ミッドウェー海戦研究所

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大学の秋入学は日本再生のチャンス
「登録予備自衛官制度(仮称)」の提言
 
(1)からの続き
 
ギャップタームの具体的な施策
 
 しからば、高校卒業から大学入学までの半年と大学を卒業してから社会人になるまでの半年間のギャップタームをいかに過ごさせるかということがカギである。分かりやすくするために大学を5年制とし、大学期間の前後約半年間をギャップタームとして説明する。
 
 まず、大学入学から約半年間(これを「前期ギャップターム」という)は、大学の予科的期間として、(1)高校での学習不足科目の補習、(2)語学教育の強化、(3)職業体験(公的機関、農林水産業、医療・介護、過疎地支援等国家安全保障・社会保障の基本となる職業)等を各自の学習の習得度や希望に応じて行うこととする。
 
イメージ 1 特に、この期間は、ボランティア活動、自衛隊、警察、消防等への短期入隊など、国家に対する貢献活動を必習とすることにより、国民としての義務意識を身につけさせるとともに、何のために大学で学ぶのか、その意義を自覚させることが肝要である。
 
 この際、公的機関における貢献活動には、国家補助として報酬制を取ることにより家計負担の緩和を図る。
 
 大学5年生の卒業までの約半年間(これを「後期ギャップターム」という)は、社会人としての予科的期間として、(1)就職先企業等の研修、(2)海外研修・海外留学、(3)地域貢献活動等の実習期間とし、社会の実情などを直に研修することで社会人としての即戦力化を図るとともに、職場とのミスマッチの早期軌道修正を可能とする。
 
 また、国として緊急な課題となっているグローバル人材育成のための語学力の向上や海外経験なども一部の者には必須である。
 
 大学院進学者については、秋から修士課程へ移行する。
 
 これにより、各国からの留学生との入学時期を合わせることができ、海外からの優秀な留学生の獲得を図るとともに、日本人学生の海外留学を促進する。
 
 このように、後期ギャップタームは各人の進路特性に応じた柔軟な運用が求められる。また、この間は、基本的に就職先企業や国家機関等の支援制度により家計負担の緩和を図る。
 
 いずれにしても、現行よりも大学生時代における学習時間を獲得することにより、大学生として必要な学力を身につけるとともに、日本国民(プラス、グローバル人材)としての資質の向上が期待できる。
 
登録予備自衛官(仮称)の創設
 
 最後に、前項で論じた前期ギャップタームに行う自衛隊への短期入隊(「登録予備自衛官制度(仮称)」)について提言する。
 
 現在、自衛隊における予備自衛官制度は3つの種類がある。(1)「予備自衛官」、(2)「即応予備自衛官」、(3)「予備自衛官補」である。
 
 それぞれの制度の詳細については紙面の都合から省くが、ここで提言する「登録予備自衛官」制度とは、一定の期間自衛官としての基礎的訓練を受けた者を予備自衛官として登録し、大規模災害が生起した際には、即応戦力として活用するとともに、防衛行動の際は、優先して応募対象とする戦力である。
 
 登録予備自衛官の訓練内容については、現行約3カ月の新隊員前期教育のうち、さらに基礎的素養に絞って教育することにより、その期間は約2カ月で十分であろう。
 
 これによって、予備自衛官としての基礎的な識能を修得するとともに、先述した社会人基礎力の3要素のうち、「前に踏み出す力」「チームで働く力」は十分身につけられる。
 
 この教育は、全国の陸海空自衛隊の教育部隊において行うことになるが、1教育施設当たり年に約4カ月間(2コ期分、人員約1000人)の教育を持つことは可能である。したがって、全国的には、年当たり約1万人の登録予備自衛官が育成可能である。
 
 現今の自衛隊に対する国民の信頼度からすれば、この数は、大学への年間進学者約60万人のうち、十分に希望者が得られる数であると信じる。
 
 一方、そのための教育担当者については、500人ほど必要とするが、現行の自衛官定数内では充足が困難なため退職自衛官(非常勤)を活用する。
 
 また、この教育間は、現行自衛官候補生と同じように、非常勤の職員として月約10万円(2カ月で約20万円)の手当を支給することにより、家計の負担緩和にもつながる。
 
 登録予備自衛官としての服務期間は、基本的には大学在学間とする。この間は、予備自衛官としての最小限の練度を維持するために、短期間の練成訓練を行うとともに、身分保障としての手当(または奨学金)を支給する。
 
 もちろん、予備自衛官補への転向も可能とするとともに、卒業後一般幹部候補生等への受験を推奨する。理想的には、米国のように「ROTC」制度が設立されることが望ましいが、ここでは論点がずれるので論述しない。
 
 いずれにしても、約2カ月の教育の後に在学間予備自衛官として登録することになれば、数万人の若き予備戦力が充足されることになり、大規模災害対処や近隣敵対国への抑止力としても、絶大な効果を発揮する。国家負担の大きい徴兵制に比し極めて安上がりな制度と言えよう。
 
*「ROTC」とは、Reserve Officer's Training Corps の略。米国の大学に設置された、陸・海・空軍及び海兵隊の将校を養成するための教育課程。米軍士官の約40%がROTC出身者と言われる。
 
最後に
 安倍晋三政権においては、「教育を取り戻す」として、「大学9月入学を促進し、高校卒業から入学までの半年間などを活用した大学生の体験活動の必修化や、評価・単位化を行う」と謳っている。
 
 大学の秋入学論議は、一大学の問題ではなく、日本の教育再生のため、大学の制度はどうあるべきか。ひいては、あるべき国家像を作るために若者をどう育成するかの問題に発展する。
 

 加えて、国家安全保障基盤を強固にし、我が国の将来の発展を促すための大きなチャンスと捉え真剣に議論することが求められる。


JBpress.ismedia.jpより引用
 
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