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今すぐ「自衛隊」という名称の変更を
日本の自主防衛能力を増強する第一歩
2013.03.28(木)北村 淳:プロフィール 近ごろアメリカ海軍・アメリカ海兵隊関係者たちとの間でしばしば話題になるのが、先の衆議院選挙における自民党の選挙公約である「自衛隊を国防軍として位置づける」という構想である。
もっとも、われわれの議論は、単に自衛隊を国防軍や防衛軍あるいは単に国軍といった名称に変更することに関する純然たる軍事的話題であって、憲法改正論議とは一線を画するものであることは言うまでもない。
自衛隊の名称変更に関するわれわれの議論の結論を述べると「自衛隊という名称を他の名称に変えるだけでは意味はなく、日本防衛にとって最低限必要な自主防衛能力を保持した精強な戦闘組織にしなければならない」ということになる。これは「自衛隊という名称を変える必要がない」というわけではなく「名称変更も強力な自主防衛能力の構築もともに必要」という趣旨である。
“Self-Defense”は個人的な自衛のニュアンス 英語圏の人々にとっては自衛隊の英語表記である“Japan Self-Defense Forces”の“直訳”は 「日本自衛軍」である。軍事的に自衛隊の“隊”という語義を生かして直訳したいならば“Japan Self-Defense Corps”といったものになるのであって、“Forces”というのは常識的には“Armed Forces”、すなわち軍隊を意味する。したがって“Self-Defense Forces”から受ける語感は「自衛隊」ではなく「自衛軍」なのである。ただし、われわれが問題にしているのは“Forces”ではなく、“Self-Defense”の部分である。
日本での論調の中には、“Self-Defense Forces”と“Defense Forces”という英語表現を、ほとんど同じと見なすものが少なくないようであるが、英語圏では通常“self-defense”という言葉は個人的な自衛という状況で用いられることがほとんどである。
例えば昨年末に発生したコネチカットの小学校での銃乱射事件以来アメリカで議論が沸騰している銃規制問題などにおいても、悪人から自分自身そして自分の家族を護る、すなわち“self-defense”の問題が議論の焦点の1つとなっている。同時に、アメリカで通常“self-defense”というと、この種の自己防衛のための銃の使用や、空手や合気道やテコンドなどを応用した護身術といった、個人的な自衛を連想される。
そして、アメリカやカナダやイギリスなどでは(おそらくそれ以外の国際社会でも同様と思われるが)、いかなる国家といえども他国やテロリストといった外敵の軍事的攻撃から自国民や自国領域その他国益を防衛する「自衛権」は国家の持つ当然の権利でありまた義務である、ということは一般的な常識である。
したがって、そのための道具として活動する軍事組織に、いちいち“self-defense”といった形容詞を付す必要性は感じておらず単に“Armed Forces”(軍隊)と呼称しているのである。
「国防軍」という名称の軍隊を持つ国々 ただし、そのような防衛組織である軍隊をあえて“Defence Forces”(防衛軍・国防軍)といったような呼称をしている国もある。筆者の知る限りでは、現在37の国々が軍隊の名称に“Defence”(米式:Defense)を用いている。
世界の国防軍の一覧(その1)
イギリス連邦以外では、エチオピアとエチオピアから分離独立したエリトリアがそれぞれ“National Defense Force”ならびに“Defence Force”と名乗っている。エチオピアはイタリアに占領され植民地となった後、イギリス軍がイタリアを駆逐してイギリスの保護領となった後に独立したという経緯があり、イギリス連邦にこそ加盟していないがイギリス連邦の諸国と似通った経験を持っている。
世界の国防軍の一覧(その2)
同様に、ロシアの脅威と常に直面し続けているだけでなく中立を標榜するスウェーデンは、やはり防衛を強調するために国防軍を名乗っている。ただしスウェーデンの軍隊もフィンランドの軍隊も、ともにスウェーデン語では“Försvarsmakten”、すなわち「国防軍」となっているが、英語表記ではスウェーデンは“Swedish Armed Forces”としており、フィンランドは“Finnish Defence Forces”としている。
周囲を全て「敵」に囲まれた地に建国されたイスラエルは、建国当初より周囲の国々からの剥き出しの敵意と軍事的圧力や軍事攻撃に曝されていた。したがって、「防衛」を強調してもしすぎることはない国柄であり、自然とヘブライ語で「イスラエルを防衛する軍」すなわち“Israel Defense Forces(IDF)”という周囲の敵からイスラエルを防衛するという使命を強調した名称の軍隊が創建されたわけである。
ドイツ(ドイツ連邦共和国)の場合は、ドイツ語では“Bundeswehr”となっており、直訳すると「連邦防衛」(Federal Defence)ということになる。ナチス・ドイツが軍隊を国防軍(Wehrmacht、Defence Force)と名乗っていたため、ナチスとの非連続性を強調するため、現在のドイツでは「国防軍」という名称は用いることができない。しかし、日本と同様に第2次世界大戦敗戦国であり侵略国のレッテルを張られてしまったドイツは、防衛を強調する必要があるため“wehr”(defense)という形容詞を軍隊に冠したいため、“Bundeswehrという、奇妙な名称になっている。もっとも“Bundeswehr”の英語表記は、“Armed Forces of the Federal Republic of Germany”(ドイツ連邦軍)となっている。
あえて弱々しい名称を採用した日本 上記のように、理由は様々でも、ともかく「防衛」を強調するためのネーミングとしては“Defence”(あるいは“National DefenceやPeople's Defence”)といった形容で十分であり、個人的な防衛あるいは護身といったニュアンスが強い“Self-Defense”という語を用いているのは日本だけである。
自衛隊を発足させるに際して、“いかなる国家といえども保有している自衛権”を行使するための“軍隊よりも小さな実力組織”という憲法解釈を表象することが必要だった。そこで、軍事的には自衛という意味合いも包含する“Defense”(防衛・国防)ではなく、より弱々しいニュアンスを持つ“Self-Defense”すなわち「自衛」という語を用い、“Forces”に該当する日本語には「軍」よりも小さな組織を意味する「隊」を割り当てて「自衛隊」という単語を創造したと考えられる。
したがって、個人レベルでの自衛に用いられる“Self-Defense”が冠せられている自衛隊という名称を、英語圏の人々それも軍事専門家が異様に感じるのは至極もっともなことであり、自衛隊という奇妙な単語を創造した人々の思惑は見事に成功したと言えるのである。
名称変更は自主防衛能力構築の第一歩 冒頭でのわれわれの議論に話を戻そう。
「自衛隊を国防軍にしようといっても、自主防衛能力を強化した軍隊に変容させることが眼目であるのだから、名称それ自体はさしたる問題はないのではないか」という意見も出た。それに対しては、「“Self-Defense Forces”では戦闘意欲(will to fight)が感じられないので、国家の防衛を担当する軍隊の名称にはふさわしくないのではなかろうか?」という意見が優勢を占めた。
結局、防衛のための戦闘という意気込みが薄まってしまう“Self-Defense”を省いて単に“Japan Armed Forces”(日本軍あるいは日本国軍)とするか、精強無比なイスラエル軍(Israel Defense Forces:IDF)のように“Japan Defense Forces”(日本国防軍あるいは日本防衛軍)といった名称にした方がよいのではなかろうかと結論した。
この議論はなにも自衛隊という名称では自衛隊員たちの士気が上がらず「イザ防衛戦」というときに戦闘意欲が生じないのではないのか? といった具合に、自衛隊将兵に向けられた危惧ではないことを付言しておかねばならない。すなわち、われわれの議論においては、自衛隊という弱々しい名称では、それを用いて国防の責任を預かる政治指導者や、なによりも日本国民自身の国家防衛に対する戦闘意欲が醸成されない、ということである。
民主主義国家においては、もちろん外敵との戦闘に直接従事するのは軍隊であるが、国民全体に防衛戦を戦い抜く強固な戦闘意欲がなければとても国家防衛を完遂することはできない。したがって、国防は自衛隊だけの仕事ではなく自分自身も国防の責任を有する日本国民であることを自覚するためには、日本を防衛する戦闘に従事する軍隊というイメージが強い名称は必要である。
このような意味では、名称変更だけでもそれなりの意義がある。日本の自主防衛能力を増強する第一歩として、憲法改正などを必要としない「自衛隊」の名称変更だけでも即刻実施すべきである。 JBpress.ismedia.jpより引用
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2013年05月12日
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