論米では当時事故の主原困を溶接技量未熟とか構造の応力集中とか高い残留応力内在であるとして、この対策で事故はほぼ防げるとしていた。

 1940年頃のABS(米船級協会)規則でようやく溶接船にキルド鋼(鋼中に酸素が少なく脆性破壊を起こし難い鋼材)の使用を義務付けた。以後世界に各国船級協会を通じてこのような溶接性軟鋼の使用が船舶に広がり、さらにこの種の鋼材はJIS化され、SM400の溶接構造用圧延鋼材として、一般の橋梁、タンク、建築などの溶接構造造に適用・波及している。

(2)高張力鋼
 英では1890年頃C(炭素)量0.25-0.35%の高張力鋼を艦船に使用したのが始まりらしい。

 1913,4年頃帝國海軍はこれを真似た炭素鋼のHT鋼(引張り強度54-60kg/㎜ を大艦用に、HT鋼(引張り強度59-68Kg/㎜ を駆逐艦用に生産、適用した。これらは要素の考慮がないリベット専用の鋼材だ。Cが高くなると伸びと絞りが劣るので、Mnを増加したC-Mn鋼〔C、0.25%、Mn 1.5%〕、Duecol鋼(英国David Colvill社製)、海軍ではこれを艦艇用として採用した。

 1931年以降はHT,HHT鋼を国産のDS鋼に切替える方針で規格化したが、製鋼技術が悪く歩留まり50%しかなく、戦時中は生産が抑制される始末だった記録がある。

 DS鋼といえどもリベット時代の鋼材で溶接にあまり適さない。日本の艦艇はこのようなHT.HHT鋼、DS鋼のような溶接性の劣る鋼材で全艦艇を溶接して建造した。恐ろしいような気がするが、不思議に脆性破壊事故の報告がない.この鋼材の選択から見て独がダントツで、米が次ぎ、日本は米よりも劣る。(従来は一般に溶接採用率で比較していたが小生はこれと異なる指標をここに示す)

 戦後米のフリゲート艦を借用した警察予備隊が筆者の所属した造船所のドックで亀裂発生、この鋼材を分析、調査したところ恐ろしく劣悪な鋼材だったことを記憶している。

 しかも全溶接艦だ。高級なVANITY鋼などはまだ主力艦の一部にしか採用されず中、小艦艇では使っていないのだろう。よくもこんな艦が太平洋を無事越してきたもんだし事故も聞かない。米も日本とも大差なしだろうか。

 帝國海軍は第四艦隊事件以前の時代では溶接採用に積極的で世界に先駆け多くの艦艇を溶接で造った。

 1930年呉工廠で起工した敷設艦、八重山(排水量1380トン図・6)では60%溶接化に挑戦、横須賀工廠はよこれに対抗意識を燃やし、1032年に遂に全溶接の潜水母艦、大鯨(L:210m、排水量1万トン、図・7)を完成させた。藤本支援を得た溶接派はこの艦に夢を託したが、この艦は溶接ひずみで大騒ぎとなり、何とか完成に漕ぎつけたものの多くの問題を残した。工廠責任者は左遷され溶接反対派から攻撃の的となった。

 第四艦隊事件で溶接から大きく後退した帝國海軍は、神経の繊細な貧乏国である。ゆとりもない。長年の技術輸入国で後進性のためだろう事故前も事故後もしっかりした基礎研究がなく、したがって信念が弱い。これに対して独は基礎研究と事故後の研究が十分で、溶接化方向の初心を貫いた。

 一方米だが独のような溶接の基本研究は少ない。たとえ10%の船が壊れても戦争遂行に役たてば成功という成果第一主義国だ。また西部開拓精神か、すべてに図太くかつ金持ちのゆとりもあり失敗にも鷹揚だ。

 戦艦金剛以降が国産化であるが、機械とか要所、要所の部品が外国技術の導入品で、外国技術依存体質のまま背伸びしたままついに遂に戦争に入ってしまったのが日本だから仕方がないのかも知れない.海軍は抜群な優秀技術を育ててきたが後進性による基礎知識の優劣が要所、要所に露見した。 艦艇にもそれがあった。

 特に潜水艦に至っては独と英のコピー艦から脱却できない技術水準だったことを考えると一般艦艇の溶接技術が独,米と一応何とかコンパラブルだから海軍の技術者はよく頑張ったものだというのが小生の正直な感想だ。

5.むすび
 溶接割れ感受性が低くかつ靭性のよい溶接性鋼材が現在の高張力鋼の技術領域である。独が1930年という早期に溶接のためには特殊な鋼材が必須として実用化まで持って行った先見性と行動力は卓越したものだった。

 この安価で資源豊富のSi-Mn系のUボート型を戦後防衛庁で艦艇建造に当って推奨したのは級艦政本部にいた牧野 茂大佐らと福田 烈中将、呉工廠の潜水艦高張力鋼開発プロジェクトにいた若手の堀川一男、寺尾貞夫氏らだ。

 つまり海軍時代にやり残した仕事を戦後達成した。しかもこの材料は船舶だけでなく陸上の鋼構造一般に広がり.JIS溶接用構造用圧延鋼材規格品になった。

 技術は全て積上だ。戦後造船の溶接技術は日本が世界一だとうぬぼれ喧伝するマスコミに真実を伝えたい気がするがもはやその必要もないか?

 改良は日本のお手のものだ.この鋼材を熱処理して世界独自の安価な調質HT60鋼を日本製鋼が開発した。これは自衛隊の初期の潜水艦にも使用され、のちに日本国内に広がった。

 一方米では得意なNi、Mo、Crなどの低合金鋼の高張力鋼を伸展させ、遂に1950年頃にU.S STEEL CO.は傑作鋼、80kg/㎜ 強度のT-1鋼を1950に開発・生産化した。

 このタイプの日木製HT-80鋼は近年大阪の南港大橋をはじめ、さらに改良型HT-80鋼が明石大橋にも採用されている。

 最近のわが潜水艦用高張力鋼はこのT-1鋼の延長線上にありさらに高強度鋼である。

 なお現在潜水艦の工作ではわが國造船業は米に技術指導をする高度のポテンシャルを持っている。

 創造的開発より改良と実用化、工作面を得意とする日本の体質は変わるらないようだ。しかし3Kの製造業を避ける若者が多い日本ではこの特徴さえなくなりそうだ。

筆者職歴
 三菱重工(株)横浜造船所入社以来27年間造船工学部に勤務し溶接と船舶建造の技術者、研究者、および管理者を務めた。昭和55年造船の構造不況により横浜造船書の造船部門が解散となった当時は造船工作部長。横浜造船所最期進水責任者を務めた。(同所はこれを機に本牧と金沢地区に移転し、跡地はみなとみらい21に変貌した)この後本社技術部本部転勤後退職し、巴コーポレーションにに転職、豊洲工場長として送電鉄塔製作に従事、巴技研副社長を経て、現在同社特別顧問。(社)日本溶接協会テクニカルアドバイサー。総和37年溶接関係の研究で工学博士の学位受ける。
 
 
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2012/1/21(土) 午前 11:44 [ ユニコーン ]


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