ミッドウェー海戦研究所

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「ナッチャンWorld」では役に立たない島嶼奪還
実戦時の水陸両用作戦でいちばん重要な局面とは
2013.11.07(木)北村 淳
国が南シナ海ならびに尖閣諸島をはじめとする東シナ海、それに沖縄本島〜宮古島ラインを突破しての西太平洋に対する積極的(侵攻的)拡張行動を繰り広げている。それに対してアメリカはここのところ財政危機で“世界の警察官”たる余裕がなくなり、鳴りをひそめている。
 
 10月に予定されていた自衛隊と米軍の日米共同訓練が、アメリカの予算不成立のあおりを受けて中止されるなど、いよいよ日本防衛にも目に見える形でアメリカ財政危機が影響を及ぼすようになってきた。
 
 本コラムでも繰り返し指摘してきたところであるが、日本としては少しでも自主防衛能力を前進させておかなければならなくなったことは、誰の目から見ても明らかである。
 
 このような状況下で、陸海空自衛隊が自主防衛の意思を“島嶼奪還”統合演習によって示すとともに、水陸両用戦能力獲得に向けての具体的努力を目に見える形で推進している。これは中国共産党政府にとっては好ましからぬ動きであり、日本はもとより、アメリカや台湾それにフィリピンなどにとっては喜ばしい動きである。
 

「水陸両用戦能力」の正しい意味

 自衛隊が“島嶼奪還”訓練を実施していることは、確かに自衛隊が水陸両用戦能力を本腰を入れて獲得しようという動きの一環であると見なすことができる。
 
 また、日本のメディアや一部政治家たちなどが「水陸両用戦能力」という言葉を使い始めてきたことは、「自主防衛能力強化のためにはそれらの軍事能力を構築すべきである」と本コラムで幾度となく指摘してきた筆者やアメリカ海兵隊や海軍の友人たちにとっては喜ばしい進展だと言える。
 
 だが、メディアや政治家たちが正しく理解してそれらの言葉を使っているのであろうか? という危惧が拭い切れない。
 
 「水陸両用戦能力」というと、陸上戦闘部隊が上陸用舟艇や水陸両用戦闘車で海岸に上陸する強襲上陸作戦を敢行する能力とイメージされる場合が多い。もちろん、強襲上陸は水陸両用作戦の典型例の1つであるが水陸両用作戦はそれだけではない。実際に、最高水準の水陸両用戦能力を保持しているアメリカ海兵隊・アメリカ海軍が、近年においてその水陸両用戦能力を発揮する主たる任務は非戦闘員救出作戦と災害救援人道支援作戦であり、強襲上陸作戦(実戦)は長らく実施されていない。
 
 水陸両用作戦能力とは、陸上作戦部隊が海から海と空を経由して陸に到達して陸上で行動し、その陸上作戦部隊を海と空から支援したり補給を継続する、様々な軍事行動を実施する能力を意味している。そのためには、海と空と陸で行動する各種部隊を統合運用する能力が最も重要となる。
 
 日本の現状に当てはめると、海上自衛隊と航空自衛隊、そして陸上自衛隊から抽出された様々な部隊が完全に統合されて一体となり作戦を立案し、補給を含めての準備をなし、作戦を実施する高度な統合運用能力が水陸両用戦の大前提となる。
 

民間高速フェリー「ナッチャンWorld」

 現在実施中の陸海空自衛隊統合演習を、水陸両用戦のエキスパートであるアメリカ海兵隊・海軍的基準に照らしてみると、水陸両用戦のための統合運用能力構築が本格的に開始されたばかりである以上、様々な問題点が浮上するのは無理からぬところである。
 
 中でも最大の問題点は、北海道の陸上自衛隊部隊を、苫小牧港から民間高速フェリー、「ナッチャンWorld」号をチャーターして南西諸島に派遣した点であろう。
 
 (陸上自衛隊部隊として兵員90名、地上発射型対艦ミサイル、対空ミサイル発射機などを含んだ車輌およそ40両、途中仙台港から陸自隊員と車輌がさらに乗船した)
 
ナッチャンWorld (View751氏撮影)
イメージ 1 「ナッチャンWorld」というのは、オーストラリアのインキャット社が建造した双胴高速船で、2008年に東日本フェリーにて就航した。現在は東日本フェリーの後継会社である津軽海峡フェリーが保有しており、函館港と青森港の間を夏期のみ臨時に就航している。双胴高速船は極めて高性能な反面、燃費や維持費が高額なため民間フェリーとしては経営的に苦しい場合が多く、「ナッチャンWorld」の姉妹船「ナッチャンRela」は防衛省が購入を検討したものの結局は見送られ台湾企業が購入した。
 

米軍が使う「Westpac Express」

 「ナッチャンWorld」のような双胴高速船を軍隊の輸送に使用するのは自衛隊だけではない。アメリカ海兵隊も、やはりオーストラリア製の双胴高速船「Westpac Express」を使用しており、軍隊搬送における有用性が高く評価されている。東日本大震災に際しても「Westpac Express」はアメリカ海兵隊の兵員と多数の車輌を、沖縄から搬送して活躍した。
 
Westpac Express(写真:米海軍)
イメージ 2 オーストラリアのオースタルシップス社で製造され、アメリカのアラバマ州のオースタル・ハル・チャータリング社が保有している「Westpac Express」はアメリカ海軍軍事海上輸送集団(MSC)がチャーターし、アメリカ海兵隊兵站事前集積船プログラムの1隻として使用されている。そのため「Westpac Express」は船種上は商船(MV)であるが、アメリカ海軍船体番号「HSV-4676」(HSVは高速船を意味する)が付せられており、軍人11名と民間人13名によって運用されている。
 
 「HSV-4676 Westpac Express」は災害救援活動や、日本や韓国そして東南アジア諸国での各種軍事演習などに海兵隊部隊が参加する際の移動手段として活躍しているが、基本的には有事の際に敵の攻撃を被る可能性が存在する任務に投入されることは想定されていない。そのような場合の海兵隊の移動は、当然のことながら、強襲揚陸艦をはじめとする各種揚陸艦によって実施されるのである。
 
 いくら、アメリカでは商船隊も“U.S. Marchant Marines”(この場合の“marines”は海兵隊の“Marines”ではなく「海運」の意味)と呼ばれて戦時の徴用が制度的に確立されているとは言うものの、海兵隊や陸軍の部隊や車輌の運搬といった敵の格好の攻撃目標になる危険な任務に商船隊を充てることは、第2次大戦中の日本と違い、極力避けているのである。
 

実戦時ならば攻撃を受けて海の底に

 上記のように、「HSV-4676 Westpac Express」や「ナッチャンWorld」のような双胴高速フェリーは軍隊の搬送には極めて有効な手段である。ただし、アメリカ海兵隊の事例のように、それはあくまで平時の話である。
 
 確かに、アメリカ海兵隊が沖縄から「HSV-4676 Westpac Express」に乗り込んで日本本土に災害救援活動に出かけた際も、陸上自衛隊が北海道から「ナッチャンWorld」に乗り込んで南西諸島での陸海空自衛隊統合演習に向かった際も、いずれも敵の攻撃を被る可能性は(ほぼ)ゼロの平時での運用である。
 
 しかし、今回の統合演習は“島嶼奪還”演習であって、かつ日本独自の水陸両用戦能力構築のステップとしての大規模統合運用訓練となるべき演習である。したがって、陸上戦闘部隊(この場合、北海道や東北の陸自部隊)が作戦実施地域(宮古島や石垣島)に向けて出発する時点から、水陸両用作戦が開始されているわけである。
 
Westpac Express への海兵隊攻撃ヘリコプター
積み込み(写真:米海軍)
イメージ 3 アメリカ海兵隊において実戦を指揮した人々は「あらゆる水陸両用戦において、最も煩雑かつ重要な局面の1つは、陸上作戦部隊の装備・人員を艦艇に手際よく効率的に乗り込ませる計画と実施段階である」と口にしている。そして、海兵隊部隊が乗り込んだ艦艇が、作戦目的地沖合に到着する途中で敵に撃破されてしまえば、水陸両用作戦も何もあったものではない。
 
 したがって、“島嶼奪還”作戦は、陸自の奪還部隊・奪還支援部隊が、輸送手段の艦船に乗り込む段階からスタートしているのである。民間フェリーで宮古島に陸自部隊が降り立った段階からスタートするわけではない。
 
 これが実戦状況ならば、チャーターした「ナッチャンWorld」に島嶼奪還支援のための陸自部隊が各種ミサイルとともに乗り込んで宮古島に向かった場合、中国海軍潜水艦や駆逐艦あるいは中国空軍長距離爆撃機の餌食になり、民間商船員(予備自衛官に任命するというアイデアもあるようではあるが)ともども陸自部隊は西太平洋の海底に沈められてしまうであろう。
 

 “島嶼奪還”作戦演習というからには、苫小牧や仙台からは、海上自衛隊駆逐戦隊により護衛された「おおすみ」型輸送揚陸艦により奪還支援部隊を搬送しなければ、水陸両用戦能力構築のための統合運用訓練とは言えないことになってしまう。次の機会における改善に期待するところである。


JBpress.ismedia.jpより引用
 
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