|
↓記事を読む前にクリックでの応援をお願いします。m(_ _)m
「珊瑚海海戦」や給油艦「ネオショー」の詳細をご存じない方は、リンク先の"Wikipedia"の項目や下の動画「第五航空戦隊 VS 第17任務部隊」をご覧下さい。
下にアマゾンに公開したレビューを掲載します。
"BLUE SKIES AND BLOOD"
評価 ★★★★★
<書評> |
米海軍
[ リスト | 詳細 ]
|
↓記事を読む前にクリックでの応援をお願いします。m(_ _)m
「日本を根城」から戦略を変更するアメリカ軍
中国を睨み「戦域」を拡大、今こそ日本の出番か?
2013.11.14(木)北村 淳
「東アジア地域において、もはやアメリカ軍は最大勢力ではない」
先週、ポーツマス(バージニア州)で開催された国防産業協会(NDIA)における講演で、アメリカ太平洋軍司令官ロックレア提督(アメリカ海軍大将)が明言した。
提督の言う「アメリカ軍」とは、極東方面に展開しているアメリカ海軍・海兵隊、そして空軍、すなわちアメリカ極東海洋戦力を意味している。
この講演で司令官は、かつては「最大勢力」であったアメリカ極東海洋戦力が、現在は最大勢力ではなくなってしまったため、この方面におけるアメリカ軍の基本的軍事戦略を転換する必要に迫られており、実際に転換中である、という現状をアメリカ防衛産業関係者たちに説明した。
その中で、今や、北は日本列島・朝鮮半島から南はインドネシア・シンガポールに至るまでの広大な海域における「最大勢力」が中国海洋戦力であることを、この戦域を統括するアメリカ軍のトップが公の場で認めたわけである。
もちろん提督は一般論的な講演の場で「最大」という表現を用いたのであり、「最大」がただちに「最強」を意味するのかどうか、といった突っ込んだ話をしたわけではない。ただ、中国海洋戦力が少なくとも規模的には最大勢力にのし上がってしまったことは事実である。そのため、アメリカ海洋戦力は、かつて規模も質も最大勢力(すなわち最強)であった時代とは抜本的に異なった戦略に立脚しなければ、東アジア地域でのアメリカの国益を維持することはできない、というのが講演の趣旨であった。
日本を「根城」とする基本戦略は時代遅れに ロックレア提督は、そのような新戦略を「戦域拡大戦略」と呼んでいる。
かつてアメリカ海洋戦力が極東地域で最大・最強であった時期には、日本と韓国、とりわけ日本各地の米軍基地(軍港・航空基地)を根城にして、強力な極東ソ連軍や、弱体ではあるものの危険な中国や北朝鮮に睨みを利かしていれば、アメリカの国益、それに同盟国の安全を確保することはさして困難というわけではなかった。
しかし、日に日に攻勢的になっている中国海洋戦力に直面している現在、「日本を根城にして睨みを利かしていればよい」といった基本戦略は時代遅れとなってしまった。
中国人民解放軍は、東シナ海方面に対しても南シナ海方面に対しても、強力な海洋戦力を展開できるように急速に成長してきた。それに対抗するには、日本からシンガポールにかけての長大な地域に全面的にアメリカ海洋戦力(ならびに同盟軍の戦力)を展開させて、長大な中国海洋戦力の前線全域にわたって常に対峙する状況を維持しなければならない。
それらの広大な海域はアメリカの同盟国・友好国にとってだけでなく中国にとっても重要なシーレンであり、交易のための海である。そうである以上、中国による脅迫的態度はやがて協力関係に転換するであろう、というのが、このような態勢を取る戦略の根底に流れる思想の要約である。
ロックレア提督は「理想的な行為者」を前提としている ヨーロッパ・大西洋方面での経験が豊富なロックレア提督は、戦域拡大戦略を紹介した本講演の後にこう語っている。
東アジア地域には、アメリカが参加しているNATOのような軍事同盟やEUといったアメリカサイドの集団的安全保障システムが存在していない。それだけでなく、言語体系や宗教をはじめとする文化や社会制度もバラバラである。よってアメリカ軍事戦略が、NATOを軸に据えたような具合にはいかないことは明確に認識している、という。
そのような一枚岩から程遠い東アジア地域とはいえ、海上交通路という交易や文化交流のための東アジア諸国家に共通する公共財を保護するためには、中国を含めて協調関係が確立されることが望ましいと提督は考えている。
そして、万一、この地域で軍事紛争が生じた場合には、アメリカとの個々の同盟関係がある国々同士が協力し合って、米を中心とした集団的安全保障システム的な体制が構築されるであろうという。ロックレア提督は「理想的(アメリカから見て)な行為者」を前提としていると考えられる。
米海兵隊グリュック中将が戦時の必須条件を指摘 しかし、こうした楽観的とも言えるロックレア提督の戦略構想に対して、「中国が各個撃破の挙に出た場合、本当に集団的反撃が可能なのか?」という疑義を呈する専門家も少なくない。
具体的には、「例えば尖閣諸島のトラブルを口火にして中国が日本に対して何らかの軍事攻撃を実施した場合、あるいはミスチーフ環礁でのいざこざを打開するために中国がフィリピンに対して軍事攻撃を実施した場合、果たしてアメリカ以外の東アジア諸国が日本、あるいはフィリピンを救援するために軍隊を派出し中国軍と対決するのであろうか?」という疑問である。
この種の東アジア諸国間の外交的関係に関する疑問以外に、軍事的な問題も提起されている(もちろん、ロックレア提督が打ち出している「戦域拡大」構想は、いまだに公式な戦略となって公刊されている段階ではないため、様々な疑問や提案が浮かび上がるのは当然であり、そのような幅広い議論を通して基本戦略が形成されていくのがアメリカ軍事戦略構築の常である)。
たとえば、アメリカ海兵隊の戦闘開発司令部司令官グリュック中将は、ロックレア提督が主として“平時”の戦域拡大戦略を論じているのを補足して、“戦時”の戦略にとって不可欠な条件を指摘している。
トモダチ作戦でのグリュック中将(写真:アメリカ海兵隊)
拡大画像表示
グリュック中将の唱える戦時での戦域拡大戦略を要約すると以下のようになる。
当初はアメリカ軍・同盟諸国による連合軍側はいわゆる外線作戦を実施することになり、内戦作戦を実施する中国人民解放軍は戦闘資源を効果的に活用でき優勢を占めるかもしれない。しかし、強力な海洋戦力(海軍・航空戦力・海兵隊)を投入して中国軍前線の両側面を突いて中国人民解放軍を分散させるとともに、弱体化した中国軍中央にも連合軍精鋭を投入し、人民解放軍を撃破する。
グリュック中将は、戦域拡大戦略を実施して中国軍に打ち勝つには、強力な海軍力と航空戦力に加えて、それ以上に精強無比な沿岸域戦闘戦力が必要である、と指摘する。もちろん、沿岸域戦闘戦力の中心となるのはアメリカ海兵隊である。
日本が戦域拡大戦略を補強するためにやるべきこと 日本が中国から軍事攻撃を受けた場合、弱体な海洋戦力しか保持していない東南アジア諸国は、いくら日本に援軍を差し出したくとも不可能に近い。また、昨今の韓国政府の頑なな反日的態度を見れば、韓国が日本の支援に駆けつけることはとても起こり得ない。結局日本にとって唯一期待できるのはアメリカ軍だけということになる。
だが、残念ながら史上最悪とも言える財政危機に直面しているオバマ政権下では、その米軍の効果的な軍事介入を期待することすら躊躇せざるを得ない状況である。日本としては唯一の同盟軍であるアメリカ軍に頼り切るのではなく、主体的に手を打って、戦域拡大戦略が功を奏するように協力することが必要である。
日本がなすべきこととして、第1に、外線作戦でアメリカ軍部隊が中国の東北側面を突き崩す際に必要となる日本各地のアメリカ軍基地の使用を保証することである。
これは、ただ平時のようにアメリカ軍が条約上日本領域内の基地を使用するという状態の継続というわけにはいかず、中国による長射程ミサイルによる日本の戦略拠点に対する攻撃という脅迫に屈せずに基地の提供を続けるという日本にとっては極めて強固な覚悟を必要とする措置である。もちろんそのためには、中国軍長射程ミサイル攻撃の脅迫に屈さないだけの自主防衛能力が必要となる。(本コラム「中国軍ミサイルの『第一波飽和攻撃』で日本は壊滅」「セオリー通りに“報復”の対中ミサイル配備を」、拙著『尖閣を守れない自衛隊』宝島社新書参照)
第2に、極東地域のアメリカ同盟軍の中では最大(かつ最強)の海軍力を保持しているだけでなく、アメリカ海軍と相互運用性が高い兵器・コミュニケーションシステムを装備している海上自衛隊が、人民解放軍側面を突き崩す連合軍攻撃力の一部となるべく、組織改編を含めてアメリカ側と連携しながら準備を進めなければならない。
第3に、グリュック中将が指摘しているように、拡大戦域における作戦は沿岸域戦闘戦力が勝敗のカギを握るわけであるから、日本も強力な水陸両用戦力を保持した組織と沿岸域での作戦に適した艦艇を取り揃える努力を開始しなければならない。
史上最大とも言える財政危機に直面しているアメリカでは、いくら政府が「アジアシフト」という「題目」を唱え、軍部が戦域拡大戦略を構築しても、肝心要の国防予算が増額できなければ、十二分な「拡大戦域戦略」実施のための強大な海洋戦力を準備することはできない。そのようなアメリカ軍を名実ともに補強することができるのは、東アジア地域では日本だけである。
そして、アメリカ軍が打ち出そうとしている戦域拡大戦略を日本が補強することは、なにもアメリカのためではなく、まさに日本自身の国益のためである。 JBpress.ismedia.jpより引用
|
|
アメリカの強制財政削減で
いよいよ日本は追い込まれる 2013.09.26(木)北村 淳
次期駐日大使に指名されたキャロライン・ケネディ氏は、9月19日、アメリカ上院外交委員会の公聴会で対日政策に関する所信を表明した。
その内容には、以下のような尖閣諸島に関する見解が含まれていた。
「日本はアメリカにとり不可欠なパートナーであり、日米同盟はアジア太平洋地域の平和と安定そして繁栄の基礎である」
「尖閣諸島は日本の施政下にあり、日米安全保障条約第5条の適用対象である」
「第三国間の領有権紛争に対して、アメリカは特定の立場は取らない。尖閣諸島に関して日中間の対話を通した平和的な解決を切望している」
日本メディアは、ケネディ次期大使がオバマ大統領と親しく、かつケネディ一門という“ブランド力”が強いため、米メディアはケネディ次期駐日大使に高い関心を示すであろうと見ている。さらに、そのことによってアメリカが日本に関心を示すきっかけになると期待しているようである。
しかしながら、少なくとも現時点では、次期駐日大使が誰になろうがアメリカ政界や世論が日本に高い関心を示すような兆候はない。
ケネディ氏に対する公聴会が開かれた前日、アメリカ下院軍事委員会ではアメリカ各軍(海軍・陸軍・空軍・海兵隊)の長に対する公聴会が開かれた。この公聴会は日本の国防にとっても無関係ではない。それにもかかわらず、ケネディ次期大使に対する上院公聴会の様子を比較的詳しく伝えた日本メディアは、この下院軍事委員公聴会の様子には関心を示さなかったようである。
厳しい現実に直面しそうなアメリカ軍 9月18日の下院軍事委員会公聴会の主題は、「強制財政削減(10年間にわたって、国防予算は一律かつ自動的に大幅削減される)に伴って、アメリカ軍(海軍・陸軍・空軍・海兵隊)が国防の任を全うできるのか?」というものであった。
公聴会の冒頭で議員側から、グリーナート海軍作戦部長、オディエルノ陸軍参謀総長、ウェルッシュ空軍参謀総長、それにエィモス海兵隊総司令官たちに対して、「あなた方軍人は、毎日のように生と死に関する決断を迫られている・・・連邦議会はアメリカのための予算の編成(すなわち国防予算の調達)ができないでいる・・・これはあなた方軍人の失策ではなく、われわれ議会の失策です」という謝罪がなされた。まさに、極めて深刻な状況にアメリカ軍が直面していることを、この謝罪が物語っている。
グリーナート海軍作戦部長、オディエルノ陸軍参謀総長ならびにウェルッシュ空軍参謀総長によると、海軍・陸軍・空軍はいかなる軍隊にとっても最も基本的な戦略的責務である「1つの戦域での主要作戦において敵を打ち破る」ことができなくなるであろう、という悲観的見解を表明した。
公聴会直前にまとめられた海軍の報告書によると、強制財政削減が2014年度にも継続された場合、海軍は建造予定のヴァージニア級原子力潜水艦1隻をキャンセルし、新鋭の沿岸戦闘艦も購入できなくなり、8機の戦闘攻撃機と3機のヘリコプターも入手できず、前進海上基地計画も消え去ることになる。そして、建造中の航空母艦(CVN-78)の完成は少なくとも2年は遅れてしまうことになる。
また、空軍によると、350機のA-10近接支援攻撃機、59機のKC-10空中給油機を飛ばすことができなくなり、巨額を投じて構築しようとしていたF-15C捜索救援部隊も諦めなければならなくなる。
公聴会で苦境を訴えるオディエルノ陸軍参謀総長(写真:USArmy)
これらの“買い物リスト”以外にも、人員整理や部隊の縮小、基地の閉鎖など、海軍、陸軍、空軍の能力は全体的に著しく低下してしまい、とても主要作戦で敵を撃破するレベルを維持できそうにもない、というのが、3軍のトップの強制財政削減継続に対する悲痛な叫びであった。
一方、エイモス海兵隊総司令官は、「海兵隊は、1つの戦域での主要作戦において敵を打ち破ることはできる」と明言した。戦域に到達するには海軍との協働が必要なものの、戦域内では陸・空・海での戦闘も補給も自己完結能力を保持しているアメリカ海兵隊は、国防費大削減の影響を被っても、なんとか1つの戦域における緒戦にだけは勝利する戦闘能力を維持している。
しかし、それ以上長期にわたる本格的戦争の場合には、陸軍・空軍をはじめとする増援部隊が先鋒部隊としての海兵隊に取って代わって作戦を継続していくことを大前提として海兵隊の戦闘能力が設計・維持されているため、それ以上の戦闘継続は当初から想定されてはいないのである。
いずれにせよ、かつては(ごく最近までは)「2つの戦域における主要作戦で勝利する能力の維持」を謳っていたアメリカ軍であるが、実際には、「1つの戦域における主要作戦で勝利し、他の戦域における主要作戦では敵を何とか抑えこんでおく能力」を保持していると考えられていた。だが現実には「1つの戦域における主要作戦での勝利」が精一杯であることを各軍の長の証言が暗示しており、強制財政削減が来年度・再来年度と続くともはや海兵隊を除くアメリカ軍には「1つの戦域における主要作戦」において敵を打ち破る能力はなくなってしまいかねない状況になってきているのである。
中国との軍事対決は絶対に避けるアメリカ 海と空と陸で戦闘し、補給も自前で行う自己完結型軍隊であるアメリカ海兵隊は、「1つの戦域における主要作戦」において勝利することができるとはいえ、その作戦規模は最長60日である。通常、その程度長期にわたる作戦では、海兵隊はあくまで先鋒部隊的あるいは敵を撹乱させるための遊撃部隊的位置づけとなっている。
海兵隊とともにサンクレメンテ島で着上陸訓練中の
陸上自衛隊(写真:USMC)
しかし、この軍事作戦(日中紛争への軍事介入)は、少なからぬ海軍・海兵隊関係者が常日頃口にしている表現を借りると、「極めて発生確率は低いが、勃発した場合には最大級の強度の戦争になりかねない」。このような人民解放軍との本格的戦闘は、アメリカ軍がこれまで戦った数多くの敵のうち最強で「二度と戦いたくない日本軍との戦い」の再現となってしまいかねないのである。
したがって、ただでさえ中国人民解放軍との本格的軍事衝突は避けたいところであるのに、強制財政削減の影響により「1つの戦域における主要作戦」にすら(海兵隊以外は)勝利できないとの見込みを吐露している状況では、日中軍事衝突でのアメリカ軍による本格的軍事介入は、アメリカ政府・連邦議会が絶対に認めようとはしないであろう。
それだけではない。もし日中軍事紛争に米軍が本格的介入した場合には、たちどころに中東方面でイスラエル攻撃をも含んだ極めて深刻な騒乱状態が引き起こされるのは必至である。
日中衝突という「1つの戦域における主要作戦」に関わっているアメリカにとって、「2つ目の戦域における主要作戦」に関与する与力すら捻出できない公算が大きい。このような場合には、いくら現在のところオバマ大統領がアジアシフトを唱えてはいるものの、アメリカ政府・連邦議会そして多くのアメリカ国民が中東戦域を「1番目の主要作戦」と認識するのは理の当然と言えよう。
もっとも、中国共産党指導部としてもアメリカの軍事介入はできる限り避けようと考えるのは当然である。そのため、日本に対して剥き出しの軍事力を行使する場合には、中東方面の“仲間”と連携して中東での軍事的緊張を極度に高めて、アメリカ軍を中東方面に出動させてから対日軍事恫喝そして対日軍事攻撃へとステップアップするであろう。
この場合、アメリカ軍が日本救援作戦を実施しようとしても「2番目の主要作戦」での勝利が覚束ない以上、アメリカ政府・議会そして軍自身が日本救援に踏み切る決心をするのは極めて困難となる。
いずれにしても日米同盟ならびに日本の国防体制の現状では、アメリカは「日本を助ける」程度の理由では人民解放軍と対決することは絶対に避ける公算が極めて大きい。
待ったなしの国防費倍増 先週の本コラムでも指摘したように、アメリカ政府はますます第三国間の領域紛争などへの軍事介入へ踏み切るのが難しくなっている。それに加えて、強制財政削減が継続される限り、アメリカ軍の戦闘能力は低下し続ける。
したがって、これまでのように日本の国防方針がアメリカ軍の支援を前提としているようでは、いざという場合に国防どころではなくなる可能性が極めて高い。
安倍政権になり、国防費増額や集団的自衛権行使への道筋をつけようとする動きが見られる。加えて、陸上自衛隊に水陸両用戦能力を持った部隊を新設する動きもいよいよ本決まりになったようである(本コラム「ようやく着手か? 防衛に不可欠な『水陸両用戦能力』の構築」「『日本海兵隊』はこうつくる」参照)。
しかし、いかんせん(たとえ増額したとしても)国防費がGDPの1%前後にとどまっている程度では、軍事的脅威度を日に日に増す中国と、日本防衛どころではなくなりつつあるアメリカという2つの変数の動きに対処するには、あまりにも規模が小さい。少なくとも国際平均値であるGDPの2%規模を確保しなければ、たとえ自衛隊に自主防衛能力獲得計画が芽生えても、とても実現することは不可能と言えよう。 JBpress.ismedia.jpより引用
|
|
「アジアシフト」を進めようにも
財政削減で弱体化するアメリカ軍 2013.08.08(木)北村 淳:プロフィール アメリカ連邦議会上院は、7月29日、メネンデス上院外交委員長を中心とする超党派の議員たちが6月に提出していた「上院第167号決議」を採択した。内容は「アジア太平洋海域における領土・主権・施政権に関する紛争の平和的解決をアメリカ合衆国が強く支持することの再確認」である。
この決議により、アメリカ上院は、オバマ大統領が強調する「アジアシフト」というアメリカ国防戦略を後押しする姿勢を示した。
しかし、オバマ大統領の方針にせよそれを支持する上院の決議にせよ、現実に「アジアシフト」国防戦略を実施するために必要十分な軍事力がなければ単なるかけ声に終わってしまう。そして、強制財政削減が始まっているアメリカでは、国防予算の“想像を絶する”ほどの大幅削減に直面しているのである。
上院決議が問題視する中国の行動 上院第167号決議は、南シナ海と東シナ海で自国の主権を軍事的威嚇まで使用して一方的に主張している中国の行動を以下のようにかなり細かく具体的に指摘して、中国共産党政府に自制を求める内容となっている。
・2011年5月、南シナ海で中国船はベトナムの地震調査ケーブルを切断した。
・2012年4月、南シナ海スカボロー礁に中国船はバリケードを築いた。
・中国は、“九段線”と称する国境線を勝手に南シナ海に設定した公式地図を刊行している。
・2013年5月以降、中国海軍艦艇と海洋調査船はフィリピン近海のセコンドトーマス礁周辺海域に恒常的に出現している。
・2013年1月、東シナ海で中国海軍軍艦は日本船に対してロックオンをした。
・2013年4月23日、8隻の中国海洋調査船が尖閣諸島12海里領海内に侵入した。
・2013年5月8日、中国共産党機関紙に、数名の中国人学者による沖縄が日本の領土であることに対して疑義を呈する論文が掲載された。
・2012年9月、中国共産党政府は、尖閣諸島を(中国の)“核心的利益”であると公言し、尖閣諸島周辺の領海確定のための基線が“不適当に引かれている”と一方的に主張した。
・中国の軍事的・準軍事的船舶は、恒常的に尖閣諸島周辺海域に姿を現している。
アメリカ軍事力の弱体化を示すSCMR報告 この決議が採択された翌々日、「アジアシフト」戦略実働当局のトップであるヘーゲル国防長官は強制財政削減が続くと「アジアシフト」どころかアメリカの国防そのものが危殆に瀕するとの見通しを明らかにした。
アメリカでは財政赤字解決をめぐる、共和党、民主党ならびにホワイトハウスの溝が埋まらないために、強制財政削減(sequestration)が発動された。その影響を最も強烈に被るのが国防予算である。
強制財政削減が予定通り10年間実施された場合、アメリカ国防予算はおよそ1トリリオンドル(およそ100兆円)が削減されなければならないことが法定されている。ちなみに、およそ100兆円の国防費削減額というのは、 現在の日本の国防予算総額の21年分にあたる。
このような危機的状況に対応して、ヘーゲル国防長官は強制財政削減が予定通り継続された場合のアメリカの国防戦略、編成、装備などへの影響を見積もらせた。国防総省での4カ月にわたる検討の結果、「戦略的選択ならびに管理評価」(SCMR)という報告がヘーゲル長官に対してなされた。
この検討内容には、アメリカの軍事力が相当弱体化することを示す具体的数字が示されている。例えば、陸軍の現役将兵定員は、現在の計画は49万名となっているが、強制削減が続くと45万名から38万名とせざるを得なくなる。そして現役海兵隊員定数は、現在の計画は18万2000名であるが17万5000名から15万名まで削減せざるを得なくなる。空母打撃群は現有11グループを9から8グループに削減することになる。そして強襲揚陸艦は11隻の計画のところ、最悪の場合には8隻となる。
これらの見積もりに幅があるのは、ヘーゲル長官によると、国防総省の取り得る基本戦略に2つの選択肢があるからということである。
すなわち、(1)規模は縮小されるもののハイテク武装した軍隊、(2)ある程度の規模を保ちつつ使い古した装備で武装した軍隊、のいずれを選択するかにより、上記のように各種定員数に差が出ることになるのである。
例えば、海兵隊員数が17万5000名と計画より7000名しか削減されない場合には、現在海兵隊が手にしている装備は10年後もほとんど変化しないということになる。この場合、50年近くも使ってきた中型輸送ヘリコプターは新型輸送機オスプレイへの交代がほぼ完了したものの、やはりベテランの大型ヘリコプターの新型輸送機への交代が進まなくなってしまう。そして、すでに時代遅れになりつつある水陸両用強襲車をはじめとする海兵隊の各種装甲車両も、今後10年以上にわたって使い続けなくてはならないことになる。これでは、たとえ隊員数が15万名にまで削減されなくとも、海兵隊の戦闘能力を現代化する周囲の環境に合わせ維持することは至難の業となる。
深刻な「空母打撃群」の縮小 国防総省のSCMR報告書は公開されないことになったが、それと同様の見積もりを多くのシンクタンクが独自に実施した。それらのうち、AEI、CNAS、CSBA、CSISそれぞれが、強制削減によりもたらされる推測値を発表した。
強制財政削減が継続された場合に予測される削減の姿
SCMR:国防総省「戦略的選択ならびに管理評価」(左欄:兵力維持戦略、右欄:ハイテク化戦略) AEI:American Enterprese Institute CNAS:Center for a New American Security SBA:Center for Strategic and Budgetary Assessments CSIS:Center for Stategic & International Studies シンクタンクごとに想定する国防戦略が異なるため、例えばAEIのように海兵隊戦力と既存の航空打撃力をそれほど重視しないものもあれば、CSISのように海兵隊戦力は維持する代わりに空母打撃群は最低水準に甘んずるといった差異が生じている。
いずれにせよ、SCMR同様に強制財政削減が継続すると、米軍はまさに“異次元”と言ってよいほど弱体化した軍隊になっていく可能性が示されている。
空母打撃群
とりわけ象徴的なのは「空母打撃群」が間違いなく縮小されるであろうという予測である。空母打撃群が9グループないし8グループに削減されるということは、航空母艦の数が2〜3隻削減されるという単純な話ではなく、より深刻な意味合いを持っている。
空母打撃群というのは、航空母艦(原子力空母)を中心としてイージス巡洋艦1隻、イージス駆逐艦2隻、原子力攻撃潜水艦1隻、戦闘補給艦1隻、それに空母艦載航空機部隊(空母航空団)から構成されている。1つの空母航空団は海軍戦闘攻撃機24機、海兵隊戦闘攻撃機24機、哨戒・救難ヘリコプター10機程度、電子戦機6機、早期警戒機6機、輸送機2機を装備している。
このように空母打撃群1グループの戦力というものは極めて強大で、アメリカの軍事的プレゼンスの象徴としての役割を果たしているわけである。その空母打撃群を削減するということは、まさにアメリカの軍事的影響力を目に見える形で減少させることを意味するのである。
米連邦議会に礼状を送りたい中国 このように、強制財政削減が継続されると、アメリカ軍の戦力が大幅に低下することは国防費の削減額を考えると当然のことである。それにもかかわらずオバマ政権は「アジア太平洋シフト」を強調しているし、上述したように連邦議会上院でも「アジア太平洋シフト」を後押しするような中国の軍事的な海洋進出を牽制する決議をなしている。
しかしながら、SCMRの発表や167号決議の以前の7月18日に、年次中国軍事リポートの非公開バージョンを連邦議会に報告した際に、統合参謀本部議長のデンプシー陸軍大将は、(政府や連邦議会は)アジアシフトと言っているが、(中国軍の戦力増強の進展状況から判断すると)そのようなアジアシフト戦略には莫大な国防予算が必要になる、という警告をなしている。
またデンプシー大将は、もしこのまま強制財政削減が継続されていくのならば、国防費の増額どころか巨額の国防予算の削減が実施されるため、米軍は戦闘準備を整えておくことができず、脅威に直面しても適宜に対応することができないと唱え、安全保障協力も縮小せざるを得ず、質の高い戦力を維持することもできない軍隊になってしまうであろうとアメリカとその同盟国にとり、いかに強制財政削減が危機的状況をもたらすかを強調した。そして、強制財政削減が続く限りアジアシフト戦略などはまさに“戦略的破綻”以外の何物でもないと結論している。
要するに、強制財政削減が続く限り、いくらオバマ大統領がアジアシフトの大号令を発しようが上院が「中国非難決議」を採択しようが、中国共産党政府が勝手気ままに軍事力を振りかざしてフィリピンや日本を威嚇しても、それを威圧して封じ込めるだけの強力な軍事力を日本やフィリピン周辺に展開させておくことがアメリカにはできなくなってしまうのである。
そして、そのような戦略的破綻状態をつくり出す片棒を担いでいるのが、強制財政削減状態から脱却するための合意に至らない連邦議会なのである。
つまり、上院の「中国非難決議」は、上院を含んだ連邦議会自身が財政赤字削減方針で妥協に達して強制財政削減をストップさせない限り、実効的手段を伴わない単なるポーズに過ぎないのである。
ある海軍関係者は以下のように憤っている。
「もし私が中国共産党指導者ならば、強制財政削減状態を解消できないアメリカ連邦議会に感謝状を送りたいくらいだ」 JBpress.ismedia.jpより引用
|
|
アメリカの中国「封じ込め」政策を
日本は全力で支援せよ 2013.07.25(木)北村 淳:プロフィール 前回の本コラム「『中国封じ込め』にブレーキをかけるアメリカ海軍」では、増強著しい中国人民解放軍海軍に対してアメリカ軍指導層内部にも「関与政策派」的立場を打ち出している勢力が存在していることを指摘した。それとともに、だからといって何も米軍が「関与政策派」になってしまったわけではなく、依然として「封じ込め政策」的な諸施策も実施されているといった状況も説明した。そのような動きの具体例が、先週発表された台湾軍への「P-3C」哨戒機配備日程の正式決定である。
7月15日、台湾が4機のP-3C哨戒機を2013年中に手にすることが正式に決定したと、台湾軍当局が発表した。
台湾に引き渡されるP-3C(写真:Lockheed Martin)
現在、台湾軍は、旧式の「S-2T」対潜哨戒機を運用しているが、P-3Cの導入により、台湾軍による中国潜水艦に対する探知発見能力は大いに強化されることになる。
台湾、ベトナムに哨戒機P-3Cを配備してほしい米国 日本の防衛だけでなく、アメリカの極東戦略とりわけアメリカ海軍戦略にとって、中国海軍潜水艦戦力は極めて深刻な障害になりつつある。
中国海軍攻撃原潜は西太平洋・南シナ海で行動するアメリカ海軍攻撃原潜にとり厄介な存在である。また、海中で待ち構える中国海軍新鋭通常動力潜水艦は、アメリカ海軍空母任務部隊や水陸両用戦隊にとり深刻な脅威である。
アメリカ海軍自身も攻撃原潜によるこれらの海域での哨戒活動に加えて、偵察衛星や偵察機により潜水艦基地周辺を厳重に監視したり、九州から台湾そしてフィリピンにかけて設置されていると考えられている「SOSUS」(海底設置音響探査網)の情報を分析したりすることにより、中国海軍潜水艦の動向には最大限の警戒をしている。
もちろん、日本周辺海域でのアメリカ空母任務部隊の護衛に抜群の威力を発揮させるよう“育成”してきた海上自衛隊の対潜水艦戦能力を活用しない手はない。すなわち、海自潜水艦による中国潜水艦基地周辺海域の監視・情報収集、それに海上自衛隊哨戒機によるパトロールである。
なんと言っても海上自衛隊は、アメリカ海軍に次いで多数の(それも世界水準から見るとずば抜けて多数の)P-3C海洋哨戒機を運用している。それだけではなく、アメリカ海軍の「P-3」よりも高性能な対潜装置が海自P-3Cには搭載されており、対潜能力だけを比較すれば海上自衛隊の方がアメリカ海軍に優っていることはアメリカ海軍自身も認めるところである。さらに海自P-3Cは国産の新鋭「P-1」哨戒機との交代が進められ、日本の対潜哨戒能力はより一層強化されていく。
ただし、いくら日本が優れた対潜哨戒能力を保持しているといっても、憲法や法令の縛りによって海上自衛隊哨戒機がバシー海峡(台湾とフィリピンの間の海域)、それに南シナ海までカバーできない状況である。したがってアメリカ海軍は、台湾軍それにベトナム軍がP-3哨戒機を手にすることに大いなる期待を抱いているのである。
もちろん、台湾にとってもベトナムにとっても、P-3Cを配備することにより厄介な隣国中国の潜水艦や水上艦艇への強力な対抗手段を手にすることができるわけであるから、アメリカ海軍にとってもベトナムにとっても台湾にとっても、それにアメリカ軍需産業にとっても、P-3Cにより「中国潜水艦封じ込め網」を構築することは願ったりかなったりの話なのである。
アメリカ海軍の目論見通り中国周辺諸国ならびに利害関係国にP-3Cが行きわたると、強力な海上自衛隊哨戒機を中心に、韓国・台湾・ベトナム・タイ・オーストラリア・ニュージーランドそれにアメリカ海軍と二重三重の哨戒機による中国潜水艦封じ込め網が完成することになる。
アメリカ海兵隊の“弟子”たちと中国封じ込め アメリカ軍の「封じ込め政策派」による具体的な努力は、哨戒機による監視網構築だけではない。
中国周辺諸国は島嶼国家(日本、台湾、フィリピン、インドネシア)あるいは比較的長い海岸線を有する国家(韓国、ベトナム、マレーシア、タイ)が多いため、中国海洋戦力の脅威に備えるための陸上軍事力には、水陸両用作戦能力が不可欠である。日本以外のこれらの諸国は、中国海洋戦力が強大化する以前より、国防に必要な水陸両用作戦能力を保持してきたし、韓国などは東アジア最強と言われる海兵隊を保有している。
しかし、その韓国といえども海軍側の水陸両用戦能力は低調であり、いくら強力な海兵隊を擁していても必要な両輪の片方が欠けていたのでは水陸両用作戦は実施できない。その他の諸国(台湾、ベトナム、インドネシア、マレーシア、タイ)も、現代軍事力の中でも最も複雑なものの1つとされている水陸両用能力を満足な状態で保有しているとは言いがたい。
そこで、最近アメリカ海兵隊は、これら中国周辺諸国の海兵隊・海軍陸戦隊との結びつきを強化し、自らの有する経験とノウハウの伝授に力を注いでいる。
さらに、それら東アジア・東南アジア諸国に対して軍事的支援が可能なアメリカの同盟国であるオーストラリアやニュージーランドに対しても、アメリカ海兵隊によるテコ入れが強化された。とりわけ、オーストラリア陸軍はアメリカ海兵隊の海兵遠征隊(MEU)に相当する水陸両用作戦能力を身につけた部隊を構築中であり、間もなくオーストラリア版MEUが誕生する。オーストラリア海軍はそのオーストラリア版MEUを素早く展開させるための強襲揚陸艦をはじめとする軍艦を建造中であり、近々オーストラリア海軍水陸両用戦隊もまた誕生する。
そして、最近になり海兵隊の働きかけが功を奏したためか、ようやく日本も重い腰を上げて水陸両用能力の本格的構築に舵を切ったように見受けられる。少なくとも海兵隊はこのように理解しており、そのために日米合同訓練「ドーンブリッツ2013」をはじめとして、自衛隊による水陸両用能力構築に対する協力を惜しまない態勢を取っている。
海兵大将が強制財政削減の影響を警告 このように、「関与政策派」的動きが米軍内にも出てきているとはいうものの、依然として米軍による「封じ込め派」的な動きは継続している。ただし、それらはオバマ政権による強制財政削減の影響に直撃されつつある。
海兵隊総司令官エイモス大将と海軍作戦部長グリーナート提督は次のようなことを述べている。「このまま強制財政削減が続くと、オバマ政権が打ち出した『リバランス』はとても推進することができない。なぜならば、リバランスにはアジア太平洋地域に展開配備される艦艇と兵員の増強が不可欠なのに、強制財政削減下では艦艇・装備・兵員の量的あるいは質的削減が必要になるからである」。
この文脈での海兵隊総司令官と海軍作戦部長が指摘している「リバランス」は、先週の本コラムで紹介したアメリカ海軍内の「関与政策派」的なものではなく、上記のP-3C包囲網や水陸両用能力の伝授といった具体的動きに示されている「封じ込め政策派」的な動きを指している。
そしてエイモス海兵大将は、アジア太平洋「リバランス」のためにアフガニスタンから撤退する戦闘部隊をアジア太平洋地域に再配置するといっても「海兵隊がアフガニスタンで使用してきた装備・資機材の7割以上がイラクで使用したものであり、そのような装備をさらに繰り返し使用することはもはやできない相談である」と述べ、強制財政削減により予算が大幅にかつ一律にカットされてしまっている状況では「アジア太平洋地域に展開する海兵隊の戦力を強化するどころか維持することすら極めて疑わしい状況である」との見解を示した。
海兵隊総司令官エイモス大将(中央)
エイモス大将は、海兵隊が海外に展開して戦闘することができなくなることは、平和が維持できなくなることを意味する、といった趣旨の警告も発している。要するに、海兵隊による「封じ込め」的効果を撤回してしまうと、これまで維持されてきた日本周辺の軍事的安定も保証の限りではないということである。
米国の「関与政策」への傾斜を阻止せよ 日本をはじめとする中国周辺諸国の軍隊がP-3CやP-1といった高性能哨戒機を運用することや、海兵隊・海軍陸戦隊を保有するとともに、揚陸艦をはじめとする海軍の水陸両用戦隊を整備して水陸両用能力を強化することは、アメリカ軍事戦略にとっては中国海軍に対する「封じ込め政策」推進に欠かせない。だが、それら周辺諸国の哨戒機や海兵隊それに揚陸艦は、なにもアメリカのために存在するのではない。第一義的にはそれぞれの周辺諸国自身が「牙を剥き出しにしつつある」中国海洋戦力から自国を防衛するために欠かせないツールであることは言うまでもない。
つまり、日本が対潜哨戒能力をさらに向上させ、水陸両用作戦能力を構築することは、第一義的には日本の防衛に資するとともに、アメリカの対中「封じ込め政策」の一部を成すことにもなるわけである。
もちろん戦時ではない現在、ガス抜きとしての「関与政策」的施策は必要である。つまり、徹底的な「封じ込め政策」を実施して中国政治軍事指導層中の強硬派を憤激させ事態を悪化させることを避ける、ということである。
しかし、アメリカによる「封じ込め政策」的施策のほとんどが日本の国防に直接有用である以上、日本が歓迎すべきアメリカの対中基本姿勢は一目瞭然である。
中国共産党政府は、あらゆる手段を使ってホワイトハウス、アメリカ連邦議会、それにペンタゴンによる「リバランス」政策を「関与政策」的性格に向かわせようとしている。そして、上記のように強制財政削減措置に陥っているアメリカ政府が、「封じ込め政策」の実施を実質的に諦めざるを得ない状況に陥ってしまうのは必至である。
日本政府は、「日本を取り戻す」ためにも、アメリカの対中戦略の根本原則が「関与政策」に傾斜することを阻止する努力を本気で開始しなければならない。 JBpress.ismedia.jpより引用
|



