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韓国外交

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“体育館の裏”で軍事協定を提案した韓国
「反日」よりも「恐中」、「米中二股外交」に踏み出す
2012年6月5日(火)
 
(1)からの続き
 


また、何も知らなかった?日本
 
 韓国国防省が中国に軍事協定を呼び掛けたと発表するまで、日本政府はそれを知らなかったフシがある。中国の巨大な引力に韓国がずるずると引き寄せられている、という現実への認識がまだ日本には薄いことが背景にある。
 
 韓国人も、日本人や米国人の前で「これからは中国と米国の二股をかけます」とは言わない。それどころか「我々は中国が一番嫌いです。中国サイドに行くなんてありえません」などと言って見せる人がほとんどだ。
 
 もちろん、嫌いであろうと中国に対し「NO!」と言える国力と地政学的位置を韓国は持たない。しかし、多くの日本人はその答えに納得してしまう。傲慢になる中国に対して自分が対抗姿勢を強めているため、つい韓国人も同じと思いこんでしまうのだ。
 
 「誠に失礼ながら、そんな国力も意志もお持ちではないのでは……」と聞き返す日本人には「こいつは騙せないな」と考えてであろう、本音を教えてくれるものなのだが。
 
 日韓軍事協力の強化は、公然とは唱えないものの米国が望んでいた。一方、日本政府の一部には朝鮮半島有事の際に在韓邦人を救出するため韓国の軍との協力強化が必要だとの意見が出ていた。韓国海軍もインド洋や中東海域での洋上補給を日本の海上自衛隊に頼めないかとの希望を持っていた。
 
 “現場”たる自衛隊は「韓国海軍は運用能力が低く、洋上補給を受けるなどとても無理。事故を起こしかねない」「邦人救出は米軍に頼むのが現実的」として韓国との軍事協定締結には消極的だったという。
 
 ただ、民主党政権に代わって菅直人内閣が積極的に進めた。リベラルを自任する人々は「韓国に対してしっかり謝罪と反省をしている自分が表に出れば関係が改善する」と勘違いしがちだ。韓国人からは「こちらの言いなりになる便利な奴」と思われているだけなのだけれど。
 


「明清交代」と「米中交代」
 
 2006年ごろから、韓国の知識人が「清の横暴」や「明清交代期の朝鮮朝(李氏朝鮮)の苦しみ」を語るようになった。17世紀初めに女真族が勃興し、後に清となる後金が満州に建国されたころの話だ。「その直前の秀吉の侵略よりもひどかった」という人もいる。
 
 朝鮮はもっとも従順な宗属国として漢民族国家の明に仕える一方、女真族を蛮族として見下しており、覇権を握った「後金―清」に対しても冷淡だった。そのため、服属を要求する「後金―清」から2度に渡り大規模侵攻され、屈辱的な降伏を余儀なくされた。
 
 「明清交代」を今、韓国人が語るのは、もちろん「米中交代」を念頭に置いてのことだ。それはアナロジーなどという生易しいものではない。「覇権国家の交代に際して変化を見誤り、国が存亡の危機に陥った」民族のトラウマが今、蘇っているのだ。
 
 日本は「明清交代」の影響をほとんど受けなかった。せいぜい明の儒学者が亡命して来たとか、大陸の混乱のおかげで欧州向け陶磁器の輸出産業が立ちあがった程度の話に過ぎない。だから日本人は現在の明清交代たる「中国の勃興と米国の衰退」に韓国人が過敏に反応するのをなかなか理解できない。
 


「米中間で綱渡りするしかない」
 
 何と中国の外交官までが「明清交代」を語り始めた。ウィキリークスによると、2009年12月21日に米国と中国の駐韓大使が夕食をともにした際、陪席した中国の外交官が「明から清に覇権が移った後も朝鮮は明に朝貢を送り、明の風習と伝統を守った。小国である朝鮮・韓国は『変化に屈すれば生き残れない』という恐怖から、環境が急激に変わる際には萎縮する」と述べた。
 
 スペインの日刊紙「エル・パイス」がウィキリークスから情報を入手して書いた記事を、2011年1月5日付で韓国紙が一斉に引用報道した。中央日報は「北朝鮮の閉鎖的対外政策を明清交代当時の李氏朝鮮になぞらえた」と解説したが、前後関係からは「衰退する米国に頼り続けようとする韓国」を“現代の清”の外交官が揶揄したと見た方がぴったりする。それも“現代の明”の前で。
 
 最近は「明清交代」は韓国紙ですっかり定番の単語となった。記事そのものにはさほど使われないものの、読者の「書き込み」にはしばしば登場する。ことに中国が韓国に対し居丈高な姿勢を示した時だ。中国を罵倒した後に「明清交代」が出てくることが多いのだが、ほとんどは「不愉快だが中国には従うしかない」とあきらめの文脈で使われている。
 
 2年ほど前までは「我が国が中国側に行くなんてありえない」と口をそろえていた韓国の知識人。最近はその多くが「我々は米中間で綱渡りするしかない」と本音を漏らすようになった。ついに「明清交代」を受け入れる気になったのだ。だから日本人も、韓国の中国に対する軍事協定締結の提案を軽く見てはいけないのだ。
 

(注)拙著『朝鮮半島201Z年』は、韓国は通貨危機を機に中国にまず経済的に支配され、それが軍事・外交面での「米国離れ・中国従属」につながっていく近未来を予想している。


 
 
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“体育館の裏”で軍事協定を提案した韓国
「反日」よりも「恐中」、「米中二股外交」に踏み出す
2012年6月5日(火)
 
 米中対立が鮮明になるなか、韓国が中国に軍事協定の締結を提案した。経済的にも軍事的にも中国に飲み込まれそうになった韓国は、ついに米中間で二股外交に乗り出したのだ。
 


「韓米日3国同盟は中国からにらまれる」
 
 5月21日、韓国国防省報道官は定例会見で中韓両国の軍が相互に物資を融通できる協定を結ぶよう交渉中であると述べた。国連平和維持活動(PKO)や大規模災害、海賊対策での協力を想定したもので、報道官は「物品役務相互提供協定(ACSA)に似た内容」と説明した。
 
 この動きはまず、朝鮮日報が同日付朝刊で報じた。同紙の記事「政府、韓日軍事協定を推進しつつ中国にも提案」によると、韓国の外交通商省高官が最近、北京を訪れ中国政府に日本と協議中の軍事協定の内容に関し説明した際、中国にも同じような協定の締結を非公式に提案した。
 
 報道官の説明と異なるのは韓国が申し込んでいる軍事協定の内容で、同紙は「ACSA」ではなく「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」とした。交換した情報を第3国に漏らさないことを約束する協定で軍事機密を中韓で交換する布石だ。国防省が発表した通りACSAだけなのか、本当はGSOMIAも含むものの米国から叱られることを恐れそれはとぼけたのか、現時点では藪の中だ。
 
 日本は韓国に対しACSAとGSOMIA双方の締結を持ちかけている。しかし、韓国内に「『韓米日3国同盟』に組み込まれるきっかけとなりかねない。中国からにらまれることは避けるべきだ」との反対論が浮上したため、締結に至っていない。
 
 韓国政府が朝鮮日報にリークしたのは「同じ協定を申し込んだから中国からにらまれることはない」との理屈で日本との軍事協定締結に反対する勢力を抑えるのが狙い、と見る向きが多い。
 


保守系紙も「米中二股論」
 
 このニュースは日本ではさほど大きく扱われなかった。韓国国防省がこの軍事協定はPKOなど平時での協力であると説明したことに加え、すでに韓国がロシアなど旧共産圏国家ともGSOMIAを結んでいるためだ。
 
 ただ、日本の一部専門家はこの中韓軍事協定に警戒感を隠さない。まず、日本や米国にとって、ロシアと比べ中国とは衝突する可能性が高いからだ。次に「平時に限ったACSA」としても、それを手始めに軍事協力のレベルが高まって行くと見られるからだ。ある専門家は「中韓軍事協力が進めば、米中両国の艦船が黄海で対峙した時、韓国海軍が米中双方に軍需品を補給するという奇妙な状況も論理的には起こりうる」と述べ、韓国の姿勢に首をかしげた。
 
 韓国では経済に続き安全保障面でも“米中二股論”が台頭している。保守系親米紙の朝鮮日報でさえ「韓米同盟を基本にしながらも、中国との多様なレベルでの軍事協力を模索すべきだ」と主張するようになった(1月2日付「2012年新年特集=中国を再び見る」)。
 
 韓国経済は対中依存度の急増で生殺与奪の権を中国に握られた。軍事的にも海軍力の増強により黄海を内海化した中国に対抗できなくなった。不法操業する中国漁民が、逮捕に向かった韓国の海洋警察官を堂々と殺害する事件が相次ぐ。中国政府は自国漁民を規制するどころか、海軍力の行使までほのめかし韓国を脅す。
 
 前回記事「中国から“体育館の裏”に呼び出された韓国」では、強大化した中国が要求する自由貿易協定(FTA)締結を韓国が拒否できなくなった様を描いた。“体育館の裏”で大国から脅された小国がとる道は2つ。他の大国との同盟を強化して抵抗するか、逆に脅してくる大国ににじり寄るか、である。韓国は後者を選び、忠誠の証として軍事協定締結を提案したのであろう。
 
 5月21日付の朝鮮日報の記事は「日本との軍事協定を結ぶ過程で中国にも声をかけた」との文脈で書いている。しかし、同紙の1月2日付記事に見られる“米中二股論”からすると「韓国は中国と軍事協定を結びたかったが、なかなか言い出すチャンスがなかった。日本から申し込まれたのを機に、これ幸いと中国に申し込んだ」と見た方が正しいのかもしれない。
 


韓国の小細工を憎む中国
 
 では、中国は韓国の申し入れに応えるだろうか。中国国防省報道官は5月31日の定例会見で「報道されたような協定には署名していない」と述べ、韓国の提案を慎重に取り扱うことを示唆した。21日付朝鮮日報も「『北朝鮮によくないシグナルを送ることになる』との理由で中国は慎重な姿勢だ」と報じている。
 
 それは事実と思われる。同紙が指摘する北朝鮮への配慮に加え、中国は「小技を使って米中間をうまく立ち回ろうとする韓国」を小憎らしく思っているからだ。韓国の申し入れをスンナリ受け入れれば、その思うつぼにはまってしまう。
 
 最近、日本と中国の朝鮮半島研究者が意見を交換する際、しばしば似たパターンで議論が展開する。日本側が「韓国の米国離れ・中国接近が始まった」と指摘すると、中国側は「確かに韓国は中国に揉み手をしながら近づいて来る。しかし、韓国はいざとなると米国のスカートの下に隠れ、中国の足を引っ張る」と不快感を隠さない。
 
 中国は韓国の申し入れに対し「どうせ軍事協定を結ぶのだったら、平時に限らず戦時にも適用できる、より深化したものにしよう」と返答するかもしれない。米韓同盟にヒビを入れるこの逆提案に韓国が応じればよし、応じなくとも「だったら『中韓軍事協力』と同時に『日韓』も棚上げにせよ」と韓国に迫ればいい。それで米日韓3国軍事同盟の芽を摘める――中国の考えはこんなところだろう。
 
 そもそも中国は今、焦って韓国の小細工に付き合う必要はない。経済、軍事両面で急激に増す中国の存在感に圧倒され、いずれ熟柿が落ちるように韓国は中国の手に落ちるだろうからだ。
 


苦々しい顔で見つめる米国
 
 では、米国は2つの軍事協定構想をどう見ているのだろうか。政府関係者の公式的な発言は伝えられていないが、5月30日付の中央日報にビクター・チャ米ジョージワシントン大学教授が寄せた論文が手掛かりになる。同教授は韓国系米国人で、ブッシュ政権時代に朝鮮半島政策の策定に関与した。
 
 チャ教授はこの論文で日韓軍事協定を結ぶよう韓国人に強力に訴えた。「韓国の経済的成功を支えたのは日本だ」「南北統一には日本の助けがいる」「米国や日本との同盟関係があってこそ中国は韓国を尊重する」「(2015年12月に予定される米国から韓国への韓国軍の)戦時作戦統制権返還により、米韓日の協力関係の公式化はより重要になる」「日本に対する複雑な感情を捨てて得失で考えろ」――。
 
 こうした必死の呼びかけからは「米国の比較優位が減じれば韓国が中国に取り込まれはしまいか」と悩む米国の姿が透けて見える。もっとも、この論文が韓国で説得力を持つかは相当に疑わしい。
 
 韓国に「日本の支え」など評価する空気はない。南北統一だってそもそも韓国人が望まなくなっている。米国との同盟関係も、これがあるからこそ中国に苛められるようになって対中接近を始めたのだ。チャ教授が完全に誤解していることがある。韓国が日韓軍事協定に逡巡するのは「反日」よりも「恐中」からである。
 
 この論文で興味深いのは「日韓軍事協定」を執拗に勧める半面「中韓」には一切触れていないことだ。米国だって「中韓」はやらないで欲しいに決まっている。ただ、それを米国人が言えば逆効果になる。韓国の反米勢力は、格好の反米材料となるそうした“米国の介入”を手ぐすねを引いて待っている。
 

 中国との国交正常化以降いつごろころか、韓国は米国と安保協議をするたびに、直後に情報機関の最高責任者をこっそり北京に送り中国の最高指導者に直接その内容を報告するようになったという。米国高官が日本の関係者に明かした話だ。米国高官は苦々しげな顔をして「我々は(中韓秘密接触を)全部知っているのだが(韓国には何も言わない)」と言ったという。


(2)へ続く
 
 
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中国から“体育館の裏”に呼び出された韓国
韓国もホントは嫌な中国とのFTA
2012年5月22日(火)
 
 中国と韓国がFTA(自由貿易協定)交渉を正式に開始した。日本のメディアは「日本外し」と危機感を募らせる。だが、意外にも韓国の表情はさえない。
 


「日本に勝った!」の大合唱起きず
 
 中国と韓国は5月2日、FTA締結に向けた交渉開始を宣言した。一方、日本は日韓FTA交渉開始のめども立たず、日中韓FTAに関しても年内交渉開始の合意を5月13日にかろうじて取り付けただけだ。一部の日本メディアは「日本の出遅れ」を強く批判した。
 
 5月3日付の韓国の中央日報はすかさず引用し「『日本はまた蚊帳の外』と日本経済新聞は報じた。韓国に後れをとることになった日本の心情を表した」と報じた。“日本の凋落”という話が大好きな韓国メディアだから、こんな記事が載るのも別段、不思議ではない。
 
 興味深いのは「日本の失態」程度の記事で収まり、韓国が米国やEUとFTA交渉を開始した時のように「国際化でも日本に勝った!」式の大合唱が起きなかったことだ。実は、韓国人も中韓FTAを手放しで歓迎していないのだ。
 


中国産キムチが怖い?
 
 中央日報は同じ日の社説で中韓FTAに関し「ほかのFTAと比べ国内への影響が比較にならないほど大きい。より慎重なアプローチが必要だ」「現政権は(残り半年強の)任期内に仕上げようと欲張らず、最終交渉は次の政権に任せるべきだ」と「慎重」「先送り」を執拗に訴えた。韓国は何を恐れているのだろうか。なぜか、この社説は明確には触れていない。
 
 通常、中韓FTAの問題として指摘されるのが農産物だ。韓国はニンニクや白菜など韓国人にとって主要な農産物を中国からも輸入している。また、キムチなど農産加工品も同様だ。中韓間の価格差は大きく、もし、FTAで関税がなくなれば韓国の農家は「米国やEUとのFTAではありえなかった」壊滅的な打撃を受けるという。
 
 だが、日本の通商専門家は、農産物は大問題にならないと見る。中国は韓国が気にする農産物は「敏感品目」に認定することを受け入れ、韓国がこれまで中国産にかけてきた税率の維持を認める可能性が高いからだ。
 
 中国がFTAを結ぶのは自国産業の発展という経済的目的よりも、相手国との関係深化という政治的動機が強い。熱帯農産物の対中輸出を増やしたい東南アジアに対し譲歩、自国の関税率を落として一気にFTAを妥結に持ち込んだこともある。
 
 李明博政権も「交渉ではまず、コメを含め敏感品目について話し合う。ここで妥結して初めて次の段階に進む」と表明している。相当程度の範囲の農産物を敏感品目に指定するとの合意が両国間でできている模様だ。
 
 だったら、韓国は何を恐れるのだろう。韓国では言及されたことはあまりないが、中韓FTAにより自動車や携帯電話端末など韓国の得意な工業製品が中国から大量に流入する可能性がある。中韓両国の間で関税が低くなれば、すでに中国に工場を持つ世界のメーカーは、韓国市場を狙う際に韓国に製造拠点を持とうとせず、中国工場から撃ち込もうと考えるからだ。
 
 5月18日付朝鮮日報は「トヨタ自動車は米国製に続き、中国製も韓国市場に投入する計画だ。米韓FTAに続いていずれ成立する中韓FTAを踏まえた措置だ」と報じた。トヨタ自動車は韓国には工場を持っていない。
 
 中韓FTAを契機に韓国企業の中国シフトが加速する可能性もある。少子高齢化に伴う韓国の財政悪化は急だ。中期的には法人税率引き上げが必至となろう。貧富格差の拡大が大きな社会問題となっており、低下し続ける労働分配率の改善が叫ばれ始めた。租税以外の面でも企業の負担が増しそうだ。日本の半額以下とされる電力料金も、韓国電力の赤字を解消するため今後どんどん引き上げられる見通しだ。そもそも電力不足から工場は節電を迫られている。
 
 韓国は「工場が住みやすい場」ではなくなりつつある。サムスン電子の携帯電話端末やスマートフォンの世界シェアはしり上がり。というのに、それらの輸出は減る一方だ。同社が工場を世界に移しているからだ。
 
 ただ、産業専門家の間ではともかく、通商交渉担当者の世界で「空洞化」が中韓FTAへの大きな懸念材料となっているわけではない。多くの韓国人は中国製品を極端に低く評価しているからだ。では、一体、中韓FTAの何が問題なのだろうか。
 


「対中依存度を下げよう!」
 
 今年1月に中韓首脳がFTA交渉開始で合意した際、韓国紙にチラリと本音がのぞいた。「中国とのFTAに我が国が消極的だったのは『毎年平均20%も対中貿易が増える中、わざわざFTAを結んで対中依存度を加速する必要があるのか』という論理も働いていた」(朝鮮日報1月10日付社説)。「しり上がりの対中依存度」こそが、韓国の恐怖の源なのだ。
 
 確かに、韓国の対中依存度は高い。韓国の中国(香港を含む)への輸出額は全体の約30%。日本の25%と比べ少し高い程度だ。しかし、韓国経済は輸出に頼る度合いが極端に大きい。GDP(国内総生産)に対する輸出比率は50%前後に達し、日本の15%前後と比べものにならないほど高い。対中輸出が韓国経済の死命を制する。
 
イメージ 1
 
 では、なぜ、対中依存度が上がるとまずいのか。それは中国が外交交渉の武器として経済を平気で利用する国だからだ。「尖閣事件」の際に中国がレアアースの対日輸出を止めたのが典型例だ。
 
 中韓FTAの交渉入りが決まった後、韓国メディアには「対中依存度を下げよう」という記事が散見されるようになった。もっとも親中的とされる中央日報も4月5日、そのままズバリの「中国への依存度を下げよう」という見出しのコラムを載せた。
 
 要旨は「北朝鮮からの脱北者やEEZ(排他的経済水域)問題など、中国との間で政治的摩擦が増える一方だ。中国は経済を武器に紛争を解決する国だ。中国に容易に屈したくないなら、対中依存度を下げるしかない」である。ただ、いくらメディアが訴えても、歴史的に因縁が深く、地理的にもすぐ隣の超大国の引力圏を脱するのは難しい。
 
 では、韓国はなぜ、中韓FTAを拒絶しなかったのだろうか。中国市場でライバルとなる日本は、米国の顔色を伺って日中の間のFTAには消極的だった。その意味では韓国は交渉入りを急ぐ必要は全くなかった。
 


四周から韓国を締め上げる中国の投網
 
 韓国は、日ごとに大きくなる中国という存在に抗しきれなくなったのだ。今年1月に「正式交渉入り」を強引に受諾させられた際、匿名の韓国政府高官の談話がメディアに一斉に載った。「金正日死亡後の不安定な情勢に加え、頻発する中国漁船の不法操業問題を考えると、中国の協力を引き出すにはFTA交渉を開始せざるを得ない」。韓国の役人は日本の役人にも同じ“言い訳”をしているという。
 
 「北朝鮮と漁民」は今、韓国人が持つ中国への恐怖感を象徴する。「金正日という強力な指導者を失った北朝鮮は中国の支配下に置かれ、混乱が起きれば人民解放軍が駐屯するだろう」と多くの韓国人は信じている。朝鮮戦争で米軍も勝てなかった中国軍と直接対峙する――。韓国人にとってこれ以上の悪夢はない。
 
 韓国の東と西の領海では、数百隻、あるいは千隻を超えるとされる中国漁船が日常的に不法操業している。彼らは取り締まりにあたる韓国の海洋警察官を平気で殺傷する。その不法漁民を中国政府は一切取り締まらない。韓国人にしてみれば中国にかけられた投網が、北から西から東からジワリジワリと締まってくる感じだ。中国はその圧迫感を使って韓国をFTAに引き込んだのだ。
 
 FTAにかけた韓国人のささやかな期待もすでに裏切られている。中国の望み通りに正式交渉を受け入れたからといって、中国政府が不法漁民を取り締まってくれるわけでもなかった。それどころか、韓国とのEEZ紛争に関連し、海軍力の行使をちらつかせるようになった。
 
 5月の日中韓首脳会談で韓国は共同声明に北朝鮮の核問題を盛り込むよう強力に主張し、最後は「入らなければ共同声明に署名しない」とまで言い切った。しかし、中国は韓国の必死の訴えに馬耳東風。韓国は泣く泣く署名した。
 


韓国の後を追う日本
 
 経済的に依存度の高い中国からの要求は拒めず、それを受け入れればさらに依存度が増す……。韓国にとってこんな悪循環が始まった。
 
 今年発効した米国とのFTAをもってして、米中間での立ち位置を調整できると言う韓国人もいる。だが、形式的にはともかく実質的には韓国はどんどん中国に傾斜して行くであろう。韓国が成長を望む限り、伸び続ける中国への輸出を増やすことになる。その結果、政治的関係も深まらざるを得ない。
 
 一方、米国にそんな経済的引力はもうない。そのうえ韓国内には米韓FTAに強力に反対する勢力があり、FTAこそが米韓関係を悪化させる要因になりかねない。FTAが加速する中韓の接近は、米韓同盟にもヒビを入れて行くだろう。
 
 もちろん、程度や状況の差はあれ、韓国の進む道は日本がたどる道でもあろう。中国の戦略はまず、韓国を自分の経済圏に引き入れ、それをテコに中国市場での競争条件悪化を恐れる日本を引き込むことだ。実際、日本は日中韓FTAを“熱望”するなど中国のシナリオ通りに動き始めた。
 


「あれは本気で書いているのですか?」
 
 最近、韓国の経済専門家と会った。彼から中韓FTAに関する率直な打ち明け話を聞くうちに「学校の廊下で“怖い人”から胸倉をつかまれて『放課後に体育館の裏に来い』と言われた高校生」を思い出した。「行くと答えなければ今ここで苛められそうだし、行けば行ったで怖い目に会いそうだし……」といった感じである。
 
 もちろん、中国は韓国から「定期入れの中の虎の子の1000円札」を直ちには取り上げない。逆に、飴玉か煙草の1本もくれるだろう。「俺の“組”に移って来い。分かったな」と言いながら。
 
 こんな想像をしていると彼から突然、聞かれた。「日本の新聞には『中韓FTAで日本は外された、出遅れた』なんて記事がよく載ります。あれは本気で書いているのですか?」
 
 確かに、通商交渉がないと失業する役人の言い分をそのまま字にしたような記事もある。「体育館の裏に呼び出され青ざめた高校生」にすれば、“怖い人”から脅されてもいないのに「なんでオレはあの“組”に参加できないのかな。まずいなー」と言っている子供に見えるのだろう。
 

 答えあぐねていると、彼の次の言葉が降ってきた。「日本人は呑気でいいですねえ」。


 
 
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