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トモダチ作戦で活躍した米軍墜落ヘリ
在日米軍は“タクシー”なのか?
2013.08.29(木)北村 淳
8月5日に、アメリカ空軍ヘリコプターHH-60ペーブ・ホーク捜索救難ヘリコプターが沖縄宜野座村キャンプ・ハンセン内に墜落した。墜落したのは「トモダチ作戦」に際して被災地に出動したヘリコプターである。そのことを知った数百名の日本の人々が、墜落に際して死亡した搭乗員に対しての弔意と、墜落機が大震災に際して救難活動に従事してくれたことに対する謝意を示しているという報道がなされていると、日本の友人が知らせてくれた。
いまごろ、このような事実がようやく人々の耳に達したのはメディアの怠慢と驚いたが、多くの人々が嘉手納基地に弔意や謝意を評している状況は、一般国民の感覚というものはいかに常識的なものであるのかということを示している。
相変わらずの偏向報道 一部メディアでは「墜落したHH-60はトモダチ作戦の救援活動で活躍した」という事実を、墜落の報道に際して紹介していたと思うが、ちょうど海兵隊輸送機オスプレイが岩国基地から普天間基地に移動する最中であったためか、多くのメディアは無理やりオスプレイ配備と関連付けさせようという下心のある取り扱いをしていたようである。
それどころか、ヘリコプターの墜落事故ということで、2004年8月13日に沖縄国際大学構内に海兵隊の大型輸送ヘリコプターCH-53が墜落した事故を再び取り上げて、いかにアメリカ軍ヘリコプターは危険な存在であるか、そして“ヘリコプターに輪をかけて危険な”オスプレイが配備されているという報道姿勢であった。
その反面、そのような付帯的情報を大きく取り上げながらも、トモダチ作戦でのアメリカ空軍をはじめ海軍・海兵隊の活躍に関して論及はしない。
多くのメディアが、今回墜落した空軍HH-60ヘリコプター自身ならびにその同型機多数も、2004年に墜落した海兵隊CH-53ヘリコプターの同型機多数も、ともに「トモダチ作戦」に出動し活躍したというこの種のヘリコプターの“有用性”には触れないで、墜落するかもしれないといった“危険性”ばかり強調している。それらメディアは、オスプレイの“安全性”というものに拘泥し“オスプレイ恐怖症”を作り出してしまった過ちを反省していないようだ。
「トモダチ作戦」とHH-60 墜落したHH-60がトモダチ作戦で活躍したことを知った多数の人々が弔意や謝意を米軍に伝えていることを紹介する記事には「トモダチ作戦」に関する説明も添えられていた。「トモダチ作戦」自体が色褪せてきてしまっているということなのであろうか。
2011年3月11日、東日本大震災が発生し東北地方の広域にわたる地域が極めて甚大な被害を受けたとの情報に接したアメリカ政府は、在日米軍を派遣して救援活動を支援することを即決した。震災当日から、後に「トモダチ作戦」と名付けられる大規模災害救援活動がスタートした。
この種の作戦のエキスパートは海兵隊であり、翌日にはチンバーレーク大佐(当時)を指揮官とする災害救援司令部が普天間基地から飛び立った。
ちょうどこの時期、強襲揚陸艦に乗り込んだ海兵隊実働部隊(31-MEU)は東南アジアでの人道支援活動に従事中であり、直ちに反転し東北沖を目指したが、31-MEU救援部隊が到着するまでの米軍による救援活動の主役は空軍・海軍・海兵隊の各種ヘリコプターと航空機であった(拙著『写真で見るトモダチ作戦』並木書房、参照)。
3月12日には、嘉手納基地から急行した空軍HH-60捜索救難ヘリコプターが横田基地に到着しており、13日には空軍HH-60に乗り込んだ空軍・海兵隊合同先遣調査チームが山形空港に降り立ち、被災地に対する陸上航空前進拠点の設置を開始した。
3月12日、嘉手納基地から横田基地に到着したアメリカ空軍HH-60
(拙著『写真で見るトモダチ作戦』より、以下同)
3月13日、空軍HH-60で山形空港に到着した空軍・海兵隊先遣調査チーム
そして、HH-60により、米軍調査チームは水没してしまった仙台空港をはじめ被災地を上空から視察した。その後、海軍航空母艦をはじめとする各種軍艦の海上航空前進拠点とともに、山形空港を中継点として空軍や海兵隊の各種ヘリコプターが被災地に対する救難支援活動に従事することになる。
翌14日には、海兵隊前進救援司令部が仙台郊外に設置され、空軍HH-60による被災地に対する救難活動が開始された。この際、HH-60は孤立した施設が掲げていた「SOS」を発見し飲料水はじめ救援物資を届けている。
3月14日、捜索救難に出動した空軍HH-60が発見した救援要請の表示
この日以降、数週間にわたって、空軍や海軍のHH-60捜索救難ヘリコプター、海兵隊の中型輸送ヘリコプターCH-46(現在はオスプレイに交代した)や大型輸送ヘリコプターCH-53(沖縄国際大学に墜落した型、すでに老朽化が進んでいるため将来的にはオスプレイに交代する)をはじめ、対潜ヘリコプターや攻撃ヘリコプターまで含んだ各種の海兵隊・海軍・空軍のヘリコプターも投入されて、被災地エリアでの捜索救援活動や医療品・食料飲料水・その他の救援物資の運搬・配布活動に活躍した。
3月15日、被災地に救援物資を届ける海軍HH-60ヘリコプターと搭乗員
3月17日、マレーシアから急行し秋田沖に到着した強襲揚陸艦から被災地に向けて発進する海兵隊CH-53
米軍は日本が必要な時だけ来てくれればいいのか? 両者ともにトモダチ作戦で活躍したHH-60捜索救難ヘリコプターとCH-53大型輸送ヘリコプターには何の関係もない(ただし両者ともシコルスキー・エアクラフト社が製造しているという点だけは共通点と言えるが)。
それにもかかわらず多くのメディアはアメリカ空軍のHH-60が墜落すると、2004年のアメリカ海兵隊CH-53墜落事故をことさらに取り上げて、「アメリカ軍ヘリコプター」という言葉を用いてオーバーラップさせる。そして、海兵隊がかなり老朽化してしまった輸送ヘリコプターを新型輸送機オスプレイに交代させると、多くのメディアは“オスプレイ恐怖症”を蒸し返して(空軍の嘉手納基地ではなく)海兵隊の普天間基地の危険性を取りざたする。
このようなメディアや米軍基地反対派は、自衛隊の脆弱性を穴埋めしている海兵隊を沖縄から追い出そうとする一方で、アメリカ政府やアメリカ連邦議会などの尖閣諸島問題に関するコメントを人一倍気にかけて「アメリカが日本の肩を持っている」とか「アメリカはまだ日本を見捨てていない」といった具合に一喜一憂している。このような日本のメディアの論調を伝え聞いているアメリカ軍関係者たちが、「日本では、日米安保条約遂行のためのアメリカ軍を“タクシー”のように思っているのであろうか?」と疑問を呈している。
つまり、「日本にとって必要がない時はできるだけ日本に駐留してほしくはなく、トモダチ作戦や万一対日軍事攻撃が勃発した場合のように日本が必要と感じる時は直ちに米軍が馳せ参じて窮地に陥った日本を助けてほしい、すなわち、米軍は日本が必要とするときだけ姿を見せればいい」と日本側は考えているのではないのか、といったふうにアメリカ側に受け止められかねないとの危惧を口にしている。
確かに、憲法9条や日米安全保障条約に関してほとんど何も知らない多くのアメリカの人々にとって、「経済的に進んでいて(さすがに多くのアメリカ人はこの程度の認識は持っている)、立派な軍隊も保持している(一般のアメリカの人々が米軍と似通った軍用機や軍艦を保有している自衛隊を見ればこのように感じる)日本を、どうしてアメリカの若者の血を流してまで救援しなければならないのか?」といった疑問が生ずるのは当然と言えよう。 そして日米安全保障条約に関して知識がある人々にとっては、「アメリカは日本防衛のための各種軍事力を提供し、日本はアメリカ軍の駐留に必要な土地・環境を提供する」といった基本的枠組みがあるのに、「基地の設置は困るしオスプレイも嫌だが、しっかりとした抑止力は提供してほしい」という態度は、あまりにも自分勝手に過ぎると映ってしまうのである。
矛盾した態度は改めよ どうしても米軍基地やオスプレイやHH-60ヘリコプターが嫌ならば、現在の日本の国防予算を4〜5倍増(あるいはそれ以上)して在日アメリカ軍(第7艦隊、第3海兵遠征軍、第5空軍、空軍特殊作戦群など)に取って代わる超強力自衛隊を構築することに賛成しなければならない。しかしながら、そのような予算もなければ技術力もないのは誰の目にも明らかである。
日本人としては極めて残念ながら、現状においては自衛隊“だけ”では軍事強国中国やロシアはもちろんのこと北朝鮮や韓国の軍事的脅威を撥ね除けることは不可能な状況である。したがって、「基地を設けたり墜落するオスプレイやヘリコプターや戦闘機を持ち込んだりしてほしくはないが、日本が困ったときには敵をやっつけてくれ」といった矛盾を内在したというより自分勝手極まる態度は全く通じないのが現状である。
しかしながら、いつまでもアメリカの軍事力に“すがりつく”状況のままでよいのであろうか。少なくとも独立国同士の同盟関係を強化しようというのであれば、自国の都合だけを身勝手に要求する“子供のような”被保護国的態度は許されず、できうる限り自主防衛能力を保持して、足りない部分を同盟国の軍事力により補完するという(常識的な)態度が必要である。
まして強制財政削減措置により国防費が大幅に削減されているアメリカは、たとえ同盟国を助けたくとも、思うようにならない状況に向かいつつあるのである。
日本としては、ますます自主防衛能力の確立が急務であることを再認識するとともに、「アメリカ軍は“タクシー”か?」といった喩えが生じてしまうような矛盾を内在している風潮は断固として排除しなければならない。 JBpress.ismedia.jpより引用
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米空軍
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ミズーリ州から15時間かけて飛来
爆撃訓練後に空中給油を受けて帰還
【ワシントン聯合ニュース】米国のヘーゲル国防長官は28日、米軍のステルス戦略爆撃機B2が朝鮮半島に飛来して爆撃訓練を実施したことについて、北朝鮮の脅威が高まっており万一の事態に備えたと説明した。 米国防省「北朝鮮の攻撃には万全の態勢」
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は29日午前0時30分、朝鮮人民軍最高司令部作成会議を緊急招集した。深夜に作戦会議が招集されるのは極めて異例で、金正恩氏はこの会議で朝鮮人民軍(北朝鮮軍)のミサイル部隊などに「射撃待機」を指示した。先日韓半島(朝鮮半島)上空では核兵器の搭載が可能な米空軍の戦略爆撃機B52とB2ステルス爆撃機による訓練が行われたが、会議ではこのことへの対応が協議されたようだ。
朝○日報より引用
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