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未来兵器シリーズ第6弾は、「米国の「全世界即時攻撃」計画:マッハ20の実験機」と「北を襲う!?アメリカ製超音速無人急降下爆撃機、登場!」で紹介したアメリカで開発中の超音速無人機「X51Aウエーブライダー」の実験成功の記事をお送りします。
これまでの開発経緯を過去の記事から、ご覧下さい。↓
Noah Shachtman 2003年11月21日
時速880キロなんて遅すぎる。射程距離が2400キロあっても十分とは言えない。
巡航ミサイル『トマホーク』は、高速で飛行し射程も長いように思われているかもしれないが、米国防総省のブレーンたちは、さらに上を求めている。国防総省は先週末、企業10社と契約を結び、最近引退した『コンコルド』(日本語版記事)よりも高速で、ヨーロッパにあるテロリストの隠れ家を米国東海岸から攻撃可能な超音速ミサイルの設計に着手した。
国防総省の『FALCON(PDFファイル)』プロジェクトでは、「バンカーバスター」(地下施設破壊爆弾)を宇宙空間すれすれの高さまで打ち上げ、音速の4倍の速さで4800キロメートル以上先の標的に降下して破壊することを目標としている。
米軍の戦術にとって、スピードの決定的な重要性がますます高まっている。湾岸戦争当時、米軍が標的を確認し、爆弾を投下するまでには数日を要していた。一方、アフガニスタンとイラクでの最近の戦闘では、同じプロセスがたったの20分で完了する場面もあった。
しかし、このようにすばやく反応できるのは、爆撃機や巡航ミサイルが標的のすぐそばにある場合に限られている。味方の航空機が上空に飛んでいない地域にテロリストが潜んでいるという情報を米軍が受けた場合、行動開始には数時間、または数日かかることもある。
FALCONプロジェクトは、速度と射程距離の目標を達成することによって、地球上ほとんどすべての地域を、悪事を働くには危険な場所に変えることを目指している。米空軍と国防総省の研究機関、国防高等研究計画庁(DARPA)が、同プロジェクトのスポンサーとなっている。
シンクタンク、レキシントン研究所(バージニア州アーリントン)の軍事アナリストを務めるダニエル・グーア氏は、「オサマ・ビンラディンの類の悪党がニジェールに突然現れたと仮定してみよう。われわれがただちに彼を攻撃したいと考えた場合、このようなミサイルが頼りになる」と述べている。
FALCONプロジェクトの裏には、政治的な思惑もある。たしかに米軍は現在、世界各地に基地を有している。しかし明日になれば、世界全体が現在のような受け入れ態度を示さなくなるかもしれない。
DARPAは防衛関連業者に対するプレゼンテーションの中で次のように指摘している。「国際政治の現在および未来の環境は、攻撃に一刻の猶予も許されない重要な標的に対して、米国本土外から長距離攻撃する使命を遂行する米国の能力を著しく制限している」
米軍は、FALCONプロジェクトを2010年までに実動させたいと考えており、この期限に間に合うよう2段階のアプローチをとっている。第1段階では、超音速で航行可能な巡航ミサイルを設計し、約450キログラムのバンカーバスターを標的に到達させるのが目標だ。米軍はこのミサイルを『CAV』(コモン・エアロ・ビークル)と呼んでいる。CAVを標的まで到達させるには、まずCAVを宇宙空間のすぐ近くまで打ち上げる必要がある。このため第2段階では、短時間で地球の低軌道に乗ることのできる打ち上げ容易で安価なロケットを建造する計画になっている。こちらのロケットは『SLV』(スモール・ローンチ・ビークル)と呼ばれている。
宇宙産業の関係者によると現在のところ、物体を軌道に乗せるためには費用も時間も相当かかるという。積載重量がおよそ450キログラムの場合、2500万ドルを超える費用に加えて、準備作業に(数年とは言わないまでも)数ヵ月を要する。米軍はSLV導入によって、コストを500万ドル前後に抑え、必要に応じて数時間以内の打ち上げを可能にしたいと考えている。
イーロン・マスク氏(日本語版記事)は、これらの目標を達成するためには、ロケット本体を大幅に単純化する必要があると述べている。マスク氏はインターネット商取引会社、米ペイパル社の創設者で、最近、軌道上への打ち上げを専門とするベンチャー企業、米スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ社を立ち上げた。
マスク氏は、まるでDARPAのガイドラインをそっくり引き写したようなアイディアを持っている。2段式ロケットを採用し、液体酸素と灯油の混合燃料を使用する予定だ。これとは対照的に、米オービタル・サイエンス社の打ち上げロケット『ペガサス』は4段式の大掛かりなもので、液体と固体、2つのタイプの推進剤を動力源としている。
マスク氏は、ロケットの打ち上げ準備を研究所で行ないたいと考えている。準備作業は現在、大きな整備塔で行なわれるのが普通だ。管理の行き届いた研究所環境のほうが打ち上げ前の作業もはかどり、確実な仕事ができるはずだとマスク氏は述べている。
「航空機の最終的な組み立てが滑走路で行なわれることはない。これにはきちんとした理由がある」
マスク氏はFALCONプロジェクトについて、「宇宙計画としては珍しく、当初の計画より短い期間と少ない費用で済む」可能性があると述べてはいるが、今のところ机上のプランでしかない。マスク氏のロケットは、来年早いうちに予定されている1回目の打ち上げまで、テストを実施しない計画となっている。1回目の打ち上げでは、米海軍の通信観測衛星を軌道に乗せる。
米軍のこれまでの宇宙計画の歴史を振り返ってみると、衛星の配備がすんなりと成功する期待を持たせる材料は見つからない。米国防科学委員会は5月に公表した報告書(PDFファイル)の中で、国防総省の宇宙計画には「非現実的な予算、実行不可能な計画内容」、そして「宇宙計画に独特の、高度な技術的要請に対応できない」未熟な人材といった「組織的な問題」があると指摘している。
今回の契約を取りつけた米アンドルーズ・スペース社のリビングストン・ホールダー副社長は、これまでの前例に反してプロジェクトが順調に進行すれば、SLVの予備的な飛行テストが来年の中ごろに数回実施される可能性もあると語っている。このような早い時期に飛行テストが実現すれば、国防総省にとっては異例の進行状況になる。ホールダー副社長によると、『F-22』戦闘機や『ジョイント・ストライク・ファイター』をはじめとする米軍の大規模な航空宇宙プロジェクトの大部分が、「コンピューターによるモデリングや『パワーポイント』を使ったプレゼンテーションに何年も」費やしてから、実際の飛行に漕ぎ着けるという。
国防総省は、2010年までに年間20回ペースでSLVの打ち上げを開始し、その後10年間は兵器や低軌道衛星を搭載して継続したいとしている。
しかしこれは、FALCONプロジェクトにとって、ほんのスタート地点に過ぎない。DARPAと空軍は長期的目標として、超音速のCAVをロケットではなく超高速の無人航空機に搭載して標的に接近させたいと考えている。『HCV』(ハイパーソニック・クルーズ・ビークル)と名付けられたこの無人航空機は、米軍の飛行場から離着陸し、1万6000キロメートル以上の距離を2時間足らずで移動する。また、CAVやセンサー類を5500キログラム近く運搬できる見込みだ。国防総省は2025年までにHCV実用化に漕ぎ着けたいとしている。
[日本語版:米井香織/湯田賢司]
"WIRED VISION"より引用。
上は、アメリカで報道される超音速無人機「X51Aウエーブライダー」の映像。
そして下が超音速無人機「X51Aウエーブライダー」の実験が、ついに成功した記事です。↓
2010.5.27 11:50
米空軍は26日、地球のどこであっても1時間以内に攻撃できる通常兵器の開発に向け、超音速無人機「X51Aウエーブライダー」(全長4・2メートル)の飛行実験を西部カリフォルニア沖で実施、成功したと発表した。 |
米空軍
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未来兵器シリーズ第5弾は、「無人攻撃機による、ピンポイント個人攻撃」!
記事が古く既に「未来」でないのが、この話の恐ろしい所です。
2008年3月14日
David Axe
イスラエルによる攻撃で再び戦闘状態に突入したパレスチナ自治区だが、「警戒感を高めるガザの武装勢力は、双眼鏡を用い、常に無人偵察機を見張っている」とAP通信が報じている。
『Glouchester Daily Times』紙に掲載されたAP通信の記事「パイロット不要の飛行機がイスラエルの主要兵器として登場」から引用する。
米国でも同様の目的で同じ戦術を数多く採用している。聖戦を行なうテロリストと疑われる人物を密かに狙い撃ちすることを目的にしてパキスタンで飛行している無人偵察機『プレデター』もその一例だ[2年前にパキスタン国境近くで行なわれ、女性や子供たちが巻き込まれた爆撃が『プレデター』によるものだったという『New York Times』記事について紹介している]。
携帯電話の電源が入っていると位置が特定される、という話については、その真偽のほどは私にはよくわからない。携帯電話から人の居場所を追跡する技術は確かに存在するが、無人偵察機の多くは、可視光線や赤外線センサーといったもっと直接的な方法で標的を見つけている。
ただし、アフガニスタンのタリバンは、携帯電話が自分たちにとって危険だと確信している(英文記事)。
[日本語版:ガリレオ-天野美保/長谷 睦]
2008年10月28日
Noah Shachtman
Photo credit: USAF
米軍は長年の間、敵を排除するのに攻撃用の無人航空機(UAV)を使用してきた。これまでは通常、少人数のグループや個人を標的にしていたが、26日(現地時間)の空爆は違った。
報道によると、米軍の無人機がこの日、パキスタンの武装勢力の拠点に空爆を行ない、20人が死亡したという。無人機による空爆としては、これまでで最も多くの死者を出した部類に入るだろう。
パキスタンを拠点とするゲリラは、アフガニスタン駐留米軍にとって最大の脅威となっている。このような武装勢力に米軍司令部が反撃を試みる際、好んで使う兵器となってきているのが、無人機『Predator』と『Reaper』だ。
これらのUAVを使えば、パイロットの生命を危険にさらすことなく、ゲリラの拠点の上空を何時間でも旋回できる。しかも、他の方法に比べて政治的な問題も起こしにくい。
米軍の地上作戦や有人飛行は、パキスタンの指導者たちを激怒させ、地元の兵士たちとの小競り合いを誘発している。UAVによる空爆の方が――少なくとも今のところは――反応が穏やかだ。
しかも、攻撃の事実を強硬に否定することもできる。先ごろ、Predatorがパキスタンで墜落したが、米軍はこのUAVとの関係を全面否定している。
「2008年の初めの7ヵ月間で5回の空爆が行なわれ」ており、一部の「空爆はパキスタン領内に約40キロメートルも入ったところで行なわれている」と同紙は報じている。しかも、攻撃は激しさを増す一方だ。9月のある1週間だけで、米軍のUAVによる攻撃は4回行なわれ、50人を超える死者が出ている。
『Times』紙をはじめとするニュースメディアは、空爆に使われているのはPredatorだとしているが、Predatorよりも大型で強力なReaperが使われている可能性のほうが高い。
Predatorの有効搭載量は約200キログラムである一方、Reaperのほうは約1700キログラムだ。数種類の衛星誘導爆弾、4分の1トン爆弾、さらには『Hellfire』ミサイルも搭載できる。並外れた破壊攻撃を実行可能だ。
以下に掲載した動画レポートは米CBS『60 Minutes』によるもので、米軍に対して少しばかり翼賛的な報道であり、信頼に欠けるきらいはある。
とはいえ、サドルシティー[イラクの首都バグダッドの東部にあり、シーア派の反米指導者ムクタダ・サドル師の拠点となっている地区]において、無人航空機(UAV)に大きく依存した攻撃が行なわれていることを取り上げたこの動画は、米軍のUAVによる戦術がいかに進化したかを示している。
過激派への攻撃に使われているのは、2種類のUAV、つまり小型の偵察機『Shadow』と、ミサイルを搭載した『Predator』(プレデター)だ。遠隔操作されるこれらのUAVは、[イラク多国籍軍(MNF-I)]本部の司令官ではなく、[現地に駐屯する部隊を率いる]大佐によって指揮されている。
[プレデターは『ヘルファイア』ミサイル2発を搭載可能。1万2000メートル上空を30時間連続で飛行でき、人工衛星を経由することで、アメリカ本土から操作することも可能(日本語版記事)。
動画では、UAVがシーア派民兵の動きをピンポイントで把握し、数時間監視しながら最も良いタイミングでミサイル攻撃する「Find、Fix、Finish」作戦を紹介しており、UAVの画面で民兵個人がどう映るかもわかる。
別の英文記事によると、ShadowはPredatorよりも安価な小型軽量機で、Predatorよりも低空を飛ぶ。Predatorを操縦するのは経験のある米空軍のパイロットだが、Shadowはより一般的な者が操縦しており、戦場を経験したことのない10代の青年が操縦していることもあり得るという。現在は偵察のみに使われているが、今後はより精密な視覚センサーと兵器を搭載し、攻撃型にすることが計画されている]
[日本語版:ガリレオ-平井眞弓/高橋朋子]
"WIRED VISION"より引用。
※注意 記事文中にある動画は共有機能が無いため、"You Tube"より内容に相応しいと思われる動画にて代用してあります。記事文中で言及されている動画をご覧になりたい方は、リンクしてある引用先にて、ご覧下さい。
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左の写真は、X51ウェーブ・ライダーの完成予想図(ボーイング社提供)
未来兵器シリーズ第3弾は、「超音速無人急降下爆撃機」!
昨日の記事の最後に言及されていた、アメリカで開発中の超音速無人急降下爆撃機を取り上げます。(当初予定していた記事とは、違うのですが。W)
これまでの開発経緯を2chの古い記事から、ご覧下さい。↓
【Technobahn 2008/10/11 07:39】米空軍研究所が中心となって開発を進めてきた超音速実験機「X-51A」の風洞テストが9月末までに完了し、近く飛行テストに移行することが9日までに明らかとなった。 2009/05/15(金) 22:06:56
米空軍研究所の主導で開発が進められてきたスクラムジェット方式の極超音速機実験機 X-51「Waverider(ウェーブライダー)」の初飛行実験が今秋にも実施されること明らかとなった。 上の2chの記事ですが、古いものなのでソースのリンク先が切れていますので、2chの記事に直リンクしました。ご了承下さい。
下の動画は、上の記事で言及されたNASAの実験機X-43です。どの様な兵器なのか感じを掴んで下さい。
そして、下が本日発表された最新の記事です。
戦略爆撃機B52の翼に固定されたX51 ウェーブ・ライダー(白い扁平型のミサイル型航空機)=エドワードズ空軍基地のHP提供
2010.5.23 01:20
【ワシントン=佐々木類】米空軍が25日、地球上のあらゆる場所を1時間以内に攻撃できる超音速航空機X51Aウエーブライダーの初飛行実験を行うことが分かった。巡航ミサイルをモデルとした無人攻撃機で、洞窟(どうくつ)に潜むテロリストや敵基地を軍事衛星の誘導で“奇襲攻撃”する21世紀型の新兵器だ。2020年ごろの配備を目指す。 B52(米空軍提供)
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米空軍研究所がPS3で構築した最初のテスト・クラスタ。Photo: US Air Force
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昨年12月10日に「米空軍に設置されたPS3クラスターが一般公開」 という記事を掲載しましたが、その続報が入ってきました。まずは、「PS3」がいかにゲーム機以外で活躍しているか?を知るために古い記事ですが、下の記事をご覧下さい。
2007年11月30日
ソニーにとっては朗報だ。最近の『PLAYSTATION 3』(PS3)の値下げがついに功を奏し、ホリデーショッピングシーズンの第1週目に、伸び悩んでいた売上が3倍に上昇したのだ。
だからといって、幸いなことに、研究者たちが同ゲーム機の、創造的な新たな用途(つまりゲームや『Blu-ray Disc』の観賞以外の使い道)を考え出すのをやめたわけではない。
ワイアード・ニュースでは先日、超巨大なブラックホールから放出される、理論上は予測されているが実際にはいまだ観測されていない重力波のシミュレーションで、PS3が活躍していることを伝えた(日本語版記事)。マサチューセッツ大学ダートマス校の助教授、Gaurav Khanna博士の試みだ。
そして今回は、PS3の本来の目的から外れた用途で使う他の試みとして、『Crackstation』というプロジェクトに関する情報をお伝えする。
オーストラリアで上級セキュリティー・コンサルタントを務めるNick Breese氏は、PS3をパスワードのハッキングに利用した。同氏によれば、同ゲーム機に搭載されている『Cell』プロセッサーは、シンプルな演算処理を高速にこなすのを特に得意としており、これはまさに、パスワードを解読するのに必要とされる能力だという。
Cellプロセッサーは、非常に単純な計算を手早く行なうことにかけては、ライバル(米Intel社)のマルチコア・プロセッサーよりも優れていると、Breese氏は説明する。[インテル社のプロセッサーは多様で複雑な計算に向いているが、Cellは単純な計算を素早くこなす性能が高いという。]
事実、Breese氏は自分のPS3を用いて、暗号アルゴリズム解読性能が100倍に向上することを、手際の良い実演で証明した。
セキュリティー専門家にとっては悪い知らせだが、PS3の研究目的での使用実績をさらに広げるという意味では良いニュースだ。
『PC World』の記事「ゲーム機をハッキングに使う『Crackstation』」を参考にした。
[日本語版:ガリレオ-向井朋子/長谷 睦]
そして、ソニーからこんなお知らせがネットで通知されました。
ネット上で「神対応!!」と絶賛されている話題ですが、それだけでは話は済まないようです。下の記事をご覧下さい。↓
2010年5月14日
米空軍研究所がPS3で構築した最初のテスト・クラスタ。Photo: US Air Force
ソニーは、4月1日(日本時間)に提供した『PlayStation 3』(PS3)のソフトウェア・アップデートで、『Linux』など他のオペレーティング システム(OS)をインストールできる機能を削除(日本語版記事)した。これは同社にとって、著作権のあるコンテンツを保護するための措置だったが、いくつかの研究プロジェクトが巻き添えを食う事態となっている。
その一例が米軍だ。ニューヨーク州ローマ市にある米空軍研究所は2009年、336台のPS3システムを購入し、53テラフロップスのプロセッシング・クラスタを自前で構築した。概念実証テストが完了した後、空軍の研究者らは、クラスタの規模を6倍に拡大して2200台以上のPS3を購入しようと考えた(最終的には1700台規模に縮小した)。
空軍は2010年1月6日、66万3000ドルの契約をFixstars(フィックスターズ)[本社は日本]という小さな企業と締結した。1700台のPS3(160GB)で構築されたシステムを納入するという内容だ。
この契約は、さまざまな代替案を検討した上で結ばれたものであり、66万3000ドルというのは、性能からすれば破格の値段だったと研究所は言う。
このシステムは500テラフロップスの異種混合クラスタで、PS3で構築され、さらに、デュアルクワッドのXeonと複数のGPGPUが搭載されたサブクラスタ・ヘッドに接続されている。
米空軍のクラスタに、今回のソニーの決定がただちに影響をおよぼすことはない。このクラスタのPS3は『PlayStation Network』に接続しているわけではなく、ソニーの提供するファームウェア・アップデートは必要ないからだ。だが、PS3が壊れて修理が必要になったとしたら話は違ってくる。
「われわれとしては現在のシステムを使い続けるしかないが、壊れたり動かなくなったりしたシステムを交換することは難しくなるだろう」と米空軍研究所の関係者は述べる。「修理されたPS3がソニーから戻ってきたときには、ファームウェア(『Game OS』)が適用されており、他のOSが許可されなくなる。今まであったオプションが使えなくなったことについて、ソニーに対する集団訴訟が起こされていることはわれわれも知っている」
ソニーを相手取った集団訴訟とは、4月27日に起こされたものだ。過去に約束していた機能を同社が削除したとことを問題だとする訴訟だ。
PS3クラスタは、全米のさまざまなところで使われている。2007年にはノースカロライナ州立大学の教授が、8台のPS3から小型のクラスタを作成した。マサチューセッツ大学ダートマス校も、16台のPS3をネットワーク化して『Gravity Grid』と呼ばれるクラスタを構築し、重力波やブラック ホールの観測に使用している(日本語版記事)。
{この翻訳は抄訳です}
[日本語版:ガリレオ-佐藤卓/合原弘子]
"WIRED VISION"より引用。
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2010年4月30日
Photo:米空軍
米国防総省は、論争を呼んでいる「全地球即時攻撃」プロジェクトについて、[2014年の配備を目指し、]2011年にはおよそ2億4000万ドルの予算を付けたいと考えている。このプロジェクトの最終目標は、地球上のほとんどすべての場所を1、2時間以内に攻撃できる武器の開発だ。
だが、2億4000万ドルという金額は、ほんのわずかな頭金にすぎない。技術開発途上であるため、総額がわからないのだ。公的にはミサイル1基につき5億ドルかかる可能性があるとされているが、10億ドルするだろうという予測もある。
米国防総省はこの目的を達成するため、3種類の技術の開発を推し進めている。その1つ目は、核弾頭を搭載した大陸間弾頭ミサイル(ICBM)を通常弾頭に取り替えて再配備するというものだ。だがこれは、他国がこのミサイルを核ミサイルと誤認し、核ミサイルで反撃する事態を誘発する危険性を抱えている。
ブッシュ政権は、論争を呼んだこのICBM再配備構想を再三にわたって推し進めようとしたが、そのたびに議会は予算を付けることを拒んだ。その理由はきわめて明快だ。このミサイルは見た目も飛び方も核ミサイルとまるっきり同じなため、ロシアあるいは中国から核ミサイルが発射されてハルマゲドンとなってしまう可能性があるからだ。当時のプーチン大統領はその危険性を警告していた。
計画を支持する側は、ブッシュ政権での計画が潜水艦を使うものだったのに対し、現在の計画は地上基地からの打ち上げになることを指摘し、ロシアや中国にあらかじめ情報を与えておけば誤解は生じないし、両国はレーダーで違いを認識できるだろうと主張している。しかし、パキスタンやインド、イスラエルやイランといった国が独自のミサイルを開発していたらどうだろうか。多極的な世界では、「全地球即時攻撃」プロジェクトが危険を呼ぶ可能性は高いはずだ。
米国防総省による2つ目の取り組みは、音速の5〜6倍で飛ぶことのできる短距離巡航ミサイルの開発だ(『B-52』が5万フィート上空まで運び、発射する方式、動画参照)。超音速実験機『X-51 WaveRider』の飛行テストは2009年12月に予定されていたが、障害があり、2010年5月まで延期されている。 「全地球即時攻撃」計画に向けた米国防総省による3つ目の取り組みは、音速の20倍で飛ぶグライダーだ。
米国防高等研究計画局(DARPA)は『Falcon』(Force Application and Launch from Continental United States)プロジェクトで、極超音速技術実証機『HTV-2』(Hypersonic Technology Vehicle 2)等を開発している。
HTV-2の初の飛行テスト(PDF)は、4月23日(米国時間)に行なわれた。この実験では、カリフォルニア州からロケットで宇宙にまで打ち上げられ、そこで切り離されて大気圏に突入し、音速の20倍の速度で飛行しながら、30分後に、およそ7600キロメートル離れたクェゼリン環礁の北部に着水する予定だった。
[クェゼリン環礁はマーシャル諸島にある世界最大級の環礁で、97の小島と礁湖からなる。米軍はマーシャル諸島共和国政府から11の島を賃借し、ロナルド・レーガン弾道ミサイル防衛試験場を設置している。ここから長距離弾道ミサイルを発射し、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地から迎撃側のミサイルを打ち上げる等の実験を行なっている]
浮力を高めるために薄っぺらいクサビ型をしたHTV-2には、極超音速飛行の厳しい環境に耐えられるように炭素繊維強化炭素複合材料が使われ、精度を上げるための自動ナビゲーション・システムが搭載されていた。地球に帰還する他の宇宙船よりも低い迎角で、より遠く、より正確な位置まで飛ぶことが期待されていた。
だが、実験は完全には成功しなかった。大気圏のなかでマッハ20を超える速度で制御された飛行を行なうことには成功したものの、打ち上げから9分後、HTV-2からの通信は途絶えてしまったのだ。DARPAは現在、その原因の究明に取り組んでいる。
[2011年はじめにHTV-2の再実験が予定されている。Falcon計画について紹介した2003年の日本語版記事はこちら。以下はFalcon計画の別の実験機『HTV-3X』("Blackswift")を紹介するコンセプト動画。マッハ6を実現したが、2009年に予算が停止された]
{この翻訳には、別の英文記事など、いくつかの記事を統合しています}
"WIRED VISION"より引用。
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