ミッドウェー海戦研究所

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 本日は、第2次世界大戦中1942年に生起したミッドウェー海戦から70周年にあたります。
 
 そこで、本日は70周年特集としてアマゾンの軍事関連書籍の書評を行います。
 
 
 「ミッドウェー海戦の詳細をご存じない方は、リンク先の"Wikipedia"の項目をご覧下さい。
 
「奇怪なミッドウェー戦記」
評価 ★
本書は、第二次世界大戦中の1942年6月4日から6日に掛けて行われたミッドウェー海戦を描いた自称ノンフィクション小説です。

この文庫第2巻では、戦艦大和の最後の艦長で有名な有賀幸作が第四駆逐隊司令として、ミッドウェー海戦に参加した際に、乗組員に敵の攻撃を見学させたと主張していますが、後に証言者が主張を翻し、よく覚えていないと証言しています。

そのような事実関係が、いい加減な本書には星一つの評価をします。
 
 本日は、仕事が忙しく十分な内容のレビューを書くことが出来ませんでした!今週末には、改訂いたしますので、期待されている奇特な方がおられましたら、それまでお待ち下さい!
 
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 本日6月5日は、第2次世界大戦中1942年に生起したミッドウェー海戦から70周年にあたります。
 
 そこで、本日は70周年特集としてアマゾンの軍事関連書籍の書評を行います。
 
 
 「ミッドウェー海戦の詳細をご存じない方は、リンク先の"Wikipedia"の項目をご覧下さい。
 
「WaiWai事件の原点がここにある」
評価 ★
本書は、第二次世界大戦中の1942年6月4日から6日に掛けて行われたミッドウェー海戦を描いた自称ノンフィクション小説である。本書の詳細は評者の他のレビューに譲るとして、本書の書かれた背景を説明する必要があると思われます。

著者、澤地久枝の言に拠れば、本書の構想は10年に及び、自らの著作の印税を銀行から4,000万円を下ろして調査費に用いたとしています。そして、『サンデー毎日』で1982年から1984年に連載中の1983年1月5日付の毎日新聞で「運命の5分間説は嘘だった」と新聞の一面を用いた宣伝をして物議を醸し出した小説です。

「毎日新聞」の文字を見た方で、毎日デイリーニューズWaiWai問題という忌まわしいネット上の事件を思い出し、この本を見る気がなくなった。もしくは信用に値しないと思われた方も多いでしょう。

毎日デイリーニューズWaiWai問題をご存知の無い方のために、改めてWikipediaの記述を引用して説明しますと、(以下引用文)

毎日新聞社の英語報道メディアMainichi Daily News(「毎日デイリーニューズ」; 以下
「MDN」)で日刊紙時代の1989年10月に連載が始まり、2001年春のWebサイト移行時にも継承されたコラム「WaiWai」において、低俗な内容、誇張や虚構にもとづく内容の記事が掲載・配信された問題。(引用終了)

上の事件で、毎日新聞の英語版サイトから世界中に配信された記事の一部を掲載しますと、「南京大虐殺の後継者の日本政府は、小児性愛者向けの漫画を使ってオタクを自衛隊にひきつけようとしている」

「日本人がエクアドルでライフルをつかって子供狩りした」

という、おぞましい内容です。上の一文は何とかレビューで掲載できる文章で、それ以外の文章は卑猥な内容で掲載できません。敢えて本書の内容を一言で表すと、この「WaiWai事件の原点」を隠蔽したとも言える本です。

著者が構想を開始したと推定される1972年に毎日新聞で西山事件が発生しました。西山事件をWikipediaの記述を要約して説明しますと、

毎日新聞社政治部の西山太吉記者が、日米間で結ばれた沖縄返還協定の情報目当てに既婚の外務省事務官に近づき酒を飲ませ泥酔させた上で半ば強制的に性交渉を結び、その関係を基に外務省極秘電文のコピーを盗み出させ、これを得た。

とされており、その影響をWikipediaでは以下のように記述しています。(以下引用文)

西山の所属した毎日新聞社は、本事件での西山のセックススキャンダル報道を理由とした不買運動により発行部数が減少し、(中略)1977年に倒産した。(引用終了)

本書の著者は1974年に小説『密約―外務省機密漏洩事件』を執筆しており、この事件と本書に強い因果関係を疑わざるを得ません。つまり、本書の背景は以下のような経緯を辿って、執筆されたと推測されます。

1970年代半ば、西山に同情的だった澤地と毎日新聞は、西山事件で経営が傾いた毎日新聞の経営を再建するため、1972年にサンケイ新聞で連載が終了した大人気小説『坂の上の雲』のような歴史小説を連載することで経営の再建を目論んだ。

1971年、『ミッドウェー海戦』戦史叢書で運命の5分間に疑問が呈され、1974年に出版された亀井宏著『ああ、軍艦旗』で運命の5分間を否定する記述を見つけた澤地もしくは毎日新聞は、その対象として選んだのが、ミッドウェー海戦でだったと推測されます。

そして小説の執筆期間という名目で、『坂の上の雲』の二番煎じや『ああ、軍艦旗』の内容を剽窃したという批判を避けるため、毎日新聞ではなくサンデー毎日で、ほとぼりが冷めた数年後に連載を開始したというのが事の真相でしょう。

このように「毎日デイリーニューズWaiWai問題」の原点ともいうべき、西山事件と密接な関係を持つ本書は、裏面に極めて政治性が強い小説でその内容に多くの疑義が生じています。本書を読まれる方は、嘘を嘘と見抜ける方に限るため、星一つとさせていただきます。
 
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日本海軍 戦艦『三笠』(明治38年2月初旬 呉)
1905 IJN Battleship "Mikasa" at Kure naval port.
 
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 本日5月27日は、1905年日本海海戦始まってから107周年にあたります。
 
 そこで、本日は日本海海戦107周年及び日本海軍記念日特集としてアマゾンの軍事関連書籍の書評を行います。
 
 
 「日本海海戦の詳細をご存じない方は、リンク先の"Wikipedia"の項目や下の動画をご覧下さい。
 
 
 
 
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「装甲と火薬の解説に疑念があります」
評価 ★★★★
<目次>
4 序章 Introduction
8 年表 Chronology
10 設計と開発 Design and Development
22 戦略的状況 The Strategic Situation
27 技術的要目 Technical Specification
34 戦闘員 The Combatants
41 戦闘 Combat
72 統計と分析 Statistics and Analysis
75 統括 Conclusions
78 関連図書など Further Reading

<書評>
本書は、1905年5月27日に生起し日露戦争の帰趨を決した日本海海戦を、日露両国の双方の艦隊を分析することで、当時の戦況をより深く知るスタイルを採った戦史研究書です。

解説の一部に著書の誤解と思われる部分や疑問点がありますので、ご紹介します。

21P、日本海軍の「富士」型戦艦に採用された装甲がハーヴェイ・ニッケル鋼としていますが、「海軍装甲技術史」に拠れば、「富士」級戦艦に採用される予定だった装甲は当初は複合装甲で、それをハーヴェイ鋼に変更したとあります。また、日本海軍は「富士」級戦艦に採用されたハーヴェイ鋼に不満を持ち、次級の敷島型戦艦よりハーヴェイ・ニッケル鋼が採用されたとされています。「海軍装甲技術史」は、日本海軍の一次資料を基に記述しておりますので、「海軍装甲技術史」の記述の方がより信頼できると思われます。

30P「防御力」の記述で「ロシア戦艦(中略)がクルップ鋼装甲板を装備していたのに対し、6隻の日本戦艦のうちこの最新鋭の装甲防御をほどこされていたのは三笠1隻だけだった」としています。額面どおりならば、この記述は正しいのですが、「海軍装甲技術史」に拠れば、「三笠」建造時にクルップ鋼の製造が巧くいかず、責任を問われたヴィカーズ社がイギリス海軍にも納品していない新型クルップ鋼を採用することで要求性能をやっと満たした点を考えると、ロシア戦艦がクルップ病と呼ばれる被弾時の表面硬化層の剥離現象を克服したのか明確でないため、本書の記述を鵜呑みに出来ない印象が残ります。装甲に関しての詳細を知りたい方は、「海軍装甲技術史」の併読が必須と思われます。

33P「通信」の項目では、日本海軍がイギリス海軍の支援を受けて急速に発達した通信分野を、ほとんど触れられておらず、三六式無線機の名前すら出てきません。日本海海戦時の通信の詳細を知りたい方は「まさにNCWであった日本海海戦」の併読を強くお勧めします。

36P「アンドレイ・C.ミャキシェフ大尉は、(中略)斉射砲撃法を確立していた」として
いますが、日本海軍でも斉射が有効であることが理解されていましたが、斉射すると砲塔の水圧が当時の動力では十分に確保できず、発射速度が低下するため、近距離で止めを指す場合にのみ斉射を認めていた点を考えると、ロシア海軍太平洋艦隊では、通常距離での斉射を行っていたのか疑問が残ります。

75P「総括」で、下瀬火薬が原因で戦艦三笠が沈没したと著者は主張していますが、「日英兵器産業とジーメンス事件」113Pに拠ると、(三笠の装薬である)「MJ(ミネラル・ジェリー)の安定剤としての性能が必ずしも優秀とは言えず、長年の貯蔵により自然発火を起こすおそれがあった。」と軍艦三笠爆沈事件(1905年9月)等の査問結果を紹介しており、本書の主張と異なる見解を示しています。

著者ロバート・フォーチェック氏は、本書の出版時にはアメリカ陸軍予備役中佐で、日本語の一次資料に触れることが出来ず調査内容には一定の限界があり、それが評者の疑問や指摘に繋がったと思われます。その様な背景がありますが、それ以外の内容は一定の水準に達していると思われますので、星4つです。
 
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冒頭の写真は、ブログ「旧日本海軍・艦艇写真のデジタル着彩」さんの作品「HIJMS Mikasa 1905」より引用しました。
 
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最終艤装中の戦艦大和型『大和 (二代目)』(昭和16年9月20日 呉海軍工廠)
Sep 20, 1941:Yamato-class Battleship "Yamato (II)" fitting out at Kure NavalYard.
 
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 本日は、4月7日の記事「【日本海軍】「大和」型戦艦完全ガイド (イカロス・ムック 日本海軍戦艦シリーズ) の書評で、予告しました書評を加筆しましたので、その書評を再掲載いたします。
 
 書評の対象は、再度「大和」型戦艦完全ガイド (イカロス・ムック 日本海軍戦艦シリーズ)』に対して、行います
 
 本書『「大和」型戦艦完全ガイド (イカロス・ムック 日本海軍戦艦シリーズ)で取り上げられている「戦艦大和の詳細をご存じない方は、リンク先の"Wikipedia"の項目、もしくは下のアニメンタリー「決断」の動画をご覧下さい。
 
 
 
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装甲の解説に難あり
評価 ★★★★
イメージ 1 本書は、「ミリタリー・クラシックス VOL6 戦艦大和の最強神話 ロンメルと北アフリカ戦線」を中心に、以前のミリタリー・クラシックスで掲載された記事を再掲した本です。そのため、既にミリタリークラシックスを購入された読者の方は、内容紹介に記載された目次を見た上で、内容の重複の有無をよく確認してから、購入することをお勧めします。

 初心者向けの記事で纏められ、内容は概ね問題無いといえますが、幾つか言及しなければならない箇所が、「● CG解説 大和型戦艦のメカニック」の解説文に存在します。

 21〜23Pに(大和の)「砲塔や船体舷側の装甲板には、VH甲鉄と呼ばれる鋼鉄が使われている。(中略)VH甲鉄では、VC甲の表面硬化法を変えて硬化層の厚さを均一にし、対弾性を増している。表面硬化とは装甲板の表面に炭素を染み込ませて材質を硬くすること(浸炭鋼という)。」とされています。

 しかし「海軍装甲技術史」の記述を評者なり要約すると、九一式徹甲弾に代表される風防被帽付徹甲弾(APBC[Armor Piercing Ballistic Capped])が日本海軍で採用されて以降、風防被帽付徹甲弾の浸徹能力が飛躍的に向上し、既存の「炭和鋼」(本書では「浸炭鋼」とされていますが、正確な旧海軍用語では「炭和鋼」)であるVC鋼では、風防被帽付徹甲弾に耐えることが出来ず、新たな装甲板の開発の必要性に迫られた結果、装甲の表面硬化を表面滲炭方式ではなく、物理的硬化法の一種である炎焼入れを用いた「非炭和鋼」の開発を進めた結果、VH鋼が開発されたとあります。

 この「海軍装甲技術史」の記述からも解るとおり、VH鋼が浸炭したと読める本書の記述は、信頼性の乏しいと言わざるを得ません。

 さらに、23PのVH鋼の解説で「日本海軍最高の強度を持つ装甲板だが、戦後のアメリカ軍の調査によれば、米軍の同時期の装甲板に比較して、一割程度弱かったとされる」と記述されていますが、「続・海軍製鋼技術物語―米海軍「日本技術調査報告書」を読む」や「海軍装甲技術史」の記述によると、大和に採用されたVH鋼は英米の装甲板より優れているとされており、本書との内容に矛盾があります。

 そこで、専門家(名前を出す許可を得ていないので、名前は伏せさせていただきます)に問い合わせたところ、回答は以下の通りでした。

 「アメリカ海軍の装甲のテストは(実戦で使用される)被帽付徹甲弾の被帽を外して、(実戦で使用されない通常の)徹甲弾の状態にして、テストをする。VH鋼は、被帽付徹甲弾に対しては強いけれども、通常の徹甲弾には弱いのでそのような結果となった。その数値(本書の記述)は、数値として正しいけれども、数値の取り方が間違っている」(文中の括弧は、評者が補いました)

 この専門家のご教示からも解るように、米海軍のテスト方式は、実戦での状況を再現されていないテストが行われており、本書で述べられた「米軍の同時期の装甲板に比較して、一割程度弱かった」との記述は、読者に対して誤解を与える好ましくない記述といえます。

 本書の評価は、初心者向けには良い本と思われますのが、上記の問題のある記述が有りましたので、星を一つ減点した4つとさせていただきます。
 
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航空母艦瑞鳳型『祥鳳』(昭和16年12月20日 横須賀軍港)撮影時点では潜水母艦『剣崎』 12月22日に空母祥鳳となり翌17年1月26日に正式に改造工事を完了
Dec.20,1941: CVL "Shohou" at Yokosuka.

 
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左の写真は、魚雷が命中した空母「祥鳳
 
 本日5月7日は、1942年珊瑚海海戦で、アメリカ海軍の航空攻撃により空母「祥鳳」が撃沈してから70周年にあたります。
 
 そこで、本日は空母「祥鳳」撃沈70周年追悼特集としてアマゾンの軍事関連書籍の書評を行います。
 
 書評の対象は『暁の珊瑚海 (文春文庫)です。
 
 「珊瑚海海戦」や空母「祥鳳の詳細をご存じない方は、リンク先の"Wikipedia"の項目や下の動画(NHKの動画ですから、いい加減ですけどね!w)をご覧下さい。
 
 
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日本海軍、薄氷の勝利
評価 ★★★★★
イメージ 1 本書は、1942年5月7日〜8日、日米両海軍によって史上初の空母対空母による海戦である珊瑚海海戦を取り上げた戦史小説で、評者の知る限り日本人作家による初の珊瑚海海戦のみの戦史小説です。ウィキペディアの珊瑚海海戦の項目が、実質的に本書の概略版であることからもわかるように珊瑚海海戦を知る上で、決定版ともいえる内容となっています。

 しかし本書は、あくまで珊瑚海海戦を包括的に取り上げた小説である以上、海戦の細々とした事実を全て網羅している訳ではありません。例えば「第二章 戦いの前哨 3祥鳳沈没」では、祥鳳の舷側に衝突したTBD『デヴァステイター』があるはずですが言及されておらず、もう少し祥鳳沈没の詳細を知りたかった評者としては、物足りない部分がありました。それと同様に「第五章 レキシントンの最後」では、レキシントンの断末魔の概略が述べられているだけで、レキシントンの断末魔の詳細を知りたい方は、「珊瑚海海戦―空母レキシントン撃沈 (1973年) (第二次世界大戦ブックス〈51〉)」をご覧になったほうが良いでしょう。

 また暗号や兵器の詳細に関しても同様で、「第一章 珊瑚海南へ 2 D暗号」では、D暗号の解読により、日本海軍の動きを察知出来たとありますが、本書の参考文献にもある「太平洋暗号戦史 (文庫版スパイ戦史シリーズ (3))」の著者W・J・ホルムズ大尉の証言では、D暗号の解読が進んでおらず、D暗号より硬度の弱い艦船出入港用のH暗号が解読が大きな決め手となったと読み解けます。この暗号解読に関しては、一次資料の完全な情報開示がされていないため、正確な事実が未だに解らない以上、どの説が正しいのか分らない現状を踏まえた上で、この部分は読み進めた方が良いでしょう。

 兵器に関しても、幾つか言及しなければならない点があります。
 まず本書では、珊瑚海海戦で使用された日本海軍の航空魚雷が、九一式魚雷改二とされていますが、「海軍航空教範―軍極秘・海軍士官搭乗員テキスト」に「珊瑚海海戦以降、改三を使用」との記述があります。この記述が正しいとすると珊瑚海海戦で使用された魚雷は改三の可能性が出て来ますが、評者自身も改二の方が正しいと考えているので、この点の出典が明確になっていればと、悔やまれます。(恐らく、当時の搭乗員の証言を元に改二としていると思われます)

 次に「第二章 戦いの前哨 3祥鳳沈没」209P、日本海軍の航空母艦の耐久テストの記述で『空母は絶対に沈まないという海軍側の結論が出されている。「米軍の爆弾は瞬発性のものだから、飛行甲板は破壊されても艦体は大丈夫だ、というのがそのときの結論だった」(中略)だが、その非科学的な結論が実際とどういうちがいがあるのか、まもなく明らかにされて行くだろう。』と、あります。この「非科学的」という信管の認識は論議の余地があると思われますが、それ以上に「非科学的」といった以上は「科学的」に米軍の使用した爆弾(「パールハーバーの真実 技術戦争としての日米海戦 (PHP文庫)」に拠ると使用された爆弾は、海軍専用薄殻爆弾「マーク9」。500ポンドで総重量約222kg、炸薬146kgで、1000ポンドは総重量約464kg、炸薬332kg。この海軍専用薄殻爆弾「マーク9」ではなく1000ポンドGP爆弾が使用された説も有ります)の威力を示すべきだったでしょう。「日本海軍の爆弾―大西瀧治郎の合理主義精神 (光人社NF文庫)」に拠ると、日本海軍が使用した99式25番通常爆弾1型の91式炸薬が、約60kgであるとされています。つまり単純な炸薬量の比較で約2.4ないし約5.5倍の格差が生じており、日米間の爆弾威力の格差が、2もしくは5倍以上あると考えるのが適切でしょう。こういった点に言及しないと、何時までたってもアメリカのダメージコントロールが優れていたといった、ある種の神話が何時までも一人歩きしてしまいます。戦史研究に進歩を与える有効な機会を逸したのは、残念です。

 枝葉末節な点も言及すると、巻末に索引が無いため、本書の内容を確認しようと目を通す場合に、非常な苦労を強いられるのも本書の欠点の一つと言えるでしょう。

 幾つかの気になった点に言及しましたが、本書はその幾つかの点を補っても余りある価値のある本ですので、海戦に興味ある方には必読の本といえるでしょう。そのため、本書は星5つとさせていただきます。
 
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冒頭の写真は、ブログ「旧日本海軍・艦艇写真のデジタル着彩」さんの作品「航空母艦『瑞鳳型』 Zuiho class Aircraft Carrier.」より引用しました。
 
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