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「中国封じ込め」にブレーキをかけるアメリカ海軍
リムパックに招待された中国海軍、日本はどうする?
 
(1)からの続き
 

なぜアメリカはリムパックに中国を招待したのか

 このような“些細な出来事”とは違い、アメリカ軍関係者や極東防衛戦略家たちの間でも議論になっているのが、ロックリア司令官が歓迎の意を表明していた中国海軍のリムパック-2014への参加表明である。
 
 リムパックというのは、アメリカ太平洋艦隊第3艦隊が主催し、ハワイ周辺海域で実施される総合的海洋戦多国籍訓練である。1971年に初回が実施され、その時はアメリカ海軍・カナダ海軍・オーストラリア海軍・ニュージーランド海軍が参加し実施された。80年には、これら4カ国海軍や時折参加したイギリス海軍に加えて海上自衛隊が参加した。以後1年おきに実施されているリムパックに海上自衛隊は欠かさず参加している。
 
「リムパック-2012」の参加艦艇
イメージ 1 やがて90年からは韓国海軍も参加し、それ以降徐々に参加国が増えて2012年のリムパック-2012にはロシア海軍までもが初参加して、アメリカ海軍、アメリカ沿岸警備隊、海上自衛隊、カナダ海軍、オーストラリア海軍、ニュージーランド海軍、韓国海軍、チリ海軍、メキシコ海軍、シンガポール海軍、フランス海軍、そしてロシア海軍が艦艇を参加させ、それにアメリカ海兵隊や数カ国の海兵隊部隊も水陸両用作戦部門の訓練に参加した。それらに加えて、インド、インドネシア、フィリピン、タイ、マレーシア、トンガ、コロンビア、チリといった太平洋沿岸諸国ならびにイギリス、オランダ、ノルウェイも演習に参加した。
 
 このように、近年のリムパックは「中国海軍を除け者にした太平洋周辺諸国海軍」にアメリカの仲間が加わった大規模海洋軍事演習という、あたかも「封じ込め政策派」的な多国籍軍合同訓練の様相を露骨に呈するようになってきたのであった。
 
 ところが、そのリムパック-2012終了後、当時のパネッタ国防長官が訪中する際に、ロックリア太平洋軍司令官は中国海軍をリムパックに招待するようパネッタ長官に進言したという。
 
 その後、第2次オバマ政権の発足に合わせて、「封じ込め政策」に懐疑的なジョセフ・ナイ博士は、「中国に、中国が包囲されていると勘違いさせない」ために「海洋での諸規則に関する議論を開始すべきであり、太平洋での海軍演習(すなわちリムパック)に中国を参加させるべきであり、各種条件が整えばTPPにも引き入れるべきである」との提言を含んだ『中国とは協働しよう、封じ込めてはならない』という論考を「ニューヨーク・タイムズ」(2013年1月26日)に公開した。実際に、ヘーゲル国防長官も中国にリムパック-2014への参加を招待したのであった。
 
 そして、多くの海軍関係者や極東防衛戦略家たちを驚かせたのは、2013年4月に中国政府が正式に「アメリカの招待を受けて、来年開催されるリムパック-2014に中国海軍が参加する」意向を通知してきたことである。
 
 その後、中国海軍のリムパックへの参加に関しては、政治家や戦略家のみならず現場の海軍や海兵隊関係者たちの間でも、「関与政策派」的に参加を支持する立場と「封じ込め政策派」的に疑問を呈する立場に分かれて議論が続いている(この議論は日本の防衛政策に関しても極めて重要であるため、稿を改めて紹介させていただく)。
 
 ただし、今回の米中戦略・経済対話に参加したアメリカ太平洋軍司令官ロックリア海軍提督が再び「関与政策派」的立場からの米中軍事関係構築の方向性を明言したことで、少なくともロックリア提督が太平洋軍司令官に在任している間は、またその間に決定された事項・行事に関しては、アメリカ太平洋軍関係緒部門は、露骨な「封じ込め政策派」的方針を打ち出すことは抑制せざるを得なくなってしまうことが再確認された。
 
 オバマ政権は軸足をアジア太平洋に移す方針、いわゆる「リバランス」を打ち出しており、中国側はこれに対して中国封じ込めとの疑念を呈している。このことに対して、アメリカの「関与政策派」陣営では、「中国側にアメリカが封じ込めを意図していないことを理解させる」一環として、米中軍事対話を積極的に推し進める方針を繰り返し述べている。そして、上述したナイ博士の提言の通りに、リムパック-2014に中国海軍を招待する段階にまで立ち至っている。
 

一枚岩とは言えないアメリカ軍の方針

 しかし、アメリカ海軍が完全に「関与政策派」になってしまったというわけではない。アメリカ海軍の現役・退役の将官・将校そして関係者たちの中には、「封じ込め政策派」的な戦略や構想を打ち出している人々も少なくない。また、自衛隊に水陸両用作戦能力を身につけさせようと努力している海兵隊のように「封じ込め政策派」的な動きを維持している勢力もアメリカ軍内部には依然として力を持っている。すなわち、アメリカ軍といえども中国人民解放軍に対する大戦略の部分ですら決して一枚岩とは言えない状況である。
 
 そこで、日米同盟の強化を国是としている日本政府にとって欠かせないのは、アメリカ国防当局が「封じ込め政策」「関与政策」のいずれを選択した方が日本防衛にとり有効なのかをイデオロギー的ではなく科学的に判断し、積極的にアメリカ政府・アメリカ連邦議会・軍関係者に働きかけることである。そうしない限り、あらゆる方面に強力なロビイ活動を展開して自国に都合の良い政策をアメリカに採らせようと躍起になっている中国と、アメリカの政策に対する影響力の差は現在以上に大きく開いてしまう。日本政府は、決して第2次世界大戦前の轍を踏んではならない。
 
 アメリカが「封じ込め政策」を採るといったら日本も一緒になって中国海軍を封じ込めようとし、アメリカが「関与政策」に傾斜したら日本も中国海軍との対話を推進する、というのではアメリカからも中国からも見くびられ無視されるのは当然の成り行きである。
 

 もっとも、そのような確固たる防衛方針を維持するには、質・両共に適正なる自主防衛能力を保持していなければならず、そのためにはそれに見合った規模で国防予算が増額されなければならないという現実的問題が解決されなければならないことは言うまでもない。


JBpress.ismedia.jpより引用
 
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「中国封じ込め」にブレーキをかけるアメリカ海軍
リムパックに招待された中国海軍、日本はどうする?
中戦略・経済対話に参加したアメリカ太平洋軍司令官ロックリア海軍提督は、米中軍事関係が極めて良好な方向に進んでいるとの見解を記者会見で語った。
 
 この発言の背後には、JBpress(7月12日)のコラム「米国を喜ばす術を身につけ始めた人民解放軍」で宮家氏が指摘したような中国人民解放軍側の米軍に対する態度の変化という流れとともに、アメリカ軍最高指導層内部にも「関与政策派」的立場を具体的動きとして打ち出してくる勢力が力を得ていることを示している。
 

太平洋軍司令官が中国海軍の勢力拡大を容認

 太平洋軍司令官ロックリア提督は米中戦略・経済対話後の記者会見で米中軍事関係の進展を以下のように称賛した。
 
 「アメリカ軍と中国軍の関係強化推進は極めて称賛に値すべきものである。“称賛に値すべき”というのは、われわれは2カ国の意見が合致する領域や、2カ国が合意に至る余地が大きい分野に関して非常に良好な対話を維持しているし、意見が一致しない案件に関しても冷静に正面から取り組むことができるからである。摩擦が生ずる事案というのは、両軍同士が理解し合ってもおそらくは解決はできないであろうが、管理することはできるであろう」
 
 そして、最近実施されたアメリカ海軍と中国人民解放軍海軍による合同人道支援・災害救助(HA/DR)訓練や、アメリカ軍と中国人民解放軍によるHA/DR机上演習、それにアメリカ軍艦や中国軍艦の相互訪問などの具体的事例を語って、米中両軍、とりわけアメリカ海軍と中国海軍の友好関係が具体的に進展していることを説明した。
 
 さらに提督は、2014年の夏にハワイ周辺でアメリカ海軍が主催して実施される「リムパック(RIMPAC)-2014」に中国海軍が参加を表明していることに関して「中国軍、中国海軍にとって大きな第一歩である。中国側は、海をわたってリムパックに参加することにワクワクしているようだ。ぜひとも(中国海軍のリムパック初参加が)成功するように願っている」と、大歓迎の意向を表明した。
 
 ロックリア司令官は、明らかに質量ともに強化されつつある中国海軍が活動範囲を拡大させている傾向に関しては、次のように語った。
 
 「アメリカ海軍は引き続きアジア太平洋地域での存在を維持していくと同時に中国海軍がその活動海域を拡大しているため、比較的経験が浅く若い双方の将兵が今以上にしばしば遭遇する機会が増えることは間違ない。したがって、我々は双方の海軍がそれぞれの周辺で作戦する能力を管理しなければならない。・・・両国の海軍は(中国に近接した海域で)プロフェッショナルな行動を相互に取ることができるようになっている」
 
イメージ 1 「以前では考えることすらできなかったことだが、中国海軍はすでに第1列島線だけでなく第2列島線をも越えて活動している。それだけではなく、中国海軍はアメリカ海軍と一緒にアデン湾で対海賊作戦を成功裏に実施できるようになっている。中国経済が世界的に成長したのに伴い中国の安全保障に関する関心が中国沿岸域にとどまらず、より一層拡大するのは自然の成り行きと考えている」
 
 このように、ロックリア太平洋軍司令官は、中国海軍の成長に伴い西部太平洋方面でのアメリカ海軍と中国海軍との遭遇の機会が増加することを指摘し、いかなる海軍にとっても、司令部や現場指揮官による何らかの状況判断ミスにより偶発的衝突が起きる恐れが想定できる以上、米中双方でより対話を進めてしっかりとしたルール作りが必要であると指摘した。
 
 すなわち、中国海軍が強大化していくことに関する脅威を抑え込むのではなく、米中海軍が協働できる環境を整えるべきである、との「関与政策派」的立場を明らかにした。
 

日米合同訓練での些細だが気になる出来事

 ロックリア司令官が述べたように、太平洋軍司令官級の将官が中国軍や中国海軍との友好的状況を強調した「政治的」姿勢を示すことは何ら目新しくはない。しかし、今回のロックリア提督の「関与政策派」的表明は、アメリカ海軍側の具体的な対中態度に裏付けられているとも考えられるため、単なるアメリカ軍高官による親善的リップサービスと片付けてしまうわけにはいかない。
 
 上記のような「関与政策派」的表明から遡って考えると、6月にカリフォルニア州サンディエゴ周辺で実施されていたアメリカ海軍(第3艦隊・第1海兵遠征軍)主催の多国籍軍(アメリカ、日本、カナダ、ニュージーランド)による水陸両用作戦合同訓練「ドーンブリッツ2013」においても、なんとなく気になる出来事があった。
 
 本コラム「中国が日米合同訓練『夜明けの電撃戦』にクレームをつけた本当の理由」(6月20日)でも指摘したが、ドーンブリッツ2013開催前に、中国政府が訓練中止を要請した。それは明らかに様々な訓練の一環として日米(アメリカ海軍・海上自衛隊・海兵隊・陸上自衛隊)合同上陸作戦訓練が含まれていたからであった。中国にとっては、日本の水陸両用作戦能力それも場合によっては島嶼防衛にとり有用な上陸作戦能力を自衛隊が構築するのをアメリカ軍が後押しするのは、まさに「封じ込め政策派」的方針そのものであるため露骨な不満を表明したのであった。この中国の干渉とは関係なくドーンブリッツの訓練は、日米合同上陸訓練も含めて、予定通りこなされた。
 
 しかし、この訓練に海上自衛隊と陸上自衛隊の双方が参加することに関して、開始以前より「歴史的な快挙」と盛り上がっていた海兵隊(本コラム6月6日参照)が訓練期間中を通してあらゆる面で積極的であったのに比べて、第3艦隊はそのような第1海兵遠征軍を“冷ややかに”見つめていたと勘繰れなくもなかった。
 
 なんといっても、主催が第3艦隊と第1海兵遠征軍であり、訓練期間中にはそれぞれの司令部(第3艦隊はサンディエゴ市内に司令部があり、第1海兵遠征軍司令部はサンディエゴ郊外キャンプ・ペンドルトンに位置する)に司令官が将旗を掲げていたにもかかわらず、第3艦隊司令官は公式行事や各種レセプションに一度も顔を出さなかった(第1海兵遠征軍司令官は、公式行事のみならずテレビクルーのインタビューにまで積極的に応じていた)。
 

 ロックリア海軍提督の「関与政策派」的言動と結びつけると、アメリカ海軍上層部には「関与政策派」的勢力が勢いを強めているのではないかと勘繰れなくもない。


(2)へ続く
 
JBpress.ismedia.jpより引用
 
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最終艤装中の駆逐艦特型(?)天霧』 (昭和5年 石川島造船所)
Nov, 1930
The Special Type2 Destroyer "Amagiri" fitting out in Ishikawajima ship-yard.
The "Amagiri" is a meaning named the Mist in the entire sky
 
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 本日、2013年8月2日は、 第二次世界大戦1943年ソロモン諸島ニュージョージア島西で、アメリカ海軍の魚雷艇PT-109と日本海軍の駆逐艦天霧が衝突し、魚雷艇PT-109の艇長ジョン・F・ケネディが負傷してから70周年にあたります。
 
 そこで、本日はジョン・F・ケネディ負傷70周年記念特集としてアマゾンの軍事関連書籍の書評を行います。
 
 書評の対象は『悪魔の魚雷艇』朝日ソノラマ新戦史シリーズです。
 
 ジョン・F・ケネディ負傷の詳細をご存じない方は、リンク先の"Wikipedia"の項目や下の動画をご覧下さい。
 
 
 
 下にアマゾンに公開したレビューを掲載します。
 
「奮戦!PTボート」
評価 ★★★★★
イメージ 1本書は、「商品の説明」にあるように第二次世界大戦時のアメリカの魚雷艇いわゆるPTボートの戦場での活躍を取り上げたノンフィクション小説です。

PTボートの乗組員の戦場での活躍を中心に描いているため、PTボートのハードウェアの解説は皆無ですので、その点に注意して本書を読むことをお勧めします。

日本語で読めるPTボートの本は、本書だけですので星5つとさせていただきます。
 
 明らかに内容が不足していますので、近日中に加筆する予定です。
 
 上のアマゾンに公開したレビューにご賛同いただける方で、アマゾンの「このレビューは参考になりましたか?」の項目に「はい」にクリックをお願いします!
 
 レビューへの賛同を頂けるとより多くの人にアマゾンでのレビューが見られる仕組みになっております。
 
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「オスプレイ恐怖症」、再び?
日本の国防にとってオスプレイはなぜ必要なのか
4月29日、小野寺五典防衛大臣とヘーゲル米国防長官がワシントンで会談した際に、ヘーゲル長官から、2013年夏、在沖縄海兵隊へ12機のMV-22B「オスプレイ」が配備されることが公式に通知された。
 
 (もっとも、この第2陣の配備は、沖縄の第3海兵遠征軍が使用している老朽化したヘリコプターの交換であり、2012年夏に第1陣の新旧交代のためのオスプレイ12機が岩国基地経由で普天間基地に配備された際には、すでに第2陣の交換配備は予定されていたため、単なる“確認”でしかない)
 
 これに対して、沖縄の有力紙はじめ一部のマスコミや日米同盟分断勢力は、「オスプレイの安全性」に加えて騒音や飛行ルートに関する“約束違反”といった論点を追加して、第2陣オスプレイの配備に反対する動きを開始した。
 
 そして、第2陣オスプレイが岩国基地に一旦揚陸されて普天間基地に飛行して配備される日程が迫ってくると、再び“オスプレイ恐怖症”の宣伝を繰り広げて反対キャンペーンを展開するものと思われる。
 

オスプレイは輸送機である

 2012年夏、オスプレイ恐怖症が蔓延した際に、筆者は「オスプレイの安全性」ではなく「オスプレイの日本の国防にとっての必要性」に関する理解が欠かせない、と繰り返し指摘した(「JBpress」2012年7月20日8月14日10月12日、『海兵隊とオスプレイ』並木書房、など)。
 
 その後、尖閣諸島を巡る日中対立が激化してきたため、「海兵隊がオスプレイを手に入れると、沖縄から尖閣諸島どころか中国本土へすら短時間で出動可能であるため、中国にとっては脅威的存在となり、日本にとっては頼もしい抑止力になる」といった論法で、オスプレイの必要性が説明される場合が少なくないようである。このように理解しても「オスプレイの在沖縄海兵隊への配備は日本の国防にとって必要である」という筆者の結論と合致しはする。しかしながら、本質的に「オスプレイはなぜ日本の国防にとって必要なのか」という議論の本質を理解したことにはならない。
 
 上記のような説明では、あたかも尖閣諸島で日中軍事衝突が発生し、アメリカ政府が軍事介入に踏み切った場合には(このような前提自体、甚だ問題点が多いのであるが)、普天間基地からアメリカ海兵隊第31海兵遠征隊“尖閣奪還上陸チーム”がオスプレイに乗り込んで尖閣諸島まで急行し、中国侵攻軍を撃破するといったイメージを与えかねない。
 
 しかし、海兵隊のMV-22Bオスプレイは、これまで半世紀にもわたって海兵隊に用いられてきたCH-46シーナイト中型輸送ヘリコプターと入れ替え中の新型輸送機である(今夏に沖縄で入れ替えられる予定の12機で、ようやく危険性が極めて高くなっている老朽CH-46との新旧交代がほぼ完了する)。つまり、オスプレイは敵を蹴散らす攻撃機ではないことを明確に認識しておく必要がある。
 
ベトナム戦争で補給活動をする海兵隊CH-46(写真:USMC)
イメージ 1 これまでの各種ヘリコプターと比べると、オスプレイの航続距離とスピードは飛躍的に伸びた。普天間基地から尖閣諸島(魚釣島まで434キロメートル)まで完全武装した海兵隊員をオスプレイ1機あたり24名搭載して無給油で送り込むことが可能となったことは事実である。
 
 しかし、アメリカ海兵隊が尖閣諸島奪還のための強襲上陸戦闘ミッションにオスプレイを投入することはない。オスプレイは、尖閣諸島を占領した敵勢力を撃破した後に、負傷者の後送や敵の反攻へ備えるための増援部隊の投入や防御用物資の搬入のために沖縄から飛来することになる。このような役割を果たすことが可能なオスプレイは、奪還作戦全体には欠かせない機種ではあるものの、それによって中国軍を撃破するわけではない。
 

日本が必要とする海兵隊の水陸両用戦・即応能力

 オスプレイが日本の防衛にとって必要な理由は、沖縄を本拠地とするアメリカ海兵隊第3海兵遠征軍(厳密には、それに加えて佐世保を本拠地とするアメリカ海軍第7艦隊第11水陸両用戦隊)の持つ「水陸両用戦・即応能力」が、日本の防衛、とりわけ中国の海洋戦力への対抗上どうしても必要だからである。
 
 沖縄の第3海兵遠征軍に限らずアメリカ海兵隊を特徴づける能力は、高度な水陸両用戦・即応能力である。水陸両用戦能力とは、陸上の作戦目的地に、陸上戦闘部隊が海上やその上空を経由して到達し、上空からの支援部隊と共同して地上戦を展開し敵を撃破する作戦能力を意味する。即応能力とは、世界中の紛争地に48時間以内に到達可能なだけの即応態勢を常に維持し、出動命令とともに直ちに作戦地に駆けつけることができる緊急展開能力を意味している。水陸両用戦・即応能力は、海上・陸上・航空部隊による密接な統合能力が大前提となっている複雑な軍事能力である。
 
 世界中の紛争が発生した地域や災害救援・人道支援活動が実施された地域の大半は、沿岸地域や海岸線からそれほど離れていない地域であると言われている。そして、戦闘にせよ、大規模災害にせよ、そのような作戦地域には内陸部から海岸線に向かって作戦部隊を進めるよりも、海洋側から海と空を経由して作戦地域に到達する方が時間的にも技術的にも有利な場合がほとんどであることを、数多くの戦例や被災例が物語っている。
 
 例えば、東日本大震災に際しても、被災地である沿岸地域に被害が少なかったものの交通網が寸断されている内陸側から接近を図った自衛隊部隊は苦闘を強いられた。もし、日本が独自にアメリカ海兵隊的な水陸両用戦・即応能力を保持していたならば、海側から上陸部隊やヘリコプターによる空挺部隊などを投入することが可能であった。
 
ホワイトハウス要員や同行記者団用の
海兵隊オスプレイ(写真:USMC)
イメージ 2 実際に、陸からでは到達できない気仙沼大島のような孤島に最初に上陸した大規模救援部隊は、東南アジアから急行してきたアメリカ海兵隊の部隊であった(古庄元海幕長に伺った話だが、大正12年の関東大震災に際しても、東京市内に最初に救援部隊を送り込んだのは、陸を急行した陸軍ではなく、軍艦で東京湾から陸戦隊を上陸させた海軍であったという)。
 
 東日本大震災や関東大震災だけでなく阪神・淡路大震災や新潟県中越地震など、海から救援隊が海や空を経由して被災地に到達できれば、より迅速な救援活動が期待できたと推測できる事例は、島嶼国家日本には少なくない。そして、それは災害救援活動だけではなく、島嶼防衛をはじめとする国防でも全く事情は変わらないのである。
 
 ところが、国際軍事常識に照らすと極めて不思議なことに、日本には水陸両用戦・即応能力のエキスパートである軍事組織は存在しない。そこで、 沖縄を本拠地とするアメリカ海兵隊第3海兵遠征軍(厳密には、それに加えて佐世保を本拠地とするアメリカ海軍第7艦隊第11水陸両用戦隊)が日本防衛システムの重大な欠陥の穴埋めをしているのが現状である。
 

中型輸送機は海兵隊にとってなくてはならない存在

 第3海兵遠征軍が日本の防衛にとり必要な理由は上記の通りであるが、それならば、なぜオスプレイが日本の防衛にとって必要ということになるのであろうか?
 
 それは第3海兵遠征軍に限らず「MAGTF」(マグタフ、海兵空陸任務部隊)と称されるアメリカ海兵隊の作戦組織構造にとって、オスプレイすなわち新鋭中型輸送機はなくてはならない存在だからである。
 
 水陸両用戦・即応能力を遺憾なく発揮するためにアメリカ海兵隊が生み出した作戦組織構造であるMAGTFを大雑把にまとめると、海から海と空を経由して陸上の作戦地に到達した海兵隊陸上部隊は、海兵隊戦闘航空部隊による支援を受けたり、海兵隊輸送航空部隊によって補給や兵員増強それに負傷者後送などを実施しながら作戦を遂行する。したがって、海兵隊の陸上部隊と航空部隊は一体化されており密接不可分な存在になっている。
 
 一見すると陸軍部隊のような海兵隊であるが、海兵隊自前の各種航空部隊は“陸上部隊に取り付けられた付属的存在”ではなく、陸上部隊と航空部隊のどちらが欠けても海兵隊ではなくなってしまう。アメリカ海兵隊の作戦行動は、このようなMAGTF(陸上部隊+航空部隊)が海軍艦艇に搭載されて世界中に派遣されるという仕組みになっているのである。
 
 そのような陸上部隊と航空部隊が一体となっている第3海兵遠征軍をはじめとする各種海兵隊部隊が、敵が待ち受ける海岸線に強行上陸を実施する作戦(現代ではほとんど実施され得ない)以外の様々な戦闘や災害救援・人道支援活動などで、最も多用してきたのが、輸送ヘリコプターである。とりわけCH-46シーナイト中型輸送ヘリコプターは過去半世紀にわたって世界中の紛争地や災害救援・人道支援活動地域に海兵隊員たちを送り込んできた。
 
 しかし、機体によっては50年近くも使われているCH-46の老朽化が進み危険性が増大していることは、航空機専門家でなくとも容易に想像がつくところである。そのような“老兵”を新鋭機種に取り替える作業が、CH-46をオスプレイに交換する作業なのである。
 
 5月2日には、ホワイトハウス要員や政府高官それに同行記者団などの移動手段とされてきた海兵隊のCH-46をオスプレイへと交換する作業が完了した。普天間基地問題や“オスプレイ恐怖症”による感情的な反対の蔓延などによって、危険極まる老朽ヘリコプターが最後まで残ってしまったのが沖縄ということになってしまったのである。
 

オスプレイへの交換によって日米同盟が効力を発揮

 このような、老朽ヘリコプターを新鋭輸送機オスプレイに交換することは第3海兵遠征軍にとっては、靴底が磨り減り穴が開いたボロ靴を歩きやすい工夫がされた新しい靴に履き替えるようなもので、様々な作戦行動がよりスピーディーにより安全に実施可能となるわけである(ただし、上述したように、尖閣諸島奪還作戦のような敵前強行上陸ミッションには使用できない)。
 
間もなく普天間基地から姿を消す“老兵”CH-46、
眼下には昨年交代配備されたオスプレイと交代を
待つCH-46(写真右側)が駐機している(写真:USMC)
イメージ 3 反対に、もしこのような新しい靴としてのオスプレイが第3海兵遠征軍に配備されなかったり、また新しい靴を履き慣らすようにオスプレイが配備されても慣熟訓練ができなかったりした場合には、せっかく日本の防衛や日本周辺そしてアジアの安全のために沖縄を本拠地にしている第3海兵遠征軍の活動が停滞してしまうことになる。
 
 要するに、陸上部隊と航空部隊と一体となって活動することが前提となっているアメリカ海兵隊の作戦組織構造(MAGTF)にとって、中型輸送機オスプレイは必要不可欠なツールであり、それなしでは海兵隊の作戦活動は実施不可能に近いのである。
 

 このような意味で、オスプレイを第3海兵遠征軍が手にして使いこなすことによって、日本が現在自前で手にしていない水陸両用戦・即応能力を確保することになるわけである。それによって、日本が基地を提供しアメリカが軍事力を提供するという日米同盟のギブアンドテイクが機能し、中国海洋戦力をはじめとする対日軍事的脅威に対して日米同盟が抑止効果を持つことを期待できるのである。


JBpress.ismedia.jpより引用
 
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米海軍が最新鋭戦闘艦を新造、東南アジアに配備
中国の海洋進出に対抗、空軍との連携強化も狙う
 
(2)からの続き
  

LCSはどのように運用されるのか

 LCSの概要については前項において説明した通りであるが、米海軍がこのような新機軸の艦を使ってどのようなオペレーションを実施するのかについて以下述べてみたい。
 
 LCSの運用に当たっては、次のことが重要なポイントになる。
 
(1)40ノット以上の高速力を発揮する。(LCS-1は最大45ノット、LCS-2は最大47ノット)
(2)3種類(ASW、MIW、SUW)の任務モジュールを陸上に保管しておき、任務に応じて1種類を出港前に人員と共に搭載する。
 
 任務モジュールが、これらの3種類の各種戦対応となったことについて、米海軍は「能力の間隙」(Capability Gap)という表現をしている。これは、米海軍においてASW、 MIW、 SUWの3つが沿岸海域における戦闘能力として不足していることを意味する。そのギャップを埋め合わせるのがLCS建造の目的である。
 
 LCSの典型的な運用構想は、DDXが敵陸地を攻撃するために敵沿岸海域に近接する必要があり、このためのDDX前程の「露払い」のためにLCSがASW、 MIWおよびSUWにより敵ディーゼル潜水艦、敵機雷原及び敵高速舟艇群を駆逐するという構想である。
 
 任務モジュールの積み替えのためにはLCSがいったん基地へ帰り、積替え後作戦海域へ再進出する必要があり、この際LCSの高速力が発揮される。また、SUW作戦実施時においては高速の発揮が効果を挙げる。
 
 そのほか、高速の発揮は敵魚雷攻撃やミサイル攻撃からの回避、欺瞞作戦などにおいても有効である。これらの作戦により、LCSはDDXの沿岸近接を保障(Assured Access)することができる。
 
 LCSは高速を発揮することにより、広域の活動が実施可能である。例えば、東南アジアのシンガポールを基地とした場合、南シナ海北端(東沙群島)まで20ノットで約72時間で到達できる。マラッカ海峡西端までは、20ノットで30時間である。
 
 このように迅速に作戦海面に進出することにより広域において機を失することなく効果的な作戦が実施できると共に、次の作戦海面への迅速な移動も可能である。
 
 また、LCSはその機動性により、空母機動部隊などの護衛任務に使うことも考えられているようである。平時においては、海賊などの不法行動対処、国際救助活動などにおいてもその機動性を有効に発揮できる。当初、任務モジュールの1つに「GWOT(Global War On Terrorism)モジュール」(対テロモジュール)のアイデアもあった。
 

LCSの南シナ海配備の意義

 これらの作戦において、LCSの要となっているのがC4I能力である。LCSは、その高度のC4I能力により、外洋艦隊やDDXと同じレベルの情報を取得することができ、自艦が置かれている戦術状況を正しく把握することができる。
 
 従って、LCS艦長は艦隊司令官の意図に合った決断を下すことが常に可能である。また、逆にLCSが得たローカルな情報が即時に艦隊司令部に伝達され、司令官の情勢判断の資となる。
 
 これは、LCSのC4I能力により、局地においてもNCWという新しい戦いが実施可能となったことを意味し、それ自身はそれほど高い戦闘力を持っていないLCSが現場に存在することが、艦隊がその場に存在するのと同じ効果を発揮するということになる。
 
 緊張した南シナ海において、LCSが配備されることは深い意味を有している。すなわち、LCSという補助的な戦闘艦を南シナ海に配備することにより、軍事的な刺激を低く抑えることが出来ると共に、実質は高度な戦力を配備したのと同じだけの効果を得ることができるのである。
 

おわりに

 報道によれば、中国海軍は新型コルベット艦(約1400トン)を3月に新たに就役させた。この新型艦は、ステルス性を備え、小回りが利き、浅い海でも活動できるうえ、対艦ミサイルなど多種類の武器を搭載し、ヘリコプターの離着艦も可能という多機能艦であるという。
 
 この通りだとすれば、機能的には米海軍のLCSと似たところがある。米海軍LCSの南シナ海配備に対抗して多数のコルベット艦を建造する意図があるのかもしれない。また、東シナ海における緊張に備え、島嶼沿岸域における海軍戦力として運用する意図があるとも考えられる。
 
 今後、狭い沿岸海域における海上権益を巡ってLCSやコルベットのような機動性の高い小型水上艦の活動が活発になる可能性が極めて大きい。
 
 しかしながら、前述の通り、LCSは従来の水上艦の常識を覆した新しい基軸のコンセプトの下に計画された戦闘艦であり、コルベットなど他の水上戦闘艦とは大きく違った存在である。
 
 今後緊張した南シナ海などにおいてLCSがどの様な活躍をするかについては、米海軍はまだこの様な戦闘艦を運用した経験を持っていないが、これまで述べてきたC4I能力を活用した作戦の実施、任務モジュールの使用、高速の発揮などを理解すれば容易に推測することができる。
 

 LCSが、海洋沿岸域における対立のエスカレーション・コントロールの役目を十分に果たし、地域に安定をもたらせてくれることを大いに期待したい。


JBpress.ismedia.jpより引用
 
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