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軍事常識を欠いた集団的自衛権論議
今の自衛隊は地球の裏側では戦えない
2013.10.24(木)久保 善昭
戦終了後四半世紀、日本をめぐる安全保障環境は大きく変化しつつある。
 
 大陸勢力の雄、中国は、その経済成長とともに、軍事費を逐年増大、軍の近代化を進め、なかでも海軍を増強し、東・南シナ海から太平洋へと海洋進出を企図している。
 

冷戦時代よりも日本への脅威は増した

 また朝鮮半島では、北朝鮮が3代の世襲独裁政権のもと、核開発とその運搬手段たる弾道ミサイルの開発と実験を繰り返し、その能力を高め、日本を射程に収めるとともに、やがて米国本土まで脅威を及ぼす勢いである。
 
 北方に目を転じれば、大陸勢力の他方の雄、ロシアは北方領土の経済開発を進め、実効支配を強化している。
 
 さらに、科学技術の進歩は著しく、遠隔操作無人機を主体とする作戦、電子空間を使ったサイバー戦が登場してきた。また、9.11事件以降、人と爆薬による原始的な無差別テロは後を絶たない。
 
 現在の世界情勢を勘案すると、米国を中心とする自由圏とソ連を中心とする共産圏が対立していた冷戦時代よりも、我が国への脅威が現実味を帯びつつあるのではなかろうか。
 
 今や、日本の安全保障問題は、好むと好まざるにかかわらず、国民一人ひとりが直視し、自らのこと、さらに将来世代のこととして考えるべき転機にある。
 
 安倍晋三政権成立後から、政府は厳しさを増す北東アジアの安全保障環境を考慮し、集団的自衛権行使について、憲法解釈(権利は有するが、憲法上行使することは許されない)の見直しを政治日程に乗せようとしているのは適切である。
 
 集団的自衛権の行使は、日米安保条約の信頼性をより一層高めることに貢献し、さらに価値観を同じくする海洋国家たるアジア諸国との連携も視野に入れるものである。
 
 そもそも、国際連合憲章に明記された集団的自衛権は、大国の拒否権行使の専横を防止するため、軍事的に劣る米州諸国が相互に連携し集団として防衛するチャプルテペック協定を基本としている。
 
 集団的自衛権行使の容認は、長年にわたる不行使の憲法解釈が国民に定着しているので、その変更については、分かりやすく、かつ丁寧な説明による国民への啓蒙が不可欠である。
 
 現在行われている政府、各政党間の議論、マスコミ報道は、容認派も、反対派も、法理面、政治、外交面に偏り、あるいは情緒に訴えるなど、我田引水の感がある。特に、自衛隊の作戦、運用面からの実態に即した合理的な議論や実証に欠けているのではとの危惧を持つ。
 

日本と米国の艦船、敵はどちらを先に攻撃するか?

米空母ジョージ・H・W・ブッシュに初めて着艦した無人機「X47B」(2013年7月10日)〔AFPBB News
 
 以下、2つの例を軍事的合理性の観点から考えたい。
 
 第1は、集団的自衛権行使容認における4類型の1番目の項目に挙げられている「公海上における米艦船の防護」である。
 
 これは、「日米が共同訓練で同一海域を行動している時、米艦船が攻撃を受けた場合、日本の海上自衛隊は、集団的自衛権行使ができないので、座視せざるを得ない」という問題提起である。
 
 相手の攻撃は砲撃、ミサイル、航空機、潜水艦などが考えられる。そのような攻撃が予想される海域は、共同訓練によって脅威を強く感じる国家が存在する東シナ海、南シナ海、日本海であろう。
 
 その海域で訓練を実施する場合、予告あるいは公表した時点で様々な抗議などが外交上行われ、その反応によって、実際に攻撃されるかどうか予測がつくと思われる。相手の軍事的準備状況、訓練監視などの現況を正確に把握しながら訓練を実施すれば奇襲攻撃を受けることはない。
 
 それでも想定外の攻撃が実施されるとした場合、相手は、日米のどちらの艦船を攻撃するかということになる。軍事常識からは「弱点攻撃」である。相手の立場からすれば日本の艦船をまず主目標とするであろう。
 
 弱点とは海上自衛隊が精強でないとの意味でなく、報復能力に欠ける専守防衛の装備しか有せず、また危機に即座に反応できない国家体制を指している。
 
 間違っても世界最大の報復能力を有し、武力行使をためらわない米国に属する艦船、いわば強点を、最初に攻撃する可能性は、作戦、戦術上の戦理として皆無に近い。したがって、第1撃を受けるのは日本側になるであろう。
 
 それに対し米国艦船が反撃するのは、日米安保条約に基づく連携であって集団的自衛権容認の論理的な根拠にはならない。
 
 また、相互連携できる海域で、前述のように戦理上可能性は低いが、米艦船が攻撃された場合は、その防護というより、第2撃は日本の艦船にも及ぶ緊急事態であり、直ちに反撃せねばならない。まさに緊急避難、個別的自衛権の範疇である。
 

「地球の反対側で戦闘」は実情を歪めた暴論

 「米艦船が攻撃された場合」の類型から導き出されるのは集団的自衛権の問題より、日本が米国と行動する場合、国家体制としての弱点を是正し、少なくも米国の足手まといにならぬ世界標準の国家たれということではないか。
 
 強いて集団的自衛権の問題として挙げるならば攻撃すると予測される相手の戦略情報、戦術情報のリアルタイムの共有である。言うまでもなく情報は戦闘力発揮のための重要な前提であり、これを相互に密接に連絡することが集団的自衛権行使に抵触するというならば、これを容認する基本的な根拠となる。
 
 以上が、軍事常識に適うシナリオである。可能性の低い「米艦船攻撃」を主題として取り上げ検討、議論するのは一方的に過ぎると考える。
 
 第2は、集団的自衛権行使を容認すれば「米国とともに地球の反対側まで行って戦争する」という議論についてである。
 
 これは、憲法を盾として、一国平和主義に安住した日本人の国民感情に訴えるもので、いわゆる俗耳に入りやすい。しかし、これは自衛隊の編成、装備、態勢を知ってか、知らずか、実情を故意に歪めた暴論としか思えない。
 
 自衛隊は「専守防衛」という基本にしたがって、その編制、装備などは国土戦に最適なように設計され、すべての教育訓練目標はそれに集約され、創設以来60年有余それを逸脱したことはない。
 
 陸上自衛隊を例に取れば、長期にわたって作戦可能な戦略部隊とされる「師団」の編制は国土戦ということで、補給整備部隊の規模が列国に比べ極端に小さく、海外で戦闘する場合、兵站面で欠陥を露呈する。
 
 現代戦は補給整備などの態勢が整っていなければ戦闘は継続できない。兵站を無視し多大の犠牲を払った日本軍のインパール作戦、糧食までも途絶し悲惨な状況に陥ったガダルカナル島作戦の戦訓を忘れてはならない。
 
 例えば、1個師団を海外に戦闘目的で派遣するとすれば、現在の編制、人員充足率から考えて、数個師団の兵站部隊を付加して編成せねば十分に機能しない。また、1個師団を派遣するならば、交代準備の師団が1つ、派遣の終了した師団は休養させねばならない。
 
 大雑把に考えても、それだけで国土防衛に即応する師団はなくなる。これでは日本が北東アジアに軍事的な間隙を作り、この地域の不安定要因となってしまう。
 

師団はもとより旅団の派遣も事実上不可能

 師団が無理なら旅団を派遣すればよいとの議論もあろう。しかし、旅団は国土の局所的な戦闘には適しているが、海外派遣となると各種の行政機能を付加し、兵站部隊を大幅に増強する必要がある。
 
 結局、師団派遣と似たり寄ったりの様相となるであろう。 第一線戦闘部隊は地球の反対側に行けるであろうが、その地域に、燃料、弾薬、食料、整備、衛生資材などを常続的に補給する輸送手段、シーレーンの防護がなければ継続的な戦闘任務を達成できぬことは自明である。
 
 次に、装備の実態について述べる。
 
 陸上装備の代表であり4世代にわたり国産開発した61式、74式、90式、10式の戦車の場合、開発の基本コンセプトは「日本の国土地形、気象に最適であること」である。これに加えて「武器輸出の禁止」があり国外で運用する考えは全くない。
 
 主要な性能である射程、速度、航続距離、河川の渡渉能力、登坂能力などは国土戦仕様であり、履帯の形状などは日本の地質に適合している。さらに、FCS(射撃統制装置)、通信機、乗員の環境などは日本の気象を考慮して設計されている。
 
 このように戦闘装備はもちろんであるが、隊員の衣食住に関わる装備もすべて日本仕様に統一されており、海外での戦闘は完全に考慮外にある。
 
 「地球の反対側まで行く」という論者の想定地域は、米国が関心を持ち、日本の石油輸入のほぼ100%を依存する紛争の絶えない中東であろう。
 
 この地域は砂漠地帯で、気温は想像を絶する高温であり、さらに砂質の微粒子が粉塵として舞う環境である。このような地域で日本仕様の装備が、その性能を十分に発揮できるだろうか。
 
 恐らく、戦車のエンジンは過熱し、フィルターで濾過し得なかった微粒子により摩耗し、FCS、通信機は高温、砂塵のため、その性能を極端に低下させるであろう。履帯は摩耗変形し機動に支障を生じ、戦車乗員は冷房設備もなく体力を一挙に消耗することになろう。
 

日本が誇る戦車も灼熱の中東地域では性能発揮に疑問

 第4次中東戦争に参加したエジプト軍の戦車将校から直接聴取したことだが、「エジプト軍は当時、西欧、ソ連など世界各国から輸入した戦車でイスラエル軍と対峙した。部品の補給、整備体制が整わず、戦闘数日にして稼働率が一挙に下がった。ソ連の戦車は寒冷地仕様でとても高温の砂漠地帯では運用できず、さらに戦車乗員の体力消耗で戦闘不可能になった」と実情を話してくれた。
 
 地球の裏側で戦闘を可能にするには、自衛隊の従来の装備体系を根本的に改め。世界基準にする必要がある。さらに、中東など予想戦場において開発段階から実験を反復せねばならない。
 
 このようなことが、果たして国際情勢、日本の政治姿勢、経済状況、国民感情などから許されるだろうか。
 
 以上、軍事常識の観点から、集団的自衛権行使容認の論議に疑問を提示した。
 筆者は日本を取り巻く北東アジアの安全保障環境の厳しさから、米国の信頼をより強固にするため、また大陸周辺の海洋国家群との連携をにらんで、集団的自衛権行使は、憲法解釈上容認されるべきと考える。
 
 さらに進んで、憲法改正によって疑義なきよう明確に規定されるべきである。しかしながら、この問題は、将来の安全保障の方向を決定する重要課題であるため、政府、政党、マスコミなどは、あらゆる角度から公明正大に議論し、国民世論の関心を高め、その冷静な理解と判断を求めねばならない。
 
 集団的自衛権行使は、すでに何度も繰り返したが、安全保障環境が厳しさを増している北東アジアにおいて、将来も海洋国家として価値観を同じくする諸国と連携、協調し、生存と繁栄を図ってゆく国家安全保障戦略の基盤となる。
 

 机上の空論を排し、真剣かつ責任ある議論がなされねばならない。


JBpress.ismedia.jpより引用
 
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緊迫化する東アジアでオリンピックは安全に開けるか
過去の歴史から2020年の安全保障環境を予測する
2013.10.23(水)森 清勇
 
(1)からの続き
 

「党や政府の嘘」は見抜かれている

 共産党は過ちを犯さないというテーゼがあるようで、党幹部は急場をごまかしてでも間違いないと言わなければならない。
 
 最近の日中関係では尖閣沖の漁船追突事案や射撃用レーダー照射事案などでの中国の発表がそうである。「日本の巡視艇がぶつかってきた」「一般の捜索レーダーであった」など、人民に対しては悪いのは日本であると言い続けなければならない。
 
 『中国人一億人電脳調査』(城山英巳著)では、国際会議で来日して東日本大震災に遭遇した中国の知識人たちから、「今まで歴史教科書で教えられ、共産党機関紙や国営の通信社・テレビなどの伝統的メディアによって伝えられてきた『日本』と現実の日本は違うのではないか、という『見直し論』が出ている」という。
 
 こうした視点から、著者は「社会にうごめく『民』の動きを見ないと、中国や日中関係は理解できないと思い」、5億人とも言われるインターネット人口を有する中国で、1億人が利用する「新浪微博」(ネット)を活用して読者に質問を投げかけ、寄せられた3600件に上る回答を分析している。
 
 ネットでは歴史教科書や伝統的メディアが伝えてきた「日本」、つまり共産党が作り上げた「日本像」とは違う真実の「日本」を見たいという欲求に駆られる若者の姿があるという。
 
 そうした中で、「東日本大震災を受け、中国では日本人の美徳を認識し、(教わってきた)戦争中の残虐なイメージと全く違った『新たな日本』像を模索する動きも出てきた」とも言う。
 
 「石平のChina Watch」(「産経新聞」25年8月15日および9月12日)によると、中国中央テレビが日本を現地取材して中学生たちに「日中戦争中に多くの中国人が死んだことを知っていますか」「南京大虐殺を知っていますか」などの質問を投げかけたそうである。
 
 「知らない」と答えると、番組解説者は「日本の歴史教科書は歴史を改竄して子供たちに侵略の歴史を教えていないから、こうなったのですね」と日本の教育への批判を繰り広げたそうである。
 
 ところが、視聴者からミニブログに上がってきたコメントには、「よく嘘をつくメディアは人民日報、よく捏造する教科書は中国の教科書だ。お前らこそ毎日のように人民を騙しているのではないか」
 
 「文革以来、一体誰が多くの中国人民を惨殺してきたのか。日本人ではないぞ」
 
 「自国の歴史さえ正視できないこの国が、他国に正しい歴史認識を求めることができるのか。嘘ばかりつくこの政府は他人に真実を語れと要求できるのか」
 
 などの辛辣なものが多数あったそうである。
 
 石氏は「習近平指導部が党内の統制に失敗していると同時に、共産党が思想・イデオロギーの面においてすでに収拾のつかない混乱状況に陥っている。・・・習近平がラストエンペラーとなるとの予言はひょっとしたら実現されるのかもしれない」とも書いている。
 

中国は崩壊するか

 最近目にした幾つかの予測を拾い上げてみる。
 
 『2014年、中国は崩壊する』(宇田川敬介著)は、胡錦濤・温家宝政権は北京オリンピックや上海万博を成功させたが、貧富の格差(上位5%と下位5%の世帯収入比)は2010年時点の129倍から12年時点では234倍に拡大し、暴動は年間18万回にも上る状況でバトンタッチした。習政権は当初の1年間、すなわち14年初めまではメンツにかけて暴動などは抑え込むが、その後は政治不信の高まりで下層民衆の突き上げが容赦なく起きる。下層民出身の兵士や下級将校を多く抱える人民解放軍も、郷里や自分の親族を敵に回すことができない板挟みに直面し、最終的には兵自身が反乱を起こす可能性があるとみる。
 
 公安警察や武装警察も同様で、こうした武力集団が離反した王朝は転覆するという歴史の教訓から読み取っている。
 
 『中国人の8割は愚か!』(黄文雄著)では、最後の章で「遠からずやってくる中国崩壊のシナリオ」を描く。
 
 崩壊年を特定して予測しているわけではないが、秦漢帝国や隋唐帝国と現代の「中華民国・中華人民共和国」が非常に似ており、両帝国の崩壊劇の中には、中華人民共和国、すなわち現在の共産党独裁の中国の運命を予感させる諸要素がほとんど散りばめられているというのである。
 
 そうした鍵は、経済力や軍事力で覇を唱える力がついても、文化力などのソフトパワーがない限り魅力がないという点にありそうだ。
 
 中国外務省の広報官などが日本をののしる姿は、当人は正しい主張などとは少しも思っていないが仕事だから仕方なく言っているポーズに過ぎない。
 
 反日感情にしても「デモに繰り出されれば声高に反日を叫ぶが、普段はそんなことは考えてもみない。真実は何も知らされず、国家に抑圧され搾取されて、日々の生活に追われるばかり。たまに起きる反日デモに参加すると、当局にストレス発散を許されたとばかりに暴れまくる」とみる。
 
 中国の大衆が本当のことを知るようになったら、共産党独裁が許されなくなってしまうから、民主化は中国の命取りになる。従って、表面の言葉とは裏腹に、「党人の天国、人民の地獄」は指導部の望む姿である。
 
 上位0.02%(13億人民のうち約26万人)の人たちが国富の80%を独占しているのは偶然ではない。推定で年間約300万人が中国を脱出しているという。政府高官の家族や子女も含まれ、25年間で130万人に達し、持ち逃げされた財貨は6000億ドルに上るとみられている。
 
 内情暴露や政府に対する詰問はインターネット空間で行われるようになった。そこで、従来は3万人と言われたインターネット警察を30万人に増大したと言われる。
 
 なお、最近の報道では6億人近いネット利用者を監視し、政府に不都合な情報を報告したり削除を行う検閲官が200万人いると言われる。しかし、ネット情報が一気に拡散する状況に対応するためにはさらに120万人が不足するとの試算もあり、講習会を開いて「公認ネット監視員」の養成に乗り出すということである。
 
 2011年度は公安安全費(前年比13.8%増の6244億元)が国防費(同12.7%増の6011億元)を上回るまで膨らみ、完全な警察国家になった。こうした中国がいずれ崩壊することは必然だという。
 
 『100年予測』は「深刻な経済危機が現実のものになった場合、中央政府は共産主義に代わるイデオロギーを見つけなくてはならない。『偉大な国・中国』という思想が、失われた共産主義イデオロギーにとって代わるだろう。中国政府は問題の責任を他国に転嫁し、外交的手段や高まる軍事力を背景に外国政府と対決することで、政権への支持を集める。これが起こる可能性が最も高いのは2010年代である。対立の相手国としてうってつけなのは、日本とアメリカのいずれか、または両方である」と述べる。
 

おわりに

 昨年発足した習体制は2017年で1期目を終わり、その成果によって2期目に突入する。それは共産党結党100周年を迎える期間でもあるが、奇しくも党は存亡の危機に直面しているに違いない。
 
 過去の東京オリンピックとの関連で言えば、1936年のIOC総会で招致が決まった1940年開催は、1937年からの日華事変で返上のやむなきに至った。
 
 1964年の東京大会は中止にこそならなかったが、中国は開催4カ月前に大陸間弾道弾の試射を行い、オリンピック開催中には核実験をして、日本に動揺を与えた。
 
 2020年は見てきたとおりである。中国では混乱が予測され、中国夢は悪夢になりかねない。共産党指導部はナショナリズムの発揚に転換して矛先を日本に向け、オリンピックの阻害要因にならないとも限らない。
 

 日本が最新の科学技術と「おもてなし」の心で世界をびっくりさせるような「文化発信のオリンピック」とするためには、コンクリートによる国土強靭化も然ることながら、何よりも憲法をはじめとする法体制の整備によるソフト面での安全保障体制の強靭化が不可欠である。


JBpress.ismedia.jpより引用
 
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緊迫化する東アジアでオリンピックは安全に開けるか
過去の歴史から2020年の安全保障環境を予測する
2013.10.23(水)森 清勇
 

はじめに

本が東京オリンピックを迎える2020年はどんな年になるのだろうか。オリンピックが明確は目標となり、政治のねじれ解消とも相まって、国土強靭化や社会保障など懸案分野の進捗が期待され、東京をはじめとする日本全体が大きく変わることが予想される。リニア鉄道も一部開業するかもしれない。
 
東京が開催地に決定したことを発表するIOCのジャック・ロゲ会長(2013年9月7日撮影)〔AFPBB News
 
 同盟国の米国は「世界の警察官ではない」と公言するように内向き傾向を強めており、国家を挙げて反日に突き進んでいる中韓や、一筋縄ではいかない北朝鮮への抑止力低下が危惧される。
 
 他方、中国では貧富の格差拡大が懸念され、中華民族の復興というナショナリズムの高揚は日本への脅威となって顕在化するかもしれない。
 
 1980年代には一時中国の崩壊を予想する向きもあったが、改革開放が成果をもたらし国力増進につながった。崩壊したのは口の端にも上っていなかったソ連であった。
 
 ここで簡単に、国際社会の変遷を既に過ぎ去った20世紀で振り返ってみよう。
 

20世紀を20年ごとに診る

 時代はどれくらい急速に変わるか、すなわち予測はどれくらい当たるかと言ってもよいが、ジョージ・フリードマン著『100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図』で概観してみる。
 
 著者は「影のCIA」の異名を持つ企業のCEOで、政治、経済、安全保障に関わる独自の情報を米国政府機関や外国政府などにも提供している。
 
 氏の1900年代回顧では、20年ごとにものの見事に変化の大局をとらえている。1900年は平和で、かつてない繁栄を享受していた欧州が東半球を支配していた。
 
 その欧州が、1920年になると大きな苦しみを伴う戦争で引き裂かれ、数百万人の命が失われる。オーストリア・ハンガリー、ロシア、ドイツ、そしてオスマン・トルコの各帝国は消え去ってしまう。
 
 共産主義がロシアを席巻するが、永らえられるかどうかは定かでなかった。欧州勢力圏の周辺部に位置した米国や日本が大国となり、不利な講話条約を押し付けられたドイツは浮上するはずがないと見られていた。
 
 そのドイツが1940年になるとフランスを征服し、欧州を支配する。共産主義のソ連はナチス・ドイツと同盟を結び、今後100年間のヨーロッパの運命は決まったかと思われた。
 
 しかし、1960年になると、ドイツは米国とソ連によって占領され二分される。米ソの対立が起こり、米国はソ連を包囲し、圧倒的な核装備でソ連を全滅させることもできる超大国になっていた。
 
 その米国が1980年になると北ベトナムに敗れ、米国の凋落が明らかになる。米国はイランからも追われ、ソ連を封じ込めるために中国と手を組むことになる。
 
 そして迎えた2000年。ソ連は崩壊し、中国は資本主義化した。北大西洋条約機構(NATO)は東欧だけでなく、旧ソ連諸国にまで拡大するが、1000年王国も夢ではないと思われた米国に、思いもしなかった9.11(2001年)が待っていた。
 
 1900年代の100年を通覧したフリードマンは、「未来について唯一確信をもって言えることは、常識が通用しなくなるということだけ」であるという。ことほど左様に、国家の興亡や権力の異動は激しく、予測などはおこがましいということであろうか。
 

2020年という年

APEC(アジア太平洋経済協力会議)・CEOサミットで講演する中国の習近平国家主席(2013年10月7日撮影)〔AFPBB News
 
 日本の安全に関わる観点からは大陸と半島の情勢展望が不可欠である。
 
 中国共産党は結党100周年を翌2021年に迎えることになり、成果を否応なく鼓吹しなければならないだろう。
 
 軍事的には第2列島線への足がかりとしての第1列島線の完成は至上命令で、そのための宇宙および海空戦力の充実である。人間衛星や中国版宇宙ステーションは人民を鼓舞する最大のショウになるだろう。
 
 実用面では米国のGPS(全地球測位システム)に相当する独自版の「北斗」の整備がある。すでに尖閣諸島を偵察した無人偵察機(高度8キロ、連続飛行40時間)の性能を大幅に上回る「翔竜」(高度18キロ、30時間以上可能)の開発も進めており、北斗の整備で格段の運用性向上が見込まれる。
 
 貧富の差が拡大して、国内の統制が困難になることが予測されるので、党指導部と政府は対外向けの強硬姿勢で国民のナショナリズムを煽り人民の注意を逸らすと同時に、対内的には治安警察などによる監視・引き締めに注力すると見られている。
 
 韓国はここ15年ばかり親日派いじめをやってきたが、現在はさらに高じて日本排除になっている。そのためにと言うべきか、安全保障面を等閑視し親北勢力の拡大を大目に見てきた結果、ついに内乱計画を許すまでになっていた。
 
 9月、韓国検察に内乱陰謀罪で起訴された議員の統合進歩党は、北朝鮮が戦争を勃発させるときに備えて、ソウルで武装暴動を準備していたと言われる。
 
 戦時作戦統制権の返還要求は独立国家の名誉云々が名目であるが、盧武鉉の底意は親北勢力への激励メッセージではなかったのか。作戦統制権が移管されるということは、韓国が独立国家であることをアピールするが、現実は米軍のプレゼンス縮小につながり、北の活動活性化を助長することにつながる。
 
 「正しい歴史認識」問題とも絡み、韓国は中国にすり寄っていった。その影響は安全保障の分野にまで及んできた。有事に物品を融通し合うACSAに関して、日本と進めていた締結を翻意し、一転して中国との締結交渉に走った経緯がある。
 
 北朝鮮に対する中国の庇護は、習近平政権の強い姿勢、ならびに中国自身の疲弊と国内対策などに追われて期待できそうもない。
 

 核とミサイル、離散家族問題や開城工業団地再会など、飴とムチで韓国に揺さぶりをかけ、韓国内部の同調勢力と連携しながら、他方で米国に手出しができないようにしつつ、半島における主導権獲得を虎視眈々と狙ってくるに違いない。

 

現実の中国

中国・浙江省の住宅紛争で、強制立ち退きのために動員された治安要員を取り囲む住民たち(2011年)〔AFPBB News
 
 中国の現実に目を向けると、国内の安定度を示すとされるジニ係数は革命がいつ起きてもおかしくない0.5〜0.6域まで来ており、人民の不満は暴動発生頻度の増大として表れている。こうした不満を抑えるのは経済発展と貧富の格差是正(縮小)でしかない。
 
 データの捏造やごまかしは日常茶飯に行われているとも聞く。例えば、軍事費では西側は中国が計上している2〜3倍と見ているし、2009年の人口にしても、民政部は13.6億人、公安部は14.5億人、社会科学院は15.2億人と、政府内部の各機構で数値が異なっている。
 
 以前2桁台の成長率を誇ってきた国内総生産(GDP)も、急激な減速傾向にあり、7〜8%より低下すれば国家の運営が成り立たないと言われている。政府発表の来年度成長率7.8%には、シャドーバンキングが掌握できていないこととも相まって疑問が呈されている。
 
 実体経済から見て、貧富の格差は拡大の一途で、習政権は「中華民族の復興」という中国夢を掲げてナショナリズムに訴えるしか方法を見つけられないでいるとも言われる。欧米の銀行をはじめ、中国の知識人や富裕層までが習政権に失望を隠せず、脱中国に拍車をかけていると報道されている。
 
 農民などが暴動を行っているだけではなく、インターネットを含む網民と呼ばれる不特定多数の人民が党や政府の言動に信を置いていないこともはっきりしてきた。そうしたこともあって、独自の調査報道で広く読者を獲得している「南方週末」の論説差し替えなど、せざるを得ない状況にまで追い込まれていたのであろう。
 
 しかし、その差し替えが明らかになる現実であり、知識人による是非論が大いに交わされた。こうして、最近では党機関誌「人民日報」系の「環球時報」にも党指導部の行動に対する批判的な見解が表明されるようになってきた。
 
 それどころか、共産党中央委員会直属の教育機関である中央党校で教鞭を執る教授が「憲政こそは国家安定維持の大計」だと訴えて、民間知識人の多くが求めている「憲法を基本とする政治」に同調する講演録を掲載したそうである。
 
 人民日報は「憲政批判」キャンペーンに力を入れているが、高級党員の養成校でさえ、憲法の上に立つ党でなく、党の上に立つ憲法を主張し始めているというわけである。
 
 ソ連はグラスノスチ(情報公開)で国民の支持を得てペレストロイカ(改革)を断行しようとしたが、失敗し崩壊した。
 
 中国共産党指導部はそうした教訓を汲む一方で、党員の放言などの引き締めが欠かせないと思うようになり、ソ連とは対照的に「報道の自由」や「公民の権利」など7つの言葉を、使ってはいけないとする「七不講」(チーブジャン)の指示を出し、言論を統制して国内引き締めに血眼になっている。

(2)へ続く
 
JBpress.ismedia.jpより引用
 
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フィリピンの危機は日本の危機、
中国から南シナ海を守れ
2013.10.17(木)北村 淳
ジア重視政策を強調していたオバマ大統領がTPP首脳会合やASEAN、それに東アジアサミットの全てを欠席した。そのため、ケリー国務長官が派遣されてアジア重視政策を堅持する姿勢をアピールすることに努めたが、アメリカ大統領欠席の実質的影響(少なくとも東南アジア地域安全保障における)は避けられないと、多くの東アジア安全保障に関与する米軍関係者の間で残念がられている。
 

米比同盟の強化に水を差すことに

 南シナ海南沙諸島に対する中国の領有権確保の行動が露骨になるにしたがって、海軍力ならびに空軍力が極めて弱体なフィリピンは、アメリカ軍による強固なプレゼンスを再び求めるようになった。そのため、アメリカとフィリピンはかつてのようにスービック軍港にアメリカ海軍を常駐させる方向での具体的調整を進めている。
 
 多くの米軍・シンクタンク関係者たちは、このようなタイミングでオバマ大統領がASEANや東アジアサミットで南シナ海の安全保障問題に対する懸念を表明し、フィリピンのアキノ大統領と会談してアメリカ海軍・海兵隊・空軍によるフィリピン常駐、あるいはより密接な合同軍事演習の開催などをぶちあげることを期待していた。たとえ「南シナ海の海洋安全保障に関する米中間の話し合いが平行線をたどったとしても、中国の南シナ海侵攻戦略に対して強力なブローを食らわせることになったに違いない」と考えられるからである。
 
 ところが、中国に一撃を食らわせるどころか、肝心要のオバマ大統領が姿を現さないという、まさに想定外の事態となってしまい、中国側は胸を撫で下ろすとともに、フィリピンやベトナムなど中国と対立している諸国はオバマ政権のアジア重視政策に対して深く失望を覚えたに違いない。
 
 特に、フィリピンにとってアメリカ海軍は頼みの綱であり、軍レベルでの具体的調整は続いているものの「オバマ大統領による直接的な中国牽制が実現しなかったのはフィリピンにとってもアメリカ海軍にとっても痛恨の極みである」とアメリカ海軍関係者は述べている。
 

軍事力の裏付けが伴わない安倍首相の声明

 オバマ大統領が欠席した一方で、安倍晋三首相による南シナ海の海洋安全保障に対する「全ての関係国が国際法を順守し、一方的な行動を慎むべきである」との声明は、フィリピンやベトナムなど中国と敵対する国々からは大いに歓迎された。
 
 しかしながら少なからぬ軍事関係者からは、アメリカの同盟国である日本の首相によるこの種のコメントは極めて重要であるものの、日本自身が尖閣諸島問題で中国に効果的反撃を加えずに「アメリカ頼み」という姿勢を国際社会にさらけ出してしまっているという状況下では、安倍首相の声明は単なる「原則論」を述べたにとどまり、中国共産党の覇権主義に対する実質的牽制とは程遠いとの声が聞かれた。
 
 もしも日本が東シナ海、そして南シナ海で具体的な対中牽制行動(もちろん挑発的である必要はないのであるが)を実施するならば、それこそフィリピンをはじめ多くの東南アジア諸国を励まし、力づけることになる。それだけではなく、同盟国日本が自らの領域防衛(東シナ海)と自らのシーレーン防衛(南シナ海)のためにようやく立ち上がった、との明るいニュースがアメリカ政府にもたらされ、停滞気味のアジア重視政策にエンジンがかかるものと思われる。
 

日本の国益を直接左右する南シナ海情勢

 日本では、南シナ海での南沙諸島や西沙諸島をめぐる中国による覇権主義的領域拡張行動が、尖閣諸島そして東シナ海での「明日は我が身」的な状況として取り沙汰されている。しかしながら、南シナ海での出来事は決して対岸の火事ではない。
 
 中国共産党が主張するように南シナ海が「中国の海」となってしまうことはもちろん、南シナ海での領有権紛争が激化してトラブルが頻発する海域になってしまうことは、いずれも日本の国益を直接的に損なうことになる。その点を我々は強く認識しなければならない。
 
 なぜならば、日本に石油・天然ガスをもたらす莫大な数の各種タンカーが航行しているシーレーンの85%程度は南シナ海を通過しているからである。
 
 もし南シナ海が名実ともに「中国の海」となってしまった場合、日中間で極めて深刻な対立が生じた際には、中国が日本に対して「南シナ海での日本向け船舶の航行の安全が保証されないであろう」旨の通告を突き付ける事態が想定される。それにより、シンガポール沖から南シナ海を北上しバシー海峡を抜けて日本に向かう莫大な数のタンカーは、マカッサル海峡を抜けてフィリピン海を北上し、日本に向かう迂回航路を航行しなければならなくなる。その結果、輸送費が跳ね上がるだけでも、日本経済が被る影響は計り知れない。さらには、日本向けタンカーは危険であるとの“風評”も生じて、保険料や船賃自体が高騰し、日本にエネルギー危機をもたらすことになるであろう。
 
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日本向けシーレーン迂回航路
 南シナ海が完全に中国の手に帰さなくとも、南シナ海の数多くの岩礁をめぐって覇権主義中国が海軍力や空軍力を投入して軍事紛争が頻発するようになるだけで、上記の状況に準じて日本向けタンカーや船舶はフィリピン海の迂回航路を航行せざるを得ない状況に直面し、日本経済そしてエネルギー供給は深刻な危機に直面してしまう。
 

フィリピンに海自艦艇を派遣せよ

 上記のような状況に立ち至らないために、かつては日本もフィリピン同様にアメリカ軍事力を頼り、アメリカの威力によって中国に対して睨みを利かせてもらうことを期待していればよかった。しかしながら、2期目のオバマ政権下で、急転直下「アメリカ頼み」は極めて危険であることが表面化し、アメリカ軍関係者たち自身もそのような危惧を述べ始めている。まさに、「アメリカ頼み」には見切りをつけるべきターニングポイントに日本は立たされている。
 
 それでは、南シナ海での日本の国益すなわち南シナ海を縦貫して日本に石油と天然ガスをもたらす“日本の生命線”としてのシーレーンの自由航行を確保するには、どうすればよいのか?
 
 もちろん「アメリカ頼み」から脱却しなければならないとはいっても、日米同盟は実質的に強化していかねばならないことは言うまでもない。ただし、自主防衛能力を飛躍的に強化して「足らざる部分を同盟により補う」という対等な立場の軍事同盟に日米同盟を変質させていかなければならない。
 
 フィリピンの海軍はようやくフリゲートを2隻(いずれもアメリカ沿岸警備隊の旧式カッター)手に入れた程度で、小型哨戒艇しか装備せず、どの艦艇からも対艦ミサイルや防空ミサイルを発射できる能力は保持していない。また空軍は、わずか12機の軽攻撃機(それに加えてアメリカからF−16戦闘機12機を導入する計画があるが)しか保有していない。そんなフィリピンを、南シナ海でなんとかアメリカが支えようとしているわけである。
 
 しかし、シリア攻撃が不発に終わった経緯や、その際にオバマ大統領が事前に連邦議会の承認を得ようとした悪しき前例(本コラム「軍事介入に消極的になった米国、そして中国がほくそ笑む」参照)を構築してしまったこと、それに強制財政削減によるアメリカ軍の弱体化(本コラム「アメリカの強制財政削減でいよいよ日本は追い込まれる」「米陸軍が国防費枯渇で存亡の危機に、立ちはだかる中国の『A2/AD戦略』」参照)等々から判断すると、かつてのアメリカのようにフィリピンに対する万全な抑止力の提供は極めて困難と見積もらざるをえない。したがって、日本が自らの生命線とも言えるシーレーンの安全を確保するために、日本自身がアメリカ海軍と協力しつつフィリピンに軍事的支援を提供することは、まさに南シナ海における日本の自主防衛努力の第一歩と考えられる。
 
 もちろん、現状では海上自衛隊シーレーン防衛艦隊を編成してスービック軍港を拠点に南シナ海をパトロールすることは戦力的にも、経済的にも、国内法的にも不可能である。そこでとりあえずは海自艦艇や哨戒機などをフィリピンに派遣して、フィリピン海軍や空軍それにアメリカ海軍との共同訓練や、フィリピン将兵に対しての実地教育訓練などを実施し、恒常的にスービック軍港はじめフィリピン周辺海域に自衛隊のプレゼンスを維持させるのである。
 
 日本が、積極的に自主防衛のための軍事を展開したとなると、日本やフィリピンの“親分”として振る舞い続けていたいアメリカは、無理をしてでもフィリピンに対する軍事力の展開を強化し、南シナ海での対中封じ込めで“お山の大将”たらんとするのは必至である。その結果、日本にとっての自衛隊展開の目標である南シナ海シーレンの自由航行の確保は、日本自身の努力と、日本によって引きずり込まれるであろうアメリカ軍事力によって維持されることとなる。
 

何としてでもひねり出さねばならない国防費

 もちろん、現状でも各種作戦行動に支障をきたす程度の予算しか割り当てられていない海上自衛隊に、フィリピンに展開をする余力はない。何としてでも国防費を大幅に増額することが、いかなる分野においても自主防衛努力をスタートさせる大前提となる。
 
 確かに口では「対等な日米同盟関係」などと言う日本の政治家は少なくない。だが、外敵による現在・近未来の軍事的脅威レベルを国際水準に照らして判断すると、日本の国防予算は“冗談”と言われてもしかたがないほど小規模である。このことは、予算的にも精神的にも極めて苦難が多い自主防衛努力を半ば放り出して「アメリカ頼み」を続けている何よりもの証左である。
 
 しかしながら、「アメリカ頼み」は期待できなくなった現在、自主防衛能力の急速な構築が絶対に必要であり、その大前提として国防予算を何としてでもひねり出さなければならない状況に日本は直面しているのである。
 

 そのためには、国家存続のために必要とされている自衛隊と比べると無用の長物としか見なせないような無駄な国家支出を大幅に削減するなり(例えば、憲法改正なしでも実施できる国会議員定数の半減など)、経済学者の丹羽春喜氏(大阪学院大学名誉教授)が主唱している政府貨幣発行権を行使するなり(アメリカでも迫り来るデフォルトに対処するため連邦政府によるコイン発行権の行使が囁かれている)、前例からかけ離れた思い切った手を打って国防費を捻出する必要がある。


JBpress.ismedia.jpより引用
 
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中国軍と自衛隊はどちらが優勢なのか?
実戦経験のあるアメリカの軍人はこう見ている
2013.10.10(木)北村 淳
制財政削減どころか一部連邦政府機関の閉鎖が実施され、アメリカはいよいよデフォルト(債務不履行)の可能性すら非現実的とは言えなくなってきた。さすがにオバマ大統領も「アジア重視」といったかけ声はどうでもよくなり、TPP首脳会合ならびにASEAN出席を含んだアジア歴訪を全てキャンセルした。
 
 自国の歴史始まって以来初のデフォルトに直面している以上、アジア訪問どころでなくなったのは当然であり、「アジア重視」政策などというものはアメリカに余裕があるのを前提としたものであることが、誰の目にも明白な形で国際社会にさらけ出されたのである。
 

期待できなくなった米軍の救援

 安全保障分野では、オバマ政権の「アジア重視」にすがりついている日本とフィリピンは直撃を受けることになる。日本のメディアは、アメリカの強制財政削減や連邦政府機関閉鎖(それにデフォルト)が日本の国防を直撃することに関してあまり言及したがらないようである。しかしながら本コラムでも幾度か言及したように、強制財政削減が実施されている現在でもすでにアメリカの軍事力は低下し始めており、とても同盟国に対する強力な軍事支援など実施できる状況ではない。
 
 また、これまでわずか数日間続いている連邦政府機関シャットダウンでも、制服を着た軍人はほぼ平常通りの勤務体制を維持しているが(ただし給与は将来払いとなっており、現時点ではタダ働きのため、士気が下がっているという指摘もある)、国防総省レベルでの戦略策定に携わっている数多くのシビリアンのアナリストやストラテジストには影響が出ている。
 
 このようなアメリカが直面している危機的状況の中で、そして、ますます状況は悪化に向かいつつある中で、アメリカの軍事関係者たちの間でも、東シナ海や南シナ海などで中国が傍若無人な行動に出る日が迫っているとの前提で、様々な議論が繰り広げられるようになってきた。
 
 もちろん、これまでも中国人民解放軍の敵対行動に対するシミュレーションなどは数多く検討されているが、それらは全てアメリカ軍が自衛隊やフィリピン軍を支援するシナリオであった。しかし、ここのところ話題になっているのは、現状ではアメリカの本格的軍事介入は不可能に近いという見方が広まっているため、「アメリカ軍が関与しない状況で自衛隊と人民解放軍のどちらに軍配が上がるのか?」といった想定問答の類である。
 

「現状を見れば明らかに中国軍だ」との説が多数

 米中経済安全保障検討委員会のラリー・ウォーツェル委員は、「中国は多額の軍事投資をし続けているが、日本の軍事力にはいまだに及ばない。アメリカ軍を除外すると、東アジア地域で最強の海軍力と最強の空軍力を誇っているのは、間違いなく日本である」とワシントンDCのInstitute of World Politics(大学院レベルの教育機関)で語った。そして「日本は憲法第9条によって国家主権発動としての戦争を永久に放棄しているものの、最新鋭かつ最も効率的な海上自衛隊と航空自衛隊を維持しているため、とても日本と事を構えようとする国は現れないであろう」とも指摘した。
 
 だが、ウォーツェル博士の意見に対して「中国ではなくなぜ日本!?」という疑問の声が殺到している。
 
 それら反対意見の多くを要約すると次のようになる。「主力戦闘機の数も攻撃潜水艦の数も人民解放軍は自衛隊の倍以上であり、日本には弾道ミサイルも攻撃原潜もない。自衛隊の方が、訓練やロジスティックスやテクノロジーが優っているとの指摘もあるが、5年前ならばいざしらず、現在の人民解放軍のそれらのレベルがいまだに自衛隊に及ばなくとも、そのような質的劣勢は様々な装備の量的優勢によって凌駕してしまっている。それだけではなく、人民解放軍はアメリカはじめ世界中から様々な手段により手に入れている最新技術を実用化し続けているため、テクノロジーの差だって逆転しているかもしれない」
 
 このような人民解放軍優勢論に対して、「いくら優秀な兵器を数多く揃えても、コミュニケーションシステム、指揮・統制システム、情報システム、訓練といった軍事の根幹をなす分野のほとんど全てにおいて人民解放軍はトラブルを抱えている。果たして、そのような軍隊が、効率的に各種最新兵器を活用して素晴らしい作戦行動を実施できるのであろうか?」という疑問の声も少なくない。
 
 しかしながら、「アメリカやヨーロッパ諸国から中国に流出した(あるいは中国によって盗み取られた)最先端軍事技術の実用化速度から判断すると、中国の軍事技術レベルは日本をはるかに凌駕してしまっている。中国は軍事的にははるかに日本より強力な国家となっており、かつては比較することすら馬鹿げていた人民解放軍とアメリカ軍の質的・量的隔たりすら、現在では急速に縮まってきており、その隔たりは『あと、どのくらいで埋まってしまうのであろうか?』という検討が加えられる段階にまで狭まってしまっている。すなわち、中国人民解放軍の軍事力は、日本自衛隊などと比較する段階ではなくアメリカ軍と比較する段階に立ち至っているのである」といった内容の中国優勢論が数多く主張されている。
 

実戦経験のある軍関係者の意見

 この種の「自衛隊と人民解放軍はどちらが強いのか?」といった議論は、想定されるシナリオによっても、またそのシナリオが前提とする国際状況によっても、大きく回答が異なるため、一概に論ずることはできない。実際には、多くの議論は「何らかの理由で日中が全面戦争となり、中国軍が日本に侵攻する」という、勃発可能性が限りなく低いシナリオを前提に論じている場合がほとんどである。
 
 現実に東アジアの軍事情勢を専門にしているアメリカ軍関係者や軍事専門家たちなどと話し合うと、日中全面軍事対決といった状況に立ち至った場合には、「人民解放軍空軍や海軍が航空機や軍艦を押し並べて日本のどこかに侵攻し、空自や海自の迎撃部隊と戦闘を展開する」といった類の“armchair generals”たちの議論のように事態は推移しないということで意見が一致する。
 
 万が一にも中国共産党指導部が「軍事攻撃を発動してでも日本政府に対して中国の要求を押し付ける」という最終決断に踏み切った場合には、まず「剥き出しの軍事攻撃」ではなく「対日軍事攻撃が実施される可能性による威嚇」を日本政府と国民に突き付けることになる。
 
 すなわち、(1)日本全域を攻撃することが可能な1000発近い数の弾道ミサイルと長距離巡航ミサイルによる対日攻撃(下の地図)の警告、それに(2)日本のエネルギー源である原油・天然ガスを日本にもたらす「生命線」としてのシーレーンを南シナ海やインド洋で妨害するとの警告、を日本政府に発することにより、「戦わずして」中国の要求を日本政府に受諾させようとするに違いない。
 
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長射程ミサイル攻撃による中国の威嚇(拙著『尖閣を守れない自衛隊』宝島社新書より)
 このように考えた場合、自衛隊はその持てる防衛資源(艦艇・航空機・各種防空ミサイル)を総出動させて中国の「脅し」に備える必要が生ずる。そして、自衛隊の艦艇や航空機は、飛翔してくるかもしれない弾道ミサイルや長距離巡航ミサイルを発見し(できれば)撃墜するために配置について、それらを待ち受け続けなければならなくなる。さらに、日本近海のシーレーン防衛のためにも、ミサイル防衛態勢を固めるとほとんど枯渇状態になってしまう艦艇や航空機を無理をしてでも配置に就けなければならなくなる。
 
 現状の海自・空自の戦力レベルでは、ミサイル防衛態勢と近海シーレーン防衛体制を固めるだけで、海自・空自の防衛資源は総出動を余儀なくされることになる。加えて、日本周辺から先の日本のシーレーンの大半は、日本自身で守れるだけの戦力を自衛隊は保持していないため、エネルギー源の途絶は覚悟しなければならなくなる。
 

“地味な”静的戦争で日本政府が屈服

 このように、現実の日中戦争は
 
「中国側の脅し」
→「自衛隊による迎撃態勢」
→「自衛隊の防衛資源の枯渇」
→「エネルギー源途絶の危機」
→「日本政府の屈服」
 
といったステップをたどり、「中国空軍や海軍が航空機や軍艦を押し並べて日本のどこかに侵攻し、空自や海自の迎撃部隊と戦闘を展開するといった」“派手な”戦闘からはかけ離れた“地味な”静的戦争になるであろう。
 
 したがって、上記のごとく繰り広げられている戦闘機・潜水艦・駆逐艦などの数や性能の比較、あるいは人民解放軍と自衛隊の指揮統制能力、訓練錬成度、士気レベル、忠誠心・愛国心といった(実際には比較が困難な)主観的要素の推定的比較などは、あまり意味を持っていないことになる。
 

 現在中国が手にしている対日威嚇手段、すなわち(1)大量の長射程ミサイルと(2)シーレーン妨害能力、そしてそのような威嚇から日本国民の生命財産や日本の国益を防御するために防御体制を固める自衛隊の各種防衛資源の(質はともかく)量を比較すると、日本人にとっては、そして同盟軍にとっても残念ながら、圧倒的に人民解放軍が優位を占めている。これが、実戦経験をもとにし、かつ実戦出動を前提にしたアメリカ軍関係者たちと達した結論である。


JBpress.ismedia.jpより引用
 
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