ミッドウェー海戦研究所

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日本国防

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民主党政権の大失態に学んだ日本外交
中国の反対を押し切って実施された日米共同統合訓練
 
(1)からの続き
 

日本の良識派も間違った認識

揚陸作戦。写真は昨年、米国東海岸で行われた訓練で参加したフランス軍〔AFPBB News
 
 現実を直視すれば、軍事力に裏づけられた力が平和を担保する。これが現実の国際社会であることは容易に分かるはずだ。
 
 九州、沖縄、台湾に至る第1列島線を構成する離島の防衛能力向上が、北東アジア地域の平和と安定に資することは間違いない。そもそも抑止の概念を理解しようとしない人に理解しろと言う方が無理かもしれないが・・・。
 
 同時に、国内の良識派も誤った認識を持っていることに、いささか懸念を覚えた。「ドーンブリッツ」で強襲上陸訓練をメディアが強調して報道したせいか、「抑止が機能せず侵攻を許した場合、即座に奪還作戦を実施し侵攻部隊を排除すべし」と述べる識者がいた。
 
 実際に危機が起きた場合、どう対応するかは政治の意図と軍事的合理性を慎重に検討しなければならない。尖閣諸島に人民解放軍が上陸したら、即座に強襲上陸して奪還作戦をというのはいかにも短絡的過ぎる。
 
 安全保障の要諦は、まずは危機を発生させないことであり、もし不幸にも危機が発生したら、それ以上悪化、拡大させないこと。そして短時間で既成事実を作らせないことである。
 
 日米が「ドーンブリッツ」などで盤石な防衛体制を築くことは「危機を発生させない」という第1の要諦に資する。
 
 もし不幸にも中国の特殊部隊などによって尖閣が占拠されるようになった場合、第2の要諦である「事態を悪化、拡大させないこと」、そして既成事実を作らせないことが重要となる。
 
 即座に強襲上陸作戦を実施して島嶼奪還作戦を取れば、事態は一挙に悪化し、本格的な日中戦争に拡大する可能性は高い。外交努力はもちろんだが、事態を悪化、拡大させないため、戦火を交える前にやるべき作戦がある。軍事的合理性を慎重に検討しなければならないが、あくまで島嶼奪還作戦は最後の手段である。
 
 尖閣諸島のような無人島に兵員を上陸させ、駐留させるには、大量の補給物資輸送が必要となる。日本が軍事作戦としてまずやるべきは、尖閣への海上封鎖作戦であろう。つまり空海から、補給を断つことである。
 
 航空からの輸送に対しては、航空自衛隊が対領空侵犯措置により、島への接近を阻止し、ヘリコプターや落下傘などによる物資補給を断つ。海上輸送に対しては、民間輸送船であれば海上保安庁が、海軍艦艇であれば海上自衛隊が主体となり海上封鎖を実施する。
 

尖閣諸島は中国にとってのガダルカナルに

ガダルカナル島と同じソロモン諸島にあるケネディ島〔AFPBB News
 
 食料、弾薬の補給が維持できなければ、特殊部隊であっても上陸部隊は容易に無力化される。尖閣が中国にとってのガダルカナルになるわけだ。
 
 いささか時間はかかるだろうが、尖閣には住民もおらず、時間はかかってもなんら支障はない。いきなり強襲上陸作戦をやって戦火を交えるより、事態の悪化・拡大を防げる可能性は高い。
 
 海上封鎖に不可欠なのは制空権、制海権の獲得、維持である。もちろん、強襲上陸作戦も制空権、制海権を日本側が支配していることが前提である。離島防衛の前提条件は制空権、制海権の獲得であることは論を俟たない。
 
 海からの着上陸能力や緊急展開能力などの「海兵隊的機能」の整備は自衛隊の喫緊の課題である。だが、その前提となる制空権、制海権を中国側に渡さないための防衛力整備はさらに緊急の課題である。
 
 尖閣諸島周辺では制空権、制海権は、現時点では我に利があるが、中国はこれを奪取すべく軍備拡張に躍起になっている。今後とも制空権、制海権を維持する防衛努力は次なる防衛計画の大綱でも最優先課題であろう。
 
 同時に、事態に応じシームレスに対応し、危機の発生を防ぎ、万が一発生したなら事態の悪化、拡大を防ぐには現行法制の見直しは必須である。
 
 拙稿「1銭も使わずに日本の防衛力を大幅増強する方法」(2013.3.13)で述べたので、ここでは省略するが、現行法制には大きな欠陥がある。政治は徹底したリアリズムを追求し、国防に「想定外」はないことを肝銘すべきである。
 
 今回、米中首脳会談直前ではあったが「ドーンブリッツ」を予定通り実施したことは、最近の日本の政治としては稀に見る大ヒットであった。
 
 日米同盟の緊密化を見せつけ、抑止力を向上させたことの意味は大きい。同時に、昨年中国へ配慮して日米共同水陸両用演習を中止したことが、いかに愚策だったかを自覚できたことは大きな副次的成果であった。
 
 日本は戦後、国家の最も大切な国防をワシントンに任せ、軍事には目を背けて金儲けに専念してきた。幸い、短期間で経済大国として復興できたが、反面、国家として軍事音痴に陥るという手痛いツケを背負うことになった。
 
 中国の台頭により南シナ海、東シナ海の緊張が激化し、日本の主権が侵されかねない状況になってきた。さらに悪いことに、頼みの綱であった米国の衰退が避けられなくなりつつある。こういった情勢にあって、日本はこれまでのようには、安全保障を米国に丸投げはできない。もはや軍事に背を向けて国の舵取りをすることはできないのだ。
 
 軍事と外交、抑止力、軍事的合理性など、日本はこれまで目を背けてきた厳しい現実を直視し、徹底したリアリズムを追求しなければならない。
 

 今こそ「静かな軍事力の存在ほど、外交戦略上役に立つものはない」というジョージ・ケナンに学び、「平和を欲する者は軍事を学べ」というリデル・ハートの箴言を心に刻む必要がある。


JBpress.ismedia.jpより引用
 
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民主党政権の大失態に学んだ日本外交
中国の反対を押し切って実施された日米共同統合訓練
6月26日、日米共同統合訓練「ドーンブリッツ」が終了した。この訓練は平成25(2013)年6月10日(月)〜6月26日(水)の間、米国カリフォルニア州キャンプ・ペンデルトンおよびサンクレメンテ島ならびに周辺海・空域にて実施されたものである。
 
 訓練の狙いは「島嶼侵攻対処に係る自衛隊の統合運用要領及び米軍との共同対処要領を演練し、その能力の維持・向上を図る」ことを目的にしたものであり、ヘリコプターや揚陸艇を使った上陸作戦が公開された。
 

ドーンブリッツ、2つの特筆すべき意義

ドーンブリッツに参加した護衛艦「ひゅうが」(写真は相模湾での訓練)〔AFPBB News
 
 マスメディアは護衛艦「ひゅうが」への米海兵隊オスプレイの初着艦、および強襲上陸訓練のみを派手に報道したが、これ以外に対機雷戦、潜水作業訓練、実弾射撃訓練、死傷者救援後送訓練なども実施されている。
 
 この訓練には2つの特筆すべき点があった。
 
 まず「ドーンブリッツ」は、これまで米軍単独訓練として実施されてきたものであるが、今回自衛隊が始めて参加したこと。しかも陸海空3自衛隊による統合実働訓練を初めて国外で実施したことが挙げられる。
 
 2つ目はこの訓練が尖閣諸島など離島が占拠された場面を想定した訓練であり、中国政府が激しく反発し、中止を申し入れていたにもかかわらず、予定通り実施されたことである。
 
 訓練に当たっては、尖閣諸島問題で日中関係が悪化した状況でもあり、日米島嶼奪還訓練はさらなる関係悪化を招くとして、実施に難色を示す関係者もいた。しかしながら、日本政府は日米関係を重視するとともに、訓練の重要性に鑑み、計画通り実施することを決めた。
 
 小野寺五典防衛大臣は4日の記者会見で「訓練は日米同盟に必要だ」「特定の第三国を念頭に置いた訓練ではない」と強調した。だが尖閣諸島を念頭に置いた日米共同訓練であることは明らかであった。この時期に島嶼奪還に係る一連の行動を日米で演練した意味は極めて大きい。
 
 報道によると、演習直前に行われたカリフォルニア州での米中首脳会談で、習近平中国国家主席はバラク・オバマ米国大統領に対し、この訓練が中国を仮想敵国としていると反発したという。首脳会談前にも中国政府は外交ルートを通じ、訓練の中止を求めていた。
 
 結果的には、米中首脳会談直後に、予定通り「ドーンブリッツ」を実施することになった。尖閣諸島を巡る問題には、日米安保第5条が適用されるとの米国の強い意向が、対中メッセージとして伝わったことは間違いあるまい。
 
 米中首脳会談でオバマ大統領は習主席に対し「東シナ海で挑発的な行動を取るべきではない」「争いをエスカレートさせるべきではない」などと主張し、レーダー照射事件や領海、接続海域への示威行動を止めるよう自制を迫ったという。
 
 またオバマ大統領は「中国側は、日本が米国の同盟国であることを認識する必要がある」とも発言したというが、「ドーンブリッツ」が小切手の裏書をするように、これらの発言の比重を増すことになった。日米同盟の歴史の中で、軍事(日米共同訓練)が直接的に外交力の後ろ盾となった数少ない事例であろう。
 

全くの逆効果に終わった中国への配慮

毎年実施されているキーンソード。写真は2009年、日本アルプス上空を飛行する米軍の「C130」輸送機〔AFPBB News
 
 対象的なのが昨年の日米共同統合演習「キーンソード」である。昨年11月、毎年恒例の「キーンソード」で実施予定だった日米共同水陸両用演習が突然中止になった。
 
 当初の予定では、沖縄県の無人島・入砂島で陸上自衛隊・米海兵隊共同で島嶼奪還訓練が行われる計画だったが、当時の民主党政権は中国への配慮で演習を中止した。
 
 政府筋は中止の理由を「高度な政治判断」と説明しているが、対立が激化している中国への配慮のため、野田佳彦総理が決断したものだった。
 
 拙稿「日中第1戦、戦わずして負けた日本」(2012.11.20)で既に指摘したが、配慮を示せば、相手も分かってくれるというナイーブさは、日本国内のみで通用するものである。生き馬の目を抜く厳しい外交の世界では通用しないどころか、将来に大きな禍根を残す。
 
 この後の日中関係を見れば明らかである。野田首相の「配慮」は日中関係修復に作用するどころか、「もう一押しすれば、さらに譲歩するはず」と足元を見透かされただけで、状況はさらに悪化した。
 
 さらに深刻だったのは、「尖閣は安保条約5条の対象」と繰り返し述べてきた同盟国・米国に対し、「はしごを外す」結果になったことだ。カート・キャンベル米国務次官補は外務省幹部に、「理解しかねる」と強い不快感を示した。国務省のみならず国防省筋も「中国を牽制するための訓練なのに、本末転倒だ」と疑問を投げかけた。
 
 軍事力は外交力の後ろ盾であるという国際常識を理解しない日本のオウンゴールだった。「配慮」が中国との関係修復に全く逆効果であっただけでなく、同盟国との関係に亀裂を生じる結果となった苦い経験は、今回、さすがに教訓として生かされたようだ。
 
 日本は戦後、軍事をタブー視して思考停止に陥った。このため、軍事的知見が驚くほど不足している。上記の失敗事例もさることながら、今回の「ドーンブリッツ」に関する左右両陣営の主張も共に認識の誤りがあった。
 
 左翼陣営の代表的な某紙は次のように言う。「『離島奪還』は武力行使を伴う本格的な軍事作戦です。武力行使を前提にした訓練は、周辺地域の緊張を激化させることにもなりかねません」
 

 これは中国が「戦争が止まるときは両者の武力が均衡したときだけである」と言ったクラウゼウィッツを崇拝する「力の信奉者」であることが理解できていない。力のバランスが崩れたベトナム、フィリピンとは領有権問題で流血の事態が既に発生している。


(2)へ続く
 
JBpress.ismedia.jpより引用
 
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中国が日米合同訓練「夜明けの電撃戦」に
クレームをつけた本当の理由
在カリフォルニア州サン・ディエゴ周辺で実施されているアメリカ、日本、カナダ、ニュージーランドによる総合的な水陸両用作戦の合同訓練である「ドーンブリッツ2013」(「夜明けの電撃戦2013」)の開催に対して中国政府がクレームをつけたことは、海兵隊内部の新聞でも大きく紹介された(“Marine Corps Times”、6月10日)。
 
キャンプペンドルトン沖でヘリコプターから
ゴムボートを下ろす陸上自衛隊(写真:米海兵隊)
イメージ 1 もちろん、このような雑音は合同訓練実施にはなんの影響も及ぼしていないが、自衛隊が水陸両用戦訓練に参加することに対して中国が懸念を示していることは、まさに日米同盟にとっては好材料であることには疑問の余地はない。なんといっても日本に軍事的脅威を与えている国が嫌がることこそ、日本防衛にとっては必要なことなのである。
 
 ただし、中国がなぜドーンブリッツへの自衛隊の参加に警戒を示しているのかに関しては、一部の日本マスコミの見方はあまりに単純すぎるように思える。
 

ドーンブリッツは離島奪還訓練ではない

 ドーンブリッツ2013を「離島奪還訓練」と矮小化して捉えて「日米が合同で尖閣奪還訓練を実施している」と単純化した報道が目につく。つまり、尖閣諸島を手に入れようとしている中国共産党政府は「日米共同島嶼奪還訓練(=ドーンブリッツ)を阻止したかった」ということになるわけである。
 
 もちろんドーンブリッツで実施されている多種多様の水陸両用戦訓練は、万一「尖閣諸島奪還」のような事態が勃発した際に、そして日本政府の願いがかなってアメリカが直接的軍事介入に踏み切った場合に、自衛隊が奪還作戦に参加するためには有用と言える(残念ながら、数年以内というタイムフレームでは、自衛隊単独での奪還作戦は不可能に近い)。
 
 しかしながら、ドーンブリッツは日本のために実施されている水陸両用戦訓練ではなく、第一義的にはアメリカ海軍・海兵隊のための大規模な各種水陸両用作戦の総合的訓練の機会である。さすがの超軍事国家アメリカとしてもこのような本格的水陸両用戦訓練は予算的にも時間的にもしばしば実施できるわけではなく、アメリカ軍自身にとっても極めて貴重な機会なのである。
 
米海兵隊、カナダ陸軍、ニュージーランド陸軍
のスナイパー訓練(写真:米海兵隊)
イメージ 2 そのような珍しい訓練に同盟軍を加えることにより、アメリカ軍の水陸両用作戦能力も高まるし、同盟軍との共同作戦能力や艦艇・航空機・兵器の相互運用能力も涵養される。同時に、同盟軍にとっては様々な本格的水陸両用作戦に身をもって触れることができる極めて稀な機会ということになるわけである。
 
 そして、多種多様の水陸両用作戦の訓練を実施することにより、もちろん個々の技術を研鑽することにもなるのであるが、それ以上に水陸両用作戦の大前提となる陸・海・空の統合作戦立案・実施能力を高めることになるわけである。
 
 水陸両用作戦あるいは海兵隊といったものを理解していない日本のマスコミのドーンブリッツに対する関心はオスプレイと強襲上陸訓練だけに絞られており、どのような訓練にどの部隊が参加して行われているのかには触れようとしない。そのため、日本では「島嶼奪還訓練」が行われているかのように受け止められかねない。
 
 しかし実際には下の「訓練日程概要」のように、様々な水陸両用作戦に関する訓練が実施されている。
 
イメージ 3
 
米軍が以下のように訓練の様子を動画で撮影し公開しているので、そちらも参考になるだろう。
 
 
AAV-7水陸両用強襲車を揚陸する訓練(写真:米海兵隊)
イメージ 4(海兵隊の水陸両用強襲車AAV-7や戦術トラックなどを搭載した揚陸用艀が沖合の海軍輸送艦から発進して海岸に乗り上げて、車輌が上陸すると、海兵隊戦闘工兵のブルドーザーが揚陸用艀を海岸から海に押し出して帰還させる)
 
 
 【動画3】カナダ陸軍の射撃訓練 (ビデオの中ほど以降、キャンプ・ペンドルトン基地内訓練場)
 

尖閣奪還シナリオは現実的ではない

 そもそも日本では「水陸両用作戦」を「上陸作戦」、それも敵が陣取る目的地に上陸する「強襲上陸作戦」と同義のように勘違いしている傾向がある。これは、大きな誤りである。
 
 強襲上陸作戦は水陸両用作戦の中の単なる1つの形態に過ぎない。また、ノルマンディー上陸作戦や硫黄島上陸作戦が実施された当時と比べて、21世紀は情報システム・兵器システムそして戦争・戦闘に対する考え方が大きく変化しており、現実的には実施困難な作戦である(とはいっても、強襲上陸作戦の準備と訓練が不必要というわけではない)。
 
 まして、日本のマスコミが大好きな「尖閣諸島奪還のための強襲上陸作戦」などは、コンピューターシミュレーションゲームの世界だけの話である。中国共産党指導部が、本気で軍事力を行使して尖閣諸島を確保すべき状況に立ち至った場合には、尖閣諸島占領といった軍事的未熟な作戦は実施せず、各種対日攻撃力行使の可能性により日本政府を脅迫すると共に、アメリカ政府の軍事介入を封じ込めることにより、戦闘開始以前に日本政府を屈服させることが可能である。(拙著『尖閣を守れない自衛隊』宝島社新書を参照)
 
 したがって中国政治・軍事指導部は、自衛隊がドーンブリッツに参加して水陸両用戦能力の構築を始めようとしていることを、なにも自衛隊が「尖閣諸島奪還」能力を身につけようと考えているから警戒しているというわけではないのである。
 

日本が自主防衛能力を手にすることを恐れる中国

 それでは、なぜ中国が警戒を強めているのであろうか? それは、日本が水陸両用作戦能力を「自前で」保持することは、日本の国防にとっては必要不可欠だからである。
 
 「島嶼国家防衛には、強力な(1)海軍力、(2)航空戦力、(3)水陸両用作戦能力、が欠かせない」というのは中国軍事指導部に限らず軍事・安全保障の理論を身につけたものならば「国際的常識」とも言える国防の鉄則なのである。
 
 しかし、過去半世紀以上にわたって、日本防衛に必要な上記3種の軍事力のうち水陸両用戦能力に関しては日本独自には保持せずにアメリカ海兵隊第3海兵遠征軍とアメリカ第7艦隊が日本に展開していることによって「身につけて」いる状態が続いてきた。要するに、日本の防衛はアメリカの「核の傘」どころか「軍事力の傘」にどっぷり頼ってきたのである。
 
 したがって、中国防衛には不釣り合いな程度に強力なミサイル戦力と海洋戦力を構築しつつある中国共産党指導部としては、日米軍事同盟に亀裂さえ生ぜしめれば、日本は単独では「木偶坊(でくのぼう)」に等しい存在なのである。
 
 しかし、その日本がついに水陸両用戦能力の構築に踏み出したのである。つまり、ある程度は日本独自で日本の防衛を全うするために必要な海軍力・航空戦力・水陸両用作戦能力という自主防衛能力を整備する方向に「かじを切った」かに見えるのがドーンブリッツ参加をはじめとする昨今の自衛隊の具体的動きなのである。日本が自主防衛能力を手にしてしまうと、中国としては日米同盟をギクシャクさせるだけでなく日本自体を軍事的に打倒しなければならなくなる。
 

 ゆえに、自衛隊がドーンブリッツに参加していることは、中国共産党指導部にとっては「嫌な」出来事であり、日本国民そして日米同盟にとっては「好ましい」出来事なのである。


JBpress.ismedia.jpより引用
 
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脅威増す中国への対処法と、自民党案で足りないこと
新「防衛計画の大綱」策定に望む
 
(1)からの続き
 
 第2次大戦におけるナチスドイツの英国本土攻略作戦で鍵となったのはドーバー海峡上空の航空優勢であった。英国は本土防空作戦「バトル・オブ・ブリテン」で航空優勢を維持することに成功し、ヒトラーの野望を挫くことができた。
 
 日本が東シナ海上空の航空優勢を確保し続ける限り、日中間の軍事衝突を抑止することができるだろう。現在のところは東シナ海の航空優勢は我が方に利がある。だが、中国も航空優勢奪還に向け莫大な資源を投入しつつあり、日本が手をこまねいていれば早晩、日中逆転は避けられない。
 

即効性があるF15の能力向上改修

 制空権に集中投資するにしても、一方で即効性ある施策が求められる。例えば、戦闘機を例に取ると、次期主力戦闘機としてF35導入が始まっているが、この戦力化は最短でも10年後となる。これでは中国との軋轢がピークを迎える時期に間に合わない。だが、現在の主力戦闘機F15の能力向上改修であれば3〜5年で戦力化できる。
 
 防衛力整備には中長期的な視点が欠かせないが、「今ある危機」への対応には、現装備品の改修や能力向上といった即効性ある防衛力整備が求められる。今後は、従来通り中長期的観点からF35整備を粛々と行いつつ、「今ある危機」に対応するためにF15の能力向上改修を行うといったダブルトラックが求められるわけだ。
 
 次に日米同盟の強化であるが、衰退しつつあるとはいえ、米国はいまだ強力な軍事力を有しており、対中戦略の要であることには変わりはない。米国防戦略指針で示した、アジア太平洋地域を重視(“pivot to Asia”“rebalance”)に日本は歩調を合わせ、エアシーバトルといった対中軍事戦略を真に実効性あるものにしなければならない。
 
 米国との綿密な調整の下、米国軍事戦略との吻合を図った防衛力整備を実施し、これを支援していくことが肝要である。早急にガイドラインを見直し、日本の適切な役割分担を明確にし、日米同盟の更なる強化を図っていくことが求められる。
 
 最後に、防衛法制の見直しについて述べたい。ダーウインの「適者生存」という観点からすれば、現在の安全保障環境に最も適応していないものは、装備でもなく、人員でもない。それは防衛法制である。
 
 最も即効性があり、しかも金のかからない防衛力強化策である防衛法制の見直しは緊急の課題である。新防衛大綱で明確に位置付け、政府あげて全力で取り組むことが必要だ。
 
 現在の防衛法制は、冷戦時代の遺物と言っていい。「有事、平時」の区分が明確であり、平時から有事へは、3カ月程度のリードタイムがあるとの前提で法体系が成り立っている。
 
 当時の仮想敵ソ連による日本侵攻を仮想した場合、兆候を察知してから、実際の侵攻まで3カ月のリードタイムが想定されていた。その期間に自衛権発動の法的根拠となる「防衛出動」の国会承認を取り付ければいいとしていた。
 
 冷戦後、安全保障環境は激変した。冷戦時の様な「有事、平時」という明確な境界が消滅し、「治安」なのか「防衛」なのか、あるいは「犯罪」なのか「侵略」なのか明確でなくなった。「前線」「後方」の区別もつかない。
 
 しかも、何時、どこで、どういう事態が起こるか予測困難であるといったファジーでグレーな時代となった。尖閣諸島周辺における現在の緊張状態も、平時とも有事とも言えない、言わば「有事に近い平時」であろう。
 
 こういう環境下での安全保障の要諦は、まずは危機を発生させないことであり、もし不幸にも危機が発生したら、それ以上悪化、拡大させないこと。そして短時間で既成事実を作らせないことである。
 

欠陥だらけの現行法制

 このためには、危機が発生したら間髪を入れず適切な対応を取ることが求められる。自衛隊にはこの能力は十分にある。だが、現行法制が自衛隊の対応を困難にしているのが現実だ。
 
 仮に尖閣諸島周辺で海上保安庁の巡視船が中国海軍艦艇から攻撃を受けたとしよう。反撃しなければ、「力の信奉者」中国は弱みに付け込み、さらなる海保巡視船への攻撃を招くだろう。そうなれば尖閣周辺の海保の実効支配は消滅する。1988年、中国海軍がベトナム海軍を攻撃してスプラトリー諸島(南沙諸島)の領有権を奪ったパターンである。
 
 中国海軍の攻撃には、海自護衛艦で対処しなければ海保巡視船を防護することはできない。海自護衛艦の能力からすれば十分可能である。だが現行法制度では海自護衛艦は海保巡視船を防護することはできない。
 
 海保巡視船を武力によって守ることは、個別的自衛権の行使にあたる。だが、個別的自衛権を行使するには「防衛出動」が下令されていなければならない。「防衛出動」が下令されていない平時であれば、自衛権は発動できず海保巡視船を守ることはできない。
 
 隊法82条「海上における警備行動」で防護可能と主張する識者もいるが、これも誤りである。「海上警備行動」は過去2回発動された例がある。ただ、今の政治の仕組みでは、攻撃前の絶好のタイミングで「海上警備行動」が発令されることを期待することは難しい。
 
 百歩譲って、絶妙のタイミングで政府が決断し、「海上警備行動」を発令したとしても、「海上警備行動」では、許容されるのは警察権の行使である。自衛権の行使ではないため、巡視船が攻撃される前に攻撃を防ぐ防衛行動は取れないし、巡視船が沈められてしまった後であれば撃退することは過剰防衛になる。
 
 では航空自衛隊は、空から海保巡視船を守れるのか。能力は十分ある。だが平時の根拠法令がないため空自も身動きが取れない。自衛隊は諸外国の軍と違って、平時には法律で定められた行動以外は禁止されている。いわゆるポジティブリスト方式を採用しているからだ。
 
 現行法制では「防衛出動」が下令されない限り、個別的自衛権の行使はできない。「防衛出動」は国会承認が必要であり手続きにも時間がかかる。また「防衛出動」は対外的には「宣戦布告」との誤ったメッセージと与える可能性が強いという別な問題点もある。
 
 あわてて政府が「防衛出動」の手続きを始めたとしよう。国際社会は日本が1隻の海保巡視艇が撃沈されたのを口実に、中国に戦争を仕掛けようとしていると見るかもしれない。中国は当然、「悪いのは日本」と「世論戦」に打って出るだろう。米国民がそう理解すれば、日米同盟が発動されないことだって十分あり得る。まさに悪夢である。
 
 実際問題として、海保巡視船1隻の被害では政府も「防衛出動」下令を躊躇するに違いない。結果として海自護衛艦がそこにいても個別的自衛権を行使できず、巡視船を見殺しにすることになる。現行法制では「防衛出動」へのハードルが高すぎ、結果的に自衛権さえ行使できなくなっている。これでは独立国とは言えまい。
 
 筆者は、海保が中国海軍艦艇に攻撃されたら、いつでも直ちに武力を行使し反撃すべしと主張しているわけではない。最高指揮官である総理大臣が総合的に判断して、反撃すべしと判断しても、法制上それができない。つまり為政者の採るべきオプションが、現行法制によって大きく制限されている。それは独立国家として異常な状態だと主張しているのだ。
 

個別自衛権が行使できない矛盾の解消を

 安倍晋三内閣はこのほど、集団的自衛権容認に向け、第1次安倍内閣で設けられた「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」を再招集した。この懇談会の結論を受け、集団的自衛権が容認されれば、日本の安全保障上、一歩前進には違いない。
 
 だが次なる問題点が生じる。平時、集団的自衛権が行使できるのに、個別的自衛権が行使できないという明らかな論理矛盾が起きる。つまり米艦艇は防護できても、海保は守れないといった、およそ独立国としてあるまじき事態が生じ得るわけだ。
 
 グレーでファジーな時代にあって、事態を拡大させないため、間髪を入れず対応しなければならない安全保障環境にもかかわらず、現行法制はそれに追随できていない。問題の解決策はある。防衛出動が下令されなくても、状況によって個別的自衛権(通称「マイナー自衛権」)を認めることだ。たぶん激しい法律論争、憲法論議となるに違いない。
 
 だが、この状態を放置すれば、ダーウインが言うように、やがて日本は自然淘汰されるだろう。日本国家・国民の安全を確保し、主権を守り、独立を維持するための防衛法制の見直しは何より最優先課題なのである。
 
 自民党によってまとめられた新防衛大綱策定への提言を見ると、網羅的でよくまとまっている。だが、緩急軽重、優先順位が明確でないところが最大の難点である。憲法改正や安全保障基本法といった提言はある。だが、「今ある危機」に対応するうえでの時代遅れの防衛法制の問題点について、深刻な問題意識が感じられないのは残念である。
 
 提言には防衛政策の基本的概念として、従来の「動的防衛力」に代わり「強靱(きょうじん)な機動的防衛力」を提示するとか、弾道ミサイル発射基地など策源地(敵基地)攻撃能力保有の検討といった文言が羅列されている。だが、差し迫った対中戦略からすればいずれも枝葉末節である。
 

 新防衛大綱では、これから最も厳しい10年を迎えるという深刻な情勢認識の下、対中国「関与政策」遂行に焦点を絞り、防衛・外交政策、防衛力整備、そして防衛法制の改善へと、国家としての明確な方向付けをすることが求められている。


JBpress.ismedia.jpより引用
 
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脅威増す中国への対処法と、自民党案で足りないこと
新「防衛計画の大綱」策定に望む
5月30日、自民党は新「防衛計画の大綱」(防衛大綱)策定に係る提言をまとめた。政府は今年1月の閣議で、日本の防衛力整備や運用のあり方を示す防衛大綱の見直しと、中期防衛力整備計画(中期防、2011〜15年度)の廃止を決めている。
 
 現防衛大綱(22大綱)は民主党政権下、平成22年に策定されたものであり、わずか3年で見直されることになる。これまで防衛大綱は4回策定されたが、最も短期間で見直された16大綱でも6年間使用された。
 

環境に適応する者のみが生き残る

 防衛大綱は国家の安全保障戦略、防衛戦略の一部を含み、10年程度を念頭においた防衛力のあり方の指針、運用・整備の基本を示すものである。国家の安全保障戦略や外交戦略は政権が代わるたびに、コロコロ変わるものであってはならない。
 
 他方、安全保障環境に急激な変化があった場合、これに適切に対応できるよう、防衛力のあり方を機動的に見直すことも重要である。ダーウインは進化論で「強い者」が生き残るのではなく「環境に適応する者」のみが生き残るという「適者生存」を説いた。
 
 旧陸軍の白兵突撃主義、旧海軍の大艦巨砲主義、海外にあってはフランスのマジノラインなど、環境の変化に目を閉ざし、惨めな結果を招いた歴史は枚挙にいとまがない。今回の見直しは、近年の安全保障環境の激変に適応できる「適者生存」を目指さねばならない。
 
 大綱策定以降、日本を取り巻く安全保障環境は激変した。22大綱策定1年後の2011年暮れに北朝鮮の指導者金正日が死去。北朝鮮は新たな独裁者となった金正恩体制の下、昨年12月、人工衛星と称する弾道ミサイルを発射し、今年2月には3回目の核実験を実施した。
 
 急速な経済成長と、二十数年にわたる驚異的な軍拡によって自信をつけた中国は、南シナ海、東シナ海で挑戦的活動を活発化させている。特に昨年9月の尖閣国有化以降、尖閣諸島周辺での挑発的行動や傍若無人化は勢いを増す一方である。
 
 中国は「力が国境を決める」という華夷秩序的な考え方を有している。チベット、新疆ウイグル自治区への侵略の歴史や南シナ海での「ナイン・ダッシュ・ライン」(U字状に広がる境界線内すべてに中国の権益が及ぶと主張するライン)を見ればよく分かる。
 
 5月には中国共産党機関紙人民日報が「沖縄の帰属は未解決」とし「中国に領有権がある」と示唆するような記事を載せた。米政府が即座に日本の主権を認めたためか、環球時報では「琉球国復活に向けた勢力育成」とトーンダウンさせた。
 
 だが「20〜30年を経て中国の実力が強大になれば幻想ではない」とも記述しており、「力が領有権を決める」といった華夷秩序的考え方を自ら暴露している。
 
 一方、日本の頼みの綱、同盟国である米国は、昨年1月国防戦略指針を公表し、アジア太平洋地域を重視(“pivot to Asia”“rebalance”)することを明確にしたものの、厳しい財政事情を抱え、国力の衰退傾向は否定できない。
 
 今後10年間、1兆2000億ドルの歳出が強制的に削減されることになったが、その半分が国防費であり、台頭する中国とのパワーバランスが急激に悪化する可能性も出てきた。チャック・ヘーゲル国防長官も「最も懸念しているのは、歳出削減により、軍の即応能力に影響が出ることだ」と語っている。
 
 日本国内にあっては、22大綱策定後、未曾有の災害、東日本大震災が発生した。自衛隊は10万人というかつてない大動員を実施してこれに当たったが、統合機能発揮など多くの要改善点が浮き彫りになった。
 

日本の死生存亡がかかる新防衛大綱

 またアルジェリアの天然ガス精製プラントで働く日本人10人が殺害されるなど、諸外国にて活動する日本人の安全確保、国家としての危機対処能力向上の必要性が認識されている。
 
 新防衛大綱に期待すべき課題は多い。だが、今回の見直しにおける最優先課題は「台頭する中国にどう対峙するか」であることは明らかだろう。まさに日本の死生存亡がかかっている。
 
 「力の信奉者」中国といかに対峙するか。戦争して叩き潰すわけにはいかない。さりとて経済がこれだけグローバル化した現在、冷戦時、ソ連に実施したような「封じ込め」戦略を採るわけにもいかない。だとしたら中国が国際社会の規範を守り、責任ある利害関係者となるように誘導する「関与政策」しか採るべき道はない。
 
 関与政策が成功するには2つ条件がある。まずは関与する側が中国に力で圧倒されないこと。そして2つ目はヘッジ戦略が採れることである。
 
 つまり関与政策には30〜50年という長期間を要する。その間、状況がどう転んでも対応が可能であり、事態の悪化、拡大を抑止できることが求められる。尖閣諸島での日中緊張状態は、今後の関与政策の試金石と言ってもいい。
 
 関与する側が中国に圧倒されないためには、中国の軍備増強に対応し、力の均衡を大きく崩さない努力が欠かせない。その際の最大の懸念は米国の衰退である。
 
 今後、強制削減が続けば急激なパワーバランス悪化の可能性が出てくる。このためには民主主義など価値観を同じくする諸外国が連携してこれを補うしかない。日米豪韓が結束し、東南アジア諸国、そしてインド、ロシアとも連携を計り、バランスの維持に努めることだ。
 
 日本はこれまでのように「米国まかせ」というわけにはいかない。対中戦略で最も影響を受けるのは日本である。日本に応分の負担、協力、そして何より当事者意識が求められる。
 
 ここ10年間、日本は周辺諸国の軍拡を尻目に、防衛予算削減を続けてきた。防衛力は熱い鉄板上の氷柱のようなものである。放っておけば、下から溶けるがごとく戦力は低下する。10年間の予算削減により、装備品の陳腐化は著しく、戦力の相対的低下は否めない。
 
 装備の戦力化や人の養成(操縦者等)には約10年の歳月がかかる。現在の防衛力は10年前の防衛力整備の成果物である。10年にわたる防衛費削減は、徐々に負の影響が現れてくる。そしてその影響は今後10年にわたって続くことになる。
 
 目立たないが深刻な問題として、防衛産業の弱体化がある。契約額が10年前の6割に削減され、多くの企業が防衛産業から撤退した。旧軍のような軍工廠がない自衛隊では防衛産業の弱体化は戦闘能力低下に直結する。
 

注意が必要な防衛産業の弱体化

 戦闘で損傷した戦闘機を修復するのは自衛隊ではなく、防衛産業であることは、あまり知られていない。新防衛大綱で改善を指摘すべき課題の1つである。
 
 紙幅の関係上、最優先課題である対中戦略に絞るとして、新防衛大綱ではどういった方向性を示すべきか。まずは厳しい現状をしっかり認識しなければならない。今後10年間、これまでの防衛費削減のツケが顕在化してくるが、同時期に米軍戦力の弱体化が避けられない。
 
 新防衛大綱が直面する最大の問題点は、パワーバランス上、日米の戦力状況が最悪の時期に中国との軋轢のピークを迎えることである。
 
 まずやるべきは諸外国との連携によるオフショアバランスの維持、確保である。米国を中心とする同盟国、日韓豪の軍事的連携の強化、加えて東南アジア諸国、インド、ロシアとの防衛協力や交流の強化は最重要課題である。
 
 各国軍との共同訓練の実施、「秘密情報保護協定(GSOMIA)」や「物品役務相互提供協定(ACSA)」など各種協定の締結、武器輸出を通じた防衛協力なども喫緊の課題である。2番目は防衛力再構築、そして3番目は日米同盟の強化、つまり米国の対中軍事政略であるエアシーバトルとの吻合を図った任務、役割分担である。
 
 新防衛大綱では2番目の防衛力の再構築がメーンテーマになるだろう。今回の防衛力の再構築は将来への備えという中長期的視点と「今ある危機」への対処のダブルトラック的発想が求められる。
 
 先述したが防衛力整備の効果が現れるのは10年の歳月がかかる。だが、これでは「今ある危機」には対応できない。また、これまでの10年間連続防衛費削減のツケを一挙に解消することも財政的に無理だろう。だとすれば「選択と集中」で重点投資するとともに、同時に防衛力向上に即効性ある投資が欠かせない。
 
 対中戦略において「選択と集中」すべき重点分野は、東シナ海上空の制空権、制海権の確保である。特に制空権、つまり航空優勢の獲得は東アジアの安全保障の鍵とも言える。戦略家ジョン・ワーデンは次のように言う。
 

 「すべての作戦に航空優勢の確保は不可欠である。いかなる国家も敵の航空優勢の前に勝利したためしはなく、空を支配する敵に対する攻撃が成功したこともない。また航空優勢を持つ敵に対し、防御が持ちこたえたこともなかった。反対に航空優勢を維持している限り、敗北した国家はない」


(2)へ続く
 
JBpress.ismedia.jpより引用
 
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