ミッドウェー海戦研究所

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航空自衛隊

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縮む日本の防衛産業 予算減が逆風、50社超撤退

 1千社以上に及ぶ日本の防衛産業は防衛予算の削減などを受けて弱体化している。事業から撤退する部品メーカーは中小企業を中心に約50社を超えており、技術や生産設備など産業基盤が維持できなくなるとの懸念も強まっている。

 大型装備品の共同開発の象徴例が、欧州で4カ国が参加するユーロファイター戦闘機と、米英など9カ国が参加するF35戦闘機だ。各国が得意とする技術を持ち寄って開発費を分担し、大量生産することで機体価格を引き下げている。F35は日本の次期戦闘機(FX)の候補だが、日本は計画に参加できなかった。

 日本がF35を導入するには、各国の同意を取り付けたうえでライセンス国産するか、輸入するしか選択肢はない。いずれの方法を選ぶにしろ、国際共同開発の参加国に比べて、導入費用は割高になる。日本の戦闘機は米軍機のライセンス国産が基本だった。ただ米国は同盟国にも先端技術を供与しない方針を近年になって強めている。(11:52) 

NIKKEI NETより転載。

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字数制限のため、前後編にわかれました。(1)の続きをご覧ください。
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政界再編への期待感と軌を同じくする「自衛隊活用」の議論

 日本の防衛費はこの7年間、削減が続いてきた。主として武器購入費が削られることになるから、防衛産業はどこも苦しい経営を強いられる。防衛産業というと、巨大企業というイメージがあるが、ハイテク兵器は細かい部品の集積であり、それを供給しているのは1000社以上の中小企業だ。こうした中小企業が受注の削減に悲鳴を上げ、防衛離れを引き起こしている。部品が供給できなければ大手も武器の生産ができなくなる。結果として巨大防衛産業も防衛省離れを余儀なくされつつある。

 富士重工は戦闘ヘリ「アパッチ」を60機以上受注できると見込んで生産体制を整備した。ところが実際に受注できたのは10機程度で大損害を被った。国に損害賠償を求めて提訴するという。事実上防衛産業からの撤退を宣言したようなものである。安定的な需給関係が確保されていなければならない防衛体制にあるまじき事態だ。

 防衛産業トップの三菱重工でさえ新たな道を模索している。中型旅客機MRJを生産し、世界規模で売り込もうとしている。今まで経験したことのない分野への参入であり、かなりの冒険だと思われるが、戦闘機生産で実績を挙げてきた同社でさえ先行きに不安を感じているということなのだろう。

 こうした実情を受けて、日本経済団体連合会は2009年7月、防衛力生産委員会で武器輸出3原則の見直しの提言をまとめた。また同年8月には首相の私的懇談会「安全保障と防衛力に関する懇談会」も同様の提言を行った。

 武器輸出を不当に制限することは防衛産業の崩壊になりかねない――そんな危機感が背景にあることは言うまでもない。武器がなければ国は守れないから結局、防衛体制の崩壊の危機に日本は瀕していることになる。

 北澤防衛大臣の1月の発言は、こうした経緯を踏まえたものであり、決して思いつきや気まぐれの発言ではない。鳩山首相は「口が軽い」とたしなめたが、実は鳩山氏自身も首相就任以前に武器輸出3原則見直しを示唆するかのような発言をしたことがあり、本音の部分では同調しているものと思われる。「口が軽い」という言い方自体、「本音を軽々に漏らすな」という意味であり、社民党や党内左派に気を使っての発言であろう。

事業仕分けで防衛予算は・・・?

 鳩山新政権下での予算編成は例の仕分け事業などで大いに話題を振りまいたが、実は隠れた争点の1つに防衛予算があった。自民党政権下で7年連続で減額され続けてきた。民主党は特に防衛費の増額を公約したわけではないから、当然この減少傾向は変わらないものと見られていた。

 ところが昨年末に閣議決定された予算案を見て防衛関係者は一様に驚いた。防衛費は4兆7903億円、前年度比0.3%の増額となったのである。もちろんこれには裏があって隊員の子ども手当などの費用235億円が含まれている。これを除くと0.2%の減額となるが、それでも前年度の減額比0.8%よりかなり少ない。

 ハト派とされる鳩山政権において表面的に防衛費が増額したかに見せようとした。これは驚くべきことである。

 実はここには国民新党の強い働き掛けがあったという。国民新党は現在の安全保障の状況からしてこれ以上の防衛費の削減は認められないと主張し、特に見送りの公算が高かった海自ヘリ搭載護衛艦建造費を予算に織り込むよう要望した。

 予算案を見ると果たしてこの建造費はついており、しかも防衛費全体も表面的には増額、実質減額という工夫がなされている。財務省が国民新党の要望を聞き入れ、苦肉の予算を組んだことが伺える。

 興味深いのは、民主党もこうした国民新党の主張に取り立てて異を唱えなかった点だ。おそらく民主党右派には国民新党の主張に同調する議員が少なくなかったと推測される。

 自衛隊について民主党は奇妙な沈黙を保っているが、予算案では柔軟な対応を見せたことになる。日米安保特に普天間問題では硬直した姿勢を取り続けているのと対照的だ。

 仄聞するところによると、民主党内には日米安保後を見据えた議論が出始めているという。つまり在日米軍が去れば、必然的に日本の防衛は自衛隊に委ねるしかなくなる。これは右派だけでなく、左派からも同様の意見が聞かれるという。「日米安保反対→自主防衛論」という図式ができつつあるらしい。そしてこれは党内にある政界再編への期待感と軌を同じくするようだ。

 「正直、今の政党の状況では民主党も自民党もやっていられない。」とある民主党関係者は言う。「意見が違った者同士が同じ党にいては動きが取れない」、「民主党も自民党も分裂して意見の同じ者同士一緒になるしかない」。

 しかし憲法改正とか親米・親中とかを政界再編の対立軸にするのは難しいという。イデオロギー論争になれば、党内は硬直してしまう。だが自衛隊をどう活用するか、という議論なら目に見えるし、分かりやすい。自民党も巻き込んでの議論もできる。「政界再編の軸は自衛隊だ」。その関係者はそう断言した。

原文は、日経ビジネス『Last Chance ――ニュースを斬る 』より転載。会員登録をしない方は、一部しか見られません。原文をご覧になりたい方は、会員登録をお願いします。

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発見が遅延したため、多少古い記事となってしまいましたが、ご覧ください。現在の情勢を踏まえてみると、別の意味で楽しめるかもしれません。
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政界再編への期待感と軌を同じくする「自衛隊活用」の議論

 「自衛隊はなかなか良くやっていますね」。ある国際機関の職員から、こんな声をかけられた。

 中米カリブ海で起きたハイチ大地震への緊急支援のことだ。折しも航空自衛隊が日米共同訓練で米アリゾナ州に展開中だった。そのC-130輸送機を急遽、米フロリダ州に回し日本の医療チームと日本政府があらかじめ保管していた救援物資を積みハイチに輸送、また米国人の被災者を米国に輸送した。

 各国がいち早く軍隊をハイチに派遣したのに対し、日本政府の初動の遅れは明らかだった。が、航空自衛隊がアリゾナにいなかったら、対応はさらに遅れていただろう。

 連立政権の一角を自衛隊の活用に消極的な社民党や民主党左派が占めている。そんな政権に対し、自衛隊の実力を見せつけた意味は大きなものがあろう。

発言がブレない防衛大臣

 北澤俊美防衛大臣の防衛省内での評判は悪くない。就任当初、この人事を不安視する向きは確かにあった。参議院の防衛族なのだが、ほとんど無名の存在と言ってよく、防衛省はもちろん防衛記者会ですらどんな人物か把握していなかった。民主党の掲げる脱官僚、政治主導の方針の下、防衛省叩き、自衛隊苛めの風潮に与するのではないかと危惧されたのも当然だろう。

 だが最初のブリーフィングから背広組も制服組も評価を改め始めている。無口ながら部下の説明に謙虚に耳を傾け、記者会見でも軽率な発言をしない。防衛省・自衛隊の立場をよく理解しており、部下の努力を無にするような発言は極力慎んでいる様子がうかがえる。当たり前のことのようだが、官僚叩きが恒常化している民主党政権下では有り難い閣僚である。

 当然、連立パートナーの社民党内での評判は芳しくない。沖縄の米軍普天間基地移設問題では社民党はグアムへの全面移設を主張しているが、北澤防衛大臣はグアムを視察して否定的な見解を表明した。社民党の抗議を受けて発言を修正したが、北澤防衛大臣が防衛省の従来の立場を貫こうとしているのは明らかだ。この問題で発言が二転三転した鳩山由紀夫首相、岡田克也外務大臣に比べるとブレがないのである。

 1月12日、この北澤防衛大臣がまたしても社民党を刺激する発言をした。防衛産業の関係者の集まる新年会で、武器輸出3原則の見直しについて言及したのである。首相は「(防衛大臣は)口が軽すぎた」とたしなめ、社民党は「理解不能」と反発してみせた。が、この発言は改めて北澤防衛大臣が防衛問題に対して確固とした意見を持っていることを明確に示したと言える。

 というのも、武器輸出3原則の見直しの必要性はもはや防衛関係者にとっては常識であり、急務でもあるからだ。

 なぜ武器輸出3原則の見直しが必要なのか? 実は3原則なるものが既に崩壊してしまっているからだ。

 1967年、佐藤栄作内閣が表明した武器輸出3原則は3つの地域に武器を輸出しないとするものだった。1つ目は共産国、2つ目は国連により武器輸出を禁じられている国、3つ目は紛争当事国または紛争の恐れのある国である。

 だがこの3原則が米ソ冷戦真っ盛りの頃、表明された事を思い起こしてもらいたい。当時、共産国の中心といえば、ソ連だった。だが現在、ソ連はない。この3原則の言う「共産国」に旧ソ連のロシアをはじめとする国々は該当するのだろうか? 旧ソ連が該当するかどうか不明の原則など、その意義の大半を喪失してしまっていると言ってよかろう。

 3番目の紛争当事国というのも問題だ。米国は現在アフガン・イラク戦争を遂行している以上、紛争当事国ということになる。大体、米国は常に戦争の一端を担っているような国だが、日本が最大の同盟国に武器輸出できないとなれば同盟関係は危機に陥るだろう。

 現に米国向けについては1980年代、対米技術供与に始まって2000年代のミサイル防衛の共同開発・生産に至るまで武器輸出3原則の例外化が繰り返し図られている。同盟国である以上、当然の措置だが、同時にそれは紛争当事国を支援しないという原則を維持できない事を示している。

 つまり3原則の中で現在、有意義と見なせるのは2番目の国連武器禁輸国だけである。武器輸出3原則はもはや武器輸出1原則だと言った方が正確なのである。

 実はこの3原則は、1976年、三木武夫内閣で「武器輸出に関する政府統一見解」として追加修正されている。内容は3原則対象地域以外の地域への武器輸出も慎むというものである。これからお分かりのように武器輸出についてあたかも3つの客観的な基準があるかのように思うのは間違いで、武器輸出を自粛するという曖昧な方針があるに過ぎない。

 現実には米国向けが先に述べたように例外化されているだけでなく、半導体をはじめとする軍事転用可能な部品や技術については事実上、野放し状態であり、北朝鮮、中国、イラン等々が日本の技術と部品を軍事転用するのをほとんど阻止できないのである。

 こうしてみると武器輸出3原則は言葉としてもおかしいし、しかも実効性も疑わしい方針なのである。

裾野が広い防衛産業が危機

 武器輸出が戦争を助長するという考え方があるが、必ずしも事実ではない。確かに紛争の真っ只中の地帯に武器を売りまくってしまう中国、北朝鮮のような国はある。しかし国連の決議を順守すればそのような事態にはならない。

 また日本に友好的で安定した国々に、日本の優秀な武器を輸出することは、その国の防衛力を強化し抑止力を高めるから紛争防止につながるだけでなく、その国と日本との永続的な友好関係の構築にも寄与する。というのも、現在のハイテク兵器はいったん買えば部品の供給が絶えず必要で、永続的な需給体制を維持しなければならないのである。

 つまり武器輸出はやり方次第では日本に友好的で安定的な国を増やし、世界平和に寄与することができる。さらに武器の量産を可能にするから武器の単価が安くなり、結果的に防衛費の効率的な使用を可能にする。

 してみると武器輸出3原則は、むしろ以下のように書き改めた方が現実的だ。

 次の3つの基準に該当する国と地域には武器輸出を許可しない
(1) 国連により武器輸出が禁じられている国と地域
(2) 我が国に対して非友好的であると判断される国
(3) 我が国と領土紛争の可能性のある国
(我が国固有の領土に対して領有権を主張している国)
 日本の防衛産業は武器輸出が禁じられているために市場が国内に限定され、少量生産ゆえの非効率に喘いでいる。
(2)へ続く)

原文は、日経ビジネス『Last Chance ――ニュースを斬る 』より転載。会員登録をしない方は、一部しか見られません。原文をご覧になりたい方は、会員登録をお願いします。

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←確か、落ちたのはこれと思われます。
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無人偵察機のエンジン停止=飛行試験中、落下処理−防衛省

 防衛省技術研究本部は9日、硫黄島周辺で飛行試験していた無人偵察機の試作機のエンジンが停止し、安全確保のため海に落下させたと発表した。水深が深いため、回収はしないという。
 技本によると、同日午前9時45分ごろ、F15戦闘機に搭載された無人機を発進させたが、約1分後にエンジンが停止しているのを地上で確認。同50分ごろ、F15からの指令で硫黄島の北北西約155キロの海上に落下させた。
 無人機は全長5.2メートル、全幅2.5メートル、全高1.6メートルで、事前のプログラムに従って飛行し、基地に戻る仕組み。
 2004年度から開発に着手しており、総経費は103億円。試作された4機のうち2号機が落下した。1機約8億円という。4機は昨年12月に飛行試験を開始。来年度、空自に引き渡し、運用方法などを検討する予定になっている。 時事ドットコム(2010/02/09-19:45)

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航空自衛隊OBが支える国産機開発 「絶対に起こしてはならなかった」F2墜落事故を胸に

 日本の航空機業界大手は防衛省の戦闘機や輸送機などを開発してきた。圧倒的な技術力や実戦経験を持つ米国と違い、日本の業界大手は高性能の機体を開発することは至難の技だった。 

 その開発の現場で汗を流してきたのが航空自衛隊や海上自衛隊のパイロットOBたちだ。日本の国防技術力を支えてきたOBたちの知られざる活躍を追った。 

 防衛省と日本の航空機業界にとって長年の悲願は国産戦闘機の開発だった。それは1980年代に自主開発の可能性があったが、米国の圧力に屈し、結局は共同開発に持ち込まれた。

 ただ、共同開発と言っても、米国側は技術を出し惜しみし、日本が持っていた複合材やレーダーなど先端技術は取られてしまった。米国の非協力的な姿勢ゆえ、日本は難しい機体の制御技術などに挑むことになった。

日米共同開発機「F2」の申し子、渡邉吉之氏

 そこで大活躍したのが航空自衛隊のエースパイロットだった渡邉吉之氏である。彼は1990年にF2の開発のために三菱重工業に移籍し、現在は同社の戦闘機の生産拠点である小牧南工場の工場長という要職を務めている。

渡邉氏は言う。

 「戦闘機の開発で最も難しいのは、設計する技術者が実際に乗れないということだ。そこが自動車の開発とは違う。犬を飼っていないのに、ドッグフードを作っているようなものだ。だから、パイロットの役割が大きい。パイロットが開発者にきちんと状況を伝えなければ、高性能の戦闘機は作れない」

 渡邉は1995年のF2の初フライトを任されるという栄誉を得た。その後は試作機を毎日のように操縦し、設計の改善をアドバイスしてきた。

人間の限界に達する戦闘機の試験フライト

 戦闘機のフライト試験は通常、1時間半だ。それで愛知県小牧市から、石川県の小松沖まで飛ぶ。実際のミッションは20分ぐらい。超音速飛行テストのほか、実際に荷重を人間が耐えられる限界である9Gまで掛けるのだという。

 「9Gでは毛細血管が切れ、意識を失う直前になる」。そこまでやらなければ、機体の振動の異変や計器類の適正な作動を確かめられないからだ。

 F2の開発でも、渡邉が技術者たちに口を酸っぱくして言ったのは「地上と上空では世界が全く違う」ということだ。

 高度1万メートルであり、ほぼ真空に近い極限の環境下では地上で起きないような異変が起きやすい。例えば、操縦室を覆う「キャノピー」でも地上での試験では分からないような空気の微量の漏れが上空では分かるのだという。

痛恨だったF2の墜落事故

 だから、渡邉氏は今でも、技術者たちに対して、厳しく接する。少しでも納得できない部分があれば、試験フライトをすべて中止させる。

 最近でも1週間ぐらい止めたことがある。そうなれば、航空自衛隊への納期が遅れかねないが、「パイロットは命懸けだ。うちのパイロットたちが少しでも不安に思えば、絶対に飛ばさない」と言う。

 渡邉氏にとって痛恨だったのは2007年10月のF2の県営名古屋空港での墜落事故だ。これはケーブルのつなぎ間違いという初歩的なミスだったが、試験飛行のために滑走路を浮上しようとした時に墜落してしまった。

これは絶対に起こしてはいけない事件だった。

 というのも、小牧南工場は隣接する県営名古屋空港から戦闘機を飛ばす。周囲は住宅街に囲まれている。万が一にでも、戦闘機で周辺の住宅に墜落するような事態になれば、三菱重工だけでなく、日本の国防すら揺らぎかねないからだ。

 渡邉氏は墜落事件後、再発防止のために、品質の監察部門のトップに航空自衛隊OBを起用した。作業手順マニュアルの見直しや日々の品質チェックも大幅に強化している。

 渡邉は58歳の今も、操縦桿を握り続けている。そのために、日々、肉体の鍛錬を欠かさない。

 戦闘機の操縦については「孤独な世界だ。エンジンの音なんて聞こえない。氷の上を猛スピードで突っ走っている感じ。時速2000キロメートルの世界なのだから。マッハ1を超えると、機体が空気摩擦で焦げ始めるのだよ」と言う。

 三菱重工の小牧南工場ではヘリコプターの操縦を含めて、20人近い航空自衛隊OBがいる。三菱重工は防衛省から修理・点検のアフターサービスを請け負っており、こうしたパイロットOBたちが実際の試験フライトで安全性を担保しているのだ。

大学の文系学部でも自衛隊パイロットに

 川崎重工業では戦闘機はないが、それ以外の輸送機、練習機、そしてヘリコプターなど数多くの機種の生産や修理などを担当している。

 最近は航空自衛隊向けの大型輸送機「CX」と、海上自衛隊向けの哨戒機「P1」の2機同時開発で現場は忙殺された。CXは初フライトが2年ぐらい遅れた。それでもCXは日本が独自開発した航空機では最大の機体であり、開発は難しい。

 この2機では世界で最先端の機体制御システムも搭載されている。ここにも、自衛隊OBたちの活躍がある。

 川崎重工の航空機事業部門の本拠地は岐阜県各務原市にある。この工場に隣接するのが、航空自衛隊の開発拠点である飛行開発実験団である。哨戒機「P3C」などが次々と基地から飛び立っていく。

 PXの開発メンバーであり、海上自衛隊出身の林晃一氏の経歴は異色だ。

 林氏は明治大学の文系学部出身である。昔から、パイロットに憧れていたが、航空自衛隊は理系学部しか採用しない。そこで、調べてみると、海上自衛隊は文系学部もOKだった。入隊前の面接でも、「将来は航空機の開発に参加したい」との希望をはっきりと言ってきた。

海上自衛隊の技術開発部隊「51空」

 2001年に川崎重工に移るまでは厚木基地に勤務していた。ここは海上自衛隊の技術開発部隊が勤務しており、略称「51空」と呼ばれる。次世代の哨戒機の開発などを進めている。

 林氏はここで、川崎重工が開発する哨戒機であるP1のプロジェクトに加わる。P1の目玉は機体制御のデータ管理を光ケーブルでやることだ。これは「フライ・バイ・ライト」と言われる世界でも最先端の技術だ。

 従来のワイヤハーネスに比べて、はるかに膨大なデータを取り扱える。それだけに機体の大幅な軽量化につながる。さらには敵からの電磁波攻撃などにも強いことが特徴だ。

 林氏は51空で、シミュレーター装置で操縦桿を握り、フライ・バイ・ライトの技術開発を進めていった。川崎重工でも、パイロットの視点から、設計や品質などのアドバイスをしている。

 川崎重工には自衛隊出身のパイロットが10人いる。その1人である馬場氏はもともと、航空自衛隊の戦闘機パイロットであり、今は輸送機を含めて大半の機種の試験フライトを担当している。

 林氏もF2の開発にも参加し、テストパイロットの教官も長く務めたベテランでもある。馬場氏は「自衛隊で航空機開発に携わった人が民間の大手に移るのだが、やはり現場は面白い」と言う。現在も月10回ぐらいは試験飛行する。

民間と防衛省のかけ橋に

 また、富士重は航空自衛隊のパイロット育成のための練習機「T5」や海上保安庁のヘリコプターが主力製品だ。このため、自衛隊から7人のパイロットが宇都宮市にある航空宇宙カンパニーの宇都宮製作所に勤務している。

 「戦闘機は第4世代、最新鋭の第5世代に進化するにつれて、操縦が簡単になってきている。操縦の本質をどのように教育で理解させていくかが課題になる。非常事態が起きても、冷静に対応できるよう、練習機の開発から考えていく」

 「そこで、重要なアドバイスをできるのが、我々のように自衛隊から民間に移っているパイロットだろう。防衛省と民間のかけ橋になるつもりで仕事をしている」

(今回が最終回です)


原文は、日経ビジネス『Last Chance ――航空機産業の活路 』より転載。会員登録をしない方は、一部しか見られません。原文をご覧になりたい方は、会員登録をお願いします。

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