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民主党政権の大失態に学んだ日本外交
中国の反対を押し切って実施された日米共同統合訓練
2013.07.02(火)織田 邦男:プロフィール 6月26日、日米共同統合訓練「ドーンブリッツ」が終了した。この訓練は平成25(2013)年6月10日(月)〜6月26日(水)の間、米国カリフォルニア州キャンプ・ペンデルトンおよびサンクレメンテ島ならびに周辺海・空域にて実施されたものである。
訓練の狙いは「島嶼侵攻対処に係る自衛隊の統合運用要領及び米軍との共同対処要領を演練し、その能力の維持・向上を図る」ことを目的にしたものであり、ヘリコプターや揚陸艇を使った上陸作戦が公開された。
ドーンブリッツ、2つの特筆すべき意義ドーンブリッツに参加した護衛艦「ひゅうが」(写真は相模湾での訓練)〔AFPBB News〕
マスメディアは護衛艦「ひゅうが」への米海兵隊オスプレイの初着艦、および強襲上陸訓練のみを派手に報道したが、これ以外に対機雷戦、潜水作業訓練、実弾射撃訓練、死傷者救援後送訓練なども実施されている。
この訓練には2つの特筆すべき点があった。
まず「ドーンブリッツ」は、これまで米軍単独訓練として実施されてきたものであるが、今回自衛隊が始めて参加したこと。しかも陸海空3自衛隊による統合実働訓練を初めて国外で実施したことが挙げられる。
2つ目はこの訓練が尖閣諸島など離島が占拠された場面を想定した訓練であり、中国政府が激しく反発し、中止を申し入れていたにもかかわらず、予定通り実施されたことである。
訓練に当たっては、尖閣諸島問題で日中関係が悪化した状況でもあり、日米島嶼奪還訓練はさらなる関係悪化を招くとして、実施に難色を示す関係者もいた。しかしながら、日本政府は日米関係を重視するとともに、訓練の重要性に鑑み、計画通り実施することを決めた。
小野寺五典防衛大臣は4日の記者会見で「訓練は日米同盟に必要だ」「特定の第三国を念頭に置いた訓練ではない」と強調した。だが尖閣諸島を念頭に置いた日米共同訓練であることは明らかであった。この時期に島嶼奪還に係る一連の行動を日米で演練した意味は極めて大きい。
報道によると、演習直前に行われたカリフォルニア州での米中首脳会談で、習近平中国国家主席はバラク・オバマ米国大統領に対し、この訓練が中国を仮想敵国としていると反発したという。首脳会談前にも中国政府は外交ルートを通じ、訓練の中止を求めていた。
結果的には、米中首脳会談直後に、予定通り「ドーンブリッツ」を実施することになった。尖閣諸島を巡る問題には、日米安保第5条が適用されるとの米国の強い意向が、対中メッセージとして伝わったことは間違いあるまい。
米中首脳会談でオバマ大統領は習主席に対し「東シナ海で挑発的な行動を取るべきではない」「争いをエスカレートさせるべきではない」などと主張し、レーダー照射事件や領海、接続海域への示威行動を止めるよう自制を迫ったという。
またオバマ大統領は「中国側は、日本が米国の同盟国であることを認識する必要がある」とも発言したというが、「ドーンブリッツ」が小切手の裏書をするように、これらの発言の比重を増すことになった。日米同盟の歴史の中で、軍事(日米共同訓練)が直接的に外交力の後ろ盾となった数少ない事例であろう。
全くの逆効果に終わった中国への配慮毎年実施されているキーンソード。写真は2009年、日本アルプス上空を飛行する米軍の「C130」輸送機〔AFPBB News〕
対象的なのが昨年の日米共同統合演習「キーンソード」である。昨年11月、毎年恒例の「キーンソード」で実施予定だった日米共同水陸両用演習が突然中止になった。
当初の予定では、沖縄県の無人島・入砂島で陸上自衛隊・米海兵隊共同で島嶼奪還訓練が行われる計画だったが、当時の民主党政権は中国への配慮で演習を中止した。
政府筋は中止の理由を「高度な政治判断」と説明しているが、対立が激化している中国への配慮のため、野田佳彦総理が決断したものだった。
拙稿「日中第1戦、戦わずして負けた日本」(2012.11.20)で既に指摘したが、配慮を示せば、相手も分かってくれるというナイーブさは、日本国内のみで通用するものである。生き馬の目を抜く厳しい外交の世界では通用しないどころか、将来に大きな禍根を残す。
この後の日中関係を見れば明らかである。野田首相の「配慮」は日中関係修復に作用するどころか、「もう一押しすれば、さらに譲歩するはず」と足元を見透かされただけで、状況はさらに悪化した。
さらに深刻だったのは、「尖閣は安保条約5条の対象」と繰り返し述べてきた同盟国・米国に対し、「はしごを外す」結果になったことだ。カート・キャンベル米国務次官補は外務省幹部に、「理解しかねる」と強い不快感を示した。国務省のみならず国防省筋も「中国を牽制するための訓練なのに、本末転倒だ」と疑問を投げかけた。
軍事力は外交力の後ろ盾であるという国際常識を理解しない日本のオウンゴールだった。「配慮」が中国との関係修復に全く逆効果であっただけでなく、同盟国との関係に亀裂を生じる結果となった苦い経験は、今回、さすがに教訓として生かされたようだ。
日本は戦後、軍事をタブー視して思考停止に陥った。このため、軍事的知見が驚くほど不足している。上記の失敗事例もさることながら、今回の「ドーンブリッツ」に関する左右両陣営の主張も共に認識の誤りがあった。
左翼陣営の代表的な某紙は次のように言う。「『離島奪還』は武力行使を伴う本格的な軍事作戦です。武力行使を前提にした訓練は、周辺地域の緊張を激化させることにもなりかねません」
これは中国が「戦争が止まるときは両者の武力が均衡したときだけである」と言ったクラウゼウィッツを崇拝する「力の信奉者」であることが理解できていない。力のバランスが崩れたベトナム、フィリピンとは領有権問題で流血の事態が既に発生している。 (2)へ続く
JBpress.ismedia.jpより引用
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おはようございます。
バカミンスの外交が、特亜を調子付かしたと思います。
ブログ応援のナイス・ランクリ4
TBさせて頂きます。
2013/8/7(水) 午前 6:20 [ ユニコーン ]